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グロテスク
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グロテスクの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.94pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全210件 21~40 2/11ページ
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甥っ子でてきて急に展開が強引というか、話がちゃちになった。 そこまでは文句なしに面白い、だからこそ惜しい‥ | ||||
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この人の本は決して爽やかではなく人間の悪意や心の闇が描かれていて、読んでいると終始嫌悪感でいっぱいになるのに何故か次へ次へとページをめくりたくなる。やはり上手い作家だと思う。下巻へ続く。 | ||||
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やはり下巻も陰鬱な気分は変わらず…。上巻から間をあけず読んだが遅読な自分が約2日で読み終えた。 和恵の手記以上に「わたし」の心の弱さが垣間見え、実は1番弱い人間なのでは? 何だかんだ言ってもユリコがまともな人間だと気づいた。 | ||||
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面白くて吸い込まれるようにして一気に読んだ。 けれど読後感が最悪で、本棚には並べたくないような、不幸の手紙のような、、、早く手放したくて人にあげました。(私の中では最高の褒め言葉です) | ||||
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主観と客観のギャップや思い込み、勘違いなどにより、自分と自分以外の人との真の理解は不可能だと思い知らされるような内容でした。 モデルとなった事件をベースに、それから大きく飛躍した展開と結末に向けてのストーリーの収束が、長編でありながらも飽きさせない理由だと感じました。 単純に奇妙な人間とだけでは解されない、まさに共感と嫌悪感を抱かせるようなそれぞれの人物像を作り上げる桐野夏生はさすがだと思いました。 | ||||
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なんとも言えないパワーのある小説でのめり込んで読んでしまうのですが、読後感はとても悪い。 特に後半、和恵の手記の章では読んでてただただ気分が悪かった。 | ||||
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あまりにも美しく生まれた女の周りには何が起きるのか、その物語の一角に東電OLの殺害事件を置いている気がするのですが、美しい女も、美しくない女も、最終的には両方が「堕ちて」いき、男たちの手にかかる。ただ、この作者の独自性は、それぞれの人物がそれぞれのコミュニティで神話・伝説化され、殺害されようとも、女が勝利している感が残る点に読みごたえがある。例えば、会社のトイレの洗面台の蛇口から堂々と水を飲み、床に横たわって昼寝しつつ、同僚の自分に関する悪評に聞き耳を立てる、といった怪物ぶりは、美しさのために男たちの遊具となって売春、殺害となってゆく女の受身的「なれの果て」より、はるかに突き抜け感がある。 | ||||
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東電OL殺人事件は衝撃的でした。あの頃、セックス依存症という言葉がしきりにマスコミを騒がせていました。 この本はフィクションですが、女性がどうしてセックスに溺れていくのか、その心理描写が克明に描かれています。 ページ数の多い作品ですが、退屈することなく、興味深く読めました。 さすが、作家! と感嘆しました。 | ||||
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この物語で扱われているのは、ほぼ東電OL殺人事件そのものであるが、オウム真理教事件という、もうひとつの事件についても少しだけ描かれている。人々の理解をはるかに超越し、当時センセーショナルであった2つの大事件は、名門Q女子高校という場が生み出した、という形で物語が形成されている。この着想は面白いと思った。強烈な競争意識と飽くなき上昇志向が最終的に生み出した不幸の物語とも言える。桐野夏生は社会を騒がせた事件の裏にあったかもしれない背景を物語にするのがすごく上手いと思う。ただ、今回の「グロテスク」はちょっとマンガちっくすぎる感じがした。特に最後のオチのつけ方がちょっと不満。おいおい、というツッコミを入れたくなった。 | ||||
