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ブレイクショットの軌跡



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【この小説が収録されている参考書籍】
ブレイクショットの軌跡

ブレイクショットの軌跡の評価: 4.15/5点 レビュー 33件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.15pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全33件 1~20 1/2ページ
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No.33:
(5pt)

とても良い

とてもとても良い。
とてもとてもとてもとても良い。
まだ言わすのか。
とても良いよ。この小説は。
ブレイクショットの軌跡Amazon書評・レビュー:ブレイクショットの軌跡より
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No.32:
(3pt)

ミステリ小説と思って読まないこと

前作、前々作に引き続き大きな期待を寄せていたが、正直なところ期待外れだった。
冗長な部分も多く、話の展開がもたついてじれったく感じた。これなら350ページくらいに凝縮した方が読みやすかったのではないかな。
あと、また今回も同性愛が出てきて、しかも結構ストーリーの幹にある部分だったので辟易した。毎回同性愛ってなんなん、、

ただ、著者が伝えたいことはよく理解できた。御本人もSNS絡みで相当苦労されたのだろう。けど、SNSが悪いわけではなく、やっぱり悪いのは人間。文春砲なんかもどうかと思うし、世の中に金がある限り稼ごうと悪だくみする人間が絶えることはない。

今作はミステリ小説と思って読まないこと。ラストはきれいすぎるくらいにまとめていただいて、やや胸焼け気味に。
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No.31:
(3pt)

複雑な要素を詰め込み過ぎて解読に苦労

時間軸を移ろい複雑に捻れながら連鎖していく複数の物語の進行の中に、様々な登場人物が人間離れした澱みなさで語るロジカルな蘊蓄談風の台詞が次々と詰め込まれ、読み切るのにすごく疲れる。一編の長編小説として構築するための不自然な設定や辻褄合わせが随所に溢れており、贅肉の目立つ無駄に長い作品であった。
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No.30:
(5pt)

SNS見てる現代人みんな読みましょう

以前なら絶対に手に取らなかったであろう、570ページの分厚い小説。
それでも舞台が現代だからか、抵抗なく最後まで読めました。

『同志少女よ、敵を撃て』の作者・逢坂さんの最新作。
いろんなバックグラウンドの人の気持ちや葛藤を
想像して描けるのが本当にすごい。

登場人物が等身大で、
Xでフォロワー2000人いる地方の工場で働く期間工の人だったり、
リベ大っぽいYouTubeにハマっている人だったり。
身近にいそうな人々の物語としてリアルに感じられました。

個人的にこの作品で伝えたいのは、
個人的にこの作品で伝えたいのは、
「想像力を働かせること」
「自分の行動・発言に責任を持つこと」
「わかりやすい肩書きや数字に騙されないこと」
「一人ひとりの勇気と行動が社会を変えること」
なのかなと思いました。

紛争地域の実情や不動産投資、特殊詐欺、反社会的勢力など、
普段あまり触れないテーマにも触れられて、
とても勉強になりました。

まじでSNS見ちゃう現代人全員読んでほしい。おすすめです。
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No.29:
(5pt)

2025年ベスト小説

めちゃくちゃ面白かった。一作目から著者の大ファン。戦争ものかと思いきや、現代の今の日本を舞台にしていて、読みながら社会勉強にもなる。
冬馬さんが小説を通して理想とする世界や人間の姿や正義感に私はすごく共感する。
天才だわ。少しでも本が好きなら、面白い本に出会って本が好きになりたいなら、絶対に読むべき本。自分の周りの大事な人にもおすすめしたい。
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No.28:
(4pt)

人生はブレイクショット!一つの車が世界を繋ぐ奇跡の群像劇

発売前から話題になっていて、直木賞候補にもなったと聞いて、これは絶対読まなくちゃ!と購入しました。以前の作品が戦時下の物語だったのに、今回は現代日本が舞台ということで、どんな展開になるのかワクワクしながらページをめくりました。

読んで本当に良かったと感じるのは、その構成力の素晴らしさに尽きます。一台のSUV車「ブレイクショット」をめぐって、自動車期間工、悪徳不動産屋、板金工、そして遠く離れたアフリカの少年兵まで、全く違う境遇の人々の人生の断片が、まるでビリヤードのブレイクショットのように弾かれ、やがて驚くべき形で繋がっていくんです。登場人物それぞれの生活の泥臭さや、現代社会が抱える問題がリアルに描かれていて、読んでいて「自分もこの世界のどこかにいる一人だ」という感覚に引き込まれました。

注意すべき点としては、登場人物が非常に多く、しかも次々と視点が変わっていくので、序盤は「誰が誰だっけ?」と混乱しやすいかもしれません。ただ、物語の核心に近づくにつれて、それがすべて計算された構成だと分かって鳥肌が立つので、最初の数章で投げ出さずに、流れに身を任せて読み進めることをおすすめします。他者の意見として、「登場人物が多いが、読み進めるうちに繋がっていくのが快感」という感想もありました。

