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幽女の如き怨むもの
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幽女の如き怨むものの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.96pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全19件 1~19 1/1ページ
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刀城言耶シリーズで短編物を除くと唯一読んでいなかった。 本の紹介を読んでもあまり惹かれなかったという好みだけの理由だったけど、同じ作者の別シリーズ「白魔の搭」の解説のなかで、「幽女の如き怨むもの」がシリーズ中で最も巧緻と書かれていたのが気になり手に取った。 読み終わった感想としては、物語としては面白く最後まで飽きさせないところが流石だと思うけど、刀城言耶ファンとしては、彼が現場に登場して事件に巻き込まれながら謎解きをするのではなく、過去の事件の解釈を行うだけというのが寂しかった。 そのためか、彼の推理も冴え渡った感じがなく、一部はおざなりな気もして、元気がない。 肝心の幽女が、タイトルにまでなっているわりに、わき役どころかエキストラ、いや舞台装置程度の存在でしかなく肩透かしだったのが残念で、推理も冴えず元気がなかったのかなと思った。 でも、物語として面白かったのは確かだし、村田修氏のカバーイラストが素晴らしいので星は4つです。 | ||||
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一章は新造の花魁の一人称で書かれていて廓の世界観とあわせてとても引き込まれた。二章は女将の立場で、三章は小説家の立場でだんだん徐々につまらなくなって、あれあれ息切れしてきたなーと思ったが、四章の解決編を読んでなるほどーと感心した。 自分は、推理小説で謎を解くよりも、作者に騙される方が好きなので、そういう人はとても楽しめると思います。 幽女の気配も怖くて怪奇ものとしても楽しめた。 | ||||
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最初はレビューを読んで不安でしたが、トントンと読むことが出来たし、その後でこことここが伏線だったのか!など面白い箇所も多くて2度目に読んでもまた楽しめました。 歴史小説のような感覚でも読めるので、設定も楽しみたいなら読んで見る価値はあり! | ||||
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遊郭という変わった舞台で戦前・戦中・戦後と三つの時代に渡って起こる身投げの謎。 人為的な殺人事件か、はたまた幽女がおこす怪異によるものか。。。 単純に読み物としても秀逸です。 表紙の印象は取っつきにくいですが、読んでみると面白くてスラスラと読める。夢中であっという間に読み終わってしまいました。 | ||||
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引き込まれて一気に読んでしまいました。 ただ、少し無理があるような気がしないでもない | ||||
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このシリーズは以前読んだが、事件の関係者の扱いがおざなりだったのが不満だった。 怪異を体験する視点人物としてメインで描写され、読者も感情移入していたキャラなのに、事件後のフォローが至らないというかなんともお粗末というか「トリックと犯人はわかったけどそれでこの子はどうなったのそれが気になるのに!」と消化不良でじたじたしたのを覚えている。 本書ではそのモヤモヤがほぼないので満足。 遊郭を舞台にしたホラーとしても面白く、それにも増して遊女たちの嫉妬や裏切り、駆け引きを主軸に据えた愛憎ドロドロの人間ドラマにひきこまれる。遊郭でのみ通じる隠語など、当時の世情も垣間見えて勉強になる。 結局真相がなにもわからないじゃないかと不満な向きもあろうが、思春期の多感な少女が過酷な境遇に抑圧されていたとすれば、事の発端も大体わかるように書かれている。 終盤のどんでん返しは三回名前を変えながら本質は変わらず在り続けた建物と人の歴史がオーバーラップし、なるほど、ちゃんと伏線になってたんだ!と感嘆した。 いわゆる幽霊よりも、生きてる人間の情念や数奇な偶然が怖い系なのだが、遊郭を扱ったエンターテイメントしても完成度が高くそちら方面が好きな方にも勧めたい。 欲を言えば、時代を跨いで遊郭で働き続けた遊女たちのその後をもう少し掘り下げてほしかったが無粋だろうか。 時代や社会に翻弄され続けた女たちの余生は、想像に任せた方が余韻を残すかもしれない。 遊女になる為に引き取られ、同じ建物で寝起きし三年間みっちり教育を受けた緋桜が、あそこまで実情に無知なのが最大のファンタジーである。 | ||||
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ホラーなのかミステリなのかと混乱させられるシリーズですが、今作はミステリとしては希薄です。 トリックがどうこうではなく、必死に生きた人間が様々な巡り合わせのなか、廓の世界だからこそ起こり得たミステリー。 ミステリとしては、薄く感じるかもしれませんが、読み物としては最高の読後感でした。 | ||||
