■スポンサードリンク


1Q84



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
1Q84 BOOK 1
1Q84 BOOK 2
1Q84 BOOK 3

1Q84の評価: 3.66/5点 レビュー 986件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.66pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全986件 641~660 33/50ページ
No.346:
(1pt)

時間かかったー

読書が大好きで読むスピードも早い私ですが、
2巻で1ヶ月以上かかって無理矢理読みました。
本当に全然面白くなかった。
ノルウェイの森とか昔の作品はそれなりに面白いと思ってたんですが。
まず、登場人物の誰1人として生き生きした魅力を持ってない。
「こんなやつおらんでー」という気持ち悪いナルシストの登場人物ばっかり。
誰にも愛着が沸かないので物語に入り込んで読み進みたい気持ちが沸かない。
物語自体も半分以上意味不明でひきつけられない。
村上氏が何か伝えたいことを持っていて
それを暗示的に表現しているんだということは感じるが、
読者がその意味を理解できないのではただの作者の独りよがりだと思う。
無意味で無駄な修飾文も昔よりひどくなっていてぞっとした。
性的な文章の多さと表現の仕方にも吐き気がした。
もう村上氏の作品を読むことはないだろう。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.345:
(4pt)

「コミット」できないディテール

一言でいえば、「魅力的な物語だが、違和感の残るディテール」といったところか。
「わかりやすさ」を狙った設定、「わかりにくい」展開。
「ハードボイルド」なプロット、「ロマンチック」なキャラクター設定。
「小さな」悪と「小さな」善による、きわめて個人的な歴史の数々。
なぜ、平家物語の長い引用が必要なのか?
なぜ、クラシックやジャズのウンチクをここまで散りばめる必要があるのか?
なぜ、登場人物たちは突然「失われて」いくのか?(まるで書きながらプロットが彷徨う連載小説のように)
ミステリーとしての要素は手堅いのだが、「ノルウェイの森」のような純愛路線と村上春樹らしくない性愛描写のバランスには違和感が残る。(無理して愛を語り、無理してセックスを語っているような印象を受ける部分が垣間見られる。)
良く言えば、「羊をめぐる冒険」「ノルウェイの森」「アンダーグラウンド」「ロング・グッドバイ」(チャンドラーの翻訳)…。
これまでの村上ワールドの数々を融合した作品、ともいえるのかもしれないが、最近、熱心な読者ではなかったこともあって、この作風とディテールにはうまく「コミット」できなかった。
村上には、もう語るべきモチーフがないのだろうか?それとも、この魅力的なキャラクター(大切なことだ)たちに託したい、もっと壮大なテーマの序章に過ぎないのだろうか?
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.344:
(4pt)

Part 3、どうなるか??

Part 1を手に取りすぐに各章のタイトルをチェック。すると、村上ワールドらしい興味を引かれる題名が並んでいてわくわくしました。素人の私が言うのもなんですが、村上さんの文章に益々磨きがかかったように感じます。謎ばかりが残って、、、というご不満の声もあるようですが、少なくとも言葉は選び尽くされて書かれていると思います。名台詞も多い!読み進むにつれて物語に深みが出てきて、ひとつひとつの言葉に重みが増し、吟味して読みました。これって、自我の追求の物語であり、純愛小説的でもあるんだと思います。しかし、性描写には確かにうんざりさせられました(女性の胸のことが繰り返し出て来たのには苛つきましたよーー)。それから、「証人会」というのは実在の某宗教団体をモデルにしていると思われますが、作中で「カルト」とされているのはそのモデルとなった教団の信者の人にとって失礼じゃないでしょうかね。私が大好きなPrinceもその信者なんですけど。
とにかく、どういう展開になるのかPart 3の発売が待ち遠しいです。
<素朴な疑問>
青豆さんの下の名前は何?
天吾君の傍にいるふかえりはマザなのか、ドウタなのか?
1Q84 BOOK 2Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.343:
(4pt)

