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蒲公英草紙 常野物語



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蒲公英草紙 常野物語の評価: 3.90/5点 レビュー 68件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.90pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全47件 21~40 2/3ページ
No.27:
(5pt)

小さな世界の中の至極の思い出

前作「光の帝国」は、さまざまな能力を持つ常野の人々の全体像と彼らの引き寄せられる役割、そして時のさまを描いたいたのに対し、「蒲公英草紙」は常野の人々ではない一人の女性の少女時代の回想として、思い出深い常野の人々が語られています。語りは一人称ですし、少女だった頃の視点から語られているので、今と違って、情報の量も少ないですし、子供に何もかもが筒抜けではないためでしょうか…情報の中の怖いものや大人の事情はあいまいで優しい世界になり、小さな世界の中の至極の思い出がまばゆく輝いています。

 「蒲公英草紙」に登場する常野の人々の中には、「光の帝国」の「大きな引き出し」に登場する春田一族の祖先がいます。彼らは膨大な知識や人そのものを「しまう」、そして時には「響かせる」役割を持ち、旅をしながら暮らしています。今回、常野の人々の視点から物語が語られないのは、彼らが主役であろうとしないからではないかと思っています。彼らは代々為すべきことを為すために行動し、優れた力を持ちながら表舞台に出ようとはせず、目立たぬようにけれども世界のありようを支えている人々だからです。…代々為すべきことがはっきりしているというのは、制限でもあるけれど、幸せなことなのではないかとも思います。不思議と常野の人々にはその定めに逆らうものが今のところいないので、何かの定めによって定められているかのように時には自己を犠牲にしてまで、何かを守ろうとしています。その一方で、語り手である峰子が出会う聡子は、春田一族とは異なり、常野のことをよく知らないままその能力を知らず発揮しています。聡子は祖母から聞いたわずかな常野についての知識を物語だと認識していましたから、春田一族のように知識の伝達や教育を受けていないのです。それでも彼女は少し遠くのことが見える力で自らの為すことを為そうとするのですが、春田一族の成長過程と比べて、真っ暗な道をひとりで進んでいかなければならないという周囲のサポートの少ない仕事であったといえます。それを思うとせつなくなると同時に、語り手である聡子の話し相手である峰子とのたわいない少女同士の夢やおしゃべりがどんなに聡子の支えとなっていたのかがよくわかります。峰子は聡子を理解していたわけではありませんが、聡子の小さな世界と見えるだけの外の世界をつなぐ人物としていつも沿い、かけがえのない媒介者であったと思います。それから、ラストに峰子が数十年を経てなぜ今回想に至っているのか、が語られているのですが、厳しい中にもわたしにはどこか長期的な希望のかけらが感じられました。それは峰子の代なのかも知れないし、もっと先のまだ生まれていない人々の代なのかもしれませんが…常野の人々を知ると物事を大きなスパンで見られるようになるような気がします。



蒲公英草紙 常野物語 (常野物語) (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:蒲公英草紙 常野物語 (常野物語) (集英社文庫)より
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No.26:
(4pt)

奥が深い・・・。

人々が関りあって生きること、自分の存在意義、平和とは?
幸せって?社会の矛盾、世界の流れetc...
たくさんの要素がここに書かれている。
話の内容は少しいややこしく、難しく思える箇所もあったけれど、
だからこそ余計に考えさせられたのかな・・・

「自分の顔を自分で見ることはできない」。

まさに、その通り。誰かがあっての、自分なのだもの。
家族や友達、自分の周りにいるすべての人たちを大切にしたい、
そう思わせてくれる1冊です。
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No.25:
(4pt)

昔はみんなそうだった

かつて日本人が敏感だった頃、みんながそれぞれを助け合う能力を持っていた。そのうちにそれが忘れられ、一部の人たちだけが受け継ぐようになった。そして受け継いだために、定住することが許されなくなった。
そんな人たちが、みんなのために何かをすることが必要な世の中なのかも知れない。常世やニライカナイはユートピアではない。そこは古き良き日本の原風景なのかも知れない。
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No.24:
(4pt)

