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グロテスク
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グロテスクの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.94pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全210件 141~160 8/11ページ
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名門私立高の徹底した内部、外部の差別、それによって確実に歪んでいく思春期の少女たち、「女性は若くて美しくなければならない」という、あるれっきとした価値観の存在、中国農村部からあふれだすマンパワー「盲流」の存在、一流企業管理職OLの自己実現の難しさ、これだけの奥深いテーマを掘り下げながら、最終的にひとつの物語として完成させた著者の能力は見事。とりあげられたテーマはどれも大変グロテスク。暗い夜にぐじぐじと読める本だが、主に女性として生まれついた者のアイデンティティに関わる内容なので、男性は楽しめないかもしれない。 | ||||
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会社で働く女性は、和恵のよーな葛藤に囚われることってある。 多様な選択肢があるように見えるのに多様な価値観がない今の社会では、結局、女性は生き辛い。 だからみんな、自分の本音に気づかないようにしている。 だって気づくと和恵のよーになってしまうから。 主人公のよーに「人生を生きないようにして自分を守る」ってこともよくあると思う。特に思春期には。 ユリエのよーに男の人の期待に思わず応えてしまって、それが楽しいってこともあると思う。 ミツルのよーに、見栄をはってしまうこともあると思う。 みんな普通に共感できる人間の感情。みんな繊細で自分を守りたかっただけ。 どこかでボタンを掛け違うと不幸になる。 人からみた自分ではなく自分が何を欲しているのか考えるきっかけになった。 主人公は、最後幸せだったと思うからハッピーエンドかも。 | ||||
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夜は売春婦・昼はエリート東電0Lの殺人事件を題材に 作者は、女性のグロテスクさをここまで書いちゃったよー! これ、男には読んで欲しくないなぁ、まずいよホント。 女性のグロテスクさを描くのがうま過ぎて ここまでばらされると同じ女性として恥ずかしいよ。 確かに登場人物達にかなわなくてもあります、私の中にもグロテスク。 中国人兄妹の怒涛の苦労話は、これだけで1冊の本にして欲しいと思うくらい 惹き込まれたのだが、それって「柏原似」の美しいお兄さんに 主人公と同様惹かれていたのでした。。。。。 あちゃー(苦笑)主人公同様の腹立ちを覚えたわたし。。。 美形なおとこ好きな方、ぜひお読みください。 そして私や和恵のように怒るでしょうな、全くプンプン あと、盆栽好きなおじいちゃんキュートです。 | ||||
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あるタイプの人にとっては、読んでいて気持ちのいい小説ではないでしょうか。 あるタイプの人というのは、語り手の悪意や和恵の上昇志向に、少なからず共感する人のことです。 つまり和恵は堕落したのではなく、羽ばたいたのだと感じる人のことです。 そんな方はぜひとも読んでみてください。 語り手の繰り出す悪意に乗っかりながら、取り巻く社会や人々に唾を吐きかける爽快感を得られるはずです。 | ||||
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ストーリーはたくさんの人が書いているので、略。 みんな、そんなに「優越感」が欲しいのだろうか?確かに、私の周囲の人を見ると、なにかしら「自慢」して、自分の居場所を確保しようと陣取り合戦をしているけど。 登場人物はみな何か・誰かと必死で競争している。仕方はさまざまだけど、最近よく言われているonly oneじゃなくてno.1になろうとしてる。その為に、彼らはそれぞれ、多かれ少なかれ努力はしてる。ある人は、努力する為に努力してしまっている。努力していないと怖いかのように。でも、全員、仕方を間違えてる。彼らにはある一つの共通点がある。それは、本当に幸せになるには?という視点が欠けてること。 やっぱり、今の自分の生き方・考え方に疑問を持ち、改善・成長の努力をしない人間は幸せにはなれないのだ。 登場人物が一人として幸せになっていない物語って珍しい。「東電OL殺人事件」にインスパイアされて書いたとはいえ、よくもまぁこんな話が書けるもんだと感心する。読者の心の中の良い部分をひきだす、というのとは反対の本である。後味が悪いというより、私は読書中ずっと寂しくて、終わった時はホッとした程。好きかどうか、判断に困るが、かなりのスピードで読めたことだけは確か。そういう意味では印象に残る本ではある。 議論をかもし出すユリオについては、人間は元々は綺麗な心を持っていても、自分以外の大勢に自分の価値を決めさせてばかりいる人生を送っていたら、怖いことになりまっせ、ということを表している様な気がするので、あれはあれでいいと思う。 一点だけ。ここで、どなたかも書いていたように、チャンの手記は長すぎる。 | ||||
