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1Q84
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1Q84の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.66pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全986件 761~780 39/50ページ
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私は、中学生の頃から、大学生のいとこの影響で村上作品には触れてきました。 中学生にとって大学生という存在はずいぶん大人で、特にカルチャーの面での影響は大きく、早く大学生になりたいと思ったものでした。 だから、なんとか「村上好き」というおしゃれでかっこいい趣味をもって、仲間入りをしたかったのです。 でも、この作品を読んでようやく、結局は作家との相性が合わない事に気づきました。 読む事がやめられない面白さがありました。実際に2日間で読み終えました。 でも、心に残るものやストーリィに対する感動など、なにもないのです。疑問もありません。 せっかく読んで残念ですが、つまり作家と共有できる感覚がなかった事なのです。 この感覚は、私にとってはこの作品に限らず、私が読んだすべての村上作品に共通する事です。 しかし、イスラエルで行った彼の勇気ある演説では、 演説内容以上に、その演説を実際に行った勇気ある行動そのものに、とても感銘を受けました。 独特の観念の世界を描いているため、こんなに大衆的に受け入れられるとは信じられません。 ブームや雰囲気にのまれず、「村上春樹」というブランドを冷静に見つめ直す事が大事だと思います。 <追記> 後日、ある著名作家二人によるトークショーがあり、そこでこの作品が話題になっていました。 村上春樹は、影響を受けた作家にドストエフスキーをあげており、 この1Q84もドストエフスキーの影響を非常に強く受けているように見受けられると話していました。 ドストエフスキーの「罪と罰」を通した非常に興味深い洞察に、私の浅はかなで薄っぺらい読書観を恥ずかしく思いました。 かつて手に取った本や体験した事により、本はどんな読み方でもできる事を、改めて実感しました。 | ||||
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村上作品には好みが分かれる。独特のトーンと世界観が好きな人にはたまらない。一方で、それがハマらない場合には何とも響いてこないものだ。この作品は、「久々」の登場だったこともあって大変なブームだが、私には今ひとつだった。流行が流行を呼ぶのも、今の日本の社会の一つの特徴であり、問題である気がするのだが。。。物語としては、ファンタジーの面もあるが、人間関係を描いたものでもあり、社会へのメッセージと読み解くこともできる。そういう意味で、読者が色んな読み方が出来る点では素晴らしい作品とも言えよう。 | ||||
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突然の、物語の出だしがよかった。1984年版の当時の時代背景が鋭く、中々ミステリーな部分が現実みあってよかった。途中、わくわくしてくる感じがたまらなくよかった。 | ||||
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魅力がない。全く別のところからスタートした2つの物語が次第にリンク… ということらしいけど、その繋がって行き方も粗い…というか無理矢理過ぎでしょ。こんなんだったら何だってリンクするっしょ。こういうタルい緩い感覚がこの人の持ち味なの?大御所だからって、好き勝手独走しちゃってるけど、人を夢中にさせるような謎も切なさも魅力ももうないと思う。始終暗い雰囲気にしてりゃ謎めいてて高尚なものって訳じゃないだろ。まぁ売れたもん勝ちかぁ。 | ||||
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村上春樹作品は家内ともども大好きで全部読んで来たので、空前のヒットと聞けば買わずにはおれんということで購入し、読み終えました。 著者ならではの話の論理展開が良く計算されている点は分かるのですが、読んだ後の何か心に残るものが無い感じはとても残念です。これまた著者独特の語彙の多さや小難しい表現に脳みそを動かし続ける事と、引き換えに得られるものが薄い感じ。(昼間にやっている海外メロドラマがくだらんと思いながらストーリーは気になって最後まで読んでしまう感じ) ファンなら先ず読んでみないと、という感じですが、本屋で立ち読みしてからなら買わない類の本です。(まぁ気付くのは2冊目の後半かも知れませんが) 初めて村上春樹を手にする方には、あまりお奨め「したくない」本です。 それと、余計なお世話かも知れませんが、かなり唐突で露骨な性描写が続くので、思春期の子どもさんをお持ちの方は一考の必要あります。 | ||||
