労働争議に揺れる東和紡績の常務令嬢敦子と、労働組合副委員長の鳴海は恋人同士。

毎週金曜の夜、刑事のデイビッドは妻を連れ、ブロンクスの実家へママを訪れる。

ウェールズ地方の牧歌的な農園で勃発した、奇怪な事件。二転三転する謎に挑む、チャッキー警部。

風が吹き荒さぶ中、闇を裂いてトラックがやってきた。運転する商人は葡萄酒を運んでいると主張する。

ロジャー・シェリンガムが創設した「犯罪研究会」の面面は、迷宮入り寸前の難事件に挑むことになった。

湯田真壁という珍しい名前の男が熱海の旅館で殺された。

東京・目黒の喫茶店で中年セールスマンが毒殺された。

早朝の鳥取砂丘に突き出た“足”。マネキンかと思われたその足は女性のものだった。

<おまえは殺されるのだ>素人演劇の公演を前に、三人の出演者に不気味な死の予告状が届く。これは単なる嫌がらせか。

大正歌壇の寵児・苑田岳葉。二度の心中未遂事件で、二人の女を死に迫いやり、その情死行を歌に遺して自害した天才歌人。

長編に劣らず短編においてもカーは数々の名作を書いているが、中でも「妖魔の森の家」一編は、彼の全作品を通じての白眉ともいうべき傑作である。

秋田市内の公園で男性の絞殺死体が発見された。被害者は東京の印刷会社勤務のサラリーマン。

「あの女が…いた…」そう言って、デパートのエレベーターの中で男が死んだ。手がかりは、落ちていた名刺とこの言葉だけ。

脅迫電話に呼び出された医師とその娘婿が、白衣を着せられ、首に針金を巻きつけられた奇妙な姿で遺体となって発見された。

鮎川哲也の戦後本格の出発点となった里程標的名作。綿密な校訂と著者の加筆訂正による決定版。

時は明治末期。政府重鎮の妻君・但馬夕とその家の書生・御萩慎之介との情死事件は起きた。

ごく普通のありきたりな家庭。夫がいて娘がいて、いたって平凡な日常―のはずだった。

幻想的な童話と血腥い殺人。被害者は傷害致死で服役し、仮釈放されたばかりだった。

ミステリーに殉じた作家を敬愛する4人による驚嘆のアンソロジー。巧緻に練られた万華鏡のごとき謎、また謎。

交通事故で男としての機能を失った女子短大の助教授。妻は、そんな「わたし」を裏切り、密通の末に愛人と死んでしまった。

『スペイン階段』のリヴァイヴァル上映を観た帰り道、サリーは一台の車があとをつけてくるのに気がついた。

衆人監視の白木の箱の中から突如消えた“人形の首”。

九十歳にして書下ろした最後の長編『人形が死んだ夜』、六十年前に書かれた処女長編『天狗の面』。

二人は学生同士の恋人だった。女は妊娠しており、男は結婚を迫られていた。

千草検事は、懐かしい友・坂口秋男の来訪をうけた。「警察署長を紹介してほしい」彼の妻が失踪したというのだ。

大手薬品メーカー社長宅の庭で、お手伝いが強姦・絞殺された。容疑者として医大教授・久保伸也の名が挙がり、犯行を自供する。

自殺した砂上彩子の遺書には、死を誘う歌として世間を賑わした「天国は遠すぎる」の歌詞があった。

大資産家の妻を目指して、知性と打算の見事な結晶の手紙を送ったドイツ人女性ヒルデガルト。

ある雨の午後、温泉地に旅行に来ていた小学生・俊が写生の最中に轢き逃げされて死亡した。

評論家・真木英介が小諸駅頭から姿を消した。

妻と喧嘩し、あてもなく街をさまよっていた男は、風変りな帽子をかぶった見ず知らずの女に出会う。

女の名はフィービ・ウィチャリー。二十一歳。

一人めの被害者は、芸能人のミッキー中野こと秋葉原好一だった!彼は東京・中野区の公園に置かれたベンチに座っているところを、拳銃で撃ち抜かれて息絶えていた。

この物語に、たとえ彼や彼女が登場しようとも、背後の主役は“穴”である。

鮎川哲也の作品「死者を笞打て」に盗作の嫌疑がかかる。十年前に謎の女流作家が書いた作品そっくり、というのだ。

倦怠と悔恨の中に結婚生活を送っている世の男性諸氏に伝授する、手軽で確実な解決法「離婚学入門」、推理小説ファンであるあなたに、最後の密室をお目にかけたい「密室学入門」―名手が贈る軽妙な連作『粋理学入門』、中編代表作「判事よ自らを裁け」等、巨星の傑作中短編を収

『11枚のとらんぷ』を筆頭に、『乱れからくり』等数々の名作でわが国推理文壇に不動の地位を築いた泡坂妻夫が、この一作をもってデビューを飾った記念すべき作品―それが本書冒頭に収めた「DL2号機事件」である。

奇術ショウの仕掛けから出てくるはずの女性が姿を消し、マンションの自室で撲殺死体となって発見される。

ホラー小説マニアとしても名高い三津田信三が、「本当にぞっとした話」を厳選。

二代目教祖の継承問題で揺れる巨大な宗教団体“惟霊講会”。

奇妙な文様が刻まれている魔偶――土偶の骨董――は、所有する者に福と禍をもたらすという……。

画家・泉弘人が、妻・道江の後を追って自殺。

精神の均衡を欠いている、としか思えない少女が、当代きっての人気推理作家を言葉巧みに誘い、自宅に監禁した。

野村絹枝の背中に蠢く大蛇の刺青。

『黒面の狐』事件後、海運の要から戦後復興の礎となろうと灯台守になった物理波矢多は、二十年の時をまたぐ怪奇事件に巻き込まれる。

完璧な写実性で注目された画家の絵の中に見出される数々の不思議――手の指が六本ある少女、針の間違っている時計、開けられないドアなどは何を意味するのか？　さらに一夜にして忽然と消失した合掌造りの家、タクシーの後部座席に突然出現した死体……等々、ちょっとした不合

はたして、奇怪な殺人事件を解く鍵はどこにあるのか?雪深き北海道・月寒で瀕死の怪我人を助けた海里昭子。

売春婦殺害の疑いがある男に拉致監禁されてしまったコニー。

ある不穏な噂と少女の失踪が人々を変えた。封鎖された団地での二千人規模の暴動、監禁、そして殺人。

夕闇のせまるオックスフォード。なかなか来ないウッドストック行きのバスにしびれを切らして、二人の娘がヒッチハイクを始めた。

井の頭公園に隣接する植物園で、音響機器のエンジニアとバレリーナの惨殺死体が発見された。

衆人環視の浜辺で女性が絞殺された。目撃者は皆無で証拠も波に洗われ、被害者の身元さえつかめない。

殺人を告白して死んだ推理作家のアリバイとは!? 新米刑事が思わず通う、鮮やかすぎる謎解き―― 時を戻すことができました。

落水周吉と茨城辰二は、掘り出し物の中古品も商うレコード店を共同経営している。

長身で二枚目、行動は些か心許ないが、虫や雲を撮ることにかけては右に出る者のない実力派カメラマン、亜愛一郎。

ドーセットの寒村シェンステッドに、死と暴力が不穏な空気をもたらしていた。