■スポンサードリンク


赤く微笑む春



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
赤く微笑む春 (ハヤカワ・ミステリ)

赤く微笑む春の評価: 7.00/10点 レビュー 2件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(7pt)

民話が生きている島のファンタジー

エーランド島四部作の第3作。3作品の中では最もファンタジー要素が強いミステリーである。
離婚後,エーランド島に引っ越して来て一人で暮らしているペールのもとに、性格が合わなくて疎遠になっていた父親から「迎えに来てくれ」と電話があった。認知症気味の様子に心配になって行ってみると、自分が経営する映画スタジオで腹に刺し傷を負っている父を発見。さらに、スタジオが放火で焼け,焼け跡から二つの焼死体が見つかった。派手好きの父は、ポルノ業界で成功し,悪名高かったのだが、その過去が引き起こした事件なのだろうか? 双子の子供の一人である娘が難病に苦しむ状況に父親として辛い思いをしながらも,警察の捜査とは別に、ペールが調べ始めると、忌まわしい過去が影を落としていた。
ペールのコテージの隣に豪華な別荘を建てて、流行作家の夫と遊びに来たヴェンデラはエーランド島出身で、島にはあまりよい思い出がなかった。かんしゃく持ちの夫との中は悪くなる一方で、ひっそりとエルフ(島に伝わる妖精)に様々な願いをかけるような日々だった。
あまり幸せな状態にはない二人の日常が重なり、島の民話の主役エルフとトロール(島に伝わる小鬼)が動き始めたとき,隠されていた過去が姿を現し,悲しい現実が明らかになる。
エルフやトロールなどの伝説の存在が現実に影響を及ぼすという点で、ファンタジー好きか嫌いかで評価が分かれる作品である(エルフやトロールがやったことも、実際には人間がやっていたのだが)。犯罪の動機などもいまいち納得しきれなくて,ミステリーとしては前2作品より低く評価するしかないが、シリーズとしてはぎりぎり合格点だろう。

iisan
927253Y1
No.1:
(7pt)

四部作の中では一番好き。

遠く離れた北欧の出来事なのに、すごく身近に思えてしまう。
これぞ文章力と翻訳の素晴らしさではないでしょうか。

「冬の灯台が語るとき」から読んでしまったので
もう一度刊行された順番で読みたい。(「黄昏に眠る秋」は省く)
魅力的な老人と、その娘たち。
老人を取り巻く人々の優しさ。強さ。
憧れるなあ~。

ももか
3UKDKR1P

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!