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最近は「オウム真理教」や「神戸の震災」をモチーフとした暗い作品が多かった。曰く現実との「コミットメント」が、小説を生む力だったのだそうだが、読むのがしんどかった.今回の作品にも「オウム」も陰は見え隠れするが、基本は「1Q84」という、異世界に迷い込んだ二人の男女の愛のあり方を描いたラブストーリーだ。文体は平易で、「猫の町」や「空気さなぎ」は童話っぽく読みやすい。いきなりヤナーチェックのマイナー作品を提示したり、1Q84のQが「ウルトラQ」を暗示させたり、未来小説であるJ.オーウエルの「1984」を、過去をフィクションで描く道具にしたりとかなり計算されており、村上春樹らしい作品で且つベストセラーになるよう意図されたにものだろう。さすが商業作家ある。 | ||||
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ことは難しいのですが、本を読むときには、なるべくそうしようと努めています。本の世界に入り込んで楽しむことと、その本について評価や推測することは、自分には同時にできないからです。今、読後数日してからこのレビューを書いています。ただ文を目で追うことが、こんなにも楽しかったのは久しぶりでした。私個人としてですが、素晴らしい時間でした。内容についてなのですが、登場する固有名詞については述べません。長くなるし、することに意味がないように思えるので。なので、いくつか、自分の印象に残っていることを書きます。・文中に小説を登場させ、その小説へのさまざまな形の評価を見せたこと。 この部分を読んでいるときは、まるで自分の後頭部を見ているような居心地の悪さを感じました。好き勝手に的外れなことを書く自分です。・クールでタフな青豆さん 可愛い過ぎます。・ラスト、あるいは続編について正直、ここに書かれている他の方のレビューを見るまで、続編という発想はありませんでした。確かに、あの開かれた終わり(というか続き)は、たくさんの空白を物語に残します。しかし、風景や人物その他の描写の丁寧さと、わたしたち読者を引き込む緻密な構成は、この空白が著者の怠慢や技術、気力の不足ではないことを示していると思えます。 むしろ慎重にスペースを切り詰めて、わたしたちの入る場所を空けてくれている……というのは、さすがに走りすぎですね。 とりあえず、あのラストは、自分には説得力あるものでした。 あ、続きがあるならもちろん読みたいですよ。 | ||||
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1Q84 BOOK 1装丁。売られるまでの長い期間と沈黙。 これまでよりクリアなタイトルと設定。 基本的な内容は少し変われど、過去の彼の作品とあまり違わない。 全く異なるのは、長編にもかかわらずわかりやすいキャラクター設定とデザイン、 読みやすい文体。 ふかえりが指摘されたことと全く同じことを誰かが書き直したみたいだ。 例えば、タイトルが「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」と「1Q84」どちらが覚えやすい?「羊」「やみくろ」に対して「ふかえり」「リトル・ピープル」のどちらがイメージしやすい? 丁寧で俗説的な描写と、宗教という現実世界に通ずるテーマ。 あとはいつもの村上ワールドなんだけど、これは徹底的に売ろうと彼か誰かが決めて作られた壮大なプロジェクトだと思う。私がやっと手にいれたのは第12版だ。おそらくいつもは村上作品に手を伸ばさない人も買ったくらいエンターテイメント性に比較的優れているからだと思う。 これも何故かふかえり現象と重なる。 村上さん、バックに誰かいませんか?それともこれもあなたがしかけた悪戯ですか? | ||||
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村上春樹の作品は全部ではないですが、長編は大体読んでいます。 今回の1Q84を読み終えて、彼の最高傑作かと自問すれば否です。個人的には海辺のカフカがベストだと思っています。 村上作品を初めて読む方がこの1Q84を読み終えて思う感想は???ではないでしょうか。物語で出現する謎は半分以上回収されないまま終焉を迎えます。特に推理小説のような、パズルのピースが最後にきっちり合う感覚が好きな読者は、消化不良に思えるかもしれません。 しかし、決しておもしろくないわけではなく、1000頁以上あるにも関わらず読者を惹き付ける魅力は、さすが村上春樹といったところです。 | ||||
