庭・池・電燈付二階屋。汽車駅・銭湯近接。

昔、英国人一家の別荘だった、今では荒れ放題の洋館。高い塀で囲まれた洋館の庭は、近所の子供たちにとって絶好の遊び場だ。

祖母が遺した古い家に女が四人、私たちは共同生活を始めた。糸を染め、機を織り、庭に生い茂る草が食卓にのる。

ようこは自分の部屋に戻り、箱を見た。

はじまりは、「ぬかどこ」だった。

コウコは、寝たきりに近いおばあちゃんの深夜のトイレ当番を引き受けることで熱帯魚を飼うのを許された。

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。

三十肩と鬱に悩まされている皮膚科学研究員の山幸彦は、ふたごの鍼灸師のすすめで祖先の地、椿宿に向かう。

『西の魔女が死んだ』でのデビューから現在まで、25年の作家人生を映し出すエッセイ集。森を歩き、鳥を観る。

「理解はできないが受け容れる」著者が学生時代を過ごした英国の下宿の女主人ウェスト夫人と住人たちとの騒動だらけで素敵な日々。

元ヤンキーの大和と小学生の息子・進の期間限定親子生活を描いた「ホリデー」シリーズ。

ある朝、いつものように登校すると、机のうえには分解されたたて笛が。しかも、一部品だけ持ち去られている。

こわがりなのに、大学の推理小説研究会に入ってしまった「僕」と、ミステリが大好きな中学生の「先生」が、身のまわりで起きるちょっとした「?」を解決していく“二葉と隼人の事件簿”シリーズの第2弾。

お馴染みの楓ヶ丘動物園の飼育員たち――大型哺乳類担当の僕(桃本)、げっ歯類担当の七森さん、ツンデレ獣医の鴇先生、そしてカルト的人気、爬虫類担当の変態・服部くん――が、動物たちにまつわる謎を解き明かす、人気ミステリーシリーズ最新刊!

きみはなぜ、まぶたを閉じて生きると決めたの―― 共に生きながら、今は遠く離れてしまった「わたし」と「ぼく」。

僕の先生は中学生！　ひょんなことから大学のミス研に入った恐がりな僕は、家庭教師の生徒である隼人くんから古今東西のミステリー作品の講義を受けることに。

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。

英都大学に入学したばかりの一九八八年四月、ある人とぶつかって落ちた一冊――中井英夫『虚無への供物』――が、僕、有栖川有栖の英都大学推理小説研究会(EMC)への入部のきっかけだった。

恩人の命令は、思いがけないものだった。 不当な理由で職場を解雇され、腹いせに罪を犯して逮捕された玲斗。

古書店『無窮堂』の若き当主、真

あの日、あんなことをしなければ…。心ならずも親友を裏切ってしまった中学生さくら。

時は元禄、東北の小藩の山村が、一夜にして壊滅した。隣り合い、いがみ合う二藩の思惑が交錯する地で起きた厄災。

家族や大切な人に会いたくなる、面白うてやがて涙ホロリの魂救済ストーリー この世とあの世の狭間の入日村で、迷える魂を救う仕事をしている、元タクシー運転手の速人と少女・彩葉。

小学四年生のぼくが住む郊外の町に突然ペンギンたちが現れた。

この不幸は、いつまで続くのだろうか―。平凡な結婚生活の先に待っていたのは、思いもよらぬ夫からの暴力だった。

中原道正・小夜子夫妻は一人娘を殺害した犯人に死刑判決が出た後、離婚した。

５２ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一頭だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。

婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。 その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。

強大な帝国・東乎瑠にのまれていく故郷を守るため、絶望的な戦いを繰り広げた戦士団“独角”。

最後にもう一つ、呪いをかけるね。

犬の最期を看取る「老犬ホーム」で働くことになった智美。

時を重ねて変わらぬ本への想い……《私》は作家の創作の謎を探り行く――。

ダメなところに味がある!おいしくてくせになる、絶品「肉」小説。 凡庸を嫌い、「上品」を好むデザイナーの僕。

零細工場の息子・山崎瑛(あきら)と大手海運会社東海郵船の御曹司・階堂彬(かいどうあきら)。

「みつ屋」以外にも目が届くようになってきた今日このごろ。

ニュースでかつての級友・岬洋介の名を聞いた鷹村亮は、当時起きた殺人事件のことを思い出す。

国の規制が増し監視ドローン飛び交う息苦しい社会で、負けじとタフに生きる母・姉・弟の入谷ファミリー。

スタッフの熱い想いを乗せ、構想4年をかけて、堂々たるTVアニメ化! 原作もアニメも楽しめるガイド。

巨大な妄想力の持ち主。主人公のひねくれた学生生活が描かれた、笑撃のデビュー作。

何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。

世界幻想文学大賞など4冠 「わたしの物語を書いて」と、死せる天使は言った。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。

氷野照明に勤める奈良瑛子が近所で見つけたのは、カフェ・ルーズという小さな喫茶店。

「人間の視点で物を考えないでください」動物オタクの天然系巡査・薄圭子のアニマル推理が大爆発!ペンギン、ヤギ、サル、ヨウム…現場に残されたペットの生態から、常識はずれの発想で真犯人をあぶり出す。

小学校一年生の時、結衣子の二歳上の姉・万佑子が失踪した。

東日本大震災を経て、刻々と変貌していく“東京”を舞台にした戯曲『エピタフ東京』を書きあぐねている“筆者K”は、吸血鬼だと名乗る吉屋と出会う。

「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが…。

もし絵馬の言葉が本当なら、私をあなたのお嫁さんにしてください―。きっかけは絵馬に書いた願い事だった。

「できることが目的じゃないよ。

藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。

「初めまして、お父さん」。

田中幸乃、30歳。元恋人の家に放火して妻と1歳の双子を殺めた罪で、彼女は死刑を宣告された。

メキシコで麻薬密売組織の抗争があり、組織を牛耳るカサソラ四兄弟のうち三人は殺された。

第37回横溝正史ミステリ大賞優秀賞受賞作! 戦慄のノワールサスペンス 26歳の守は生活保護受給者のもとを回るケースワーカー。

ある日を境に、女たちが、手から強力な電流を発する力を得る。

「横浜駅が急速に膨張している」と報告を受けたエキナカ在住医師・青目先生は、その原因が駅下層にある火山の噴火兆候ではないかと推測する。