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1Q84
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1Q84の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.66pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全986件 601~620 31/50ページ
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この小説は、適当に開いてどこか一文を見ただけでも、なるほど真理だ、と納得させられる文章の集まりである。美文の集合体とされる三島文学の金閣寺のようなものだ。 読んでいてとても面白いのだが、登場人物は何か幽霊のようで顔を感じない。彼らがなぜそんなに絶望していて虚ろなのかよくわからない。 最初から最後までなにか平凡である。色々な事を考えさせられて、小説自体は形を持たず、読んだ側次第ということだろう。 ストーリーは納得のいくものではない。ねじまき鳥クロニクルの第二巻を読み終えたときのような印象が残った。book3が出ることは、多くの人が予想していただろう。 迷える不幸な主人公たちを、きちんとした場所に導き、終わらせてもらいたい。 | ||||
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今まで、村上春樹の小説は、短編、長編を問わず、すべて読んでいます。 この1Q84を読みはじめてまず思ったのは、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」と似た話の進め方だということです。春樹作品は基本的に、パラレルワールドを描いている場合が多いですが、これを明示的に描いているのがこの「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」です。1Q84も作りはこれと同じで、別々の世界がひとつの接点で結ばれていくという感じです。 また、「海辺のカフカ」で登場した中田さんのように、ある種の特殊能力を持った登場人物。ドラゴンクエストのように何かを探し続ける人たち。 さらに、「ねじまき鳥クロニクル」で取られた3部構成戦略。1Q84が3部構成で終わるのか4部以降も出るのかはわかりませんが、「ねじまき鳥クロニクル」の全3部のうち最初に刊行されたのは第1部と第2部だけで、第3部以降が存在するのかどうかということは最初は明らかにされていませんでした。一種のマーケティング手法かもしれませんね。 というわけでこの1Q84という作品は、上記3作品を平均化したような、ある意味村上春樹の集大成を言える作品ではないかと思います。しかしそれでいて、上記3作品を超える面白さは、個人的には感じませんでした。 | ||||
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私たちの世界である「1984年」と,それとは微妙に異なる「1Q84年」が交錯し, 「月はひとつ」とか「警察官の制服はこんな感じ」といった常識が覆される。 作者は,新聞のインタビューで「仮説の中に現実があり、現実の中に仮説がある・・・そのような現代社会のシステム全体を小説にしたかった。 ほぼすべての登場人物に名前を付け、一人ずつできるだけ丁寧に造形した。その誰が我々自身であってもおかしくないように。」 と述べている。 なるほど,登場人物の日常の細かい書き込み。 長い放尿だった,だの,今日の夕飯はどうのこうのと材料や調理法まで書いてある。 ・・・しかし,男性主人公はともかく, 女性主人公の方は,プロの殺し屋であり,顔をしかめたときの異形,非常識な男の誘い方・・・ どうも生身の人間というよりアンドロイドか別の世界から来た人のようである。 なので,作者の意図が,読者に主人公と自分を重ね合わせることを期待していたとすれば失敗だと思う。 ただ,女性主人公の非現実的な雰囲気は,作品全体のファンタジー性を盛り上げており, 不可思議なエピソードの連続も,「まあ,ファンタジーなので。」と納得がいくから,これはこれでよいのかもしれない。 上巻の感想なので,ここまでにしておくが,この小説,下巻まで読み終えても話として完結した気が全くしない。 これだけ大々的に宣伝して多くの読者をつかみ,BOOK3まで引っ張るからには, メッセージを抽象的に伝えて終わりではなく,物語として完成させてくれることを望む。 | ||||
