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1Q84



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【この小説が収録されている参考書籍】
1Q84 BOOK 1
1Q84 BOOK 2
1Q84 BOOK 3

1Q84の評価: 3.66/5点 レビュー 986件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.66pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全986件 881~900 45/50ページ
No.106:
(4pt)

多様な登場人物に語らせる村上春樹の新世界?

村上春樹の小説のスタイルとして僕が印象に残っていたのは、主人公がずっと物語を独唱し続けて、「やれやれ」とかいいながら現実の問題を解決していく展開だ。
それが今回は多様な登場人物がそれぞれの意見を述べ合う、これまでとは異なるスタイルになっているように思えた。主人公レベルの青豆や天吾はもちろん、タマル、老婦人、ふかえり、あゆみ、牛河、宗教団体のリーダーなど、それぞれがそれぞれの立場で意見を言い合う。劇場の舞台でこれらの登場人物が半円を組んで意見を言い合っているような印象を受けた。
このスタイルをとっているがゆえに、文学、宗教、性、暴力、歴史、資本主義など様々なテーマを本書のなかにつっこめたのではないかと思う。
「カラマーゾフの兄弟」の名前が本書の中でもでてくるが、ちくま古典新訳文庫で新訳された亀山郁夫が解説されたように「カラマーゾフの兄弟」のポリフォニー(いろいろな登場人物が議論しあう)のスタイルがこの1Q84に転生しているよう。
いつもの村上氏の本と同様、すばらしい語り口に魅了され、一気のBook2まで読み終えた。これだけ多くの大テーマに触れつつ、物語として一貫していて、またBook3とかがでてくるかもしれないのだけれども、ひとまずエンディングを迎えることができる構想力と文章力には、最もノーベル文学賞に近い人といわれるだけのスキルの高みを感じた。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
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No.105:
(5pt)

ねじまき鳥クロニクルの続き?

ねじまき鳥クロニクルに出てくる牛河という男が、また出てきた。1Q84の世界は、井戸から通り抜けてからの世界なのか。クミコとトオルは、この1Q84でまた一緒に暮らせるのか。
1Q84 BOOK 2Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 2より
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No.104:
(4pt)

意図しない岐路に立たされる青豆〜入り口、出口、迷宮のメタファー

冒頭の奇妙なアトモスフィアに覆われたシーン。現実と非現実の境界がゆっくりと溶け出す。どこか普通でないタクシー運転手。勇壮かつ荘厳なヤナーチェックの協奏曲。そして首都高速道路の非常階段は青豆にとって後々忘れられない重要な符牒となる。
やがて彼女は知ることになるだろう・・・・入り口はあっても、決して出口はないということに。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
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No.103:
(4pt)

ホッカルさんのIQも84である(;'Д`)ハアハア

(;'Д`)ハアハア  IQというのはインテリジェント・クオリティの略で、日本語では知能指数と呼ばれているモノである。
分かりやすく言うなら『超人強度』であり、それがそのまま『強さ』と結びつくわけではないように、知能の高さとイコールであるわけではないのだが、頭の回転の速さ(基礎学力を含めて)をも測定できる試験である。
言い訳が許されるのであれば、知能テストの過去問を勉強していなかったため
赤点(IQ84)だったのだ。
過去問で傾向と対策を掴んで、何度か模試を受ける研鑽を積んでいれば170以上は余裕だらう(頭の回転の速いヤツが、その場で閃く程度の事くらいちゃんと勉強していれば対応可能だろう。まったくコレは不名誉極まりない事で、今さらもう一度受け直しても
実年齢で割ったりするというワケの分からん計算で測定されるため絶対に低くなる。
子供の頃でないとダメらしい おいらもどこかの漫画やアニメのキャラみたいに
高い知能指数を誇ってみたいもんだ)
そんなおいらが本屋に入ってみると、IQ84というタイトルが目に飛び込んできた。
IQ84とは・・・おいらの知能指数ではないか?
IQ84はIQ75以下が知的障害者であるため、池沼に毛が生えたような存在である。
軽度の知的障害者と言っても差し支えない
故にこの本に書いてある主人公の知性がおいらより明らかに劣っているならば
おいらの本当の知能指数は84ではないという事の証明にもなる。
それを期待して読んでみたらIQ84とは思えない程、しっかりした文章で書かれていた。
池沼の分際で生意気だと思いながらも読んでいったのに、知能指数について触れているシーンが一つも無かったのが印象的だった。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
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No.102:
(2pt)