新しい船出

常野シリーズの中で一番好きなお話です。一人の少女の日記『蒲公英草紙』には、彼女が出会った不思議な力を持つ人々との触れ合いや、彼女自身の成長が記されているわけだけど、彼女の品を感じさせる言葉遣いが、物語全体の質を高めています。
常野シリーズを知っている人はもちろんだけど、その他の人の胸にも響くストーリーだと思います。

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No.23:
(4pt)

どこか暖かくなる一冊

恩田陸、「常野物語」のシリーズの文庫最新刊です。
 「常野物語」にはいつも、常野と呼ばれる漂白の一族が出て来ます。彼らは普通の人とは違った能力を(例えばそれは、未来予知だったり、今回登場の一族のように、人の生きていた人生そのものを全て心の中に記憶として刻み込み「しまう」ことが出来る能力だったり)を持っています。彼らは、定住せず各地を歩き、自分たちのなすべきことを為しています。
 今回の舞台は、第二次世界大戦前の絵に描いたような田舎町。庄屋さんとでも言うべき槇村の一家がいて、その家族とともに歩む村人がいて、すべての文化はそのお館に集まり村人にとってはすべての文化や変化や生活のベースがそこにあるような、そんな古き良き時代の日本の農村が舞台です。
 語り手の主人公の少女は、縁があってその親方の末娘の聡子さんと知り合いになります。病気がちで成人までは生きられないと言われていた聡子さんの話し相手として、お屋敷のかかりつけ医の娘で年が近かった彼女が選ばれたのでした。彼女は、聡子さんやその兄さん達、そして槇村の家に出入りする人たちと関わっていきます。その中に、春田さん一家もやがて加わります。
 その春田さん一家こそが、常野の一族なのでした。
 あとは読んでのお楽しみですが、まかり間違っても悪の一族と戦ったりとかそういうベタな展開にはならないのでご安心を。人の気持ちが今よりもまだまっすぐで歪みが少なく、自分が何をすべきかをわかって感じてその為に生きているのが普通だった時代。本当はどこにもそんな時代はないのかも知れないけれど、そうした幻想の中に気持ちよくひたって、どこか心の底のほうから暖かくなってくるような話でした。
 語り手の少女の語り口調も大いに影響していると思いますが、とにかく読んでいてひどく優しい気持ちになる一冊でした。
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No.22:
(4pt)

やっぱり常野な感じ。

恩田陸さんの著書で初めて読んだのは光の帝国でした。
題名のあとにこの『常野物語』というワードがついていて、むむむ、っと思い買いました。



光の帝国では短編で、どちらかというとさまざまな一族の能力やそれにまつわる物語がさくっと入っている感じでしたが、今回は長編ということで、気持ちの揺れ動きやちょっとした人間関係などもかいてあり、濃いなぁ、といい意味で思いました。

内容については読んでいない方にがっかりさせないように解説すると、今回は蒲公英草紙と言うだけあって日記風な感じです。
この日記を書いた女性が時を越えて回想する、昔まだ自分が子供だった頃の話です。
子供の頃にあった切なくて、それでいて忘れることのない鮮明な記憶。


これを読み終わったあと、私は最後の終わり方について著者が強い意味を込めているんだなぁと思いました。
それを踏まえてこれからもう一度読んだりしてみようかなと思っています。







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No.21:
(4pt)

ほっこり。

好きなのは、「きなこ」と「しじみ」の下り。

先に光の帝国を読みました。
その中に出てくる、人々の記憶や思いを、自分の中に「しまえる」能力を持った家族が、
ある小さな村にやってくるお話、ですかね。

メインとなっているのは、その村に暮らす少女の昔語りです。
なので、確かに常野話を期待していると、少し肩すかしを食らう感があります。

ラストが確かにもうどうしようもないという雰囲気がただよっていますが、
同時に光の帝国のラストを重ねると、意外と違和感なくなじみます。

常野の「明」部。
常野三部作を読むのでしたら、
出来れば先にこの蒲公英を読んでから光の帝国をお読みになることをお勧めします。
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No.20:
(4pt)

むかし とこの

待ちに待った常野…「光の帝国」のあとがきから光紀たちの戦いと勝手に思っていましたがご先祖様の時代のお話でした。
常野だと考えないなら一本のファンタジーとして完成度の高い作品となっています。
ただあまりにシリーズを待ちわびていたので時代が違う時点で肩すかしを食らっててしまった格好。
先行して数作品でていれば良かったのですが。
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No.19:
(5pt)

違和感の正体は・・・?