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本書は、出版社の巧妙な戦略が功を奏して、本来であれば、村上春樹の作品を読まないような人をも巻き込んで、空前の大ベストセラー小説になっている。かくいう私も、一応、彼の作品は3つ読んではいるものの、これだけ騒がれなければ、まず、本書を手に取ることはなかったと思っている。しかし、そんな人々が、果たして本書を楽しんで読めるかという点になると、なかなか厳しいと思う。 まず、本書は、物語の焦点がどこに合っているのかがなかなか見えてこないので、退屈を感じてしまうところがある。実際、私も、本書は発売直後に買っているのだが、途中で他書に目移りし、最近まで、本書に戻ってくる気になれなかったのだ。それでも、ひとたび物語の焦点が合い出すと、次第に読者を引き付けてはいくのだが、やはり、本書の最大の問題は、難解だということに尽きる。村上文学の特徴は、「文章は平易だが、作品は難解」といわれているのだが、まさに、本書は、その典型のような作品なのだ。 私には、1Q84年という概念が、よくわからない。並行世界でもなく、仮想世界でもなく、世界は1Q84年に変更され、1984年はもうどこにも存在しないといいながら、主人公らだけが入り込んだ世界ともいい、ほとんどの人が知覚できないともいう世界とは、一体、どんな世界なのだろうか?また、青豆のある究極の選択で運命が決まったはずの天吾が、その直後にふかえりと行ったある行為が、なぜ、必要なことだったのかも、よくわからない。 村上春樹は、「ノルウェイの森」では、「100%の恋愛小説」といわれた純文学で勝負していたのだが、「海辺のカフカ」といい、本書といい、現実離れした、奇妙で難解な別の世界に入り込んでしまっているようなところがある。そもそも、本書で扱われているテーマは、1Q84年だとかリトル・ピープルなどという、わけのわからない設定のもとでしか語れないようなものなのだろうか? | ||||
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書き出しからグッと引き込まれる 文章力はさすがです。 特に第1巻の冒頭部分は凄かった。 2巻では、核心に迫ろうとする部分で はぐらかされているもどかしさがありました。 読後もなんとなく1Q84の世界にいるような 気分を感じました。 内容から得られるものは特になかったですが 3巻も読んでみようと思います。 | ||||
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いま小説家に望むのはこのように薄いぺらぺらの物語ではない。いまのマーケットで消費される物語ではなく、いまの時代を書く書き手が村上春樹ではないということはこれではっきりしてしまった。しかし、それでは誰が書くのだろう? | ||||
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ジムのインストラクターでもある若き殺し屋の青豆。 予備校講師をして生計を立てる小説家の卵、天吾。 そんなふたりが入り込んだ「こうであったかもしれない」 1Q84年を描いた近過去小説。 読み始めて感じたのは、典型的な春樹ワールドだなと いうこと。酒と音楽とセックス。そして不思議ちゃん。 別に嫌いじゃないんだけれども、どうしてここまで 売れて騒がれるのかが分からない。 予約数がすごいってことで話題になって、みんなそれに 乗せられて買っちゃったっていうのが多いんじゃなかろうか。 どちらかと言うと、俺もその口だしね。 今まで春樹は文庫本になるのを待って読んでいたのに、 久々に単行本で小説を読んだよ。 春樹の単行本は小学生のときに読んだ「ノルウェーの森」 以来です。 書評を見ると、賛否両論あふれていますが、 それでもやっぱり読むと引き込まれてしまうのが 春樹のうまいところ。 BOOK2のあの終わり方で、完結させて、 それはそれでありだと思うんだけれども、 続編のBOOK3が今春に出されるっていう話。 きっと、読んだ誰もがそれぞれの天吾と青豆のその後を 思い描いているだろうから、どんな続け方にしても、 そのギャップで文句は出るだろうね。 上下巻じゃなくて、BOOK1、BOOK2ってなっていたことで、 さもありなんとは思っていましたが、ちょっと商業主義に 走っているようで、なんだか嫌ですね。 なんてことを言いながら、あんなに1,2を読んだ人が いるわけだから、BOOK3も売れちゃうんでしょうけど。 って、俺もきっと買っちゃうだろうし。 http://teddy.blog.so-net.ne.jp/2009-11-25 | ||||
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ずっと村上春樹さんの作品を読んできました。 3も予約しました。 この作品はものすごく面白いです。 この世界のなかに引き込まれて 時間を忘れて読書に夢中になれます。 そういう意味では優れた作品です。 しかし、内容は恐ろしく空虚です。 現実にリアルに係わり合い、 それをメタファーを駆使して物語に 緻密に構築することには成功しています。 でも、その現実とのリアルな係わり合いから 生まれてくる作品の内容のレベルの低さには愕然とするほどです。 この作家は、オウム真理教とのあれだけの 係わり合いからこんなことしか学んでいなかったのかという 想いは読後しばらく呆然とするほどでした。 3もわくわくしながら読むと思いますが、 物語としての群を抜いた面白さと、 内容の空疎さをこんなにも強烈に感じた作品は初めてです。 | ||||