一気に読めました

色々なエッセンスが入っているので、感想もなかなかまとまりません。
オウムの事件とか、9.11とか、起きてしまったこととして認識していることが、あるふとしたきっかけで起こらなかったかもしれないし、別の形で何かが起こっていたかもしれない・・・そういう大きな転機を左右する物とはいったい何なのだろう・・・。というのがこの物語の問いかけで、読者に与えられたQuestionなんですよね。本の中に回答はありませんが。
続編が出るんですね。。。。これで完結でも十分だと思いますが・・
1Q84 BOOK 2Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.342:
(4pt)

彼岸と此岸

春樹さんの本は20年来翻訳も含めてほぼ読了しました。
今回の新作、とても楽しみに手にした次第です。
さて、このBOOK 1。
いい点・残念な点が混在しているように感じます。
いい点
春樹さんらしい読みやすい文章。ご本人がいうところの「文体力」がさすが!
青豆の奔放なキャラクターとその描写で読み進めさせる点。
残念な点
春樹さん永遠のテーマである「彼岸と此岸」の描き方が浅い? 整理されすぎ?
残念な点については、どうしても『世界の終りと〜』や『ねじまき鳥〜』の
重厚感(あるいは整理されてない感)と比較してしまいたくなっただけかもしれません。
彼岸と此岸が本書では「青豆」章と「天吾」章、
「教団側」と「老婦人側」など複層的なのはわかりますが…。
ただ、村上春樹ファンを喜ばせる種があちこちにまいてあるのはやはりうれしかったです。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.341:
(2pt)

がっかり

今まで読んだ村上春樹の中で、一番がっかりかなぁ。
読み始めはとってもおもしろく、後半は失速する一方。
構成からどうしても「世界の終わり〜」と比べることになるけれど
比較にならないほど「世界の終わり〜」がおもしろかった。
話がどんどんどんどん膨らみ過ぎて、いつの間にかほったらかしにされる事象が多く、
結局「なんだ、この程度の厚みだったの?」という感じ。
今までの村上春樹に免じて、続編に少しだけ期待することにします。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.340:
(5pt)

真実の愛を見つけたとき、人は・・・

これが自身の 初、村上作品で これが村上春樹ワールドかぁ、という気分です。
メインテーマから外れるかも知れませんが、読書後、わたしの中に残ったものをレビューします。
男女ふたりの主人公はそれぞれ、世間一般の人は縁がないような
過去や職業、日常を抱えて生きる、希有の人です。
でもふたりが希有の人である理由は、そんな表面上のことではないと思います。
10歳のころ、ふたりが手を握り合ったとき――
青豆は、天吾の心か身体の一部を持って行ってしまった。
そしてそのかわりに、彼女は自分の一部を彼の中に残していった。
ほんのみじかい間の、たいせつなやりとり。(一部文中抜粋しつつ・・)
真実の愛、というと非常に安っぽいですが、
このやりとりがその後のふたりの人生に無意識に、でも強く強く影響しています。
一見、刹那の快楽に酔いつつ、自分への関心もなくただ生かされているように思える二人。
でも奥底には真実の愛であり、生に支配されているからこそなのです。
その人でないとだめ、その人以外は本当には愛せない。
孤独が付きまとう生き方ですが、そんな愛を見つけた人は、本当に幸せで、無敵なのでは、と思いました。
だからふたりは、別々の道を歩いていながらも強く生きられるのです。
世の中に、何人、こんな愛を見つけられる人がいるものか・・・。
(恋愛に限ったことではないですが)小手先の愛情ごっこに惑わされることなく、
少しでも、青豆と天吾の間にある愛に近いものを自分も見つけたい、と思いました。
(恋愛については焦る必要はないのだ、と自分に言い聞かせつつ)
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.339:
(4pt)

