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山魔の如き嗤うもの
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山魔の如き嗤うものの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.92pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全25件 1~20 1/2ページ
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シノクロの存在感がないとここまでスムーズにページが進むのか!というほどに面白くて、怖くて、夜中にトイレに行くのが恐ろしいくらいに作品に没頭出来ました。 たぶん三津田先生がやりたいものや表現したいものと、作風が合ってないのでしょうね。 コメディー✕ラブコメ✕コミック風のやりとりをさせたいのかな?キャラクターに。 でも作風は横溝的なおどろおどろしい感じ、余計な成分が入ると一気に興冷めになる雰囲気。 これと首無しなど、クロシノが存在薄いとほんっとに作品の深いところまで想像が膨らんで映像化してほしいほどに素晴らしいものになります。 | ||||
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シリーズ刊行順に読んでいますが 読みやすさで言えば過去3作を含めた中でこちらがトップです。 過去3作品では難解な間取りや奇怪な地形などが多数あり、 (見取り図が欲しい・・・)と多々思ったものですが、今回はそれがなかったのも大きい。 冒頭の作中作である「忌み山の一夜」から既に面白く 以降の展開もスピーディで素直に物語にのめり込めます。 夢中になって読めたので、過去作イチ早く読み終えることができました。 ただ推理披露の手法は相変わらずの2転も3転する仕様。 クライマックスに向かってへの盛り上がりに、いちいち水を差している感が否めません。 スムーズに進んでいた話が、解決パートで急に右往左往してしまうようで 読み手にとってはややストレス。 終盤のその点を除けばホラーとしてもミステリーとしても なかなかの良作なのでは。と思います。 | ||||
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他の方のレビューにもあるように、ミステリーとしての完成度は「首無し」には及ばないものの、これはこれで良い作品だと思います。面白かったですし、終盤の殺害シーンは結構怖かった。 ただ、謎解きの場面で、主人公が例によって次々と仮説を披露しはじめるのですが、今回は「ええ!!まさか!そうなの!」と驚いたトリックがあっさり否定されたり、「それ誰?」とどこで出てきたか覚えてもいない登場人物が犯人だと言い出したり、結局本当はどれなのか頭が混乱します。 推理小説史上初めて、どこで登場したか覚えてもいない人物が犯人というオチで終わるかと思いました。 | ||||
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刀城言耶シリーズ第4弾にして、実はシリーズ初の本格ミステリ・ベスト10、第1位。 だが、率直な感想としては、優等生的作品って感じ。良作。 因習の残る人里離れた山村という横溝正史的世界観、本格ミステリとホラーの融合、民俗学要素といったおなじみの魅力はそのままに…… 顔のない死体、童謡見立て殺人、一人二役、人体消失、密室殺人、どんでん返し(多重解決)、意外な犯人といった、本格ミステリ好きが狂喜乱舞する盛り沢山の要素。 だが、要素一つ一つのインパクトとしては、前3作に及ばず。厭魅の驚愕の真犯人、凶鳥の鮮やかな密室消失トリック、そして首無のどんでん返しが終わらない多重解決っぷりには、敵わない。 もちろん出来はいいし、全体的に80点はある。これだけの要素を一冊にぶち込んで成立してるって時点で凄いんだが、まぁ期待が大きすぎたというだけ。 ただ本作がシリーズで勝ってる点は、読みやすさ。複雑な構成、多すぎるキャラ、取っつきにくい舞台設定など、とにかく(特に前半は)読みにくいのがこのシリーズの欠点でもあった。だが4作目になって慣れてきたのか、最初から最後まで一気に読ませるし、無駄がない。完成度が高い。 だから本作が初の本格ミステリ第一位を取ったんだろう。ミステリとしては素晴らしいが小説として劣るってずっと言われてきたから。 その点では、シリーズ初心者には一番オススメの一作なのかも。 あと今回はホラー描写が秀逸。序章の「忌み山の一夜」は、一つの怪奇短編として成立するクオリティ。山女郎の正体は切ない。 山魔が童謡を唄いながら殺し、追い詰めていく所は貴志祐介的ホラーを彷彿とさせるゾクゾク感だった。 | ||||