他の群像劇との差別化ポイントは、この小説が単なる「偶然の連鎖」で終わらないところです。一つの車に埋め込まれた小さな「ボルトの置き忘れ」という、ささいなミスが、登場人物の倫理的な選択を迫るきっかけとなり、彼らの人生の「軌跡」を動かしていきます。この「何を見過ごし、何に向き合うか」という人間の不可解な選択にフォーカスしている点が、他の作品にはない深みを生み出しています。

現代社会のひずみの中で生きる人々のドラマに興味がある方、そして何より、奇跡のような構成力の物語に驚嘆したいミステリ好きの方に強くおすすめします。読後、自分の日常の行動が、見えない誰かの人生に影響を与えているかもしれない、なんて考えてしまうような、深く、そして温かい読後感が残る一冊です。
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No.27:
(5pt)

楽しみながら賢くなれる一冊

悪事に手を染める人や、
騙される人を減らす「物語の力」を感じました。

一台の車を軸に、それに関わった人々の
数奇な運命を描き上げた傑作です。

金融、不動産、職工、裏社会そして
アフリカ紛争地域に至るまでの
壮大かつ精緻な描写が絡まり合う
熟練の技に圧倒されました。

主人公たち以外にもファンド会社の
社長のような桁外れに魅力的な人物が
幾人も配されているので、
まったく長さを感じないまま没頭できましたよ。

人生で最も大切なことにも
気づかせてくれる物語なのですが、
一番効率的な資産運用手段と、
お金にとらわれない生き方を
同時に提示してくれる本でもありました。

それにしても、逢坂先生って
なんでこんなに色んな舞台背景を
緻密に描けるんでしょう?

どうやったらこんなに
心を動かすツボをおさえられる?

いったい人生何週目ですか?

(対象年齢は13歳半以上かな?)
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No.26:
(5pt)

現代社会の因果。傑作!!

実はそんなに期待せず読んだのだが正直言って驚いた。傑作じゃない?これ

ぐるぐると世界を回りながら現代の因果を見事に描ききっているし、それでいてきちんとエンタメになってて凄い。時に現代的なトピックを切り取るが、全体を貫く著者の書く善性がとてもちょうど良いので説教臭くもない。

著者のデビュー作はキャラクターが漫画的すぎて過大評価だなと思っていたが、これを読んで自分は過小評価してたのかもと思ってきた。

いやはや。改めて言うが、これは傑作です。
現時点での今期ナンバーワン。
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No.25:
(5pt)

こんなにも面白いとは

軌跡というだけあって綺麗に物語が繋がって驚きました。
面白かったです。
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No.24:
(3pt)

力作、だが私には合わなかった

後半の詐欺師との対決は面白かったし、「ああ本当にそうだよねー」と心から同意できる台詞もいっぱいあった。「偶然」の多さにも目を瞑ろう。だけどこの凝まくったストーリーを成立させるために、登場人物の行動に少しずつ無理が強いられているというか…「団地育ちの神童」という、それだけで心惹かれるキャラクターの将来の夢が恋人のマネージャーというのには正直ドン引きしてしまったし、その彼が自分の人生を更に犠牲にしてヤングケアラーとなり、恋人の教育費まで貢ぐことを、「善」であるはずの母親と恋人が、葛藤はあれど結局受け入れてしまうというのがどうにも気持ち悪くて、物語に上手く入って行けなかった。真摯に描かれた力作だとは思うけど、私には合わなかった。
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No.23:
(4pt)

ブレイクショットの拡散が複雑すぎ

●ブレイクショット後の手玉・的玉の拡散する先は複雑で、いずれも破滅的。カタストロフィに向かう
文脈を読み進めるのは、かなりハードだった。核分裂のように交錯する軌跡は複雑さを弥益。
 それら一つひとつが巧みな伏線となり、終盤ものの見事に回収される(作り過ぎではという感あり)。
が反面、サービス精神旺盛なのかラストは若干くどく感じられてしまった。100ページほどはダイエッ
ト出来たかもしれない。
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No.22:
(4pt)

「善く生きたい」願いを継承する人々

「ブレイクショット」というSUV車が生まれる製造過程から、新車、中古車、盗難車、第三世界で第二の活躍、というクルマの運命を軸に、「善くありたい」と願う人の心と、そうできない現実の厳しさのせめぎあいが上手く書かれていました。

こんな世の中、捨て鉢に賭け勝負で方向決める情念もあるけど、それを止める力も存在するよ、というバランスが良かったです。そのあたりが、背景にロシア文学を感じるところかもしれません。

冒頭に登場する女性、期間工のシャバ暮らしに期限があるからって玩んで捨てる無責任女かい?と最初は感じ悪かった。

本屋大賞作の頃は設定がガバガバだったせいで早々と挫折しましたが、かなり良くなっています。

ホワイトハウスのくだりは面白かったです。
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No.21:
(5pt)

非常に良い短編集。

非常に良かったです。ここ5年で1番くらいに。ネタバレしたくないのでこれくらいで。
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No.20:
(4pt)