期待を膨らませて・・・

予約の情報を知り、是非読もうと思った。
マスコミでの取り上げ方も、期待を煽り上げた。
やがて書店での売り切れ報道、また、山積み展示。
ブームは確実に起こっていた。
いつか読もうと思い、その前に読んでおこうと、『海辺のカフカ』『ノルウェイの森』『ねじまきクロニクル』を読んだ。
やっと、ブームは静まり始めた。
満を持して『1Q84』を手に取り開いた。
私は1949年生まれ、村上春樹氏と同世代だ。1968〜72年、学園紛争の中を潜り抜けてきた。
「文学は現実からの逃避だ。」と激しく思っていた。
1984年は社会生活に踏み込んで、10年目。子供も二人儲けていた。
家庭生活に、目の前の仕事に、私自身逃避していた。
「文学は現実からの逃避だ。」とそれでもまだ思っていた。
『海辺のカフカ』『ノルウェイの森』『ねじまきクロニクル』を読んで、私は後悔した。
出会う時期が遅かったと、60歳という定年の年に出会ったからといって、この成果をもう還元できる機会はほとんどない。それらを読みながら、心を震わされながら、自分の少年期、青年期、壮年期を振り返ることができた。すばらしい時間を費やすことができたと思う。
「文学は現実への誘いだ。」と悔恨しつつ今そう思う。
「説明しなくてはわからないということは、説明してもわからないということだ」
この言葉を胸に刻んで、村上春樹氏の今後の作品にも期待したい。
1Q84 BOOK 2Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.338:
(4pt)

1974

村上春樹には、このような殺し屋の女がでてくるような小説を期待していない。だから、面白いことは面白いし、この作家には珍しくハラハラするところもあったが、、、いたって普通・・・
『ダンス・ダンス・ダンス』みたいのが読みたい。心からそう思う。
1Q84 BOOK 2Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.337:
(1pt)

「世界の終わり〜」を引き立てるための本

同じ長編で、そして二つの物語が交互に進行するという共通項を持つ「世界の終わり〜」の方が断然いい。
「1Q84」を読む暇があれば「世界の終わり〜」を読むことをお勧めする。「1Q84」は「世界の終わり〜」を引き立てるための本といっていい。
ちなみに「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」は秀作である。
「1Q84」と比較してもそのことがよくわかる。「1Q84」のことを高く評価している人はおそらく「世界の終わり〜」を読んだことがないのでしょうね。両者を読み比べると秀作と駄作の違いがよくわかると思います。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.336:
(2pt)

これが「村上春樹」なの????

私は初めて村上春樹さんの本を読みました。
で、読み始めて一番に思ったのがタイトルの言葉です。
そうなんだとしたら、なんともクドイ。
やたら説明?が多くてなんだろう・・・ とにかくクドイ。
そしてどなたかも言われてましたけど
性描写がエグイ・・・・・・。
官能的な性描写ならまだしも・・・ ひたすらエグイ。。。
基本的に本って、一晩かもしくは二晩で読み上げる私も
この本にはかなりの時間、日数を費やしました。
そこまで先が気にならない。
でも、買ったからには読まなきゃもったいない(?)し・・・
そんな義務感から読みましたが・・・・
二度と村上さんの本を買うこと(読むこと)はないでしょう。
もちろん、Book2を購入することも
ナシ!! です。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.335:
(2pt)

小説として幾つかの「瑕疵」を抱えているような気がする。

「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」が618頁。
それに比し、本書は1,2巻合わせて1,055頁。
“饒舌”が、ある意味での村上ワールドを醸し出していることを割り引いても、長すぎる。
その饒舌に辟易しながらも、とにかく一気に読んだ。読んではみたものの、どこか、あと味のすっきりしないところが、いまだ残る。
同じパラレルワールドの形式で進むが、あと味と云う点においては圧倒的に、「世界の終り・・・」に軍配が上がる。
そもそも今回の「1Q84」、
青豆をして、暗殺者に仕立てんとする老婦の、 “取って付けたような動機” に始まり、小説として幾つかの「瑕疵」を抱えているような気がする。
青豆と天吾の二人に重なる心象世界。 悪くはないのだが、いささかの無理を感じる。
フィクションであるのだから“非現実”の世界を描くのはよい。 月が二つある世界があってもいい。
然し、たとえそれがSFであれ、ファンタジーであれ、ある種のリアリティーとか実感と云ったものが伴わないものは小説としての要件を満たさないと思うし、読む者の共感も呼ばないようにも思う。
加えて、度を超えてエクセントリックな青豆の言動。 村上春樹が描くには、そもそも不似合いな人物像であったように思う。
それが為か、小説にとって大切な「あと味」にまで、青豆の奇矯な影を落としているような気がする。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.334:
(3pt)