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今までに読んだ村上作品の中で一番良かった。 万人に向けた文章になったと思います。なんだか安心感。 いろんなジャンルの事がちりばめられているので 何度も読めるんじゃないかと楽しみ。 個人の成長だけじゃなくて、 日本の成長についても考えさせられました。 出てくる単語がワールドワイドな感じ。 独自性のこと、依存症のこと、 神経症のことなんかを考えました。 リトルピープルは依存症だと思う。良くも悪くもなる。 この話は十分免疫つけるのに役立ちました。 どうもありがとう、と言いたい。 いろんな人がいろんな気持ちになるといい。 そういう目的の本じゃないかな。 これからもこういう、頭がすっきりするようなお話を たくさん作っていって欲しいです。 | ||||
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やっと、手にして読みました。ニュースで発売当初はすごく話題になっていたので、ワクワクして読みましたが、2巻までよんで??ってなりました。 村上春樹の作品を読むのはコレが初めてで、読み辛くてしょうがなかったです。天吾と青豆の視点で話が進みますが、ちょっと進んだら視点交代というのが続いて、良い所になるとCMに入るTV番組みたいにイライラしました。だんだんと交錯し始める2人の物語に引き込まれて行きましたが、無駄と感じる説明文が多く、また登場人物を全く想像できない作品でした。 小説を読むとき、自分の頭の中で人物や描写を想像しながら読んでいるのですが、こんなにも想像出来ない作品を読むのは初めてです。 他の作品もこんな感じなのかなと思い、海辺のカフカとねじまき鳥クロニクルを読んでみましたが、全く同じ感じの世界観、文章でした。全く同じ文章まで登場しました。 しかも、完結後のもやもやが消えませんでした。風呂敷を広げすぎて畳めなくなったって感じの終わり方。起承転結がはっきりとした作品しか読んだことが無いからかもしれませんが、途中で出てきたコレはどういう意味だったの?結局なにが原因だったの?そしてどういう結果でこうなったの?どういう結果だったの?など疑問ばかりが残り、解説サイトを読みまくってどうにか自分に納得させた感じです。 この作品もこんな感じに終わるのかな〜と思ってちょっと3巻を買うのが躊躇われます。多分、新刊がでたら買ってしまいますが、読んだ後、ああ買わなければ良かったなと思うだろうな。 | ||||
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小説なので、読者によって当然好き嫌いはあると思います。 スピード感のあるスリラーが好きな人もいれば、熟考されられるミステリーが好きな人もいると思います。それを踏まえたうえで、この本をオススメする理由は、この本以外に、この本で感じることができる本を探すことができないからです。村上春樹は、だからすごいんだなと思います。 似たようなミステリーや、似たようなルポは散見されます。なので、あの本が好きなら、この本も好きでは?などと、推薦することもできます。 しかし、この本を似たものに出合ったことはありません。 | ||||
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ハルキストですが、ほったらかしにしてた1Q84を読み終えての感想は正直「いまいち」でした。 あんなに売れたのは、「久々の書き下ろし」が先行したと思います。 長編ですが、ある意味、こじんまりしすぎている気がしました。 面白く、また、共感をもって読んだ箇所も多々あるのですが、 あれほど紙数を使う必要はないんじゃないかと思いました。 もっと言うと、描写が精緻に詳細にされる分、なぜか心が地面から浮びあがってしまいました。 村上さんがサリン事件と出会ったことで、一つの示唆があったのはいいとして、 この先、(自分にとって)面白くない方に作風がいくのではないかと心配してしまいます。 仏苦3(BOOK3の別世界)を期待します。 | ||||
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久しぶりの村上春樹入魂大長編! 凄まじい数のセールスを誇りましたが(セールス手法の上手さもあり。。) その商業的評価と作品本体への評価は微妙に分かれるのでしょうね。。 僕は素直に楽しめました。 女:殺し屋:DV:淫行:金満の老女:教祖+教室での思い出。。。 男:作家の卵:美少女:小説:代筆:教団+教室での思い出。。。 そして異世界を分ける二つの月。 ファンタジックでもあり、現実感もあり、そしてこういった要素を 高い文章力で表現して読了後、えも言われぬ感覚をプレゼントしてくれた 筆者はやはり確かに「ハルキワールド」の持ち主でした。。 BOOK3が待ち遠しいです。。 | ||||
