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赤く微笑む春
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赤く微笑む春の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.38pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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とても楽しかった。 しかし、これはミステリーなんだろうか、サスペンスなんだろうか? それともファンタジー? 敢えて四季のタイトルにする必要があったのは、キャッチーな惹きを作らないと、訳本売れないからねえ。 誰かが書いておられたが、それはねえ… | ||||
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エーランド島という聞いたこともないスエーデンの寒々しい島でのミステリ。 グーグルを開きながら楽しんだ。 行ってみたいかといえば、そうでもない。 作者の地元愛に乾杯 | ||||
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エーランド島シリーズの第三作である。 元漁船長イェルロフは80歳を超えて足腰が衰えているが知恵は健在で、ミステリーの狂言回しを務めている。 物語はスウェーデンのかつてのポルノ産業をめぐる放火殺人事件をミステリーの縦糸にし、横糸に心に傷を負った人たちがエーランド島を舞台に織りなす人間模様が描かれていく。 やはり北の海に浮かぶエーランド島と打ち捨てられた石切場の荒涼とした情景が印象的であり、この場所を背景に妖精エルフやトロールのイメージが効果的に用いられている。 味わい深い佳作と言える。 それにしても邦訳の陳腐な表題はいかがなものか。 スウェーデン語の原題は「血の岩」で、ドイツ語訳はBlutsteinで直訳である。英訳のThe Quarry(石切場)ならまだいいが、原題のままでもよかったのではないか。 | ||||
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このシリーズのファンです。 老眼が激しいので眼鏡をかけても行間の狭さがアダとなり書籍を読むのが辛いのです。 何故最終章の4冊目が先にkindle化? 順を追って読みたいので早くこちらをkindle化してくださ~い! 出版社にお願いです。よろしく頼みます~。 | ||||
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前半、いくつかの柱が立てられる場面では、人物の関係図を書いて照らし合わせながら読みました。後半は閉じられなくなり一気に。待ち焦がれていた春の訪れですが、雪解けのエーランドには、美しい風景だけでなく、隠されていた過去の記憶や悍ましい出来事が姿を現してきます。エルフとトロールの仕業だと思われていたことが、本当は人間が犯した悲しい罪だった…。老いた名探偵の言葉 「この世界の何もかもを知る必要はない」 重い過去から抜け出して明るい日差しの方へと一歩を踏み出すための、彼なりの知恵と寛容さ(あきらめも含めて)が心に響きます。 | ||||
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北欧ミステリはやはり秋、冬のほうがよく似合う。 小雪が降り始める秋。極寒でブリザード吹き荒れる冬。 スウェーデン、エーランド島に住む人々を描くヨハン・テオリンの重厚なミステリ第三作である。 第一作「黄昏に眠る秋」(英国推理作家協会賞受賞)では80歳をすぎたイエルロフ元船長と、行方不明になっている息子を今も捜す彼の娘ユリアから物語は始まり、現在と過去のイエルロフをとりまく人々とスウェーデンの歴史を見事な構成で醸成させた作品であった。 第二作「冬の灯台が語るとき」(同賞受賞)でもうなぎ岬とよばれる灯台近くの古い屋敷に越してきた、ヨアキム一家をめぐる複雑な一族の物語と怪異現象の不気味な雰囲気を見事に融合させ、終盤ではイエルロフたちが大ブリザードにまきこまれ、瀕死の状況に追い込まれるダイナミズムにあふれた傑作であった。 そして本作。イエルロフは<3月の終わりのこの日>娘ユリアのすすめで高齢者ホームを出、生まれ育った海岸沿いの村へ帰ってきた。こんな石切り場の近くにも新しい家が建ち、新参者が住み始めていた。 コテージに住み始めたペール・メルネルは難病の娘をかかえ、作家マックス・ラーションの妻ヴェンデラは、あやうい精神状態を隠して夫に服従するかのように生活している。 ある日ペール・メルネルのもとに、父ジェリーから電話がかかる。別荘へ来いというのだ。その場所で彼が見たものは<燃えるベッド、煙に包まれた死体。それに女性の怯えた悲鳴>父ジェリーは傷をおいながらも助かるが<片手に高価な時計をふたつ、彼はなにをして金を稼いだのか> 物語はさらに錯綜していく。フラッシュバックでヴェンデラ・ラーションの暗い過去が語られ、イエルロフは亡き妻の日記を読み始める。それと前後してペールの父ジェリーの隠された秘密の過去が暴かれ、さらに彼に関係した人間たちの正体が白日のもとに晒されるとき読者は気付かされる。誰もが弱さをもち、痛い傷を負い、激しい不安の中で生きていることを。事実は交錯しながら深く埋め込まれた謎があきらかになる。 終盤、静かではあるが春の<うなじに暖かさとそよ風を感じながら日射しの中に立っていた>でドラマが幕を閉じるときヨハン・テオリンの紡ぎだす物語は、前二作に比べダイナミックさには欠けるものの、やっぱり良質の小説を読むという醍醐味を存分に味あわせてくれるのだ。 訳者あとがきにある「ノンシリーズ」「短篇集」もぜひ訳出されることを乞い願う。 | ||||
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なんというタイトルでしょう。 日本語として、コレってどぉ〜ですか、みなさん?! そう思って読みはじめましたら、なかなかディープな人間模様があらわれて、読みごたえありました。 過去と現在がフラッシュバックして、登場人物たちの悲惨な半生が心に沁みます。 が、せっかくの淡々とした誠実なストーリー運びの終盤が、アッとびっくりなアクションばりばりクライマックスになってしまって、サービス過剰というか、「このくらい書かないと現代の読者にはウケませんよ!」とか編集者に言われちゃったのかしら、なんてちょっと醒めてしまいました。 派手なドンパチやカーアクションは必要ないのに。 隠ぺいしたいモノの深刻さの度合いもなんだかたいしたことなくて、犯人があそこまでやるほどかっ!? と感じてしまったのも事実(笑)。 でも、シリーズ3作の中では最高傑作だと思います。 4作目が楽しみです。 | ||||
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エーランド島シリーズ第三作目。この作品も前二作と同様に過去と現在を交錯させていく手法で淡々とゆっくりと語られていく。季節は春だけれども暖かな兆しがあるのではなくどこか不安感をもたらす靄が漂う感じの作品です。 過去に苦しめられている男女二人を中心に家族というものが描かれていきます。一作目『黄昏に眠る秋』で亡くなった石工エルンストの親戚でそのコテージに引っ越してきた男性のペールは父ジェリーに過去も現在も振り回され、また娘の原因不明の病気への心配にも苦しんでいる。そしてエーランド島出身のヴァンデラは哀しい過去を背負っておりまた威圧的な旦那との折り合いが少しづつつかなくなっており精神的に不安定。 二人の視点で家族が描かれそこに探偵役のイェルロフが絡んでいく重層的な物語。今回も伝承が絡むので物悲しい幻想的な雰囲気が宿る。境界線がほんの少し曖昧なこの世界観が好きです。地味ではあるけど深い味わいがある。 | ||||
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