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お決まりの最後のくだりが無くて面白かった。 せっかく楽しく読んでいても解決編で興ざめするのがこのシリーズの常。 しかしこの作品は読みごたえがあって楽しめました。 扱っている内容が内容だけに好き嫌いは分かれると思いますが 今までこのシリーズにあったつまらない部分を全部排除した 作品という感じです。 残念なことにホラー要素も消えてしまっていますが... | ||||
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男達の欲望を満たすために造られた、一見、華やかな異界――花街――に生きた【花魁】と呼ばれた女性たちのリアルな生き様を描いた物悲しくも、謎めいた物語。 エンディングに繋がる人間模様や色々な状況を考慮すると、何故そういう結果にならざるを得なかったのかが切実に理解できました。 刀城言耶のよい所は、変人物書き素人探偵として謎を解き明かしても、常に罪人を【裁くもの】ではないということ。 時には【真相】――悲しく、忌まわしい過去――をそっとそのまま忘却の彼方に埋もれされることを選び、物語を終える。 そういう思いやりも、このシリーズの大きな魅力の一つではないか、とこの作品を読んで思いました。 | ||||
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緋桜という花魁の哀しくも切ない話。 三人の緋桜は、家族の為に身を削って金銭を得る為に遊廓へ……。 ホラー小説とか、ミステリー小説とかは別にして 何とも物悲しい話で切ない思いでした。 ホラー小説、ミステリー小説、と限って言えば物足りなく感じる人もいるかと思いますが、 私は大満足でした。 | ||||
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これまでの推理のための推理、どんでん返しのためのどんでん返しといった、味気ない推理クイズのような要素を潔く整理して、三世代に及ぶ遊女の物語と謎解きを自然な形で融合させた傑作です。 その分、本格ミステリー・マニアからのうけは悪いでしょうが、作者の持ち味でもあり悪い癖でもあった、無意味などんでん返しと、だらだらとして緊張感をそぐクライマックスでの説明調会話による謎解きシーンが整理されて、小説としてとてもうまくなったと感じました。 | ||||
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本作の「はじめに」には、「ここには密室や人間消失も、連続殺人や見立て殺人も、試行錯誤によって齎される多重解決やどんでん返しも、おそらく何もないと思う」と明記され、本格探偵小説を読むかのような楽しみ方は無理だろう、とまで書かれている。 作者が始めから、そう断っている作品なのだ。 そのように読むべきであって、いつもと違うからつまらないなどと言うのは、ガキの感想に過ぎない。 遂に、探偵役としての刀城言耶は、探偵としての限界と向き合う。 小説の探偵役が、事件の謎を解き犯人を指摘し、その結果犯人が逮捕され極刑に処されたとしても、事件の被害者側の怨みや憎しみが消えないのであれば、事件は"解決”したことにはならない。 人の心の中の、怨みや憎しみまでは、解決できないのだ。 そして、その怨みや憎しみこそが”怪異"を生み出すのだとしたら・・・、刀城言耶は、これまでも何も解決できていないことになってしまう。 本作は、名探偵でも解決できない怨み、文字通りの「幽女の如き怨むもの」を描いており、解決に不満が残るとしても当然である。 そして読者もまた、遊郭に売られた少女の長い日記や、遊郭の女将の昔語りに付き合わされるからこそ、解決できない怨みの存在、「幽女の如き怨むもの」の存在を実感できるのである。 そうした意味から言えば、この作品は刀城言耶シリーズの一作として、いつかは書かれねばならなかった作品であり、書かれるべくして書かれた。 小説における探偵役の存在意義に迫っているからこそ、この小説は各種のミステリランキングにも入ったのだ。 わからない人には、わからないだろうなぁ。 | ||||
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シリーズの中では、異色作。 起承転結結結結結・・・!といった、終盤の矢継ぎ早などんでん返しというシリーズ最大の特色であり特長を ぽんっと放り投げてしまっているからです。 しかもぐんとテンポを落としている。それぞれの語り部による各章の語りも、緻密にゆったりと 丁寧に記されています。 テンポが落ちても読み手の集中力を損なわせない書き手の力量を感じる本作。 なるほど、回を重ねてきた今だからこそ出来る熟練の技といった佇まい。 ラストはあまりにあっけないけれども、第一章の初代緋桜の語りを読めるだけでも満点を付けました。 ここまで臨場感のある語りというのも珍しい。刀城言耶シリーズでは首無し〜が一番好きですが、 肝心要の探偵の影を極限まで薄くしても、成立している今作も気に入りました。こういう変化球もすんなり決まるのならば 今後も期待大です。 | ||||