村上の小説は「ソーマ」のようなものだろう

村上春樹の小説「1Q84」。タイトルは、ジョージ・オーウェルの「1984」であると何人の読者が気づいているのだろうか。オーウェルの小説は、1949年から未来を予測した小説であり、村上のものは2009年から過去を、1984年当時を振り返って記述した小説である。この小説の中に、「もはやビッグ・ブラザーの出る幕ではない」という章がある。これは一種の逆説だろう。現在の私たちは、IT化によって恩恵も受けているが、行動が他者に筒抜けになっている。この「見えない他者」あるいはサイバーポリスといっても良いが、これは確かに1984年当時には予測も出来なかったことだ。だから村上の小説のキャラクターがそのように語ることも理解できる。
物語は全共闘の名残、自然と共生する左翼団体、それが宗教団体へと変貌する話や、有名17歳の女子高生の小説作家のゴーストライターをするようになった編集者の話、そしてクールな女殺し屋の話が入り交じりながら進んでいくが、これといって見るべきところはない。
私の知り合いは、「村上の小説は何も考えたくないときに読むための精神安定剤だ」と言った。私は彼の小説を読むのは始めてだが、なるほどファンタジー小説だ。してみれば、村上小説は、小説家オルダス・ハクスリーが、「すばらしい新世界」の中で登場させた、飲むと気分がスーッとする精神安定剤、「ソーマ」としての役割を期待されているのだろう。
私はタイトルから、この小説に「思想」を期待していたが、それが間違いであったことが分かった。
1984年 (ハヤカワ文庫 NV 8)
すばらしい新世界 (講談社文庫 は 20-1)
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
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No.101:
(3pt)

初めて親子関係をテーマにした作品

今週は各メディアで1Q84が1,2合わせて100万部売れたことが話題になっていました。まもなく200万部売れて、日本人の1%が同じ時期に同じ本を読んで、その内容について話題にできるという現象が現れたら日本も少しは変わるのではないでしょうか。実際、発売されて2週間でこれだけのレビューを集めているわけです。こんなことは今のところ村上春樹にしかできない芸当です。
さて、読後感ですが、他のレビュアーの指摘の通り、従来のテーマが繰り返されてはいます。しかし今回は何といっても、著者が初めて親子関係を主題のひとつとして描いていることが新しいです。この点についてコメントするならば、私は今のところ天吾にも青豆にも魅力を感じることができません。親子関係の被害者としてしか生きることができないのは、30才としてはあまりに未成熟です。エルサレムスピーチで父親について語った著者が初めて描いた親子関係が、このような一面的なものであるとしたら、ちょっと拍子抜けです。ブック3以降の展開に期待したいと思います。
ということで、星3つでした。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
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No.100:
(4pt)

注意して

所々 太字フォントが出てきます。ページをめくるとどうしてもそこに目が行って途中の文章を読まずにそこを読んでしまうかもしれません。そんな読み方したら面白いわけないですよね?ページをめくって濃く見える行が視界に入ったら目で追う前に左手で覆い隠したほうが良いですよ。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
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No.99:
(5pt)

あの「図書館のすぐれちゃん」もイチオシ本!