面白い、読みやすい、が。

中学2年生が考え出しそうな、安易な人物設定が目立つ。
お金持ちは、株で大成功。
ボディーガードは、ゲイの元特殊部隊員。
男主人公は、元数学の天才児。
女主人公は、必殺仕事人。
秘密少女は、片言にしか喋らない。
もうひとつ。 本当に あそこまでの性描写は本当に必要だったのだろうか?
本書では、女子高生・婦警・人妻・熟女・幼女がレズ・複数・アナル・SM・幼児プレイ・近親相姦を繰り広げる。
「村上春樹」の本は万人が読む。
保護者なりは、上記の性描写が含まれていることを了解した上で購入するようにしたい。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.333:
(5pt)

もし続編が出ないとしたら、生殺しもいいとこなんだろうなあ

 実はワタクシ、この本は読むことはないだろうと思っていたはずなんですが、偶然の一致、天の采配、運命のいたずら、神の気まぐれ、人為的災害、その他さまざまな表現でもって語られているこんな感じの言葉によって偶然にも読む機会に恵まれました。
 せいぜいが新聞の紹介欄ぐらいで、書評等は読んではいなかったのですが、読後「いつもどおりのムラカミハルキの本だなー」と感じました。
 推理小説はロジックを、それもひぜうに現代的な仕掛けでもってつくられた謎を掲示して、そしてそれを丹念に丹念に探偵・その他の方々が解体していくのを見ている(=覗いている)のですけれど、いわゆる純文学・・・・・・のなかでもとりわけムラカミハルキの作品に限って言えば、そこまで丁寧なものを期待するのもお門違いなんじゃ、と自分は思ったりもしています。私たちはマグロの解体ショーを見に来たわけでも、サイコロの展開図を覗きに来たわけでもないんですから。そんなわかり易いものはハーレクイン文庫なり、刑事もののTVドラマに任せちゃえばいいんじゃないかと。
 して、こういった「論理的じゃあないけれど、なんらかのルールに則って事態が進行・集約していく」展開。これっていうのはやっぱりムラカミハルキの作品の中では使い古されたモチーフというか展開なんですが、特に今回、人によっては「その腕が錆付いちゃったんじゃないの?」という意見の方もおられますが、そんなことはなかったんじゃないと自分は思います。良くも悪くも『いつもどおり』では、と。
 ただその中で用いられたいくつかのパーツに、他の作品に比べれば人々が嫌悪感を感じるものが多かった。例えば過多ともいえるすけべーな描写であったり、宗教であったり。
 でもたぶん、著者が常々書きたがっている――ような気がする――、世の中に存在しているのに不確かな要素。例えば羊を巡る冒険ではアレだったり、ダンス・ダンス・ダンスではコレだったり、海辺のカフカではぐにゃっとして無断で進入したりしているアレらだったりする、総合的な悪意というかそういうとんでもなく強大な、方向性も定まっていない恐怖。その一端を描くことに関して言えば今回もまた、成功しているんじゃないかと思いました。それが今回の場合、カルト宗教を媒介としていたんだろうな、ぐらいの気持ちでいます。
もしこれでこの話の続編が出ないとしたら、生殺しもいいとこなんだろうなあ。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.332:
(4pt)

