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マッチマッチ さんのレビュー一覧
マッチマッチさんのページへレビュー数312件
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これは面白いですね!
650Pほどの厚さですが、久しぶりに寝るのを忘れて、一気読みしてしまいました。 10年前、河川敷で発見された2件の絞殺女性死体。未解決のまま、再び同じ河川敷で連続して2件の女性死体が見つかる。そして浮かび上がる3人の容疑者。 大筋はどこにでもある普通の犯罪小説なのだが、とにかくこの小説はテンポよく読ませてくれる。そして、犯罪小説にありがちな重さや陰鬱さは一切無い。 それどころか、読んでいて思わず読者を笑わせるギャグも散りばめられている。 このギャグのポイントが、刑事・容疑者以外の登場人物、すなわち10年前の被害者の父親、新人新聞記者、犯罪心理学者なんですね。 特に被害者の父親のキャラは特筆ものです。絞殺された娘を想う父親の哀しい行動ですが、その無茶で妙に滑稽な行動、そしてその妻との対比、これがギャグとして読者を笑わせてくれる。 記者と父親の関わり、また記者と犯罪神学者とのやり取り、ここにも傍から見た人間の滑稽な一面を感じさせる。この辺りの心理描写が実に面白く絶妙ですね。 まさに犯罪小説の名を冠した群像小説で、単なる「犯人探しの謎解き小説』ではありません。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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好みが別れる作品ですね。
ファンタジー小説のような設定で物語は始まりましたが、中盤までは本格的な謎解き小説です。 よって、当方には少々退屈な流れですね。読むのが少し面倒でした。 ただ、中盤以降の「毒スープ」·「囚人脱獄」.「デーン人来襲」辺りからテンポが良くなって、一気に面白くなってきます。そして、終盤はお決まりの謎解き解明。そこで驚くような真実が明らかにされる。 この終局は、かなり説得力があって納得出来ました。面白かったです。 あとは評価のポイントだけど、これは冒頭で書いたように、もう好みだけの問題ですね。 とにかくリアルに拘るなら、そもそも高評価は望めない。 ということで、当方はアマゾン評価の平均点ということで、サイト評価6点にしました。 |
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結構話題の小説なので読んでみた。
読み始めてすぐに、『これは典型的なクローズド‐サークル小説。当方があまり好みとしていない「犯人は誰なのか」という謎解き小説』であると思われた。 結局そう思って読んでいると、正直それほど面白いという感じはない。所謂どこにでもある謎解き小説のレベルである。 強いてあげれば、「犯人を見つけ、その犯人を生贄にして自分たちが生き残るという行為」が道義的に許されることなのかを、それを問う社会派小説という見方もできる。 しかしそうであるならば、登場人物たちの心情の描き方が弱い。ただ、バタバタと犯人を見つけようと思考しているだけ。なにか中途半端なままである。 そしていよいよ犯人が明かされる。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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350ページ程の中編だけどコンパクトに仕上がっており、十分に楽しめました。
これは著者のデビュー作ですか。デビュー作がこのレベルだと、当時相当期待されていたのでは? 自身の過去のレビューを調べてみると、この方の作品を結構な冊数読んでました。そして、最近読んだ「赤い砂」以外は評価も高い。8点と9点ばっかりですね。この方の作風は私の嗜好にピッタリはまっているのかもしれません。 主人公の元刑事尾木には、いずれ本物の虹を見つけそこを渡って欲しいな、と思わせるどこかホッコリするような小説でした。気軽にあっという間に読み終えます。お勧めします。 |
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この著者は初読みでした。
読後調べてみると、「法医昆虫学捜査官」のシリーズで結構有名な方なんですね。恥ずかしながら、当方知りませんでした。 されど、以前、某新聞の書評で紹介されていたので本書を手にした訳ですが、十分に楽しめました。 服飾ブローカー(仕立て屋)という設定の主人公が、その職業的知識を活かし、十年ほど前に殺害された少女の身元を追いかけ、事件の真相を明らかにするというお話です。 こうした特殊な職業を持った一般人がスーパー探偵ごとく活躍し事件を解決するというお話は、ちょっとハズレが多いんだけど、今回は当たりの部類ですね。 ※そう言えば少し前に読んだ「紙鑑定士の事件・・・」というのがちょっと大外れだったので、余計に目立ちました。 主人公がその造詣の深さで、少女の服1枚から様々な情報を得、推理する過程が、本書の読みどころですが、著者は十分な知識と裏付けでこれを書いており、説得力がありました。 まあ、しかし、説得力はあっても、当然、実際はそうは行かないだろうというのは、常にあります。 要するに余りにも都合よく行き過ぎのは、否めない。しかし、本書はそれも含めて楽しめたらいいと思います。 主人公以外の登場人物のキャラも立っていたので、何となくシリーズ化されそうな予感を感じさせる一冊でした。 |
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20年程前の作品。
今の時世、新型コロナの時代にピッタリですかね。 当時としては良く勉強されて書かれているようです。 ただ、今これを読んでみると、やや大雑把。ちょいと非科学的な場面も見られます。 未知のウイルスによるパンデミック小説の体裁ですが、さほど緊迫感もなく怖さも全く感じられません。 当方は、どちらかというと、お粗末で危機感の無い行政の職員やシステムを皮肉った一種の社会派小説という感覚で読んでいました。 ところで、本文中にはワクチンに関する記述が多数出て来ますが、このコロナ時代のワクチン推進派と反ワクチン派のドタバタを目にすると、昔も今も変わっていないのだなと思わず笑ってしまいました。 作品の評価に関しては、やはりヒリヒリするような恐怖感、未知のウイルスの怖さ、こういったものが殆ど味わえなかったので、やや渋めの評価にしました。 |