過去を振り返り、新しき世界を切り開く姿勢は評価できる。温故知新ということで人によって評価が分かれるかも知らないが、私はイチオシしたい!
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.98:
(3pt)

またしても結婚詐欺

ある評論家の言った結婚詐欺という言葉ほど、村上春樹の特徴を表すものはないだろう。
読んでいる途中はとても面白い。面白いのだが、物語が途中から観念的な世界の話(ファンタジー)に移行されてしまうのだ。
もちろん作品にファンタジー性を持ちこんでいることを批判しているのではなく、深刻なテーマを提示しておきながら、どこからかそれが観念的な事柄に収縮し、特に解決なく完結してしまうことに異を唱えているのである。
作中に小説家は問題を解決するのではなく問題を提示する存在である、との話があったが、それはもちろんそうなのだが、物語としては完全に解決させなければならず、著者はどこかから話の流れを失い、作品を操ることを放棄しているように見えるのである。
また気になったのは、手をつないだ一瞬のことを通して、二人の主人公がお互いのことを想い合う。これは二つの並行する話をどうにか繋げようとする作為的なものとしか感じられなく、あまりにも甘いと言わざるを得ない。
そのためか読んでいて二巻の途中からだんだんと腹が立ってきた。ただ当初はこれで完結かと思っていたのだが、どうやら続編があるらしいのでなんとか最後まで読み終えた。だがこのあと語るべき内容があるとは、私にはあまり思えない。
村上春樹というのは読んでいる間は面白いが、あとに特別な感動は残らない存在であるということを改めて認識した。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
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No.97:
(4pt)

まさに総合小説!

初日本屋で偶然、平積みされているのを見かけ、勢いで12とも購入…(高いのよね、新刊) 三日で読む予定が意外に時間かかった!あらゆる面で手強い。 リアルとシュールのカオスはまさに村上ワールド。 恋愛であり、ファンタジーであり、ハードボイルドの要素あり、純文学の様であり、おまけに官能的でもあり…といった、まさに総合小説と言っても過言ではないと…!? キャラが素敵でした。特にゲイのタマル!カッコイイ♪ 後半はちょっと胸やけ状態になったので☆一つ減らしました。 読み終えた日の夜に、リトルピープルと緑の月が夢に出ました(笑) 続編はないと思います。てか、完結であってほしい。
1Q84 BOOK 2Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 2より
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No.96:
(3pt)

久しぶりの長編

今回は主人公が二人いて、それぞれの視点で物語が進められていくため、
人物への感情移入や、文章への没入感を過去の作品をほど得ることが出来なかった。
第一巻まではいつもの村上春樹の世界へ入っていく感覚を楽しむことが出来たが、
第2巻では張り巡らされた伏線をまとめる為のやや作業的な文章になってしまい、
文の美しさを味わいながら読むというよりは、ミステリー小説の謎解きを読まされている感覚に陥った。
アフターダークでは一冊を通して美しい文章による独自の世界観を味わうことが出来たが、
長編の今回は2冊目の途中からこの小説の世界観の中へ浸ることが難しかった。
1Q84 BOOK 2Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.95:
(4pt)

読み手が作る小説

今作は、小説とは何か?という問い自体を含んだ作品で、つまりはメタ小説としての色合いがとても強い作品でした。そうしたところはやはりちょっと抜きん出ています。
多くの翻訳を通して、繰り返し読みかえされる美的リズムやテンポを持った文体を多く学んだ、と筆者はどこかで述べていましたが、特に前半のハードボイルドタッチの描写に良く現れています。一方後半は心地よい耳障りをあえて抑え、しつこいぐらいの攻めの文体となります。
大きなテーマは、世界と個人、システムと卵の殻、個と個の触れ合いによるぬくもりのある交流、善悪を越えた物語の力。モチーフは、宗教、性、初恋、親子、友情。
ストーリーは礼儀として省略。
モチーフやストーリーにしか関心を示さない読者には、ちょっとわかりにくい小説かもしれませんが、ちゃんとエンターテイメントにもなっています。
それでも、私には最近の村上春樹氏は文中で少々言いたいことを言ってしまい過ぎなきらいがある様に思えるのですが、それを差し引いても、小説でしか味わえない何ともいえない感覚の世界に読者を引き込みます。
ハッピーエンドとか勧善懲悪とかいうタイプの物語ではないので、読了後、納得するとかしないとかではないです。
私は先ほど読了しましたが、心地良い余韻に浸っています。
イメージの連鎖、受け取る側が作る小説です。
1Q84 BOOK 2Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.94:
(5pt)