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自分の心の深くに沈んでいる泥を掘り返されたような、えぐられた気持ちになります ただ、最後の甥っ子の章はイマイチ いきなり売春ファンタジーかよ⁈で我に帰ってしまいました 心をえぐられた感がなくなり良いリハビリにはなりましたが… 読み終わってから、これは被害者に対するセカンドレイプだよな、と共犯者になってしまった事に気がつきまた落ちこみました | ||||
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『OUT』がすごく良かったので、著者代表作といわれるこちらも読んでみました。 実際の事件をベースにした物語ですが、よくここまで、人間を深く深く掘り下げて書いたものだと思う。 「わたし」「ユリコ」「チャン」「和恵」 という登場人物による、ありのままの語りや手記がまたおそろしい。 語りや手記を読み進めることがとても辛い内容で、『OUT』のような先を知りたい、 もっと読みたいという気持ちではなく、ともかく、彼女たちの生きざまを見届けたい思いで最後まで読みました。 とくに、実在した人物をモデルにしたとされる「和恵」の生きざまが、あまりにも壮絶です。 世間がこの事件を知ったとき、「なぜ、エリートのOLさんが、そんなことを・・・」と衝撃を受けたわけですが、 その答と思われることが描かれ切っています。「わたし」や「ユリコ」の存在は著者の創作だそうですが、 「和恵」にかんしては、創作ではあるもの、かなり真に迫っていたのではないでしょうか。 なお、「チャン」の語りと、あとから「和恵」によって語られる「チャン」が違い、「和恵」の手記を読んで、かなりショックを受けました。 読後は良くありませんでしたが、「和恵」の痛ましい最後を思い、哀しく、切ない気持ちになりました。 ということは、読者としての私の中に、「和恵」は生きていたことになります。 すごい小説ですが、二度はないです。 | ||||
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読了:2016年97冊(11月8冊)★3.8 2006/9 桐野 夏生 (著) ───わたしは、生き抜くために悪意を磨いてきました。しかし、他人の悪意には脆く弱いのです。わたしの悪意は、出来の悪い天麩羅よろしく、分厚い小麦粉の衣のようなものでしかなかったのでしょうか。ミツルの悪意という濃いつゆの中で次第に溶けだして、種をぶよぶよと覆うだけの代物でしかなかったのでしょうか。だとしたら、天麩羅の種は何なのでしょう。(p.170) ───そんなことはない。あたしは復讐してやる。会社の面子を潰し、母親の見栄を嘲笑し、妹の名誉を汚し、あたし自身を損ねてやるのだ。女として生まれてきた自分を。女としてうまく生きられないあたしを。あたしの頂点はQ女子高に入った時だけだった。あとは凋落の一途。あらしは自分が身を売っていることの芯にようやく行き当たった気がして声を出して笑った。(p.293) 上巻からは想像のできない下巻の展開だった。下巻では主に和恵にスポットライトがあたる。「東電OL殺人事件」よろしく、G建設に勤めていながらも、夜は娼婦として働く和恵の心境に迫っていく。会社に入ると、高校や大学の時とは違い、自分のアイデンティティの確立の仕方が分からない和恵は娼婦に堕ちていく。娼婦になることで誰かから少しでも“商品価値”を認めてもらうことで充足し、そのことが誇りになり周りを罵倒していく。やがてその“商品価値”すら擦り切れた時、和恵の行き先は…。世間の耳目を集めた「東電OL殺人事件」では、その被害者女性に多くの人が疑問を感じただろう。その疑問が不思議なくらい雲散霧消して和恵にどんどん引き込まれて感情が移入して行くのが分かる。 人は誰とも関係がなくなった時、どのように思うのか、追体験できた気がした。悲惨なラストも「自分もそう思うかなぁ」というくらいに。 『OUT』とは毛色が似ていても、ニュアンスが全く違って面白かった。 | ||||