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村上春樹は初めて読みました。 「1Q84」は面白いですね。 エンターテイメント性もあり読みやすい文章で好きです。 個人や宗教、社会といった同じ世界に存在するもののそれぞれが異なる性質や大きさのコミュニティーを複数登場させ物語の進行に伴って変化したり明らかなっていく登場人物達の関わりのありようを小出しに書き出していって、あるところで非日常の要素を加える、その要素が胡散臭くならないうちに一気に最後まで読ませてしまうタイミングのとりかたがとても上手ですね。 難しいテーマでも簡単に表現してさらっと織りこみながらリズムにのって美しく構築的に話が進んでいる。 また登場人物たちの内向的で慎ましやかな愛に対しての距離感が物語に品性と普遍性、深いタメをつくり余韻が残りました。 特に人生で一度あるかないかの恋をしている方ならばより心に残る作品ではないかと思います。 僕の場合は今、正に〈愛〉という名前のものが腕から零れ落ちそうなところです(泣) 「1Q84」においての愛は自己愛を根拠とする苦しむ愛ではなく報いを求めない無条件の愛である信頼とか慈愛的な観点を感じるのでちょっと救われました。 | ||||
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年齢がばれますが、風の歌を聴けが出たときから読んでいます。その頃は文学の大作家様ではなく、ポップカルチャーと言うか、ジャズ喫茶のオヤジが書いた、ちょっと楽しい小説だったはずなのに、いつの間にかノーベル賞。。。その頃、大学のある女の子は羊をめぐるを一気に一晩かけて読んでしまい、2度目はじっくりと文章を味わうと言っていた。実は私も同じです。ただ今回は一気に読んだあと2度目はまだ読んでいません。もう少し熟成してからか。。 1人称でないのがしっくりこないからか。難しい言葉は嫌だけれど、デタッチメントではなくコミットメントになっているからか。または心の中で似たような焦燥感を癒してはくれないからか? 村上春樹の小説は当然のことながらすべて読んでいて待ちくたびれて、忘れた頃、テキサスのメキシコ国境沿い街の本屋さんで村上春樹の英文版に出会い、へーこんな所でも彼の作品が読まれているんだろうか、とか思いながら1冊づつ出張のついでに飛行機の中で読みました。英文のほうから書いたんじゃないかと思うくらい、日本語よりも良かった気がします。ただ翻訳する人が数名いるようなのでニュアンスが若干小説によって違うけれど。 すべて読み終わってもまだでない。。そしてとうとう今回の1Q84。でもこれでいつものように。。。謎のままオシマイはやめてほしい。3.4ぐらいは出してください。 文学とは全然違うのだけれど、ハルヒの憂鬱に出てくる統合思念体の長門有希の台詞そっくりだと思いながら ふかえりの言葉を感じていました。 羊をめぐる冒険やハードボイルド ワンダーランドの1人称がどちらかと言えば好きだけれど、新しいのを出してくれるだけでいいです。1冊出すのに何年もかけていると後何冊死ぬまでに新作を出してくれるのだろうと切ない気持ちになります。 軽い気持ちで、僕が出てくる1人称早く出してください。文学なんてどうだってイイから。 また、やれやれ。。。。という心の声が聴きたいです。 | ||||
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特にBook1のストーリーは「ワクワクドキドキ感」があり、「大ベストセラーです!」「品薄です!」という世評・マスコミによる喧伝につられて読み始めた人も、いわゆる“フツー”の小説として楽しめる要素があると思う。であるがゆえに、それらの人たちがいつも気軽に読んでいる小説と同様のわかりやすいエンタメ性やメッセージ性を求めてしまうのかもしれない。しかし残念ながら、この小説はいかにも“村上春樹的”であり、そもそも村上春樹的な小説とはそんなにわかりやすいものではない。 で、特にBook2や結末に対する不満や酷評が生まれてしまうのではないかと。 私個人は、今回の『1Q84』は楽しく読めました。ファンタジーであり、ラブストリーであり、(読みようによっては)警世の書であり。言葉で表現しきれぬものを表現しようと試みつつ、読者に対する説明を拒否する面もある。複層的重層的な「人間」「社会」「世界」が表現されているように感じました。 | ||||
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名前は知ってたけど、村上春樹先生の作品を読むのは1Q84が初めてです。TVの情報番組で話題になってるのをみて、読んでみようと思いました。はっきり言えば今旬の話題に便乗した形です。 BOOK1を読んだ感想は、早く2を読みたい、でした。青豆と天吾という2人の主人公は、東京でまったく異なる生活を送り、異なる生き方を送っていたが、それぞれが別の事情で関わった事が、1つの事件に繋がっていく。こういう話は好きです。時々、かなり非現実的なシーン(ファンタジーなら現実的と取れる)に、えっ?っと思う事もありましたが、そういう話だと思って読めば楽しめます。 読み始めると続きが気になって、夜遅くまで読んでしまいます。青豆と天吾の話が交互に描かれている事が、余計にその展開が気になって止められません。BOOK2を読み始める所ですが、今後の展開に目が離せません。 | ||||