こんなに売れるのは不思議だ・・・・

村上春樹の作品は中学時代にノルウェイの森を読んで以来、
ほぼ全て読んできた。
ベストセラー作家であり、ノーベル賞候補に名が挙がる現代最高の作家の一人であろう。
しかし個人的な意見ではあるが、彼の小説はあまり万人向けとは言えないと思う。
ミステリー小説のように起承転結はあまりなく、謎は謎のまま放置されるケースも多い。
また本作のリトルピープルやかつての羊男、または空から魚が降ってきたり、
とにかく非現実的なこと、超常現象的なことが必ずといっていいほど盛り込まれている。
極めて不自然で非現実的なことが。
それでありながら文体はいささか比喩がオシャレすぎるきらいはあるが、
リアリティーがあり、生活感があり、存在感がある。
また彼が意図的に用いる芸術や文学、音楽などの表現も一般的な日本人には
なじみにくいものが多いように思う。
多くの読者は村上氏の美しい文体に魅せられるのだろうか?
ちょっと過激で奔放な性描写に惹かれるのだろうか?
物語に非現実性と文体のリアリティーのギャップを愉しむのだろうか?
解説本を読むと驚くほど出てくる謎かけを探すのだろうか?
それともただ流行っているから興味がわくのだろうか?
個人的には大好きな作家だし、本作もとりあえずBook 1は面白かった。
しかしこれほど売れるのは不思議だなあ・・・・・
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
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No.93:
(5pt)

村上春樹が売れるわけ

今や驚異的な売り上げをみせている1Q84。
なぜこんなに村上春樹が読まれているのだろうか?
現代の社会情勢から人々は何を考え購入するのか?
売れる背景にはマスコミの力が最たるものだと思うが、
それ以上に村上春樹というネームバリューだろう。
ただ一言・・・面白かった!!これからどうなるのか
もっともっと読みたくなる作品でした。
来年公開の「ノルウェイの森」の映画も楽しみです。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.92:
(5pt)

とても面白かった

村上春樹氏は熱心にオウム事件の取材や
オウム信者へのインタビューとかやってましたけど
この作品がそれらの集大成なんじゃないかなと思います。
この作品には
宗教の本質であったり、文学のオリジナリティなど
結構きわどいところまで書かれていますので
セカチューみたいな劣化村上春樹を書いてた作家さんとか
創○学会みたいなカルト宗教の方達は
この本が売れると困ることになるかもしれないですね。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.91:
(5pt)

一言では到底語れない

 発売されて、「品切れ」や「社会現象」等々と、社会現象化しつつあるのではないか?という世論の中、実は読者自身がその「社会現象」を引き起こしているということに気づいていないのではないでしょうか。
 
 あまり賛同できない「オカルト宗教」「DV」『愛』という一括りで語られる書評は信用しないほうがいいのでは・・・
この作品が供給不足になっている現象こそ、著書の危惧する「システム」なるものにコミットメントしてしまっているのでは・・・
 この作品で村上春樹氏が表現したかったことを、現実がトレース(よくないほうに)してしまったいるように感じます。
 本当に「一般論ではどこにも行け」ませんね。
続編を期待しています。(けじめとして)
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.90:
(5pt)