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暗い!印象深く、不気味な女性の魂が浮遊するような余韻があります。 | ||||
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この大元となった事件の新聞での報道。スポーツ紙でもなかったのに週刊誌のような見出し。男が書いたに違いないと思った。その嫌な気分はずっと心に残っていて桐野氏も当時そのような印象を持っていたと知り、この作品に何か私にとって答えがあるかと、必ず読もうと思っていた。学歴、外見、経済力、家柄・・・。社会にある数々の優劣による差別はどうしたって存在する。全宇宙的に絶対的な「神」のような存在でも現れない限りなくならないだろう。子供はそれらの優劣と折り合いをつけながら現実にある差別との距離の置き方を学んで成長していくのが理想だと思う。だが、この登場人物は誰もがそれに失敗しているのではないだろうか?いつもながら自分の内面や生き方を考えさせられる桐野氏の作品。登場人物達の視点はみんなあまりにも内側に向かっているので、私は顔を上げて外を見ようと思う。 | ||||
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自分が彼女達のようにならないという保証など何もないのだと読み終わってまずそう思った。最低ランクの娼婦に成り下がること、それはとても簡単だ。たった一歩踏み出すだけでいいのだから。グロテスクなのは彼女達も自分も同じ。ただそれを実行するかしないかだけの差に過ぎない。誰の心にも巣食う差別意識や優越感、劣等感、嫉妬、悪意・・・醜いもの達。ただそれがあらわにされているだけなのだ、彼女達は。怖いのは自分もそうなのだと認めること、認めざるを得ないこと。いつか私も自分自身を取り戻すためにあの場所に向かうのかもしれない。一歩踏み出す何かのきっかけがあったとしたら・・・ | ||||
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物語の少し先をいつも気にしながら急いで読みました。早く先が読みたい。ほとんどが過去をつづっているから、なにか驚くような展開があるわけではないのに、登場人物たちの心の闇や行動の先に引き込まれます。実在の事件をモデルに、ここまで面白く膨らませるとは、桐野さんの頭の中はどうなっているんだろう。 | ||||
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重いな。というか、読んでて痛い。作品中の様々な出来事を、登場人物達の視点を通して語る、その描写が見事だと思った。実際のところ、人の自分自身に対する主観的な評価ってこんなもんなんだろうな。そういう意味でとてもリアルな話だ。だから痛くて重いんだろうな。 | ||||
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うん、面白い。\2,000出しても後悔ありません。その価値はあると思います。女の戦いですね。それぞれの女の、男に身を売る事の意味、考え方。それぞれの心境、第三者からのイメージ、そして結果・・・。結構面白いですこれは詠みやすいし。頭にもよく残ります、何か小説内の映像がイメージができて頭にうかんできます。このミス2004でベスト5?えぇ、納得できます。 | ||||
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登場する4人の女性の心の闇を文章に曝した作品。まさに「グロテスク」といえるが、女の本性とはこんなものだろうと思う。誰でも4人のうちの誰かに似た思いを抱いたことが1度はあるはず。その醜い思いを隠そうとして女性は日々「美しく」あろうとするんじゃないだろうか。 | ||||
