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グロテスク
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グロテスクの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.94pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全210件 121~140 7/11ページ
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今までにない「凄い」小説でした。 桐野作品の登場人物に「普通の人」はいません。 今作は特に。 「グロテスク」な女性ばかり登場します。 えぐ過ぎて笑えてきます。 女は恐ろしい。 この作品を読んでいて思ったんですが、桐野作品を好きな読者層ってどんな人たちなんだろう? 特にこの小説は好き嫌いが真っ二つに別れるはず。 女性が読んで満足する小説なんだろうか? 聞いてみたい。 後味悪そうで、意外に読後爽快な気分になるんですよ。 もしかしたら桐野作品の中ではN01かもしれない。 そんな泉鏡花賞受賞作でした。 | ||||
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初めて読んだときはさほど目新しくもない女同士の争いが克明に書かれているだけのように 思った。しかし時間を置いて読み返すとまた別の怖さがある。それは女性のもつ業と言おうか。 男性からは外見で選別されてなおかつ同性同士でも常に比較しあいチェックの目にさらされる女っつう生き物の面倒臭さ、生き難さ。 これはやはり女に生まれてみなければわかるまい。私は名門ではない女子高出身だがこの作品を読むと思い当たるフシがいっぱい。 たしかに階級の差みたいなものはあったと今にして気づく。作者は成蹊大学出身だが、そういえばエスカレーター式の学校だな、と余計な邪推をしてみたり。 まだ下巻は読んでいないけれど、ぜひこの女達の結末を見届けたい。 | ||||
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読者を圧倒する小説、というランキングがあればこの小説はトップを狙える。 面白い小説、あるいは推薦する小説といわれると・・・。この小説を友人に 薦めるのははばかられる。それは決してこの小説がそれに値しないからでは 無い。むしろ逆。だが、「これを読んで、よかった。」と素直に人に認めが たい、ある種の問題作だと思うから。 この本は、Q大学付属(女子)高校(私学ナンバーワンといわれる医学部を 持つ有名大学系列の学校がモデルと思われる)に在籍していた4人の女性の、 高校〜三十代後半までの生き様とを描く。植えつけられた競争社会の価値観 や劣等感などに無意識に影響を受ける彼女たちは、それぞれの方法で生き抜 こうとするが、集合的な差別、競争の中で歯車が狂って言ってしまう。 特に下巻に詳しく語られる和恵の生き様はまさに”凄惨”の一言。心の闇、 異常心理というものをここまで大胆に描き出す著者の力量にただただ脱帽 するばかり。 さらに特筆すべきは、名前すら与えられていない「わたし」が持つ悪意の 凄まじさだ。和恵が動的だとすれば、「わたし」は静的である。が、 ですます調で淡々と語る「わたし」が内在する悪意、情念ははちきれん ばかり。和恵は凄惨ではあったが自分の生き方を見つけ、全うした。 しかし「わたし」の情念は小説を通じて膨らんでいくばかりで、昇華 されることが無い。この恐ろしさはまさに圧倒的である。 東野作品に「悪意」という作品がある。が、私はこの作品こそ、 「悪意」というタイトルがふさわしいと思う。 小説の「凄さ」を改めて感じさせる作品だ。 | ||||
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正直この小説を読み終えて現実と言う苦々しさを感じる。 しかし、この小説は実際に起きた東電OL殺害事件をベースに書かれていて、その事件が起きた当時の状況もまざまざと立ち浮かび、様々な社会問題を背景にしながら、読者を最後まで飽きさせない。 本の構成は、書き手の私が主人公の私になったり、友人の和恵が私になったりとした各々の日記や手紙を通した形になっているので、その「私」の思うがままを語っている。それゆえに、人間のシニカルな部分が露呈していて、時として愕然とさせられ嫌悪する。特に印象深いのは、学歴一辺倒で努力すれば何でも実るという神話に踊らされ、またそれに自覚せずに堕ちて行く和恵の姿は本当に読んでいて辛い。でも、そうやって他人を卑下した主人公は、自分の矛盾に気付きながらも、今度は自分が堕ちて行く。 この小説は、人はいつでも堕ちて行く準備が出来ているということを教えてくれる。 | ||||