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文章はいつもながらスタイリッシュで、楽しみ味わいながら読むことができました。2巻を読み終わって、作中の書評にあるように「途方にくれて」「置き去りにされたような気分」になりました。それもまた、文中で述べられているように「作者の意図したこと」なのかもしれません。多くの人が指摘しているように、BOOK3を期待してしましますね。 ところで、天吾って、男性にとっては理想的なポジションにいますよね。仕事においては自分の得意な技能(数学)を生かして、ほどほどの収入を得ており、しかも責任とかストレスとは無縁で、自分の好きな小説を書いていて、それも才能があって近い将来の成功が約束されたような形で不安はない。自分にセックス以外の何も要求しない年上のセックスフレンドがいて週に一回の向こうから出向いてきて性欲処理をしてくれる。非常な美少女と仲良くなって、よくわからないうちにその美少女が自分の上で腰を振って射精をさせられ、おまけに妊娠しないから心配しなくていいと言う。小学校のときに1回だけ親切にした少女は30才になるまで天吾のことだけを想い続けている。なんだか、登場人物が皆さえない主人公に惚れてしまうという少年少女漫画みたいですね。それに引き比べて、天吾自体が何を行ったかというと、「空気さなぎ」のリライトのみです。徹底的に引きこもりタイプで人とかかわろうとしていません。年上のセックスフレンドが「失われてしまった」ら、さっさとあきらめてしまいます。 話自体は面白いし、青豆に関わる人達の描写なんかは好きなのですが、イマイチ「良かった」と言い切れないのは、こんな理由です。青豆の存在自体が妄想なんじゃないだろうか、と思ってしまいます。 おまけ。この本を読んで、「起こらなかった過去」による別の現実、というものを非常にインパクトを持って語ったマンガを思い出しました。清水玲子の「月の子」です。私達が生きているのが、間違った世界なのかも、という気分にさせられます。 | ||||
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うん、やっぱり村上春樹はいいですね。 読んでいると、無意識の領域がゆっくりとかき混ぜられ、、脳髄の奥のほうがトローンとしてくるような感覚があります。 どうやったらこんな文章が書けるようになるんだろう? BOOK1・BOOK2あわせて1000ページを超える大作ですが、一気に読んでしまいました。 (この3日間、仕事しているときと寝ているとき以外はコレを読んでました。) | ||||
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村上春樹の長編はだいたい読んでいます。 この1Q84は、さきが読みたくて2日くらいで一気に読みました。 読んでいる最中は話に引き込まれましたが、読後感は……微妙。 作者が意図したものなのかも知れませんがすっきりしなかったです。 | ||||
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BOOK2のレビューにも同様の主旨で書き、一度投稿した文章に書き足しております。この作品はこれで終わりではないと思います。 根拠1:インタビューで村上氏は「いま、とても長い小説を7年ぐらい書いています」ということを言っておられたが、この本は『ねじまき鳥クロニクル』より短い。 「毎日、午前中に集中して小説を書く」という勤勉な村上氏が、過去にいくつも例のある上下2巻本を「とても長い小説」なんて言うだろうか? 根拠2:その『ねじまき鳥』の時も、2冊が先に出て、批評家もみなこれで完結だと思って勝手なことを言っていた。その後三巻が出て、批評家の面目丸潰れ。 根拠3:BOOK2の最後で天吾は「青豆をみつけよう、(中略)何があろうと、そこがどのような世界であろうと、彼女がたとえ誰であろうと。」と決心するのですよね。天吾が青豆に再会するエピソードがあるはずです、青豆が生者であるか死者であるかはわかりませんが。 以上ですが、今週放送されたNHKクローズアップ現代『村上春樹・物語の力』では「数々の謎に明確な解答を出さず、物語は終わります」と言っていましたが、たとえ推理小説のように明確なものではなくても、「空気さなぎ」や「リトル・ピープル」については何らかの更なる言及があると思います。また「ふかえり」の保護者の戎野先生も、あれっきり出てこないとは考えられません。 というわけで、全4巻ぐらいありそうだと思っていますが、少なくとも『BOOK3<10月〜12月>』は確実にあるでしょう。ただ、そうだとするとBOOK4は<1月〜3月>となり、「1Q85」年に入ってしまうので、断言はできません。 | ||||