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600ページを超える小説である。
当方、この程度は全く気にならないばかりか、これくらいの分量が好みであるが、この本は少々しんどかった。 読み終わっての感想だが、やっぱり、当方この手の謎解き小説は体質に合わないのであろう。 どうしても、謎解きが目的で筋書きが組まれたようで、小説や登場人物の心情にのめり込めない。 無機的に様々な事実が羅列されて、そこから解答を見つ出す作業を行っているような感覚である。 やっぱり、ハラハラ・ドキドキ・ワクワク・ゾクゾクが無いと、私は駄目なようだ。 今後はこのサイトのランキングを参考にする際は、その辺も考慮して選択すべきと今回学んだ。 |
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あとがきを読んでみると、この著名な作家さんはすこぶる推理小説好きだったらしい。
昭和30年代の極ありふれた地味な事件を扱った裁判小説である。それは、派手な展開や驚くような結末が待っているわけではない。量的にも500ページを楽に越える肉厚である。なのに、最後まで目が離せない。 さすが大御所の作家さんだけのことはある。並の作家では、この材料をこれだけのボリュームで書き尽くし、読ませ切るのは不可能であろう。 ※確かに序盤は、ややしんどい所もあるが、これがあってこそこの小説の真価が得られる。 法廷物·裁判物が好きな読者は、必ず読んでおくべき小説だと思う。通常のこの手のミステリー小説が、いかにデフォルメされて面白、可笑しく描かれいるのかが、良く分かる。といっても、決してこれを否定するものではない。それこそエンタメ的な醍醐味であり、読後の爽快感なんだから、今後もそれはそれで楽しみたい。 それにしても、凄く勉強になりました。冒頭に「宮部みゆき」氏の紹介文が掲載されているが、A級の紹介文です。その通りでした。 |
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すこぶる面白いエンターテイメント小説であった。
と言っても、単なるエンタメ小説ではなく、「戦争」·「言論」という重厚なテーマを扱った純然たる社会派小説であり、エンタメとしての軽快さの中に一本の太い筋が通っている。また、参考文献等を見てみると、多数の書籍や新聞が参照されており、単なるエンタメ小説で終わらせたくない著者の並々ならぬ意欲が伺える。 さらに、著者の略歴はTV脚本家の出身のようだが、そういった業界人としての経験も、本書に上手く活かされているようであり、興味深かった。 著者の『幻夏』を読んだ際に、やや都合良すぎる展開が気になったが、本書でもそれは随所に見られる。ただし、本書ではそのご都合主義が、ややもすれば重たくなるテーマにインスタント麺のようなお手軽さを与え、口直ししてくれた。 十分にアマゾン評価5点の価値があるであろう。 |
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短編集でした。連作短編集と言った方がいいかもしれませんね。
有能な刑事が、道警で起こった不祥事の影響で配置換え、地方の駐在所勤務となる。 その駐在所お巡りさんが関わった5つの事件の話である。 俗に言う「お巡りさん」というのは制服警官であり、私服警官「いわゆる刑事(デカ)」とは違って、捜査は出来ないんですね。 この小説を読んで、なるほどと思っちゃいました。 捜査は出来ないが、刑事(デカ)としての経験が捜査を強く意識する。この小説は、このジレンマを上手く描いて、一味違った警察小説に仕上がっています。 ただ、どうしても短編なので、一つ一つの事件が深堀りされていない。面白いんだけど、少々消化不良。 短編の読みどころはアッと驚くようなオチにあると思うんだけど、それも少し弱いかな。オチの切れ味と言えば、横山氏の作品集を思い出しますが、それより見劣りがします。 でも、単純に面白かったです。是非、次回は著者の長編警察小説にチャレンジしたいですね。 |
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一級の本格的社会派ミステリーと言える。
ボリュームも十分あり、かつ、内容も重厚。 20年ほど前の作品だが、「児童虐待」というこの本書のテーマは、古さを一切感じさせない。というより、現代のこの令和の時代にこそ、もう一度改めて読みたい小説である。 3人の子供たちの内面がとても丁寧に描かれており、また、ストーリー展開も緻密に考えて書かれてあり、飽きさせない。 冗長という捉え方もあるかもしれないが、じっくり派の読者にとっては、この分量こそ好ましい。 暗くて救いが無いという見方もあるかもしれないが、著者は端から希望や夢や明るさを描きたかったのではないだろう。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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この著者は初読みです。
サイト内評価が高いので、手にしました。 とんでもなく分厚いですね。読み始めても、なかなかストーリーの全貌が見えて来ない。300ページ程読み進めて、やっとバラバラだった事件に、関連した手掛かりが見えて来る。 そういう面では、とにかく話がしつこいと言うか、くどいです。そして、その執拗な書き込みこそが、本書の醍醐味なんでしょうね。いわゆる、癖になりそうな味付けです。 タイトルや表紙の絵から連想するようなホラー感や恐怖感は一切感じられません。 それどころか、探偵役の京極堂と関口を含めたそのお仲間達との会話は、一種の喜劇のような面白さで、思わず含み笑ってしまうほどです。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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