前作とうって変わり 長編です。
しかも時代が違うせいか文体も違う為、続けて読むと最初違和感があるかもしれません。
常野一族ではない主人公 峰子の目を通して描かれています。絶望があるのにこの 清涼感は一体何なのでしょうか?

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No.18:
(4pt)

綴れ織られた物語

連綿と続く一族の歴史を綴ることで、現在への架け橋を創り出しています。何もかもがゆったりと動いていた時代が、実は波乱を含み、激動の時代だったということ。世界の片隅が大きな影響を与えていくということがまざまざと分かりました。
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No.17:
(4pt)

大きな引き出し

「常野物語」の「光の帝国」に先立つ短編「手紙」では丸森町の旧家に春田家の書見台があることが触れられていた。蒲公英草紙は、その旧家の物語だ。蒲公英草紙を読んで「光の帝国」を再読するとまた、春田家に「しまわれた」世界、春田家の世界の共鳴に圧倒される。そして、ここでも太平洋戦争の予感から戦後が語られる。「大きな引き出し」の光紀君の名は、紀代子と光比古を引き継ぐ名前だと分かる。紀代子さんは、峰子さんとたいして違わないから、まさか「光の帝国」で語られていた「春田のばばさま」ではないだろうが、この2つの物語を結ぶ物語が知りたくなる。それに書見台の謎も解明されていないから、テレパス一家、春田家をめぐる「大きな引き出し」をどんどん開いてほしくなる。それから、政治家指向のあった廣隆と「光の帝国」の亜希子たちの世界はどうつながるのだろう。それにしても、時の経つのも忘れて蒲公英を摘んだあの幼き日々の地平に今わたしたちが生きているということを忘れそうになる今日この頃、蒲公英草紙はそのつながりを取り戻す手がかりになる。
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No.16:
(5pt)

続・常野物語

第134回直木三十五賞の候補作になりました!
選考委員会は、平成18年1月17日(火)午後5時より、築地・新喜楽で開催!

嬉しいデス。常野物語の始まりは【光の帝国】から。そして3作品目の【エンド・ゲーム】へと、続いています。
以前、名誉ある【本屋さん大賞】に【夜のピクニック】が選ばれたので、今回もその勢いで選ばれて欲しいです。

常野物語は主人公が色々、変わるのに一族の繋がりがあり、小説として面白いと思います。同じ常野物語でもいろんな所から、話を集めてきた作品集のような、感覚です。

私利私欲に囚われるのではなく、本当にひっそりと、慎ましく存在する、一族の人たち。日本人に愛される作品だと思います。



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No.15:
(5pt)

うーん…泣きました。

常野とそれに繋がる人々の周りにいる人の視点で語られる本当にたんぽぽの様なお話でした。

 常野一族がいてよかったね、としみじみ思いました。
見つめるだけ、受け止めるだけってでも、しんどいだろうなあ…
自分にできるコトなんだから、やらなければ、って、その悟り方、こわいよ。こわいけど、うん、でも、そうなんだよね、本当に。解っているけれども、難しい生き方を軽々とこなす人々って、すごいと思いました。

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No.14:
(5pt)

じっくり読みたい作品

恩田作品の中では地味な一冊です。でも暖かく胸にせまるストーリーで一気に読んでしまいました。
 ラストは子供のいる方、電車の中や喫茶店などでよまないでください。
私は涙があふれて急いで帰宅し、やっと続きを読むことができました。
読み返したくなる良作でした。
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No.13:
(5pt)

日本ものファンタジー

舞台は、少し昔の、日本。
常野と呼ばれる人々と、その周りの人たちを巡る物語。
日本を舞台としたファンタジー作品です。同著者の「光の帝国 常野物語」がお好きな方は絶対読むべき!
また、荻原規子「空色勾玉」をはじめとする勾玉シリーズがお好きな方、ぜひどうぞ。
ファンタジー色の強い作品なので、恩田陸ファンでも、
ミステリ好きにとってはいまいちかも。。。
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No.12:
(5pt)

2005年の幻想文学における大収穫!