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刀城言耶シリーズ第六長編である。今回言耶が挑むのは金瓶梅楼という遊廓で起こる連続身投げ事件と遊廓に見え隠れする謎の存在、幽女。 他の方はなかなか手厳しい評価をしているが個人的にはかなり好きな作品だ。 そりゃ同シリーズの厭魅や首無に比べれば本格ミステリとしては一枚も二枚も落ちるが前作の水魑が若干マニア向けに懲りすぎて食傷気味だったので単に小説として出来がよい今作はかなり楽しめた。 前五作品がマニア向けで今作は一般向けといったところか。 第四部の切なさを感じるラストの後ににゾッとさせる追記を持ってくるのも流石だ。 さて、次に言耶が相対する怪異は人間の仕業かはたまた常識を越えた存在の成せる業か…今から楽しみでならない。 | ||||
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ミステリとホラーの絶妙なコラボが毎回楽しみな刀城言耶シリーズも、2012年発表の本作品で、長編第6作目となります。 前作「水魑の如き沈むもの」(2009年)は、第10回本格ミステリ大賞受賞ということから察せられるとおり、ホラーよりもミステリに重きを置き、トリックに趣向を凝らしたものでした。 そのせいか、本作品は、ホラー寄りの作風になっています。 そもそも、冒頭で、本格ミステリで扱われる、密室、人間消失、見立て殺人などのアイテムが関わってこないという意味の断り書きがあります。 確かに起こるのは「連続身投げ事件」。 戦前・戦中・戦後の3つの時代に、遊郭を舞台に複数回発生します。 これらを結ぶものがあるとすれば、「遊女」ならぬ「幽女」という怪現象のみ。 これでは、探偵が推理する余地は一見なさそうに思えます。 ──しかし、そこは、ミステリとホラーの融合がウリの本シリーズ、きちんと、ミステリの要素である「意外な真相」は用意されています。 説明のつかぬ怪異で煙幕を張り、真相を見破られないようにするという手法は、ますます磨きがかかっているのではないでしょうか。 物語の前半は、遊郭に身売りされた少女の日記で、人情話の装いもみられますが、もちろん「伏線」が張られています。 解決編を読むと、題名の「幽女」が単なる「遊女」の言葉遊びでないことに気付かされます。 また、「怨むもの」の奥深さも印象的な作品となっていました。 次作はどんな趣向で、読者を圧倒するのか、今後も楽しみなシリーズと言えましょう。 | ||||
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遊郭のお話が中心ではないのでしょうか・・。正直、途中誰が犯人とかどうでもよくなってしまいます。それは、大きく3部に分かれていて、最終的には無理やりつなげるしかなくなってしまうので、ミステリーとしてはなかなか難しいのではないでしょうか。しかしながら、内容はとっても良く出来ており、最後まで気になる感じで終わりを告げます。自分は好きです。 | ||||
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ミステリーとしての斬新さは皆無だけど、郭の生活を平明に描写した内容は興味深い。 ただ文中、「心が折れる」「ほっこり」といった最近の軽薄な語句表現が使われていることが、実に興醒めである。 第1章の”緋桜”は時代設定からして大正生まれが明らかなのだから。 次回作にさらに期待する意味も込めて★★★★とした。 | ||||
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この作者の作品を読むのは2作目ですが、1作目に読んだ「水魍の如き沈むもの」よりずっと読みやすかったし、面白かったと思います。 読み始めてしばらくは、どこからミステリーになるのかを考えていましたが、読み進めるうち物語に入り込んで、そんなことはどうでもよくなりました。 最終的にはミステリー要素を含んだ落ちがつくのですが、その内容には少し無理があるため納得ができませんでした。 しかしながら、物語の最後で記される追記の内容が正しいと考えればすっきりするのではないでしょうか? ミステリーの読み方として、物語を楽しむのか、トリックの独創性や、正当性を検証して楽しむのかはそれぞれと思いますが、私は前者なので、最後にとってつけたように登場して無理やりなこじつけを披露する刀城言耶の滑稽さが逆に楽しく思えました。 ところで、最近のミステリーの登場人物の名前に関して、もっと簡単な名前にできないものでしょうか? 作者の自主規制なのか知りませんが、感情移入ができない上、レビューを書くときに漢字変換が面倒です。 | ||||
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三つの時代にそれぞれ三つの事件が起きて、それを別々の人間の視点から語られていきます。 主人公は最初と最後に現れるのみですが、このシリーズの主人公は問題解決のためではなく、語り手の役割でしかないのでしょう。 今回も妖しげな雰囲気を十分味わえました。 全ての謎が明確に解かれるわけではないのですが、そのことがかえって、読後に不思議な余韻を残したように思います。 | ||||
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