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久しぶりの村上春樹本、ハードカバー、同時に買った「ブラック・スワン」も楽しめました。内容はさておき、ハードカバーは文庫本に比べると眼に優しく非常に読みやすいです、年齢のせいですが。ハードカバーと同じように読みやすく、安ければ電子ブックは大賛成です。やはり、定価 本体価格x2は高いです、だいたい2回読むことなどないのに、資源の無駄使いのような気がしてきて。。。 感想としては、BOOK1はわくわくどきどきで読み進み、BOOK2は終わりが見えてきて少し読み進むのを躊躇う感じでした。もしかしてSF?パラレルワールドかーと思いましたがハードボイルドに青春文学に私小説とやはり春樹ワールド、久しぶりに素直に楽しめました。続編を期待させる思わせぶりな終わり方で次作が楽しみです。 | ||||
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話としてはフィクションなのでリアリティを求めても仕方がないのかもしれませんが 緻密に描かれたリアリティのある舞台背景の中で人間だけが浮いているように見えました。 リアリティがないことでいい味を出している登場人物もいますが リアリティがないことで感情移入しづらい登場人物もいます。 ストーリーとしては面白かったのですが感動はできませんでした。 ああいう話し方をする人間っているんでしょうか。 セックスってそんなに簡単にできるものなんでしょうか。 バーにでも行けばできますか。誰か教えてください。 | ||||
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風の歌からアフターダークまではフォローしてたけど、 しばらくごぶさた。ブームなのでひさしぶりに手にした村上本。 24章×2巻、2人の主人公の交互の章立てと、読みはじめじきに バッハの「平均律」2巻のフォームを模してることはわかったが、 そのとき思ったのは、「もしかして、自分なりに物語の教本つくり ごっこをしてますか?そういう境地になりましたか?」 「物語ることについて、いったん自分のもってるものを棚卸しでも しようとしてるのですか?」でした。 音楽好きで有名な作者なので、やはり、一定の形式を採用した うえでのリズムの確認、みたいなことを、ここで一度立ち止まり? やってみたくなったのかなと。 性的な、しかもかなり露骨な表現が頻出するので、あまり子供に よませたいと思わないなぁ。 物語としては「電脳コイル」がやりたかったの??っ感じ。 ただ、とても気持ちよく読めます。なぜか。 やはり、ラノベなんじゃないのかな?と思いました。良い意味で。 | ||||
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発売されて、ずいぶん経つけど予備知識なしで読んでみた。 私は特別な春樹ファンではないが、誰にでも簡単に伝わる文章表現は素晴らしいと思う。 だが、イマイチまわりくどい。前半が疲れた。特に青豆に興味が湧かない。 ふかえりの存在が一番気になったが、このモデルは数年前に19歳で芥川賞取った女の子を想像してしまいそうだが、 1984年の東京、黒髪、ふくよかな胸、感情のない喋り……登場人物の中で、彼女の顔だけはイメージできない。(そこがフシギ) 去年のイスラエルで行われた春樹氏のスピーチがどうも気になっていた。 あのスピーチは何を言ってるのか私にはよく理解できなかったが、本書を読んで何となくわかってきた。 ようするに小説は、自分一人、孤独の中で楽しんで書いてるんだと。 後半へ続く……。 | ||||
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なぜニュースになるほどのベストセラーになったのだろう。 あれほど世間で話題になったのは、ノルウェイの森以来ではないだろうか。 おかげで、入手するのにしばらく時間がかかった。 やれやれ。 大好きな作家だし、多大な人気があることも承知しているが、万人受けする作家ではないような気がするのだが。 独特の展開と文章を受け入れられない読者もたくさんいただろうに。 世間よりもやや遅れて読んだ村上春樹の「1Q84」は、期待を裏切らない非常に面白い小説だった。 驚いたことに、彼が書いた以前の長編小説よりも格段に内容が「わかりやすく」なっている。 このストーリーがだめな読者は、おそらく彼のこれまでの長編作品のどれを読んでも受け入れることができないだろう。 それほど「村上臭さ」が以前より薄れている。 相変わらず、ある種のメタファーなのか、それとも読者に謎を仕掛けているのか、わかりかねる部分が多々あり、戸惑う面はある。 それでも、以前よりもストーリーに吸引力がある。 淡々とページを繰るのではなく、次の展開が待ち遠しくて先へ先へと読み進むのは初めてかもしれない。 ストーリーは、彼得意のパラレルワールド。 登場人物は、新人が書いた小説の書き直しの片棒を担がされる、小説家の卵「天吾」。 