■不思議な能力を持ち、北方に広く散って暮らす人々がいた。彼らは《常野(とこの)一族》と呼ばれた――。
■ときは明治末期の西暦1900年、所は宮城県南部の農村地帯。物語は、少女・中島峰子によって綴られる(蒲公英草紙は彼女の日記のこと)。
村は大地主・槙村家を中心に運営されていた。峰子の家は代々槙村家の主治医だ。槙村家の末娘・聡子は峰子より1つ年上。美しく聡明だが病弱で学校に行っていない。峰子は話し相手として屋敷に出入りすることになった。そこで知った不思議な力を持つ常野の一家のことや、槙村家での楽しい体験の数々……。■登場人物は皆、理想と誇りを持っているが、多くが戦争で命を落としたことがラストで語られる。日本近代の営みとその意義、人の命のはかなさを問いかけてくる大収穫。
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No.11:
(5pt)

風のように

夏の清々しい風がせつなげな秋風へと変わっていく・・・。
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No.10:
(4pt)

あぁ、いい話だなあ。

久々に作品の世界へトリップ出来る小説でした。読後もしばらくは
「村」から想いが離れられませんでした。
明治の雰囲気に恩田陸の作風がピタリとはまっていて、恩田作品特有
の薄暗さ、登場人物の清らかさが生き生きと描かれています。
もしかすると、このお話の頃が日本は一番正しく幸せだったのでは
ないかと考えてしまいました。作中にはその思いが強く出ています。
運命の章からは結末が予想出来るにもかかわらず、もう目が離せません。聡子様のメッセージには涙、涙です。なんて高潔なんだろう・・・恩田陸さんにはこういう明治~昭和中期位までのお話をこれからも
どんどこ書いてもらいたいなぁ。多分この本はこれからも何度も読むでしょう。
★が4つの理由は最後の終戦の場面で語り手の峰子が本当の老婆の姿を現してしまったから。老婆の声とかつての少女の声だけで語って欲しかった。 でも、あの終わり方ってもしかして次の常野物語への伏線?
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No.9:
(4pt)

“常野”・・・新たなる物語

不思議な力を持つ一族“常野”を描いた短編集「光の帝国 常野物語」につながる中編。
20世紀初頭の東北の農村が舞台。
村の名家・槙村家には寝たきりのお嬢様があり、
そのお嬢様の話し相手をするために屋敷に出入りをしている少女・峰子の視点によって語られています。
ある夏、お屋敷にやってきた不思議な家族と、峰子とお嬢様の思い出が軸につづられています。不思議な能力を持つ人々を描くお話でありながら、
ミステリー的な要素はなく、
まったく逆に、子供達に語り聞かせたくなるような昔話のように
仕上がっているのは意外でした。
お嬢様の生き方や、光比呂さんが見せた能力を体験した人々を思うと、
誰か(何か)を大切に思うという心の美しさと強さが胸に染み入ります。
お嬢様の「ありがとう」という言葉が、私の心に効きすぎてジーンときました。時代背景や、舞台となる農村ののどかな情景描写などが手伝って、
「光の帝国」とは違った落ち着いた雰囲気があります。
「蒲公英(たんぽぽ)草紙」というタイトルも、
タイトル買いしてしまいそうなほど素敵ですよね?味わい深く、心にあたたかいものの残る作品です。
「光の帝国」を読んでいない人も十分楽しめます。
恩田さんには“常野”を描いた作品をこれからも少しずつ書いていってほしいと思います。
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4087462943
No.8:
(4pt)

余韻が残る・・・

遠くの出来事を感じたり、これから起こることを予知したり、人の思いを感じたり・・・。常野の人たちの不思議な力。彼らはその力を隠し、ひっそりと生きている。槙村家と常野一族の不思議な因縁は、やがて聡子の運命を変えていく。峰子の口から淡々と語られる出来事は、読み手を、物語の奥深くへといざなう。人にはそれぞれ生きていく意味がある。そして、すべきことがある。そのことから目をそむけてはいけない。常野の人たちに出会い、それぞれの道を歩み始めた人たち。彼らにとって日本は、光り輝く国だったのだろうか?読後、いつまでも余韻が残った。
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