切ないファンタジーでした

ただいま読了しました。切ないファンタジーでした。
これは恋愛の説話です。相聞の空間を創出して読者の恋心を伝えようとしています。
「古事記」の世界を現実のものと喝破した本居宣長ならこれは「もののあはれ」を描いたものだそこに物語というものが持つ真実がある、といったかもしれません(カズオ・イシグロも村上春樹にもののあわれを読み解いています)。そう考えなければ、どうして念じただけで置時計が持ち上がるなどという、スプーン曲げなみの稚拙な作文を真顔で読ませられるのか。あの記述など、現代人の通常の感覚では荒唐無稽以外のなにものでもなく、時間をかけて読んでいるこっちが恥ずかしくなるような記述です。この小説はあの部分も含めて至る所で破綻しているのです。
でもその読み方は正しいでしょうか。たぶんそうではないんです。あれこそが、この物語を信じて愛した者の試金石なのです。あれが物語の愛すべき真実なのです。
素直に、私は読んでよかったとおもいました。これは近代的な小説というよりも、説話というべき世界、あるいは世界全体を相聞を響かせることのみを目的として創造し直した歌人の世界です。
そして、村上春樹が著名な作家であることはそれはそれとして現代にあってもこういうことを伝えようとする愚直ともいうべき書き手がいる、ということに感銘しました。
読了するとわかるのですが、それぞれの要素の重みが物理的な紙面の量と関連しないのです。重要そうに見えているもの、例えば宗教団体や殺人、文学賞の裏面などは重要ではなく、単に登場人物に極端な舞台を与えているだけです。極論するとストーリーも関係ありません。
「相聞のみを響かせる」ための世界、その世界を小説という形式を用いて表現したという点で、多分稀有で現状において最も成功している2冊ということになります。
1Q84 BOOK 2Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.89:
(5pt)

『現実』のあやうさと、信じるということの本質を抉る

オウム真理教の信者が「サリン事件」を起こしたのが1995年。
村上春樹は「アンダーグラウンド」で被害者・もしくは事件に居合わせた人にインタビューし、
その後「約束された場所で」で信者にもインタビューをした。
あの事件に肉薄した村上春樹が、宗教をテーマに小説を書いたと聞いて、
どんな作品だろう、と、とても興味を持っていた。
事件から10年以上の月日を置いて書かれたからか、もしくは村上春樹だからか、
この作品には、オウム真理教を下敷きにしたと思われるカルト宗教は出てくるものの、
宗教に対する短絡的な決め付けは、慎重に排除されているように思う。
ただ、著者は問いかけるのだ。
今、あなたが見ている『現実』は本物か?
目に見えている、手に触れることができる、実証することができる、
ただそれだけのことで、それが「本当のことだ」と、「本当に」言えるのか?
何を信じるか。
そして、どう生きると決めるのか。
われわれが生きる世界を形作るのは、実はその2点のみなのだ、と、
著者は訴えているように思えてならない。
1Q84 BOOK 2Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.88:
(3pt)

200Q

万人が言うようにコレは村上春樹の小説で、またその枠内を駆け巡ったものだ。進歩無し。気は引けるが、そう言われるのも、言うのもしかたのないことだと思う。何故ならコレは氏の長編だからだ。今までよりも些か複雑な思想、初めての女性の主人公。コレまでとの違いはこの2点だと思う。ストーリーや、2つの物語の振れ幅なども人に言わせれば違うと言える。だが、氏の大作を通して、さらに贔屓目で見た上での違いはこんなものだろう。ただそれらも中編では既に語られたものだ。つまり1Q84はまだ何も見せていない。氏は大作を通していつでも先を見せてくれた。ねじまき鳥でそれはとても顕著だった。そして、言うなれば、1Q84はねじまき鳥までしか見せていない。(もちろんカフカも踏襲しているが、ストーリーを体系的に見た場合の話だ。)ここで一つの解答が逆説的に差し出される。氏はまだ語るべき物語を内包していると。まだ先が在るのだと。それも恐らく周知の事実。故に僕は3つの星を統べた。200Q年、空には月が二つ。ハードカバーの重みが手から消えない。
1Q84 BOOK 2Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.87:
(2pt)

春樹の作品にしては面白くない

海辺のカフカ以来久しぶりの長編小説。作者の問題意識、現代という時代についてのつらい認識、オウム事件、等を背景に久しぶりにパラレルワールドとその収斂となる物語を描く。しかし意図的かどうかは分からぬが、この作者にしては珍しく話しが面白くなく主人公たちものびのびとしていない。いつもは本を置くことなく読了してしまう、頁をめくるのがもどかしい思いをするほどの喜びであったが、残念ながら今回はそのような喜びはなかった。途中失敗作かとも思ったが2の後半からの盛り上がりで何とか終わらせた。主人公たちの発言がどうもステレオタイプで作者の立ち位置とのずれも良く分からない。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222

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