衆人監視の白木の箱の中から突如消えた“人形の首”。

野村絹枝の背中に蠢く大蛇の刺青。

眉目秀麗、頭脳明晰、白面の貴公子。輝かしい形容に彩られた名探偵、神津恭介。

一月四日の夕刻、ジェームズ・アンズウェルは結婚の許しを乞うため恋人メアリの父親エイヴォリー・ヒュームを訪ね、書斎に通された。

次から次へと殺人を犯し、ニューヨークを震撼させた連続絞殺魔〈猫〉事件。

明晰な頭脳にものをいわせ、巧みに法の網の目をくぐる。ありとあらゆる手口で完全犯罪を繰り返す“天才的知能犯”鶴岡七郎。

奥州衣川で非業の死を遂げた源義経。モンゴル帝国を築いたジンギスカン。

“今宵、汝の娘は一人、水に浮かびて殺さるべし”紅霊教教祖の孫娘は、湯槽の中で血まみれとなって殺され、予言は的中する。

深夜の公園、デートを楽しむ男女の眼前に瀕死の女性が空から降って来た!「アクマ」と呟き、間もなく女性は死亡。

貴公子然とした容姿端麗の名探偵、神津恭介。世間にも名高き彼の下に、事件は絶えず舞い込む。

邪馬台国はどこにあったか?君臨した女王・卑弥呼とは何者か?この日本史最大の謎に、入院加療中の名探偵・神津恭介と友人の推理作家・松下研三が挑戦する。

富豪の一人娘が、別荘で不審な事故死を遂げる。

神津恭介を殺す―伊豆の郊外「懶惰の城」で隠遁生活を送る神津のもとに不穏な封書が!都内で発生した満員電車内の毒殺事件、衆人環視下のマンションでの死体消失事件、そして京都のホテルで起こった失踪事件と、相次ぐ怪事件への捜査協力を依頼された直後のことだった。

探偵小説を愛し、戦争中は仲間と犯人当てゲームに興じた安吾。

200万円でゲームブックの原作を、謎の企業イプシロン・プロジェクトに売却した上杉彰彦。

埼玉県と長野県の境近く、かつては個人の別荘であった寮「リラ荘」を、日本芸術大学の学生七名が訪れた。

東大在学中に司法試験に合格し、エリート検事の道を邁進する霧島三郎。

次々と興信所を訪れては、およそ事件とは思われない奇妙な依頼をしていく謎の女・平林貴子。

東京・目黒の喫茶店で中年セールスマンが毒殺された。

晩秋のパリ郊外。時ならぬ嵐で雷鳴が轟き、バルビゾン村の古びた小さなホテルで停電となった。

早朝の鳥取砂丘に突き出た“足”。マネキンかと思われたその足は女性のものだった。

以前、霧島三郎と妻・恭子の苦境を救った、恭子の親友・尾形悦子。

鮎川哲也の戦後本格の出発点となった里程標的名作。綿密な校訂と著者の加筆訂正による決定版。

染織工芸界の巨匠が破門中の弟子の恨みを買い、メッタ突きされて殺された。しかし、事件はいっこうに報じられない。

華やかな披露宴の席上、八百人もの出席者の眼前で新郎が刺殺された。

名古屋地検の検事・千鳥朱子は、秘めた関係にある服飾MD・郷原の誘いを断れず、飛騨へ旅に出かけた。

科学知識を駆使したミステリを描いた、日本SFの先駆者・海野十三。

英国史上最も悪名高い王、リチャード三世——彼は本当に残虐非道を尽した悪人だったのか？　退屈な入院生活を送るグラント警部はつれづれなるままに歴史書をひもとき、純粋に文献のみからリチャード王の素顔を推理する。

カウンター席だけの地下一階の店に客が三人。三谷敦彦教授と助手の早乙女静香、そして在野の研究家らしき宮田六郎。

競馬評論家・大友隆一が東北の牧場で銃殺された。ともに撃たれたのは、牧場長とサラブレッドの母子・モンパレットとパステル。

湯田真壁という珍しい名前の男が熱海の旅館で殺された。

労働争議に揺れる東和紡績の常務令嬢敦子と、労働組合副委員長の鳴海は恋人同士。

若い母親が死んだ真相と赤子の行方、フィルムに記録されていた驚くべき殺人手口、遅れて配達された年賀状に隠された犯罪…日本ミステリー界の至宝・幻の名コンビ岡嶋二人による傑作短編集。

秋田市内の公園で男性の絞殺死体が発見された。被害者は東京の印刷会社勤務のサラリーマン。

二件の殺人及び死体遺棄の罪に問われ、起訴された元俳優。弁護人・百谷泉一郎は、被告人の容疑を晴らすべく、検察と対峙する。

新雪に包まれた山中湖畔。

広告代理店で働くシングルマザーの千晶は、会議出席のため、喘息の発作が起きた子供を家に残して出社、死なせてしまう。

安い原料から、莫大な利益を生み出す砂糖。その魅惑的な甘い汁に、蟻のように吸いよせられる人間の群れ。

井の頭公園に隣接する植物園で、音響機器のエンジニアとバレリーナの惨殺死体が発見された。

もう耐えられない―画家の矢沢辰生は、異常なほど嫉妬深い妻の暴力に苦悩していた。ときには死の恐怖すら感じるほどだった。

福岡市の香椎海岸で発見された男女の死体。汚職事件渦中の某省課長補佐と愛人の心中と誰もが思ったが…。

ちょっとヘルシンキへ行くので留守を頼む―。そんな置き手紙を残し、御手洗潔は日本を去った。

検事を辞して弁護士に転身した佐方貞人のもとに殺人事件の弁護依頼が舞い込む。

一柳家の当主賢蔵の婚礼を終えた深夜、人々は悲鳴と琴の音を聞いた。新床に血まみれの新郎新婦。

無言の110番がかかってきた。現場へ急行すると、モリネシア領事館の通訳が殺されていた。

前任地での仕事の引継ぎに行って来るといったまま新婚一週間で失踪した夫、鵜原憲一のゆくえを求めて北陸の灰色の空の下を尋ね歩く禎子。

大和大学助教授の稲木は、バーのマダム啓子との情事の帰途、入試問題草案を紛失した。

割烹旅館で働く31歳の成沢民子は、脳軟化症で回復の見込みのない夫・寛次に縛られた暮しを若さの空費と考えていた。

白昼の銀行を舞台に、巧妙に仕組まれた三千万円の手形詐欺。

名門秋川学園大付属中学3年A組の生徒が次々殺された。犯人とされたのは作家・近内の息子の省吾。

深夜の雨の中、名神高速で自動車事故が起き、運転中の商事会社・社長は即死した。

ガレージや車が燃やされるなど17件続いた放火事件。

昭和初期の小倉。私鉄職員の“わたし”三輪は、陶器会社に勤める仲間、秋島、久間とともに詩を愛好していた。

新興宗教団体の教主が殺された。

兄の急死に不審を抱いた医学生・翔二は、元予備校講師・占部の協力を得て事件の真相を追う。

“私の事を、父は「ガラスの人形」だと呼んでいた。脆い、脆い、透き通ったガラスの人形だと。