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読了:2016年93冊(11月4冊)★3.8 2006/9 桐野 夏生 (著) 『OUT』とは全く毛色が違ってびっくりした。とともに、この作品も素晴らしいものでした。読んでいく内に自分の中の“悪意”と“欺瞞”が充ちていくような気分がしました。普段は誰もが隠している悪意が当然のように描かれており、「わたし」は悪意100%で、読んでいて気味が悪いというよりは、むしろ小気味いいくらいです。 悪意とは、一般的に湧いてくると自制が働くものですが、「わたし」はそれがガソリンとなり、生きる糧になっている。和恵の素直さ(愚鈍さ)というかバカさも見ていて清々しくもあって面白い。下巻ではどう堕ちるのか。本書のいう“グロテスク”とはどういう意味を持つのか。 Q中学、高校とは慶応のことでしょうか?なんて怖い世界なんだろう、、、子供がいたら、内部生のいない中学や高校に入学させたいです。苦笑 他の新書で、東電OL殺人事件を本書が模したことが書かれていていたので、本書の存在自体は知っていました。おそらく下巻でその具体的な内容が書かれていると思います。とても楽しみにしています。 ───理由がありました。わたしが焚きつけたせいで、さんざん悩んで和恵が、チアガール部の入部差別問題として、今日にもホームルームでぶちまけようとしていたからです。そんなことをいう人間はQ女子高始まって以来ではないでしょうか。こんな一大事にわたしが同席できないなんてつまらないではないですか。(p.131) | ||||
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桐野氏の金字塔ともいえるOUTは、物語としても読み応えがあり、素晴らしいと思っています。 このグロテスク、今更レビューかって話ですが、10回は読んでいます。 これは東電OL殺人事件をモチーフにして・・・なんてよく言われますが、 その物語としてがメインではなく、物語に登場する人物たちのひたすら続く 「悪意」を書く力量の素晴らしさを楽しむ小説だと思っています。 実際は作者は被害者側から見た目線というものはどんなもんだろうと書き始めた という話ですが、物語自体もひたすら異様。 現実世界にこういう異様な様子ってあるんだとかんじさせてくれます。 また、姉の語り口がただただ抑揚も無く「~~かと思われます。だってそうではありませんか。」 などの口調で淡々とかかれているのがまたこの小説の雰囲気を異様なものに仕立て上げています。 つまりは全てにおいて「グロテスク」ということなのかもしれません。 何度読んでもえもいえぬ気持ちになるのが中毒になる小説です。 | ||||
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重い内容だし、色々な悪意が蠢く小説。読み進めるのが嫌になるくらいの内容ですが、自分の中にある悪意と向き合う大事な時間でもありました。ただただ、悪意に満ち、悲しい物語なのですが、読み進めるうちに何故か爽快感を感じてくる不思議な小説でした。桐野夏生先生の他の作品も読んでみたいと思います。 | ||||
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東電OL殺人事件をモチーフにしてると言うことで興味を持ちました。人物像も分かりやすく、引き込まれるように夢中で読みました。読みやすかったです。 | ||||
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改めて桐野 夏生の想像力、文章力。そして本作に横溢する異様な雰囲気に圧倒される思いだ。 著者の他作品もほぼ読んできたが、全編を通して高密度なエネルギーを本作からは特に感じる。 ラスト付近で、露骨に「まとめ」に入ってしまっているのが残念だが、それを含めたとしても本作の価値は損なわれない筈。 エンタメ性や、小説的な感動を求める読者を突き放してしまっているが、負の方向へアクセル全開で突っ走っていった本作は個人的に著者の作品で一番好き。 読後は、例の「ですます」調が脳内で木霊してしまう。それだけこの作品のもつエネルギーが強かったという事だろう。 | ||||
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圧倒的な筆力。 読後感とかそういうことと関係なしに、交響曲の大作みたいでした。 「わたし」の淡々とした語りではじめといて、和恵という重く暗く厚いクライマックスに向かってどんどん濃くなっていく。 どうやってこの話を終わらせるのだろうかと思っていたら、意外なエンディングが用意されていましたが、それも口直しのようにしか聞こえないくらい和恵のそしてチャンの証言が凄みをもっていました。 | ||||
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東電OLの裏の姿を垣間見る事ができた気がする。 人の内側に隠された部分が丁寧に描かれており、時間を忘れて読み進めた本でした。 | ||||
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「です、ます」の語り口調がねっとりとしていて、読み進めているうちに語り手の「私」が精神を病んでいるんだな、と私は感じ始めたのですが、それがじんわりじんわり来るので恐ろしかった。 さすが情念を描く筆力が尋常ではないです。 | ||||
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