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(短編集)

妖魔の森の家



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【この小説が収録されている参考書籍】
妖魔の森の家 (創元推理文庫―カー短編全集 (118‐2))

妖魔の森の家の評価: 6.67/10点 レビュー 3件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.67pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全3件 1~3 1/1ページ
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

妖魔の森の家の感想


▼以下、ネタバレ感想

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松千代
5ZZMYCZT
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

表題作は必読

東京創元社によるカーの第2短編集。日本独自に編まれた短編集だが、本書は各編メリハリがあって好きな方である。

なんと云っても本書は表題作に尽きる。カーの中でも傑作の部類に入る短編だ。20年前神隠しにあったかのように一週間少女が失踪した事件の元となった妖魔の森の家と云われるバンガローに再びその少女がその家に入るといつの間にか姿を消していた。しかも家には鍵がかかっており、周囲はHM卿も含め、ずっと見張られていたのだ。しかも誰も出て行ったものもいないという、扱われるモチーフはカーが得意とする密室物。しかも妖魔の家なる怪奇色も施してぬかりがない。そしてそれを実にすっきりと解き明かす論理はカーにしては(?)非常に整然としており、カーの作品の最たる特徴が出た作品だ。だからこれに比べるともう1つの密室物である「ある密室」がやや強引さが目立ち、やや劣る。
その他収録されている作品のうち、「軽率だった夜盗」は数年後読むことになる『仮面荘の怪事件』の原版となる短編だし、「第三の銃弾」は逆に長編であった原版を省略したカット版で、数年後早川書房から完全版が出版された。
残りの1編「赤いカツラの手がかり」は着想が面白く、あまりのバカバカしさに苦笑を禁じえないが、後の『帽子収集狂事件』に繋がるユーモアがあり、結構好きな方である。

以上、不完全版が2編収録されているが、読んだ当時はそんなことは知らないので気にならず、むしろヴァラエティに富んだ短編集だという印象が残った。しかし本を手にとって浮かぶのはやはり表題作が醸し出す雰囲気。本書はこの1編を読むだけでも価値がある作品集と云えるだろう。

Tetchy
WHOKS60S
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

妖魔の森の家の感想

カーの短篇集。
他のレビューにも多く見られる通り私も表題作が一番良かったと思います。
衆人環視の中での人間消失。
大胆というか露骨というか、そんなヒント(伏線というよりヒント、しかも決定的ヒントと言った方がいいかも)が鼻先にぶら下げられていたにも関わらず、読後「何故気付かなかったんだろう」と自分自身に失笑してしまいました。
ただどうやら自分だけでは無かったみたいで・・・だったらやはりこれは作者のミスリードが如何に巧みかを証明している事になりますね。
しかもたかが50ページ程度の作品の中でそれをやってしまうのですから凄いですね。
知らず知らずの内というか無意識の内というか当たり前のように◯◯ダニットに誘導されていました。

しかしこの作品に「白眉」という表現を使ってまで絶賛する事に抵抗を感じてしまうのは、やはりそのトリックのせいですね。
まぁパズルなんですが、(上手く表現できないのですが)「血の通っていない」パズル。
まず不可能と思わせる謎が提示され、それに対して合理的解決をしているつもりなのでしょうが、ぎりぎり辻褄だけは合っているだけっていう感じ。わかりやすく言うと「無理がある」
残りの4作品はそれが顕著です。バカミスじゃねぇかってのもありました。
他の作品が表題作の星を2つ削ってこの評価。

「好きな人はたまらなく好き、好きじゃない人は最早嫌い」
よく見かけるカーに対する評価ですが、何となく分かってきた感じです。

梁山泊
MTNH2G0O

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