利腕
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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
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評判
利腕の評価:
6.00/10点 レビュー 2件。 B ランク
利腕の総合評価:
8.70/10点 レビュー 23件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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「大穴」と「利腕」は、ひとつの前後編と見たほうが良く、この「利腕」だけ先に読むのはあまりお勧めしない。シッド・ハーレーというこの「利腕」では優れた探偵になっている元チャンピオン・ジョッキーを通して、ディック・フランシスが描いた、男の強さと弱さを味わうには、「大穴」を読んでいないと、十分ではないと思うからだ。
本作でシリーズ2度目の登場を果たす主人公シッド・ハーレーは、「大穴」のときより自信と経験と余裕のある探偵として読者の前に現れる。降りかかる身の危険を機転と運の良さで切り抜けていく展開は、じつに見事なもの。一方で、元妻のトラブルを解決しようと動くときの情けない感じは、これまたディック・フランシスならではの描き方だと思う。
これまでの競馬シリーズの主人公と同様、この「利腕」でも、シッド・ハーレーは屈辱感にまみれ、自己尊厳を喪失しかける。だが、そこからの復活と「10倍返し」がいつも通り素晴らしい。そして、ただの爽快感で終わらず、男として、もう一皮むける成長物語になっているところも、この作品を最高傑作の地位に至らしめていると思う。
元妻の父との不思議な友情、相棒チコ・バーンズとの会話、元妻とのやり取りすべてが、人間らしくて私は好きだ。とくにラスト近くで、元妻に心の中で掛ける言葉が、読後も胸の内に響く。
イギリスの障害競馬になんか興味ないと言わず、手に取ってほしい小説だ。