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この作者の作品としては、物知り顔的な余計な書き込みが、この小説では必要最小限なので、読みやすくて、小説の世界へぐんぐん引き込まれる。 「主な登場人物」の紹介で、「楫取家」の花子という人物が抜けていて、これは単なるミスなのか、あるいはこの人物が実在していないとか、一人二役とかの仕掛けがあるのか、などと深読みしたが、これは半分はずれて半分当たっていた。 「一人二役」というのがこの小説の重要なキーワードなのだが、果たしてこんなにうまく成立するかなと、疑問に思う。特に田舎では、ちょっとした事でも、何か変だと感じることがあれば、すぐに口コミで村中に広まってしまう。特に子供も巻き込めば、なおさら子供の口から、そのヒントが漏れてしまう恐れがある。 とは言え、伏線が何重にも張り巡らされていて、一読しただけでは、めまいが起きそう。 どんでん返しの連続で、脳みそを揺さぶられた後、ちょっと冷静になって考えると、やはり「一人二役」的なカラクリには、少し無理があるように思う。 しかし読み進めている分には、ページをめくるのがもどかしくなるぐらいに、次の展開が待ち遠しく、一気に読ませる小説ではある。 | ||||
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最恐の「首なしの如き・・」に、本作の予告が出ている。今回も、犯人はすぐに分かるようになっている。しかし、この作品の核は、犯人の動機の元になったトラウマにある。今回は、恐怖というよりも哀愁のほうが、はるかに要素的に強い。ま、こういう感じのシリーズ作もあって良いのかもしれない。人の心の機微をいやが上でも知らされる作品だ。はっきり言って辛い。 | ||||
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現代ミステリにおける探偵役は、「神のごとき明察」をもって快刀乱麻、真相を喝破したりはしない。 探偵役が語る解決は、あくまでも「探偵には世界がこう見えている」という主観的な世界認識、個人知の範疇にとどまっている。 一個人が、世界の全てを認識できるわけではない。 見落としもあれば誤謬もありうる。 最後にたどりついた解釈が「真相」なのかどうかも、探偵自身には、わからない。 これは読者の側にとってもそうであり、読者にとっての現実の世界における犯罪の、真犯人が誰であるかは、一個人の探偵が判断するものではない。 「公的な判断」を示すのは裁判所だが、その裁判の三審制をもってしても、誤審・冤罪を避けられないのが現状だ。 実は警察が強引な捜査で犯人をでっち上げ、検察が証拠を捏造し、しょせん素人に過ぎない裁判員が感情論で極刑がふさわしいとの判断を下しているかもしれないのだが、第三者からすれば、そんなことは知った事ではない。 世界がそうだとしても、それはそれとして、生きていくしかない。 言わば、現代ミステリとは「自分に見えている自分の周囲の世界と、いかに折り合いを付けて生きていくのか」を描いている物語である。 本書は、自分の周囲の世界と折り合いが付けられなかった者が、その存在基盤の不確かさを「山魔」に嗤われる物語だと言っても良いだろう。 嗤われないためには、何とか折り合いを付けて、生きていくしかないのだ。 事件と直接関係が無い、主人公と父親の関係が語られているのも、事件の舞台が日本的ムラ社会なのも、物語の現在時点が高度成長にさしかかった頃の昭和という本音と建前の区別が明確であった時代なのも、すべて物語の主題が「世界との折り合い」だからである。 (それでも主人公は、担当編集者が自分に惚れているらしい事には、まだ気付いていないが・・・) それゆえ、本書の評価は、読者の側が現代ミステリの最前線をどう認識しているのか、あるいはそういう認識など持たないのかによって、変わってくるだろう。 | ||||