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私は大好きです。 村上春樹では「羊をめぐる冒険」が一番好きで、この10年で、気がつくと何回も読み返していました。 こんな事は他の小説ではあまりありません。「1Q81」は、「羊・・・」の次に好きな作品になりました。 またきっと読み返すでしょう。 とにかく面白い。ぐいぐい読んで、最後は美しく、ジーンとする感じ。映像的。 レビューを見ると、“いつもの村上春樹”、とか、真逆に“好きな暗喩や独特の言い回しが少なく物足りない”など意見が別れるようですね。 私は新鮮に感じました。 手法とか、理屈はよく分かりませんが、ただ好きだと感じました。 | ||||
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青豆が高速道路から降りていく上巻の導入から、謎めいていてワクワクするような話が続く。天吾の話と互い違いになっているのがもどかしく、どちらかの話に引き込まれたら、またもう一方の話を読まなくてはならず、という構成にちょっといらいらさせられたが、それでも全体に、つぎはどうなるのだろうという興味に引っぱられるようにして最後まで読んだ。 ただ、こちらが勝手に期待してしまっているだけなのだが、何か物足りなく思った。ひっかかりがないというか……。 なので、筋は面白いにもかかわらず、最後までそれほど世界観に入り込めず、青豆や天吾にもそれほど共感はいだけず、ふかえりについても魅力的なキャラクターなのだが、なんとなく最後まではっきりとした像を結ばず……という感じで、途中しばしば「冗漫だなあ……」という感想を持った。作品に、「ねじまき鳥」あたりの異様なパワーみたいなものもなく、読後感としては、読んでも読まなくてもどっちでもよかったな……という気になってしまった。 とはいえ、最後まで面白く読ませる作品ではあったし、期待が大きすぎて文句が多くなってしまっているという感じなので、星4つ。 | ||||
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以前から村上春樹氏の作品は好きでしたが、今回の物語はある意味でわかりやすすぎる感があり(メタファーがすくない、ダイレクトな表現が多い、ストーリーの謎(の一部分)が説明されている)あれっと思いましたが、Book 1,Book2を通して読んだ感想としては、う〜ん深い・・・と思いました。 当然のことながら、人それぞれ感想や思うところはあるかと思いますが、僕はこの本のテーマ(であろうと思われる)の1つにものすごく共感しました。極めて私見と偏見に満ちていますが、恐らくテーマの1つとしてあげられるのは、我々の現実というものに対するリアリティの稀薄性、そしてそれが生み出す空白、虚無、そして無力感に対するSalvation(救済)ではないかと思います。Book2である主人公は自分がフィクションの世界にいるのか、現実の世界にいるのか、仮説と現実の境界線が希薄になっていきますが、これは恐らく僕達全員に投げかけられている問いであり、ルネ・デカルトの方法的懐疑論やエマニュエル・カントの認識論などをも想起させるような、極めて哲学的(といえなくもない)ストーリー展開となっています。物語後半、男性の主人公が空を見つめてある”異変”を発見するとき、読者は我々の見ている世界がどこまで現実でどこまでがフィクションなのか、どこまでが自分の意識でどこまでが作られた意識なのかなど考えさせられるのではないかと思います。世界はもしかしたら「見世物の世界」であり誰かによって作られた世界であり、「何からなにまで作り物」かも知れないと切実に感じる時、(物語の主人公をふくめ)我々はどこまでも孤独であり、救いがないように思われる。自分という個体が本当に自分であることを証明する術が一切ないように思われる。しかしもう一人の女性の主人公は見世物の世界の中にたったひとつの救済を見つける・・・この女性主人公は、唯一自分の存在を経験的に証明し、彼女自身を救済するために必要なものは宗教ではなく、現金の束ではなく、社会的な成功ではなく、善悪といった2次的な観念ではなく、彼女自身(あるいは我々自身)に内在するある一つの「もの」であるといっているような気がします。他の方も書いていたとおもいますが、Book2の第13章が、少なくともこのテーマに対する答えをだしているのかなと思いました。 昨今の物質主義にどっぷりとつかってしまった日本社会では、金や社会的成功がとても重視されがちですが、僕はBook2第13章で主人公が見つけた大事な「もの」にとても深く共感しました。 | ||||
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