友人とゲイパレードを見に来ていた青年、菱屋修介は、晴天の空にアポカリプティック・サウンドが響くのを聞き、天使が舞い降りるのを見た。

ぼくは、ぼく自身の戦争をどう終わらせたらいいのだろう―戦争が残した傷跡から回復できないアフリカの少年兵の姿を生々しく描き出した表題作をはじめ、盟友である芥川賞作家・円城塔が書き継ぐことを公表した『屍者の帝国』の冒頭部分、影響を受けた小島秀夫監督にオマージュ

9・11以降の、“テロとの戦い”は転機を迎えていた。

N大学理論物理研究所助手の野々村は、ある日、研究所の大泉教授とその友人・番匠谷教授から一つの砂時計を見せられる。

大学院生・栗栖川亜理は、最近不思議の国に迷い込んだアリスの夢ばかり見ている。

19世紀末―かのヴィクター・フランケンシュタインによるクリーチャー創造から約100年、その技術は全欧に拡散し、いまや「屍者」たちは労働用から軍事用まで幅広く活用されていた。

探偵の家に忍び込んだ男が出会ったのは、一人の泥棒少女。「私はあなたの妹ですよ。

ベストセラー『虐殺器官』の著者による“最後”のオリジナル作品。

警視庁との契約を解除されたユーリ・オズノフ元警部は、旧知のロシアン・マフィアと組んで武器密売に手を染めた。

女性だけの 自爆テロ集団が チェチェンより潜入。

“シュール”かつ“泥沼”のような状況を乾いた“ユーモア”とともにお届けする、異才の作家・平山夢明“最悪劇場”全四話。

暗号名ソリッド・スネーク。

オーバー・チューリング・クリーチャ(OTC)が現実宇宙の解像度を上げ、人類がこちら側へ退転してしばらく。

鼬族の惑星クォールの刑紀999年6月3日、国籍不明の2基の核弾頭ミサイルによって国際都市ククモが攻撃され、翌4日、無数の小型単座戦闘艇に乗ったオオカマキリを従えた文房具の殺戮部隊が天空から飛来した。

江戸川乱歩の造語である“奇妙な味”は、ミステリにもSFにも怪奇小説にも分類不能の、異様な読後感を残す小説を指す。

長く続いた戦争のため、放射能灰に汚染され廃墟と化した地球。生き残ったものの中には異星に安住の地を求めるものも多い。

玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。

相田と由宇は、出会わないほうが

浅草の一角で、町並みに溶け込むかのように佇む栗丸堂。最近店を継いだ若い主人の名は栗田仁という。

超情報化対策として、人造の脳葉〈電子葉〉の移植が義務化された2081年の日本・京都。

警視庁刑事部に配属となった若き刑事、大和。彼が足を踏み入れたのは刑事部捜査零課。

聖なる都市バンコクは、環境省の白シャツ隊隊長ジェイディーの失脚後、一触即発の状態にあった。

南極大陸に突如出現した超空間通路によって、地球への侵攻を開始した未知の異星体「ジャム」。

新鮮なアイディア、完全なプロット、意外な結末―三要素そろったショートショートの傑作。

永遠の愛をつかみたいと男は願った―。東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。

記憶や人格などの情報をコンピュータに“ダウンロード”することが可能となった21世紀なかば、ソフトウェア化された意識、“コピー”になった富豪たちは、コンピュータが止まらないかぎり死なない存在として、世界を支配していた。

異次元との接触現象〈涯て〉に侵食される地球。

ほかの星から流れ着いた〈妖精〉は従順で謙虚、ペットとしてたちまち普及した。

娘を惨殺され、失意の底に沈むエッセイスト草薙のもとに、かつての担当編集者から連絡が入る。小説を書かないか―。

現代社会崩壊後、陸地の大半が水没した未来世界。

北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。

魔術的な語りで読者を魅了する伝説の作家、シオドア・スタージョン。

天才短篇作家スタージョンの魔術的傑作選。

その病院は、火星の丘の斜面に、カバラの“生命の樹"を模した配置で建てられていた。

“バイバイ、地球――ここでアイドル活動できて楽しかったよ。

科学とは無縁の世界で育った青年はある日、月世界を目指して天空へと伸びる「天橋立」に向かう。

正直な話、読み返すたびに驚かされる。

記者のマーティンは、イランで歴史的な政権交代の場に居合わせ、技術が人々を解放する力を実感する。

北から南へ、そして南から北へ。

新妻恭子は妊娠5ケ月。夫を会社に送りだし、のんびり本を開く。

新たな呪いは――「変異」する。進化を続ける「貞子」、ノベライズで登場! 時は令和。

第17回『このミステリーがすごい! 』大賞・優秀賞受賞作です。

借金で首が回らなくなった勝は、強面を見込まれ、取り立て会社に身請けされる。

ボランティアで児童虐待の電話相談をしている秋生。

空港近くのホテル。人々の笑い声は、包丁を持った元ハウスキーパーの青年、香取純一の侵入で悲鳴に変わる。

ホットプルームによる海底隆起で多くの陸地が水没した25世紀。人類は未曾有の危機を辛くも乗り越えた。

知られざる、もう一つの物語。“6月の蛙男”が雨音の中やってくる。

「おまえは嫌われてる」。神戸新報県警担当記者・秋葉隼介は、たった一言で文化部に左遷され、将棋担当を命じられる。

時は19世紀と20世紀の変わり目、舞台はバルカン半島中央部に位置する架空の小国スキタイ=パンノニア=トランスバルカニア三重帝国。

聖遷暦1213年。偽りの平穏に満ちたエジプト。

「多重債務者」に「高額所得者」、「エステ会員」に「かもリスト」…。

精神医学研究所に勤める千葉敦子はノーベル賞級の研究者/サイコセラピスト。だが、彼女にはもうひとつの秘密の顔があった。

放浪の碁盤師・吉井利仙が、かつて棋士だったころの打ち回しに魅せられ、彼を先生と呼んで追いかけている若手囲碁棋士の愼。

38歳、秋。ある日、僕と同い歳の父親に出逢った。

家出少年のホーティがもぐりこんだのは、普通でない人間たちが集うカーニヴァル。団長のモネートルには奇妙な趣味があった。