人間は空を飛べるはずだ、と日頃主張していた幻想画家が、四階にあるアトリエから奇声と共に姿を消した。

エジプト・ギザの大ピラミッドを原寸大で再現したピラミッドで起こる怪事。

嵐の夜、マンションの十一階から姿を消した男が、十三分後、走る電車に飛びこんで死ぬ。

さらし首の名所・暗闇坂にそそり立つ樹齢2000年の大楠。

虚栄の都・ハリウッドに血で爛れた顔の「怪物」が出没する。

失われた過去の記憶が浮かびあがり男は戦慄する。自分は本当に愛する妻子を殺したのか。

御手洗潔の過去・現在 貫き流れる音楽 次々と壊される便器と美女。

北海道の最北端・宗谷岬に傾いて建つ館―通称「斜め屋敷」。

進々堂。京都大学の裏に佇む老舗珈琲店に、世界一周の旅を終えた若き御手洗潔は、日々顔を出していた。

密室で殺された画家が遺した手記には、六人の処女の肉体から完璧な女=アゾートを創る計画が書かれていた。

切断した男女の死体が合成され両性具有者となって蘇る。窓の外には荒涼たる世界の終焉の光景が広がっているばかりだ。

御手洗潔が日本を去って1年半。

オリンピックで4つの金メダルを獲得した天才女性スウィマーが30年後、リスボンで拳銃自殺を遂げた同じ夜、彼女を破滅に追い込んだ医師が射殺された。

ニューヨーク、マンハッタン。高層アパートの一室で、死の床にある大女優が半世紀近く前の殺人を告白した。

箱根、富士屋ホテルに飾られていた一枚の写真。そこには1919年夏に突如芦ノ湖に現れた帝政ロシアの軍艦が写っていた。

石岡和己、犬坊里美、そして加納通子―。雪に閉ざされた龍臥亭に、八年前のあの事件の関係者が、再び集まった。

母親の自殺未遂の理由が知りたい―青年の相談に、御手洗潔はそれが悪徳金融業者からの巨額の借金であることを突き止める。

完全な密室で発見された残虐な刺殺体。周囲のぬかるみに足跡も残さず消えた犯人。

ミステリー作家の石岡は女子大生の里美に誘われて英会話学校に通い始めた。

東京都内の雑居ビルの放火事件で、若い男性ガードマンが焼死する。

自殺する理由がない男女が、次々と飛び降りる屋上がある。

瀬戸内の小島に、死体が次々と流れ着く。

記憶に障害を持つ男エゴン・マッカートが書いた物語。

浅草で浮浪者風の老人が、消費税12円を請求されたことに腹を立て、店の主婦をナイフで刺殺した。

鎌倉の自宅で、異様な姿で死んでいる男が発見された。白いシーツを体にぐるぐる巻き、ヘルメットとゴム手袋という重装備。

横浜・馬車道に事務所を移した御手洗潔と石岡は、ある老婦人の訪問を受ける。

大銀行の地下金庫から、トンネルを掘って金貨を盗み出そうとした「赤毛組合」事件。

ちょっとヘルシンキへ行くので留守を頼む―。そんな置き手紙を残し、御手洗潔は日本を去った。

英国に留学中の夏目漱石は、夜毎、亡霊の声に悩まされ、思い余って、シャーロック・ホームズの許を訪ねた。

アスペルガー症候群の子供たちを集めた学園から、少女が消えた。

吉敷竹史の元妻・加納通子は、「首なし男」に追われる幻影に悩まされていた。

もと消防署だった建物を購入した男は、施設の一部として残った「見張り塔」から、毎日写真を撮りつづけた。

映画俳優の大和田剛太の自宅に、差出人不明の郵便小包が届いた。なかから、塩漬けにされた剛太の右手首が…。

本格ミステリの金字塔『占星術殺人事件』での登場以来、難事件をいくつも解決し、相棒・石岡和己とともに、愛されてきた名探偵・御手洗潔。

『このミステリーがすごい!2005年版』第3位に選ばれ、第5回本格ミステリ大賞(評論・研究部門)を受賞した「幻の探偵小説作家」天城一の初作品集、待望の文庫化!「密室犯罪学教程 実践編」「密室犯罪学教程 理論編」「毒草/摩耶の場合」の三部構成で、独自の密室論

進化し続ける天才、最強の新作!! ボスニア・ヘルツェゴヴィナで、心臓以外の臓器をすべて他の事物に入れ替えられる、凄惨な切り裂き事件が起きた! MMORPG(オンライン・ゲーム)の闇を御手洗潔が暴く! 中世クロアチアの自治都市、ドゥブロブニク。

世界中で人気を博す、生きる伝説のバレリーナ・クレスパンが密室で殺された。

完全に施錠された家に現れたサンタ、殺されていた母親。鳥居の亡霊、猿時計の怪。

ネス湖畔の寒村ティモシーで、突如として発生した凄惨な連続バラバラ殺人。

収録作品 御手洗潔の挨拶 ひらけ! 勝鬨橋 灰の迷宮 毒を売る女 月報 対談 島田荘司・戸川安宣 『本格ミステリー未来への架け橋』 本格ミステリー作家の登竜門となった鮎川哲也賞の選考などで共に新人発掘に尽力した二人による、「本格」の今までとこれからを語り

フランス有数の頭脳、スタンガースン博士の住まうグランディエ城の離れで、惨劇は起きた。

密室状態のホテルの一室から女性が蒸発した。それはあたかも透明人間の仕業のように…。

東京郊外の高級住宅が並ぶ丘の上を毎日観察する老人の狙いは何か? また都心のデパートや地下街に出没するピエロの正体は? そして江戸川乱歩の古い写真を持つ老女の素顔とは? 現代の東京に表出した奇妙な出来事はやがて四十年前の雪の北海道で起きた惨事の謎解きに結集す

プロ野球のスター・プレーヤーの子供が誘拐された。身代金一千万円。

双眼鏡で覗きをしていた男が、豪華マンションの浴室で顔の皮をはがされた若い女の死体を発見!だが、割り出された死亡推定時刻に彼女は、「はやぶさ」に乗っていた。

幽体離脱殺人事件 見えない女 奇想、天を動かす 羽衣伝説の記憶 月報 対談 島田荘司・岡崎宏司 『バブル景気とレーシングカー・EV』 今回の収録作品の頃はミステリー小説以外に自動車関連の取材やエッセイが増えてきた時期。

「6人の処女の肉体から、星座に合わせた新しい人体を合成せよ」 ひとりの画家の衝撃的な遺書の発見。

臆病で生真面目だけど、十一歳のごく普通の少年・田之上翔太。

1985年4月、国鉄が誇る〈水晶特急〉が、上野から酒田まで、マスコミ関係者を乗せて処女旅行に出発した。

映画版とは男女が逆転したオリジナル・ストーリー 事故で記憶を失った糸永遥は不安と焦燥でうつ病を発症。

流れ歩く村(ヤイケㇱテコタン)に伝わる鬼の婚礼、変身婚(ヤイカラ・ウコㇾ)とは――。

衆人環視の総社神道宮の境内に、忽然と現れて消えた一体の腐乱死体。

警視庁捜査1課の吉敷竹史は、ふと入った画廊で作者のない“羽衣伝説”と題された彫金を目にした。

警視庁捜査一課の吉敷竹史は美術展で一枚の日本画に惹きつけられた。

過去は変えられないが、未来は変えられる―― 鎌倉に春一番が吹いた日、一台の快速電車が脱線し、多くの死傷者が出てしまう。