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最初の「忌み山の一夜」の部分の何とも言えぬ不気味さに引き込まれる。 出だしは本当に面白かった。 しかし、横溝正史作品もそうだが、この導入部の浮世離れしたおどろおどろしい所や 事件の展開中まではワクワクしながら読めるのだが、最後の解決部分になると どうしても失速してしまう。 非現実的な展開を現実的なものに型嵌めしようというのだから仕方がないといえば 仕方が無いのだけれど、どうにかならないものかと考えてしまう。 最後の真犯人は誰かという推理が二転三転してしまうのはいただけない。 推理する人が違うのであれば良いけれど、主人公の刀城言耶自身がコロコロと自説 を変えてしまっているので、まるでコントみたいだった。 あと登場人物の氏名は懲りすぎでは? ルビがふられていなければ読めない名前だが、最初の時にしかルビが無いので、 何度か登場人物一覧を見なければいけなかった。 | ||||
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このシリーズを読むのは3作目。戦後の昭和、まだ地方には因習が残っている時代。そこで起きる殺人事件、そしてオカルトめいた不思議な現象。大変魅力的な設定で、心惹かれて手に取るわけだが…。3作に共通して感じることは、初めで引き込まれ、途中も気になって次々にページをめくり…。そして、最後の謎解きで失速してしまう。そしてラストのあっさり感に対する物足りなさ。 この「山魔の如き嗤うもの」も、導入部の「忌み山の一夜」(これだけで100ページ以上ある大作。ひとつの物語として通用する)で一気にこの物語の世界に引き込まれる。そして刀城言耶の登場。事件の始まり。事件の終わり。そこまではいいのだ。しかし、そのあとの謎解き、そして終章でのどんでん返し…。さらにラスト。ラストについては、「えっ?ここであっさりと断ち切って終わってしまうのか?!」。それが正直な感想だった。 著者が書きたいのは、横溝正史的な世界なのか、それともオカルトなのか。その立ち位置が今ひとつはっきりしないのが、すっきりしない理由なのかと3作読んで感じている。自分としては、何度も読み返したい作品となっていないのが残念。 | ||||
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横溝的な世界観の中にホラーや本格推理的な要素がちりばめられていて、 かなり読み応えがありました。民族的なホラーというか、怪異譚なども 盛り込まれていて、そちら系が好きな方にはたまらないでしょう。 一方で謎解きのヒントになりそうな要素もあちこちに散りばめられていて、 自分で犯人を追おうとすると、気の抜けない読書が楽しめます。 ですが、、、、最後がどうにも……という印象です。 謎解きが二転三転どころか四転くらいしてしまうので、せっかく 「そうだったのか!」と納得しかけていたのを何度も覆されてしまい、 正直、わけがわからない…。そして、最後の犯人…はどうもすんなりと 納得がいきませんでした。もう少しシンプルでもよいのではと思いました。 | ||||
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09年度本格ミステリベスト10「1位」受賞作であり、刀城言耶シリーズ長編としては「厭魅」「凶鳥」「首無」に次ぐ4作目。 作品ごとに本格ミステリに交ぜるホラーのバランスを変えてきているシリーズですが、今回は1作目「厭魅」に次ぐホラー度の高さ。すべての謎(≒理不尽)が解かれてこその本格ミステリなのかもしれませんが、そこに異形のものの存在が加わり、話にホラー味を添えています。もちろん、「本格ミステリ」の条件はすべて満たした上でです。 前作「首無」は本格ミステリ史上に名を残してもおかしくはないほどの傑作でありましたが、本作「山魔」もそれに劣らない良作となっています。中核となるトリック自体は小粒に見えるかもしれませんがもそこで起こっていることは大胆不敵、細やかな伏線にも注目すべきです。 (追記) ところで、ハードカバー(原書房)版と今回の文庫(講談社)版においてトリックに関わらない範囲で1つ修正されている場所に気づきました。終盤で、忌み山の夜に起きた怪異を言耶が解説する場面です。 (追記終わり) この後、シリーズ長編は「水魑」へと続いていきます。短編集も現在「密室」(4編収録)が刊行されています。今後も長編は「幽女」が、短編集「生霊」(5編収録)が予定されているなど、これからも目が離せません。 | ||||
