世界には物語があふれている―直木賞作家が贈る、ちょっと不思議で懐かしい連作短篇集

癌で入院している会社の後輩。

歴史的大惨事となった脱線衝突事故から10年。このところ不可解な事件が相次いでいた。

市原玲人が光恵から託された写真に写っていたのは、顔が犬のような「狼人間」だった。忽然と姿を消した光恵。

彼岸と此岸をとりむすぶ直木賞作家の傑作小説。裕福な家を出て画家を志す青年、槇島風波。

昭和48年、小学校3年生の裕樹は県境に建つ虹ヶ本団地に越してきた。

物語はいつまでも終わらない―直木賞作家が綴る、切なくて心温まる連作短篇集。

仲良し4人組で作った秘密基地。誰も知らないその場所に、少年たちは毎日のように入り浸っていた。

兄妹と母さんが暮らす家に料理上手のモヒカン男がやってきた。

母と二人で大切にしてきた幼い妹が、ある日突然、大人びた言動を取り始める。

いっぺんしか願いを叶えない神様を探す少年とその友人の奇跡を描く感動の表題作「いっぺんさん」、田舎に帰った作家が海岸で出会った女の因縁話「磯幽霊」とその後日譚「磯幽霊・それから」、山奥の村で、ほのかに思いを寄せた女の子に起きた出来事「八十八姫」など、じんわり

母親と東京に住む小学生のハヤトは、同じ団地のトンダじいさんから「一生に一度のお願い」を頼まれる。

時代も場所もバラバラな世界を「箱庭」に見立てて、短編の妙手である直木賞作家が紡いだ、笑いあり、涙ありの少し不思議な連作小説集。

美しい容姿からは想像もつかないほどガサツな叔母の意外な秘密についての表題作、雨の日だけ他人の心の声が聞こえる少女を描く「雨つぶ通信」、西日暮里の奇妙な中華料理屋を巡る奇譚「カンカン軒怪異譚」など、『花まんま』『かたみ歌』の著者が、昭和の東京下町を舞台に紡ぐ

人間界に紛れ込んだフクロウの化身に出会ったら、同じ鳴き真似を返さないといけない―“都市伝説”に憑かれた男の狂気を描いたオール讀物推理小説新人賞受賞作「フクロウ男」をはじめ、親友を事故で失った少年が時間を巻き戻そうとする「昨日公園」など、人間の心の怖さ、哀し

大正三年、東京。画家を志して家を飛び出した槇島功次郎は、雪の無縁坂で、容姿端麗な青年画家・穂村江雪華と出会う。

姉さまが亡くなって、もう30年以上が過ぎました。

不思議なことが起きる、東京の下町アカシア商店街。

人や物の「記憶」を読み取れる不思議な力をもった姉・鈴音と、お転婆で姉想いの妹・ワッコ。

人の世はなんとおぞましく、美しいのだろう―。

ジュンは霊能力者シシィのもとで除霊のアシスタントをしている。仕事は霊魂を体内に受け入れること。

金ナシ職ナシ家族ナシ。

誰もが抱える水銀虫。彼らは人の心に寄生し、自殺へと導くのだ。

昭和40年代、太陽の歩みが今よりも遅くて、1日が十分に長かったあの頃。

故郷に住む高校時代の同級生・聡美から「あなたの幽霊を見た」と告げられた“ニーチェ女史”こと雑誌編集者・日枝真樹子。

オゾンホールの拡大を食い止めるために、女性科学者テレサが開発した化学物質ウェアジゾン。

人の心は、 鬼よりも不可思議で恐ろしい 恐怖、哀切、妖艶、感嘆―― 鬼にまつわる説話を大胆に脚色した、奇想と怪異の短編集。

派遣社員の瑠璃は男と別れたばかり。

ヒキコモリ支援センター代表のカウンセラー竺原丈吉(JJ)は、いつも度の入ったサングラスを掛けて場当たり的に喋る、実に胡散臭い男だった。

定職を持たない猿渡と小説家の伯爵は豆腐好きが縁で結びついたコンビ。

頑迷な男を襲う白昼夢。(「夕化粧」)人形作家の恐るべき新作。

天使へと解体される少女に、独白する書家の屍に、絵画を写す園に溺れゆく男たちに垣間見える風景への畏怖、至上の美。

さらば猿渡。少年の飼い猫は、見る者に運命を知らせる眼を持つ。

平安鎌倉の世を襲う、疫病、地震、そして戦争。 壊れゆく都で、若き日の鴨長明が見た、虚無と無常。

夜行の鉄仮面、瞬間移動する引ったくり、謎のチンドン屋…相棒は犯罪マニアの押しかけ美女。

志郎が新居に決めたアパートの前には、猫が集まる不思議な空き地があった。

黄昏の東京――。鞠谷雛子は、周防馨は、電柱の陰の、交差点の向こうの、ふとした廃墟の様相に“死者"を見る。

一九八〇年、吹奏楽部に入った僕は、管楽器の群れの中でコントラバスを弾きはじめた。ともに曲をつくり上げる喜びを味わった。

しんと静まった真夜中を旅する怪しい集団。

暑い日になぜか起こる奇怪なある出来事、風鈴の音が呼び覚ますもう一人のわたしの記憶、死んだはずの母が見えるわたし、病院から届いた友人のSOS、旧いブザーを押す招かざる客…。

私立ルピナス学園高等部に通う吾魚彩子は、あるときうっかり密室の謎を解いたばかりに、刑事の姉から殺人事件の推理を強要される。

「安全地区」に指定された仙台を取り締まる「平和警察」。

冷凍庫のなかの子供の屍体を見つめる初老の男。

大学4年生の高橋真矢は、映画研究会在籍の実力を買われ、アルバイトで民俗学者・布目准教授の助手となった。

北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。

直木賞作家の真骨頂! 笑って泣ける人間讃歌。

2011年、夏――ダム建設工事の掘削作業中に、縄文人男性と弥生人女性の人骨が同時に発見された。

結婚して数年。自分たちには子どもができないようだと気づいた歯科受付の敦美。

息子が小学六年の一年間「親父会」なる父親だけの集まりに参加することになった私。

想いがつらなり響く時、昨日と違う明日が待っている! 児童養護施設を舞台に繰り広げられるドラマティック長篇。

何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。

雷の季節に起こることは、誰にもわかりはしない―。

あの日、あんなことをしなければ…。心ならずも親友を裏切ってしまった中学生さくら。

中学3年の尾垣真が拾った中世ヨーロッパの古城のデッサン。

ここは女たちの地上の楽園?! シングルだけど、〝一人〟じゃない。

3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。