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幽女の如き怨むもの



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幽女の如き怨むものの評価: 3.96/5点 レビュー 27件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.96pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(2pt)

伝奇ミステリではなく、風俗史として発表した方がマシだったとさえ思える徒労作

私は民俗学を背景とした伝奇ホラー風味と本格味とを融合させた本シリーズを愛好しているのだが、本作には失望させられた。560頁超という大部ながら、伝奇ホラー風味・本格味共に薄く、読後、徒労感しか覚えなかった。

ある遊郭(幽女=遊女)を舞台に、太平洋戦争の直前、戦中、戦後の三代に渡って起こる、緋桜という名の花魁に纏わる3人づつの身投げ(未遂)事件を扱った作品だが、怖さも無ければ本格ミステリ的解決もお粗末。第一章が初代緋桜の日記、第二章が二代目女将の回想談、第三章が戦後の事件に関わるある怪奇作家の手記、第四章が刀城の推理という全体構成。本シリーズとしては工夫を凝らした構成だが、構想倒れで、作者が望んだであろう効果は全く出ていない。叙述形式に拘るなら、折原一氏の作品を上回る程の出来でないと読む方も困る。特に、第二章である登場人物が不用意な言葉を口走るのだが、それをスルーする作者や他の登場人物達は余りと言えば余りだろう。作者が戦前から戦後に掛けた遊郭の状況を詳しく調べ上げている様子は良く窺えるが、逆に言えば単にそれだけの作品で、これなら伝奇ミステリではなく、風俗史として発表した方がマシだったとさえ思える。「女工哀史」ならぬ「遊女哀史」とか。

本作を読むと、「厭魅」、「首無」の出来が如何に良かったかが身に染みる。シリーズとして一定以上のレベルを保つのは困難だという点は理解出来る(そのための今回の構成上の工夫だと思う)が、それにしても残念な内容。今後も更なる工夫を凝らして、読む者に戦慄を与えてくれる作品を期待したい。
幽女の如き怨むもの (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:幽女の如き怨むもの (講談社文庫)より
4062930943
No.1:
(2pt)

残念

発売がなかなかこなくて待ち遠しかった刀城言耶シリーズ長編の新作。
個人的に、とても残念な内容でした。

私がこのシリーズが好きなのは、ミステリー要素と怪異の混ざり具合が絶妙なところです。
ミステリーとして「おお!」というようなストーリーや、解決があるものの、なんとも言い知れぬ怪異が残る、その調整が良かった。

特に、どんでん返しが多いのが良いです。

Aでいけるんじゃない?

実はB!

本当はCでした

というような、作中でなんども練り直していく過程なんかが面白い。

マジモノ、クビナシは特に上記の点が見事で、本当にすばらしい。
ミズチは少し怪異に寄りすぎたので個人的にはあまり好きではないのですが。

で、今回のものですが、以上の点で残念です。

読んでる最中、たぶん10人中6人くらいは
「これ、アレってアレじゃない?」
みたいに感じると思います。

で、シリーズ愛好者ならこう思います。
「まあきっと、アレがアレという推理が出るけど、ぜんぜん違う大どんでん返しが待ってるんだろうな」
と。

結論から言うと、待ってません。
その推理のまま終わります。

しかも、本当に答えを言うだけ。刀城が、考えを練りに練ってる過程がない。
このシリーズはそこが面白いのに。

そして物語の大半を占める、遊女の日記。
これがあまり面白くない。(気分がよくない)

何より、怪異が微妙です。幽女。
一応はコイツが物語のメインなのに、ものすごく印象が薄い。

なんともボヤーっとしていて、ミステリーとしても、怪異としても、中途半端なものになっていると感じます。
幽女の如き怨むもの (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:幽女の如き怨むもの (講談社文庫)より
4062930943

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