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ゾクゾクするぐらい面白いです。 長編だったため、読むのに二・三日かかりましたが、没頭してしまいました。 美しさに天と地ほどの差がある姉妹、日本における有名私立校の微妙な内側、女同士の美醜・成績・家柄における優劣の関係・・・。 それらが巧みに書かれていて、また、色々な人の視点から、まるでカメラワークを違えているかのように斬新に書かれていて、とても面白かった。 人間のドロドロした残酷なブラックの部分が、リアルに上手く書かれていて、ゾクゾクします。 はっとするほど美しいハーフの妹は、芸能人でいうと誰のようなんだろうと思わず考えてしまいました。 そして、その美しさで青春を謳歌した女性の悲惨な最期。 ちょっとえぐかったですね。 桐野夏生さんの作品全般に言えることですが、難点はラスト。 ラストは何じゃこりゃ!と思いました・・・。 でも、素晴らしい作品です。 一度読まれることをオススメします。 | ||||
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作中に何度か「悪意がほとばしった顔」という言葉が出てくるのだが、この作品を一言で言い表すと「悪意のほとばしった小説」ということになるのだろうか。 著者に名前さえ与えられていない、語り手の“わたし”をはじめ、中心となる4人の女性の手記、手紙、日記、会話、どれもが自己中心的であり、その内容は、齋藤美奈子氏が書いているように「陰口」「つげ口」「悪口」ばかりである。しかも、それが「ですます調」で書かれているので、小説全体が異様な雰囲気となっている。 読むのが止まらない。ではなく、止めるに止めれない。そんな小説である。 著者は、この作品で読者の共感を得たいなど考えてもいないであろう。逆に拒絶されたい、あるいは置き去りにしても構わないと考えながら筆を進めたのでは、と思ってしまうほどである。 人間の心に潜む闇をこれだけ描くことのできる作家は、著者のほかに日本にどのくらい存在するのだろうか。 凄い小説を読んでしまった。そんな感じの読後感であった。 | ||||
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前に薦められましたが読む気になれませんでしたが、 ここで購入して「上巻」を読みましたが、 本当に感情がドロドロしていて途中嫌になりました。 というのも私も幼稚園から大学までエスカレーターで 本当に内部と外部との差は確かにあり、 見栄のオンパレードだったかも。。 その描写、感情、家族・・・様々な問題が巧く? ドロドロ感で埋め尽くされています。 今「下巻」を読み始めました。 多かれ少なかれ女はこういう人と比較していく生き物なのかな。 | ||||
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けっこうな分量のある本でしたが、一気に読んでしまいました。 ほかの方も書いておられましたが、確かに後味の悪い本です。でも寝る間をおしんででも先を読み進めてしまうこの魅力というか磁力というか、とにかくパワーのある本でした。 顔の美醜を始め、「そんなことで差別しちゃだめだ」とみんな言っているけど、本当は心の中では歴然と差別している自分もいたりする・・・そんな人には言えない自分の暗い負の感情を一気に表にさらされてしまうような気になりました。 人の悪口って言ってはいけないとわかっていてもたぶん女子にとっては一番盛り上がる話題。この「いけないんだけど、やっぱりやめられない!」的な面白さがこの本の最大の魅力のような気がします。 けど悪口って言い過ぎると後味が悪い。だからこの本も後味はよくない。悪口を言っているときの自分の顔ってきっと「グロテスク」なんだろうな〜と思ってしまいました。 | ||||
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グロテスクな例の事件をどう小説にしたのか恐る恐る頁をめくりました。 前半はあ〜いうの居る居ると学校生活のことなど面白く読み進み、 中国人の部分はグロテスクではあるけれど生活環境ががらり違うし 長かったので???でしたが 終盤の和恵とラストは本当にグロテスクで吐きたい気分で読み終えました。 例の事件を知ろうとしなければ良かったと思いました。 でも桐野さんてすごいですね。 | ||||
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いわゆる「東電OL殺人事件」をベースにした小説。わたしはこの事件に詳しくありませんので、現実の事件を下敷きにしたフィクションの成否、よく比較された佐野眞一氏のルポと比べてどうかという点については答えをもっていません。 そのようなほぼまっさらな状態で本作に接した感想は、桐野氏は彼女特有の土壌において進化し続けている、というものでした。 テーマについて書ききろうという執念というか徹底ぶりが、これまでの作品を上回っていると思います。至るところに存在する序列と差別。その中でサバイバルするうち、何かが過剰になると一瞬のうちにグロテスクさが剥き出しになる。その様を一歩も引かずに書き尽くそうという姿勢に圧倒されましたし、十分怖かった。 それだけに、姉妹の確執や序列の厳しい学校生活で苦しんだ経験のある人には読むのが非常につらい小説でもあると思います。 本書で、桐野氏が今後どんな作品を発表していくのか、たとえば十年後にどんな作品を書いているのか読んでみたい、そう強く感じました。 | ||||