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女にとってエリートであること、エリートになることってどういうことなのだろうと読みながら改めて考えさせられた。男にとってそれは簡単でわかりやすい。良い学校に入り、良い会社または組織に属しそこで出世していくこと。ちょっと古くなりつつあるけど、いまだにやはり良い学歴とキャリアがエリートとみなされる。しかし女にとってことはそう単純ではない。女には学歴やキャリアだけでは足りない。というかむしろそれらは女として最も有効なツールを持たない女が血と汗を滲ませ身に付ける武器でしかない。女にとってやはり美貌に勝る物はないのだ。しかし血と汗を滲ませ学歴やキャリアを手にした女も、そして類まれなき美貌を生まれ持った女も幸福にはなれなかった。幸福になれなかったどころか二人とも売春婦として客に殺害されるのだ。 エリート女子高の歪んだヒエラルキー、歪められたエリート意識が人を壊していく様、度を越した美しさで男を破滅させやがて自身をも破滅させゆく様、そしてそうした成り行きをすべて底知れぬ悪意を抱いて傍観する様、いずれもまさにグロテスク。 | ||||
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作者が描こうとした「差別」。作者は差別される側の、心の闇の部分を見事に描き出していると思う。かつて、日本国民は総中流社会といわれていたが、いまでは、あきらかに富める者と貧しい者の差が著しくなる社会、不平等になりつつある。不平等がもたらす社会問題を、心の闇として抽出している。とても考えさせられた。 | ||||
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気持ちの奥のほうにあるドロドロな部分がハッキリと書かれてあって、登場人物の容赦ない発言や考え方に怖いというよりスッキリしてしまいました。一気に読みました。 | ||||
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あああっというまに読み終えてしまいました。あの後ゆりお君はどうなってしまうんですかね。ユリコと同じ運命をたどるのでしょうかね・・・。 | ||||
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一気に最後まで読んだ。印象に残ったのは佐藤和江の章。あまりにも痛い。そして自分に似ている。高校生の頃は痛ましいだけだったが、会社に入社してからは自分と重ね合わせて読める人も多いと思う。私も壊れないように気をつけようと本気で思った。 | ||||
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読み始めると怖いものみたさで止められなくなり、半日で読了。直後は和恵の壊れっぷりが際立つ印象を受けました。しかし、Q高校へ入学しなければ、ユリコと出会わなければ和恵は怪物とはならなかった。木島先生のいう変異しなければいられない環境。人間は影をみて光があたっていることを確認するのかもしれない。そして光が強いほど影も際立ってしまう。 | ||||
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桐野の筆は常に容赦がない。むき出しの癒されない痛みやささくれを書くその筆は、醜いものを醜く、無残なものを無残なまま吹きさらしの状態に置き、わずかな癒しも与えようとしない。しかし、読み行くうちに、癒しや優しさがむしろ、汗まみれの手で頬を撫でるような、本当は薄気味悪いものであることに読者は気づかされる。この小説は渋谷で殺害された一人の女性をモデルにしているが、彼女の闇が読者の心にえぐるような痛みを持って忍び込んでくる。とにかく読むべし。いったん読み始めたらもう手放すことはできない。そして読了後、自分を取り巻く空間が冷たさと重さを持って忍び寄ってくるのを、じっと感じるしかない。そんな一冊です。 | ||||
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「要するに、まともだった(メインの)登場人物は、和恵とミツルだ」と、私は思いました。和恵は滑稽すぎて頭がおかしいんじゃないか、とはじめは思いました(特に高校時代のところを読んでる時)。けれど、よくよく考えてみれば、和恵は単に一生懸命なだけだったんじゃないかな、と。一生懸命になりすぎて、後に行くところまでいってしまったけれど…。でも私は、そんな和恵がけなげに思えて、一番同情しちゃいます。ミツルも結婚後一線を踏み外してしまうけれど、誰でもそういう状況に陥ることはありうると思うし…つまり「○○者と普通の人は紙一重」ということが言いたいのですが(あまり書くとネタバレになってしまいますね)。主人公は、本当に「悪意が迸った」人間ですよね。そこまでするか!と言いたくなるほど、ひどいことをしていましたよね。だけれど、私自身、それぞれの登場人物に似ている部分を持っていて(特に和恵と主人公)、いろいろ考えさせられました。なので、みんなある意味「強烈」なキャラで「強烈」な人生を送ったけれど、どの人物についても否定はできないです(「こんな人、現実にはいるわけないよ!」ていう否定です)。とにかく、私はこの本に多少なりとも影響を受けました。読んでよかったと思います。稚拙な感想文ですみません~ | ||||
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