もう一人は、美貌の殺し屋「青豆」。 それぞれ過去に複雑な家庭事情を持ち、現在はそれぞれたった一人で生活を送っている。 まったく関連性がない二人の物語が、あるところから微妙に交わっていく。 ところどころに散りばめられたヒントのようなキーワードは、さながら「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」のようだ。 しかし、このストーリーは天吾と青豆という登場人物が、それぞれのゴールを目指す。 そういった点でのストーリー展開は「海辺のカフカ」の要素もある。 日本赤軍、ヤマギシ会、エホバの商人、オウム真理教。 過去に実際にあったさまざまな事象を髣髴させる団体をベースに、小説家の卵と、美貌の殺し屋のストーリーは展開する。 これは間違いなく、村上春樹の生涯のテーマである「生と死」をベースにした純愛小説である。 あの日、教室でしっかりと握られた手。 その手のぬくもりを、いつまでたっても心から消すことができなかった。 その手のぬくもりの記憶だけで、人は生きていくことができる。 思い起こせば、ノルウェイの森も大ベストセラーだった。 今回「1Q84」がこれほどの部数が売れたのも、無意識に恋愛小説を人々が求めたからなのだろうか。 上下それぞれ500ページ以上の分厚いストーリーの果てにたどり着いたのは、驚くことに村上春樹が提示する「愛」だった。 第3部が今から楽しみで仕方ない。 | ||||
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なぜニュースになるほどのベストセラーになったのだろう。 あれほど世間で話題になったのは、ノルウェイの森以来ではないだろうか。 おかげで、入手するのにしばらく時間がかかった。 やれやれ。 大好きな作家だし、多大な人気があることも承知しているが、万人受けする作家ではないような気がするのだが。 独特の展開と文章を受け入れられない読者もたくさんいただろうに。 世間よりもやや遅れて読んだ村上春樹の「1Q84」は、期待を裏切らない非常に面白い小説だった。 驚いたことに、彼が書いた以前の長編小説よりも格段に内容が「わかりやすく」なっている。 このストーリーがだめな読者は、おそらく彼のこれまでの長編作品のどれを読んでも受け入れることができないだろう。 それほど「村上臭さ」が以前より薄れている。 相変わらず、ある種のメタファーなのか、それとも読者に謎を仕掛けているのか、わかりかねる部分が多々あり、戸惑う面はある。 それでも、以前よりもストーリーに吸引力がある。 淡々とページを繰るのではなく、次の展開が待ち遠しくて先へ先へと読み進むのは初めてかもしれない。 ストーリーは、彼得意のパラレルワールド。 登場人物は、新人が書いた小説の書き直しの片棒を担がされる、小説家の卵「天吾」。 もう一人は、美貌の殺し屋「青豆」。 それぞれ過去に複雑な家庭事情を持ち、現在はそれぞれたった一人で生活を送っている。 まったく関連性がない二人の物語が、あるところから微妙に交わっていく。 ところどころに散りばめられたヒントのようなキーワードは、さながら「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」のようだ。 しかし、このストーリーは天吾と青豆という登場人物が、それぞれのゴールを目指す。 そういった点でのストーリー展開は「海辺のカフカ」の要素もある。 日本赤軍、ヤマギシ会、エホバの商人、オウム真理教。 過去に実際にあったさまざまな事象を髣髴させる団体をベースに、小説家の卵と、美貌の殺し屋のストーリーは展開する。 これは間違いなく、村上春樹の生涯のテーマである「生と死」をベースにした純愛小説である。 あの日、教室でしっかりと握られた手。 その手のぬくもりを、いつまでたっても心から消すことができなかった。 その手のぬくもりの記憶だけで、人は生きていくことができる。 思い起こせば、ノルウェイの森も大ベストセラーだった。 今回「1Q84」がこれほどの部数が売れたのも、無意識に恋愛小説を人々が求めたからなのだろうか。 上下それぞれ500ページ以上の分厚いストーリーの果てにたどり着いたのは、驚くことに村上春樹が提示する「愛」だった。 第3部が今から楽しみで仕方ない。 | ||||
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読んでいるほうが必死になってアラを探している人が多いような気がします。ノーベル賞に近い作家の作品を否定し自分はそれすらも超越し小説の術を知っているような…頭がカタイ読者ばっかだからこんなにも日本の文学が酷くなったのかな…何でも意味や理由やらを求めて…それが無ければ…非現実的…個人的に意味のないことの集合体が人であり人生だと…悲しいことは今の日本に村上氏以上の小説家が数人…ただし中堅や若手にはいないこと | ||||
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