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待ってました。ようやくの文庫本化。 今更ながら、本作は東電OL殺人事件(皆もう忘れてしまったでしょうか)をモチーフに描かれた小説ですが、作者のstory telling能力は非常に秀逸です。 後半はややもたつく感が否めなくもないのですが、前半(上巻)の悪意に満ち満ちた学園生活の描写は圧倒的で、ただもう戦慄の一言です。 我が身を振り返れば、中高生の頃には社会の悪意みたいなものを薄々は感じていましたが、本作の舞台となるような階級社会とは無縁の田舎者でした。(少なくとも身近ではありませんでした。)都会の中高生クン達は昔も今もそういう悪意や残酷さにまみれて青春(死語か?)おくっているのかと考えると、非常に怖ろしい気分になります。 後半(下巻)は一気に闇に突入していくのですが、ここら辺りは男の私よりも女性読者に突き刺さるのでしょう。 基本的に、男→女→マイノリティーの男→マイノリティーの女という序列があって、これに貧富の差、家柄の良し悪し、美醜などが複合的に重なり合うのが日本の社会。本作、やはり女性に読んで欲しい一冊です。 | ||||
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主人公の和恵は、とにかく“自分”というモノを持ってい ない。いつも誰かに自分の存在価値を認めてほしい、とい う欲求を持っていて、名門女子高に入ったのも、一流企業 に入ったのも、仕事で論文を書いたのも、娼婦になったの もすべて、誰かに自分の価値を認めてもらうためだ。 勉強が好きだから名門大学に入る、仕事が好きだから一流 企業に入る、男が好きだから娼婦になる、というのではな い。この物語を読んでいる人間は、そんな和恵の弱さを非 難したくなるのだが、「人に認められたいから何かをがん ばる」という経験は誰しもあるだろう。 彼女はとにかく、コミュニケーション能力が低く、友だち もいなければ、家族や会社の人たちとの関係もすこぶる悪 い。人と仲良くできない人なのだ。だからこそ、彼女は勉 強したり、仕事で成果を出したり、体を売ったりして、人 から受け入れられたかったのだろう。でも、その試みはと ことんうまくいかず、いつも人から疎まれ、蔑まれる。そ して彼女はますます人と社会を憎むようになる。 「こんな極端な人、ホントにいるか?」と思いながらも、 自分にも和恵のような弱さを一部分、持っているなと思わ せる。人間の弱さをグロテスクなまでに、露骨に描いた秀 作。個人的には、最後の結末は、まったく予想外で驚かさ れたが、多少安易な感じもした。 | ||||
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読み終わったとき、何とも言えない気分になった。 全体を通して漂うその雰囲気がそうさせるのだろう。 ”グロテスク”という題名も頷ける。 | ||||
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あたし、女でいることがイヤだった。だから女である自分を痛めつけてやろうと思って体を売ったことがある。もちろんお金も欲しかったし。でも、痛めつけても痛めつけてももっと強い痛みが欲しくなって。お金を貰っても結局は心を埋めてくれるものではないことに気づいて。すぐに自分に値段を付けることはやめてしまった。根性なしだからね、あたし。昔、読んだ小説「ジェミニの涙」の主人公である17歳の女子高生が、大人になった姿がユリコであり和恵なのかなって思ってこの話を読んだ。最後まで読んでも理由なんてわからないけど、あたしには体を売る理由なんてあとからいくらでも付けられることで、気づいたら売っていたっていうのが一番納得のいく理由の気がする。それに、ユリコのお姉さんのねじれた性格もあたしにはすごくわかる気がした。自分に無いものを軽々と身に着けて生きている人たちに囲まれていたら、あたしだってあんなふうになってしまうと思うから。グロテスクって、異様で気味の悪いさまって意味なんだね。でもあたし、人の心の中ってみんなグロテスクだと思う。売るほうもグロテスクなら、買うほうもグロテスク。そしてこれを読んでるみんなだってグロテスクなんじゃないかな。 | ||||
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軸となる女性登場人物は4人。外国人を父に、日本人を母に持つハーフである「わたし」。その妹で誰もが憧れと羨望のまなざしを向けるほど美しい妹ユリコ。努力して学力で他者より上に上がろうと必死でもがく和恵。いじめにあいながら優秀な成績をとって周囲に一目置かれる存在のミツル。「わたし」の回想手記で始まる壮絶な物語である。 容姿でも両親の愛情でも妹に勝てない「わたし」はその憎悪を自分以外のすべてに向ける。名門Q女子高のヒエラルキーの中でもがく彼女と和恵、ミツル。どうにか均衡を保っていた彼女たちのまえに編入生としてやってきたユリコ。その美貌で学園に君臨するユリコはしかし悪魔的なほどの二ンフォマニアだったのだ。かくして彼女たちのアイデンティティはもろくも崩れ去り、あとは崩壊の一途をたどることになる。 なにがグロテスクかと言って、ここに挙げた全ての登場人物がグロテスクである。アイデンティティを求めてあがき、苦しみ、他人と相容れない女たち。そして「わたし」と和恵にいたっては自分がグロテスクであることにすら気づかないし認めない。読み進むうちにこれらの4人の女たちが、実はひとりであるかのような錯覚に陥る。その感覚もグロテスクである。 桐野夏生の文章は乾いていて、読後長くたってもその主人公たちが強く心に残るものが多い。ぐいぐい引っ張っていく筆力に脱帽しつつ、この気持ちの悪い小説を読み終えた。 | ||||
