長谷川初実（ハツ）は、陸上部に所属する高校1年生。

同情は美しい? それとも卑しい? 優しくたって、美人だって、幸せになるのは一苦労。第6回大江健三郎賞受賞作。

学校生活&受験勉強からドロップアウトすることを決めた高校生、朝子。

幼い頃からチャイルドモデルをしていた美しく健やかな少女・夕子。

“対男用”のモテ服好みなOL早希と、豪華な衣装部屋をもつ人気タレントのだりあは、幼稚園以来の幼なじみ。

結婚という言葉を使わずに、言いたいことを言うのは難しい。

華やかでモテる女子高生・愛が惹かれた相手は、哀しい眼をした地味男子。

36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。

娘の緑子を連れて大阪から上京してきた、「わたし」の姉でありホステスの巻子。

第153回芥川賞受賞作 「早う死にたか」 毎日のようにぼやく祖父の願いをかなえてあげようと、 ともに暮らす孫の健斗は、ある計画を思いつく。

「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性が気になって仕方のない〈わたし〉は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう誘導し……。

「命をかけてた恋が、終わっちゃったの! 」失恋して自殺未遂したと噂される女友達。

二十一世紀終盤。かの震災の影響で原発が廃止され、ネオンの煌めく明るい街を知らないこの国を、新たな巨大地震が襲う。

黒田みつ子、もうすぐ33歳。一人で生きていくことに、なんの抵抗もない。

高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律に魅せられた外村は、念願の調律師として働き始める。

なんて小さな都だろう。 私はここが好きだけど、いつか旅立つときが来る――。

誰とも比べなくていい。

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。

一つ年上の幼馴染、千種と付き合う十七歳の遠馬は、父と父の女の琴子と暮らしていた。

伝えられなかった言葉。忘れられない後悔。

極端に臆病な幼い有里の初恋の相手は、文房具屋で買った銀のステッキだった。

いつになったら、私は自由になれるのだろう。恋愛小説の最高傑作。

世界大戦をきっかけに、人工授精が飛躍的に発達した、もう一つの日本(パラレルワールド)。

専業主婦の小夜子は、ベンチャー企業の女社長、葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始めるが…。

僕はこの世界に左足から登場した―。圷歩は、父の海外赴任先であるイランの病院で生を受けた。

高校一年の斉藤くんは、年上の主婦と週に何度かセックスしている。

等身大の女性を描く、第126回直木賞受賞作。

どうして恋に落ちたとき、人はそれを恋だと分かるのだろう。

「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う」。わたしは、人と言葉を交わしたりすることにさえ自信がもてない。

隣に座った女性は、よく行く図書館で見かけるあの人だった…。片道わずか15分のローカル線で起きる小さな奇跡の数々。

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。

『元気ですか?浮上したら漁火がきれいだったので送ります』彼からの2ヶ月ぶりのメールはそれだけだった。

強大な帝国・東乎瑠にのまれていく故郷を守るため、絶望的な戦いを繰り広げた戦士団“独角”。

塩が世界を埋め尽くす塩害の時代。塩は着々と街を飲み込み、社会を崩壊させようとしていた。

才能豊かなパティシエの気まぐれに奔走させられたり、犬のボランティアのために水商売のバイトをしたり、難民を保護し支援する国連機関で夫婦の愛のあり方に苦しんだり…。

江戸、四代将軍家綱の御代。ある「プロジェクト」が立ちあがった。

ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしようもなくひどかった―。ある日、学校で起きた陰惨な事件。

おしゃれして、好きなインテリアで部屋を飾って、(ブラックだけど)アパレル勤務 みきは憧れの〈女子的生活〉を謳歌していたが、ある日、マンションの部屋の前に不審な男が。

きっかけは「忘れられない本」。そこから始まったメールの交換。

婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。 その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。

暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルク空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの『ノルウェイの森』が流れ出した。

失恋ばかりの、私の体。私は彼のことが、本当に、好きだった。

わかば銀行から契約社員・梅澤梨花(41歳)が1億円を横領した。梨花は海外へ逃亡する。

“わたしたちは仲間です”―十四歳のある日、同級生からの苛めに耐える“僕”は、差出人不明の手紙を受け取る。

3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。

お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか。咬みません。

4月。桜祭りで開放された米軍横須賀基地。

私は冴えない大学3回生。バラ色のキャンパスライフを想像していたのに、現実はほど遠い。

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。

会社員の安藤は弟の潤也と二人で暮らしていた。

玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。

「自衛隊員の皆さんに恋愛や結婚の経験談を語ってもらいたいんです」。

とある県庁に生まれた新部署「おもてなし課」。

就職先を3カ月で辞めて以来、自堕落気侭に親の臑を齧って暮らす“甘ったれ”25歳が、母親の病を機に一念発起。

巨大な妄想力の持ち主。主人公のひねくれた学生生活が描かれた、笑撃のデビュー作。

7年前、25歳で死んでしまった一樹。