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白い僧院の殺人



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白い僧院の殺人の評価: 6.80/10点 レビュー 5件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.80pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全5件 1~5 1/1ページ
No.5:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

雪の密室〜トリックは足跡にあらず

辺りは雪一面、死体の第一発見者の足跡しかない、いわば雪上の密室。数多くある雪の密室の古典ミステリです。
現代のミステリ作品にも数多く影響を与えている雪上の密室という題材、私は足跡そのものにトリックが仕掛けられているのかと疑って読み進めました。金田一少年の事件簿や名探偵コナンにあるような、足跡に細工をするものが脳裏にあったからです。
ですが本作のトリックの主眼は実は足跡そのものになく、真相に驚きました。同じ題材を扱っていてもトリックが被らないように作家は苦心するので、おもしろいと思うと同時に、アイデアの被らないように作るのは大変だろうなと思いました。

本作も、『ユダの窓』同様、H.M卿が活躍する話です。H.M卿の甥視点でストーリーが進み、終盤に差し掛かったところでH.M卿登場、推理を披露するという流れです。
本作においても、翻訳物の欠点のためか、文章がわかりづらい箇所が多い印象でした。また、誰が話してるのか見失うことも多かったです。そのため話の全容は理解しづらかったですが、メイントリックになるほどと思いました。

本書を知ったきっかけが法月綸太郎氏の『雪密室』でした。本書の真相に触れてるため、未読の方はご注意くださいと但し書きされていて気になっていたので、ようやく『雪密室』の該当部分を読み直すことができました。
まだ2作とも読んでない方は、本書から読み始めるのをお勧めします。

bamboo
NU17PFML
No.4:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

読みにくい訳でした

面白くなかったです。

わたろう
0BCEGGR4
No.3:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

これは確かに傑作

H.M卿の元に訪れた甥のジェームズ・ベネットはハリウッド女優マーシャ・テートらが集う「白い僧院」と呼ばれる屋敷でクリスマスを過ごす事になったと告げる。その館の主、モーリス・ブーンの脚本がこのたび映画化されることになり、それを祝ってのパーティだった。
その三週間前にマーシャ・テートに毒入りチョコレートが贈られ、あわや毒殺されそうになるという事件が起きていたため、ベネットはこのパーティに不穏な空気を感じていた。
果たして彼が屋敷に着くと、昨晩から降り続いた雪が積もっている中に、別館に向かう足跡が一筋あるのに気付いた。別館の玄関の陰に立っていたモーリスの弟ジョン氏は、別館でマーシャが殺されていると告げた。死亡推定時刻は雪の止んだ午前3時15分なのに、そこには発見者であるジョン以外の足跡はなかった。この奇妙な謎にH.M卿が挑む。

どうして解らなかったんだろう!こんなに簡単な事だったとは。
カーの代表作としてあまりにも有名な本作。確かこの雪の足跡のトリックは数々の推理ゲームの本にも取り上げられていたと思うが、まんまと引っかかってしまった。

18章の最後の一行は靄の中を訳も解らず歩いていたら、すっと一筋の光が差し込んできた感じがして、思わず声を出して唸ってしまった。
そして今までキャサリンかルイーズかどちらか解らない女性が別館を訪れる件も整然と説明され、久々に本格の美しさを感じた。
犯人役は正直納得行かないが、それを補って余りあるロジックの美しさだ。これほどシンプルな内容を11人の登場人物で捏ね繰り回して複雑にするとは、カーは根っからドタバタ喜劇が好きなようだ。

しかし、やはり文章は読みにくい。しかしそれは訳文が悪いというよりもカーの文体それ自体が、回りくどく、しかも改行が少ない1ページ当たりの文字密度の濃さによるところが大きいように思った。上の要約文を書くのに、かなりの付箋を要したのがその証左だろう。

世にはびこる傑作・名作は数あるが、これは確かに傑作の部類に入る。カー最盛期の作品はやはり凄かったと今回認識を改めた。



▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.2:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

白い僧院の殺人の感想

「白い僧院の殺人」雪密室においてカーの前にカーはなく、カーのあとにカーはなし。文字通りカーの代表作のひとつにして、その後の数多の雪密室作品はこの作品をもとに書かれていると言っても過言ではありません。「白い密室」「スウェーデン館の謎」などと読み比べてみるのも面白いかもしれません。   

氣學師
S90TRJAH
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

足跡モノの名作

不可能犯罪の巨匠カーによる足跡モノの名作。
幻想的な雪景色にたたずむ館、そして密室。と魅力的なシチュエーションがたまらなかった。
読者のミスリードが上手く、トリックも盲点的でシンプルなのも良い。

Ariroba78
5M53WTS6

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