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人里離れた村落での謎の怪事件・・。 ミステリではよくある設定ですが、そういうのが好きな方なら買ってもいいのではと思います。トリックはやや強引ながらも、それにトライした作者の志の高さを感じました。 | ||||
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「首無」は、なんだかんだ文句を言いつつも面白かった。 これは、最初のほう「原稿」の部分だけが ゾクゾクする怖さがあったが、他は面白くなかった。 それに、山女郎の正体は、やっぱりそれをもってくるのか、 と悲しくなった。 どうもシリーズの特徴になっているらしい、二転三転の謎解きも 冗長すぎてつまらなかった。 二転三転のために仕込まれているとしか思えない第三者が多すぎる。 それなのに、本来重要人物になるべき内部者が 「首無」の鈴江さんと同様に、 あっけなく「行方不明」のままで、話が終わってしまう。 おかしい。 しかも、犯人のアリバイはものすごく単純に崩せる。 なのに殺人の動機が納得できない。 あと、第2章と第3章でひらがな→漢字になって 童唄の内容が変わる部分が気になって仕方がない。 謎解きに一切からんでこなかったところを見ると ミスリードというより、校正ミスか誤記なのか。 | ||||
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民俗学的伝奇ホラーと本格味の融合で知られる作者の魅力が味わえる秀作。物語は神戸地方の一集落の初戸に住む郷木の通過儀礼の回想記で始まる。儀礼は山神様が居る巳山とも眉山とも呼ばれる三山への御参り。半面老婆・半面熟女の山女郎伝説。山行の途中で出会う賽の河原、そこから聞こえる赤ん坊の泣き声、山女郎らしき老婆、空翔ぶ真っ赤な天狗...。初っ端から禍々しい雰囲気が横溢する。「遠野物語」の世界を濃くした様。郷木は三山の裏の山魔の住処と言われる忌み山の乎山に迷い込み、柳田言う所の"山人"が住む不思議な家に投宿する。彼等は三山の裏の奥戸の炭焼人元締めの鍛炭家の縁者だった。そこで聞く、鍛炭家が係った乎山の金脈騒動。鍛炭家と山林王楫取家との確執。そして翌朝、家と山道の二重の密室から忽然と消失した山人一家...。この手記の虚実が興味を惹く。 この手記に興味を持った刀城は奥戸に出向く。早速起きる乎山の家での童唄見立ての密室殺人。被害者は鍛炭家の当主立治。ケレン味と異界性の融合に作者の心意気を感じる。続く見立て殺人の被害者は立治の三男広治。童唄の基となる村の「六地蔵」、乎山の「六壷の穴」、採掘跡の「六墓の穴」、旅役者の「六変化」との拘りが好ましい。しかし、被害者が鍛炭家一族のみで、動機に捻りはあるのだろうか ? だが、三番目の犠牲者は楫取家当主の力枚。死体は「六つの部位」に切断されて、各々「六墓の穴」に遺棄される。「六」への拘りは続くが、動機は一気に不明化する。そして童唄をなぞる様に更に三人が一気に惨殺される...。 後半、妖異性が薄れ、また力技が過ぎるようだが、結末の二転三転する刀城の推理場面は迫力がある。そのために作者が用意した伏線にも感心した。「御山」は人の邪心を増幅させる装置、と言う作中の言葉が印象に残る力作。 | ||||
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つながりがあるようなので「首無しの〜」と一緒に読んでみました。 前作の「首無しの〜」よりは、整理された筋書きで読みやすかったので、★3つです。 民族学的な設定の小説が好きで、他の作家さんの作品も読んでいまが、回りくどくスピード感が無いわりに、謎解きが納得できるレベルではありませんでした。 横溝正史さんの作品と比較するのは酷でしょうか。 | ||||
