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龍臥亭事件
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龍臥亭事件の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.97pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全31件 21~31 2/2ページ
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御手洗が石岡君の許を去り、そして犬坊里美が登場する、思えば「御手洗潔シリーズ」の分岐点となった長編作品。 序でにファンの意表を衝く人も登場しますが。 「コード多用型の館ミステリー」を今(1996年)描かなければ、という想いに突き動かされて?世に問うた作品であるそうで、 その通りケレン味溢れるトリックと、詩情ある余韻を残すプロットが炸裂する、島田荘司本格ミステリの粋が味わえる好篇であると思います。 で。 ある意味本筋以上に力が入ってる(ような気がする)のが、あの「津山三十人殺し」に関する考察と、描写。 横溝正史『八つ墓村』の下敷きとなり、松本清張『ミステリーの系譜』中の作品(「闇に駆ける猟銃」)でも描かれた、この本邦史上最大級の事件が、 『秋好英明事件』(島田荘司)を彷彿とさせる克明な筆致でもって語られます。 物語作家・島田荘司の真骨頂(多分)。 あと特攻隊とかも。 石岡君のお蔭で大長編になってしまったという声もありますが、ともあれその分(?)読み応えは約束された(筈の)逸品。 | ||||
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「津山三十人殺し」についてはフィクションも含めてこれまで多くの文献で語られて来ており、本作品の事件に対する切り口自体に真新しさは見られませんが、フィクションとノンフィクションを巧みに交錯させた構成と60年前の事件と現代の事件を結ぶギミックの面白さで一気に読ませます。下巻の約半分を使って語られる津山事件の迫真のノンフィクションパートは、島田氏本人も語っているように筑波昭氏の名著「津山三十人殺し 村の秀才青年はなぜ凶行に及んだか」の強い影響下にあります。事実関係はもちろん犯人・都井睦雄の台詞回しまでが同書から引用されていますので、事件に興味を持った方は是非こちらもご覧ください。 島田壮司のミステリーとしては、御手洗シリーズの奇想と吉敷シリーズの社会性を融合させたような作品ですが、著者側からは津山事件とその時代を分析総括した一種の近代史論的な意味合いが込められているように思います。島田氏お得意の日本人論やメッセージ性は今回影を潜めているので、純粋に津山事件を知るテキストとして興味深く読めるでしょう。 | ||||
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本格ミステリーとしては落第であります(…と巨匠に対して言い放ってしまう不遜なワタシ)。 無理があり過ぎ、偶然が重なり過ぎ、心理的動機がアンチョコ過ぎ、何よりミステリーを読みまくっているような読者からは、犯人の推測すら、初期のうちから容易だろうと思われる。 どんでん返し(と言うか、「ヤラレタ」という感じ)を感じるのは、最後に "ある登場人物の正体"が本人の口から語られる時くらいか・・・(推理モノなのであまり詳しくは書けません) ただ、この一作から 島田荘司の御手洗シリーズが 新たな方向へと向かいだす、、、その通過点としての一作だと思うと,やはり外せない作品だと思う。 石岡が列車に乗ってからの最後の2ページは、文学として素晴らしい後味を残しているし。 | ||||
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現実の犯罪に題を採った作品であり、御手洗(電報でだけ登場する)ではなく石岡が主人公を務めるという趣向がある。だが、独創性を売り物にして来た作者が、現実の事件に題を求めるという事は、自らの創造力の枯渇を意味しており、実際物語は退屈この上ない。これは、一般の作家が書けなくなった時、歴史物に逃げるのと似ている。 「龍臥亭」と言う宿屋を主な舞台に事件は起こり、元々石岡は悪霊払いという名目でここに来ているのだが、相変わらず事件の謎は偶然性に頼ったもので、呆れる他はない。主人公を石岡にしたのも、この程度の事件で御手洗を出すのはさすがに気が引けると思ったからではないか。 作者のデビュー当時の独創性とミステリに掛ける情熱を知っている者にとっては、寂しい作品である。 | ||||
