イングランドの一寒村にあるゴルフ場でプレイ中の四人組は、推理談義に花を咲かせていた。

乳呑み児をかかえた家来と出奔した妹を斬るために遠国まで追っていった兄は、みじめな境遇におちながらも小さな幸福にすがって生きる妹一家と出会う。

2019年は開高健、没後30年。 ヴェトナムで実際に地獄を見た著者が描く、戦場文学の到達点。

五人の人物が全員消失するという、アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』に先んじたような、実に例のない作品「古書の呪い」を初め、「ブルー氏の追跡」「とけない問題」と、「緑の人」など、いずれもチェスタトン特有のユーモアと、逆説にあふれた粒よりの傑作ぞろ

独断で死を賭した作戦を決行するマルコ

海ぞいの断崖の木にぶらさがり揺れていた少女の死体を乗せて闇の中を走る救急車が遭遇する不思議な恐怖を描く表題作ほか、ＳＦの詩人が贈る、とっておきの21編。

戦後の日本を牛耳ってきた男・槐島佐吉が自らの死で贖わざるを得なかった赤い国との密約とは?戦慄すべき密約の正体を知る男の救出を時宗首相から頼まれた仙石らは択捉へ…。

部屋住みの若侍堀源次郎には、ひそかに心を寄せる娘がいた。散歩のたびに目顔で挨拶をかわす、坂下の家の娘である。

夫を日本に残し参加したヨーロッパツアー。最初の目的地パリで一行と別れた野木泰子は、一人カイロへと向う。

銀座の一流画廊に画を売込みに来た女流新人画家降田良子。

酒場を訪れた青年は、おもむろに身の上話を切りだした。「おれがまだ小さな娘だったころ―」。

ミステリーマニアの組織の例会が、会長の経営するホテルで開かれた。

印刷業者とぐるになって、完璧なニセ札造りに成功した桧山賢二と石渡謙吉のふたりは、ニセ札造りが事業として成立することを確信。

警備会社に再就職した宮地礼介以下4名の中年男は、社命で秩父の山荘に住む老人と孫娘の護衛をすることとなった。

捜査に行づまると訪れる妙法寺碁を打ちながら禅問答が、見事犯人をいいあてる。殺し担当の刑事が舌を捲く、生ぐさ和尚の名推理。

内田洋一を乗せたヨットは、11カ月間の単独無寄港世界一周を終え、油壺に凱旋した。

ロンドンの貴金属商の金庫から、ダイヤモンドの原石が盗み出された。現場に落ちていた紙には血染めの指紋が残されていた。

エリカの後輩・かおるの祖父の死体が病院から盗まれた。親友の千代子、みどりとともに、謎の解明に乗り出すエリカ。

大吉田藩七十万石の正嫡順二郎は、四歳の時、側室一派の陰謀によって廃嫡され、国許で幽閉同然の生活を送る。

自らナポレオンの生まれ変りと信じ切っている男、はたまたナポレオンの遺品を完璧にそろえたいコレクター。

1970年の夏、海辺の街に帰省した〈僕〉は、友人の〈鼠〉とビールを飲み、介抱した女の子と親しくなって、退屈な時を送る。

親不知海岸で若い女性の死体が発見された。被害者は一刀夕子。

なんとも不思議な形をしたある「もの」。

ガソリンの危険性を除くという化学的大発見の実用化が進められていた。

時代ものの小説を書いていると、とかく筆が江戸期にむかい、 またその時代を小説にするのが一番面白い。