同じ時代の別の世界

青豆と天吾。
最初はまったく別のストーリが同時進行していくのかと思っていたけれど、だんだんシンクロして交わっていく。
2人も含め、10歳のときに何らかの転機があったのは偶然ではなかったっ。
同性として青豆はあまり好きにはなれないタイプだけど、弱気を助ける正義の殺人者的なところは好きなところ。
天吾は、才能あるにしてもイマイチ発揮できずモンモンとだけど自分的には快適に近い1人暮らしを送っている。
小説の原案者のふかえりと戎野先生、その背後にある新興宗教。
まるでオウム真理教を想像するところもあり、作者が何度も裁判に足を運んだというのもこのストーリの位置づけになっているのかと思う。
1人1人の細かい描写で文章だけで登場人物の姿かたちが想像できる。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.331:
(5pt)

ただ、純粋に面白い物語として

ようやく、ようやく読みました。なかなか読み始めることができなくて…。
できるだけ、心に何もない状態でよみたかったのです。
普段、どんな大物作家でも新人作家でも、ベストセラーでも売れない本でも
その歴史ではなく作品自体への感想を、自分なりに持ちたいと思っているけれど
村上春樹という存在はとても大きい。
大き過ぎる期待やら厳しすぎる批評眼やら、読む前にいろんなフィルターがかかります。
もともとがどちらかというとアンチ気味だったので
実際これだけ売れると、ほんとに面白いの?という意地悪な気持ちになったりもする。
ようやく自然にこの物語の世界に入れたと思うので
できるだけ、素直な感想を書きたいと思います。
単純な感想を一言で言うと、「すごく面白かった!」です。
天吾と青豆、交互の視点で進む構成。
二つの月という現象で、微妙にずれていく現実世界の感覚もいい。
なにより、その文章。
おそらくこの作家さんの特徴であるところの、
読む人を突き放すような、固有名詞を多用したり、回りくどく現実味のない比喩表現も
言葉がその言葉自体の意味を失って、別の意味を伝える記号のようになるような…観念的な感じがして
登場人物たちに、物語の世界に、近づいて行けた。
物語の進行は、たくさん迂回するようでもあるけれど
読めば読むほど、「余分なものは省かれ、必要なものは書き込まれた文章」。
作中作品『空気さなぎ』の評価として書かれたことそのものが、この作品に当てはまるように思いました。
最近わりと良く見かけるようになった、勢いで書かれたような文章とはまるで違う、
推敲しつくされた文章なのです。
えらそうな言い方かもしれないですが
大物作家村上春樹は、油断することなく前に進んでいる作家なのだと感じました。
発売直後から続編の噂が囁かれ、最近実際に3巻の予告もでましたけれど
わたしはこのまま終ってくれても良かったです。
謎が解明されず、結末が解決にならないままでも、十分完結してるように思えたので…。
もちろん出るなら楽しみに待ちますけれど。
どこで終らせるかは、作家の力量が試される大きな部分だと思うので
作家自身にも、読者にも、もうこれ以上はない、と思えるような最終巻を楽しみにします。
絶賛になっちゃいました。これまで苦手だったのですけど。
発売前からこれだけ話題になるような作家さんはプレッシャーも多くて大変そう…なんて思ってましたが
村上春樹は期待しすぎても大丈夫!
そんな信頼が生まれた作品でした。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.330:
(4pt)

一言申し上げたい

既に多くの意見が交わされているので、内容に付いて語ることは特にありませんが、どうにも気になるのが「青豆」の行う殺害方法です。『必殺仕置人』だったか『必殺仕事人』だったか記憶が定かでありませんが、緒方拳の行う方法とまったく同じで失望しました。村上氏ならではのユニークな殺害方法を考案してほしかった。二番煎じの感がぬぐえません。殺害方法は物語の進行上重要な意味を持つと思われますので、気になります。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.329:
(3pt)