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え、島田さんの作品を龍臥亭事件で始めて読みすごい作家だと聞いていた通りのすごい作品でした。御手洗くんではなく、石岡くんが活躍する物語でしたがこの作品で過去実際起こったことの記述のくだりがリアルに書かれていてぞくぞく身震いがしました。問題解決のころには、つじつまがぴったり合っているところに感心、わくわくしながら読みました。・・・・始めて島田さんの作品にふれて、これからもっと読んで生きたい作家になりました。 | ||||
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記念すべき石岡君独立記念?!トリックは島田ものの常として大胆かつ無理ありです。まあそれはそれとして、一番の驚きは、最後に!!!吉敷ものの愛好者としてはあっ、と・・・ | ||||
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上巻577ページ、下巻ページ575ページと御手洗シリーズで最長編。上巻は高木彬光氏、下巻は神津恭介氏に捧げられている。『水晶のピラミッド』・『アトポス』等で試みられた並列的にストーリーが進行し最後に帰結する小説手法はこの『龍臥亭事件』で完成をみたと思える。この後、島田氏は三浦和義事件のような実際にあった事件を取り上げていくが、その橋渡し的な作品が本作で、実際にあって横溝正史が「八つ墓村」で題材にしたことで有名な「三十人殺し」をその並列して起こる事件の根幹のファクターに配置している。もうひとつ、この後の島田作品で重要な役割をはたす犬坊里美が登場する。御手洗が北欧に去った後の石岡君をハリー・ボッターのヒッポグリフさながらにあちこちへと連れていく(●^o^●)。それとともに本作は石岡君の成長が大きなテーマになっている。つまり、石岡君が事件を解決するのだ。御手洗は電報一通と激励の手紙一通の登場である。ここが面白い。読んでいて島田氏が最も愛しているキャラクターは石岡君ではないのかな、と思った。里美のような素敵な少女と一緒に石岡君は本作で極めて頑張っている。そこが『君にもできるんだ、もう少しガンバレ。』と励ます御手洗は普通な普通な読者の僕たちをも励ましている気がしてくる。僕は本作が現時点の御手洗シリーズの最高傑作だと思う。島田作品の魅力が全てクロスする素晴らしさ。上下巻を併せて豪華装丁で再出版したのも頷けます。必読です。 | ||||
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「津山事件」に少しでも興味があれば楽しめる。逆に“大どんでん返し”、“やられた感”を期待する本格ミステリ・ファンには物足りない。痛快謎解きを見せてくれる御手洗の登場も無いに等しい(主人公は石岡君)。もちろん雰囲気はミステリです。この愛蔵版は、かなりの分厚さですが、雰囲気にはまってしまえばサクサク読めてしまいます。「読んだぞ!」という達成感もポイントですかね(笑)。 | ||||
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この頃以降、現実に起きた事件を島田荘司氏が独自で調査を行い世間一般に流布されていない真実を公開する作風が濃くなりますこれは横溝正史が「八つ墓村」で題材にしたことで有名な「三十人殺し」の新たな構築を行っております上巻は割に普通の推理小説ですけど | ||||
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ここまで厚くなると途中がだらだらしたものになることが多いが、最後まで飽きさせなかったことに感服。一つの糸からはじまり、それが幾本にも解け絡み合いながら、最後にまたひとつになる、そういうふうにしか言い表せません。今回、御手洗は電報と手紙という形でしか登場しません。彼独特の推理には出会えなかったが、石岡くんがここまで成長していたとは(ほろり)。御手洗なら初動の段階で犯罪を止められたのではないかという気がすごくするのが残念です。御手洗シリーズをここから始めるのは、全くおすすめしません。 | ||||
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御手洗の派手さがなくなってしまうと、長く苦しい読書になってしまいます。石岡さんだけだと、非常に暗く、ジトジトした感じになってしまい、たのしめません。トリックも取ってつけた感があり、やはり過去の作品の方が良かったと思ってしまいます。 | ||||
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