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「成人参り」という通過儀礼を行っていた郷木家の四男・晴美は、 道に迷い、忌み山として恐れられている乎山に迷い込んでしまう。 そこで、さまざまな怪異に見舞われた晴美は、 ほうほうのていで、山の一軒家にたどり着く。 その家には、郷木家と山林境界地のことで対立し ていていた、鍛炭家に連なる家族が暮らしていた。 ところが翌朝、晴美が目を覚ますと、その一家は全員、 朝食を食べかけの状態にして、忽然と姿を消していた。 そうした、不可解な出来事が綴られた晴美の手記を読んだ刀城言耶は、 早速現地を訪れるのだが、そこで彼を待っていたのは、六地蔵の童唄に 見立てられた連続殺人だった……。 マリー・セレスト号事件を彷彿させる一家消失や童謡見立て殺人、顔のない死体 と人間入れ替わり、そして密室など、本格ミステリの趣向やガジェットがふんだん に盛り込まれ、それを作者一流のホラー・センスによって、サンプリングした本作。 関係者を前に、事件の絵解きをしながら、同時に仮説の上書きをしていくという 刀城言耶独特の探偵法は、本作でも健在ですが、そうした、あくまで理性的な 推理の試行錯誤が、逆に怪異を招き寄せているような印象も否めません。 とはいえ、犯人特定に至る論理展開には、いっさい淀みはなく、特に、クイーンの某作の ××××を援用したロジックには、作者の本格ミステリに対するオマージュを感じました。 | ||||
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<2009本格ミステリ・ベスト10> 第1位に輝いた作品です。 山魔を巡る怪異に彩られた雰囲気の中、 物語は幕を開けます。 さらに、山小屋からの一家消失、見立て殺人、 密室殺人、顔のない死体など、 謎解きの要素もふんだんに盛り込まれ、 読む者を飽きさせません。 「ホラーでありながらもミステリ的な 仕掛けにもこだわりをみせた 独特のストーリーテリングで注目を集める」 という作者紹介の言葉どおり、 おどろおどろしい物語展開と ミステリが見事に融合した作品となっています。 昔読んだ横溝正史の世界が 21世紀にリニューアルオープンしたように感じました。 特に、後半70ページの謎解き部分は、 二転、三転しながら、 それまでのいくつもの謎や怪異が 加速度的に解き明かされていき、 清々しさを感じてしまうほどでした。 「山魔の如き嗤うもの」に あなたも取り憑かれてみてください。 | ||||
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昨年、数々のミステリやミステリーの賞で名前が挙がっていたことから、手にとってみました。 個人的には手頃な厚さで、内容も童歌あり、密室ありとのことでワクワクして読み始めました。 しかし… スピード感が出るまでに時間がかかるし、謎解きも何かモヤがかかっているようで、二転三転する推理も三転ぐらいからはお腹いっぱい感が強い… 犯人も、犯人それで良いの?って感じで… 弁明臭くなりますが、民族学の影響する推理小説は好きですし、二転三転する推理も興味深さは感じます。 こういった背景の元に、もう1冊ぐらいこのシリーズを読んでも良いかなぁ、とは思いますので、とりあえず★3つで。 | ||||
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この作品は今年のベスト10にあげられること間違いなし、と思うが、個人の感想としては冒頭も途中も全く怖くない、どうにもならない作品と感じた。ホラー味は無意味。恐がれるのは江戸時代の人だけだろう。終盤になり、中盤で2,3行書かれていたことを引き合いに出し、「ほら、伏線這ってたでしょ」と言われても…つまらなく、ただ首をひねるばかり。ラストのどんでん返しが多すぎて、ジャンクフードをたらふく食ったあとのいやな満腹感と疲労感がある。残りシリーズも読んでいるが、新本格の限界を見た。ミステリは進化しすぎた。 | ||||
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前回の「首無の如き祟るもの」も傑作だったが、この作品も劣らず傑作であった。終盤のどんでん返しもあり、非常に楽しめた。この作家はホラーと本格を見事に融合させて、すばらしい作品を生み出しているので次回作も期待している。 これから読む人は、横溝作品が好きならばかなり楽しめるのではないかと思う。 個人的には、2008年に読んだ作品の中で一番面白かった。 | ||||
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