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地元にある女子大でも中学からの進学組は「純金」、高校からだと「18金」、大学から入った子は「金メッキ」という例え方があります。 最近はあまり言わないのかもしれませんが・・・・。 この小説を読んでそれを思い出しました。 エスカレーター式の学校に、下からでなく途中から入学した人間は最初から奇妙なコンプレックスを抱いており、お金持ちの子供であるとか、美しいとか、勉強ができるとか・・そういう他人から突出したものがないと成功できないという思い込みを持ってしまいます。 登場人物がそれぞれに「美」「頭脳」などが他人よりどれほど優れているか劣っているかにこだわり、誰かと比べることでしか自分の存在価値を認められないという階級意識をもっているのです。 そんな高校時代を終えた登場人物が大学を卒業し、やがて一流企業に勤めながらも、夜は娼婦となって街にたつ・・・。 身体を売るという行為にすら階級があるんですよね。 美しいとか若いとかでないと「ホテトル嬢」を派遣する組織にも所属できなくなって結局は街娼になるのです。 代償となるお金をどんどん値切られても娼婦をやめられない女・・・。 結局は他人のぬくもりを求めているのでしょうか。 読後感はどっぷり暗くなります。なんて淋しい女たちなんでしょう。 | ||||
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読んでみて登場人物の誰も好きになれないし、安易な感情移入もできないが、蔑むことも同情もしないです。和恵の一生懸命さ(良く解釈すれば)、ユリコの姉の、世間に心を開こうとしない生き方が半端じゃなく、読む側(普通の人)の方が余程、半端な生き方をしているなと思います。でも、そっちの方が幸せだよな。ユリコも彼女なりの考えがきっちり構築されているが、結局娼婦として殺されて良いのか悪いのかわからないし。でも最終的には、登場人物に逃げ場を作っている感じがします。実際に生きている方が辛いこといっぱいあるしね。 | ||||
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自分より優れている人への嫉妬は誰しもが抱えている感情。 ここに出てくる人たちのその感情は限度の越えたものであり、 狂気や悪意へ形を変えている。 前半は主人公の「わたし」の語りでのみ構成されていますが、 しかし後半に他の主要人物の日記や手記が発見されて、 主人公の語ったこととのつじつまが合わなくなってきます。 読者が唯一、信頼できるはずの「語り手」が嘘を語っているのです。 そんな読者のとまどいと不信感も作品の不安定さを増大させる大きな要素になっています。 誰もが高いところを目指している。それは当然のこと。 ならば彼女達のどこが「グロテスク」だったのかと言えば、 自分にはどうしてものぼれない高い所にいるものが転落することに 至福の喜びを感じていることを隠しもしないとこだろう。 誰の気持ちも深いところは理解できなかった。 要するに私は嫉妬や欲や劣等感を自分のパワーに変えられず、 女同士のサバイバルにはきっと勝ち残れない女だということか?? | ||||
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題名は「グロテスク」ではあるが、和恵その他登場する女性たちをグロテスクな存在とは私は思えない。登場人物、特に和恵の悲痛なほどの孤独や常道を逸した価値観には心が凍えるような、空恐ろしいような感情が湧くが、彼女は怪物などではなく、愛情に対する処世方法が巧くないだけの普通の人間だと思う。この小説は女性の醜悪な部分にスポットを当て、それを非常に上手に表現しているが、著者の創り出す小説の登場人物たちは、怪物という異端な存在ではなく、常道を逸してはいるが、私たちと同じ人間、潜在的な束縛や苦痛に捕らえられながらも懸命に生きている同種の存在だと言うことをもっと強調してほしいと思った。 | ||||
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和恵の崩れ方がリアルでした。ときどき街で、和恵みたいな身なりの「あのひとやばそう」っていう人いるけど、こっち側から見てやばい人の心理を想像上とはいえあそこまで細かく描いた作者はすごいです・・ せっかく最後に百合雄を出すなら主人公はもっとグロく百合雄にかかわってほしかったです。 | ||||
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