かなりの部分を斜め読みをしてしまったが、若い頃の恋愛を思い出させてくれた作品

 中国の国慶節休暇を利用して、Book1・2を一気に読破しました。村上春樹は高校三年の模擬試験の題材
だった、「風の歌を聴け」の衝撃的な出会いから、ほぼ前作読んでいます。ただ、最近は観念的な作品が
多く、若干のめり込めない気持ちでした。今回の作品は、私のお気に入りの作品(ベスト1・2になるか
も)「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」のテイストで、次の展開が非常にやきもきして、
読み進めました。
 ただ、「世界の〜」と違って、一字一句かみしめるようには読めず、かなりの部分を斜め読みをしてし
まいました。村上作品は大分読みこなしているので、それでもストーリーと世界について行けたのと、す
こし冗長かなと思われる部分があったからです。これも自分が世の中を色々と経験して、それほど新しい
情報について感動を受けにくくなったのかも知れません。
 それにしても、齢60にしてこのようなみずみずしい小説が書けるのですから、すばらしいと思います。
これも、日々ストイックにジョギングをして体を鍛えているのと、好きなことしかしない潔さ(それによ
って失う物があっても構わない)があるからなのかも知れないと思いました。
 1984年と近い過去を題材にしていますが、今の小説やドラマに必須の携帯電話が全く出てこないのが、
新鮮でした。ポケベルはちょこっと出てきますが...。現在は公衆電話もほとんど使わない時代になって
います。私が高校生の時は電話といえば、固定電話か公衆電話でした。好きな女の子の家に電話を掛け
るために、よく公衆電話BOXに行ったことを思い出しました。彼女のお父さんやお母さんが出た場合(ほぼ
100%だった)のシュミュレーション(21時以降は、夜分遅くに、、、など)を頭の中でしたことが思い出
されました。コミュニケーションが現在ほどconvenientではなかった時代で、相手とのすれ違いや初めて
電話を掛ける時の勇気などが試されました。今では携帯のショートメールによって、気軽にコミュニケー
ションのとっかかりを得ることができます。現代社会は失敗しても傷がつかないようにお互いに予防線を
張っているような気がします。当時は初めて電話を掛ける時は、心臓が口から出てくるぐらい緊張した思
い出があります。
 「1Q84」は私にとってベストの村上小説ではないですが、そんな昔の思春期の恋愛を思い出させてくれる作品
でした。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.328:
(1pt)

もう、ホントに!!

 なぜこんなに売れているのかわかりません。設定も、文章も、良くも悪くも村上春樹。少々飽きました、こういうの。読んでいる時は面白いけど、読み終わると何も残らないし。むしろ「何この終わり方……」という空虚感と「時間を返して」という怒りが残りました。家事と育児と仕事の合間を縫って、読んだのに、ホントに時間を返して欲しい。まあ、知人から譲られて読んだので、お金は掛かっていませんが。今すぐ古本屋に持って行きたいくらい!
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.327:
(5pt)

束の間の現実逃避、、、そんな位置付けで良いような気がする

秋の五連休ぽっかり時間が空いた。
何の本を読もうかと本屋をぶらつき、結局、この本を手にした。
当然、話題の作品であることは知っていた。著者の本も、若い頃は当然の如く読んではいた。
だが、著者の本は内容が全く頭に残っていないのである。
ただ、感覚だけが思い出される、私にとってはそんな不思議な作家であった。
そして、そのような本は、ビジネスにどっぷり浸かった私の中では必要とされずいつしか遠い作家となっていた。
かれこれ、二十年弱ぶりに(ノルウェイの森以来だ!)読んだ著者の本は、しかし、私をぐっと惹きつけた。
昔は背伸びをして読んでいた気がしたが、私も年を経て、身の丈ぐらいの内容になっている気がした。
小学校の頃好きだった子を思い出した。
それを探さなかった自分と主人公達がラップした。
妙に著者の世界に入り込んだ。そこには、ビジネスの世界にはない、また、他の本にはない世界があった。
頭を空っぽにして、あっと言う間に読み終えた。
そして何か違う世界が拡がった。
また、社会に戻り、シホンシュギの生活に戻らなくてはいけない。
理屈付けも、理論付けも、良い悪いも、そんなの全部要らない。そんなの毎日やっている。
束の間の現実逃避、、、そんな位置付けで良いような気がする。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!