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冬の灯台が語るとき



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冬の灯台が語るときの評価: 7.25/10点 レビュー 4件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.25pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

北欧ミステリもいろいろあると

最近盛んに出版される北欧ミステリですが、一般的な火付け役としては「ミレニアム」三部作でしょう。 それ以前に「笑う警官」やヘニング・マンケル、そして「湿地」「緑衣の女」などが最近の高評価作品となっています。
そしてこの本の著者も北欧ミステリを読むなら外せない作家と云われています。 スウェーデンのエーランド島という島を舞台にした物語で、不穏な雰囲気が覆う島の歴史と自然そのものの気候風土の島で起きる事件を描いています。
ただクライマックスまでは展開が緩やかなので中には途中で退屈して本を閉じてしまう人がいるかも知れません。警官も新人の女性警官が事件を追うという設定で、日本のハードな警察物を読み慣れていて事件捜査とは
このようにして行うものとだと言った物差しで見ると警察の動きがのんびりしたものと感じてしまうでしょう。
しかし、国が違えばそういったことは当然です。この国の、この島の厳しい自然の中で暮らす人たちの生活を理解しなければいけません。
双子の灯台があるところから海に落ち妻のカトリンが亡くなったと知らせを受けたヨアキム。 事故か自殺か。ときおり挟まれるある女性の書いた物語。考えることが好きな老人の推理。すべてが繋がっていく物語。
スピリチュアルな出来事をどう捉えるかそれは読者の自由。しかし、すべてこの島の物語と云える。読後感の良い最後のエピソード。人はみな運命とともに生き思い出と幽霊になる。
中盤までの緩やかさとは打って変わって、クライマックスに向かうスリリングさは手に汗握る展開で予測がつきません。激しいブリザードという自然の猛威のなか吸い寄せられるかのように一か所に集まる主要な人物たち。
明らかになる意外な真相。隠された事実がじわじわと明らかになる過程。そこを楽しむのがこのミステリの正しい読み方でしょう。読ませる作家だと認識しました。
こちらが抱く愉快ではない想像を裏切って意外な犯人もちゃんと用意されていました。いろいろなエピソードのなかにも伏線はちゃんと張られていますしこういったスタイルのミステリも楽しいです。

ニコラス刑事
25MT9OHA

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