どんどん繋がっていく心地よさ

バラバラの話がクライマックスに向けてどんど繋がる。最初から読んでたはずなのにそうかぁぁあ!と思わず唸ってしまいしました。出てくるキャラクターは多いけど皆個性豊かで混乱することもなく。人数が多い分埋まる人はどうしてもいたけれど。とてもおもしろった。物語としていい感じで振り切ってくれていてご馳走みたいな読書だった。時間をおいてまた読み返したい。
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No.19:
(3pt)

生きていく上で重要なのは、善良さ。

実に長い長い本だった。とにかく、現在の課題を盛り込みすぎで、消化不良だ。もっとシンプルにしたほうが、深く掘り起こすことができると思うし、むやみに長くして、無理やり回収して、ハッピイエンドにしたがるのは、ジグゾーパズルのような小説的技巧だね。そして、『善良さ』が基調となっている。

 「ブレイクショット」というSUV車を巡る、八つの物語からなる関わった人たちの人生である。ビリヤードのナインボールの第一ショットである「ブレイクショット」のように、最初の衝撃からさまざまな所に弾け飛んでいく様子を表現し、その車「ブレイクショット」に関わる人々が次々と新たな人生の軌跡を描いていく様子を描写している。

 物語の始まりは、自動車工場の期間工である主人公本田昴が、2年11ヶ月の契約期間の最終日に同僚が車内にボルトを落とす場面を目撃するところである。この小さな出来事がやがて、車の所有者を次々と変えながら、投資会社の副社長、職人肌の善良な板金工、悪徳不動産会社の社用車、さらには遠く離れた中央アフリカの少年兵の運転する車となり、連鎖的に物語が展開していく。

 自動車工場において期間工として働く本田昴は、まもなく契約期間2年11ヶ月を満了しようとしている。契約が3年以上になると正職員として採用しないといけないのだ。彼はささやかではあるが、SNSでの発信を生きがいとしている。その最終日、本田昴は同僚がSUVのブレイクショットの車体にボルトを落とすというミスを目撃した。この場面において、見て見ぬふりをすれば無事に契約を満了できる可能性もあったが、彼は不正を見過ごすことができないという強い倫理観に揺れ動く。彼は最終的に、自分の正義感を貫き、不正を告発することを選択した。彼の小さな勇気は、物語全体に希望をもたらす要素へと繋がっていくのである。おかしいことをおかしいということだ。

 霧山冬至と宮苑秀直のヘッジファンドのベンチャー企業とその不祥事に対する宮苑の鮮やかな退任の決断はステキだ。資金を運用するとは、信用でしか成り立たない。 

 霧山修吾と後藤晴斗は、プロサッカー選手を志すユースチームの少年であり、それぞれが夢に向かって努力を重ねている。修吾の父親は投資会社の副社長霧山冬至を務めていた。そのため最上階のタワマンに住んでいた。その父が会社のインサイダー取引事件に巻き込まれるなどの困難に直面し、経済的にも夢を諦めかけるほど追い詰められる。父親は、プロのサッカー選手になるにはリスクが多すぎるので、とにかくサッカーよりも勉強し、いい大学に行けという。一方、晴斗は、修吾のサッカー能力の高さを認めている。晴斗の父後藤友彦は板金工として誠実に働いている。車修理の偽装修理の問題に直面し、社会の闇や理不尽な構造に巻き込まれることとなる。しかし、友彦の誇りは善良さだった。晴斗は秀悟を精神的にも、経済的にも支える。
 友彦がブレイクショットを購入し、事故が起こる。そして友彦は人格が変わってしまう。
 そんな中でも彼らは、互いに支え合いながら困難を乗り越えようと努力する。「ルールを守って生きる」という共通の価値観を見出し、新たな歩みを始めるのであった。

 後藤晴斗は、1億経済塾の主催者志気にスカウトされ、講師となる。そして、志気は、ヤクザとつるんで、オレオレ詐欺のシステムを構築し、一方で、クリーンと見せるための1億経済塾をyoutubeで行い、フォロワーが50万人を超えていた。それが個人情報を集める仕組みであり、ロンダリング役として後藤晴斗と門崎亜子とくんで、リアルの講座を開いていた。そして、二人は志気の背景はあまり知らなかったが、気がつくことになる。

 ブレイクショットは、窃盗集団に狙われ、そして中央アフリカの戦場で活躍していた。日本車は、中古で、世界を駆け巡る。 

 その一台のSUV車が引き起こす複雑かつ多層的な人生の絡まりを通じて、社会のさまざまな側面や人間の運命が巧みに描かれている。それぞれの人物が抱える葛藤や選択を通じて、人間の複雑さや多様性を浮き彫りにしている。

 希望と絶望の連鎖。登場人物たちは、格差や社会の闇に直面し、絶望に打ちひしがれることもある。しかしながら、誰かの絶望が別の誰かの絶望とつながるように、誰かの希望もまた他者と連鎖し、物語のなかで、希望の光をつかむ。勧善懲悪という物語のパターンがあり、社会を無批判に受容している。

 SNSでの誹謗中傷、フェイクをそのまま信じてしまう傾向、オレオレ特殊詐欺、貧困、国際紛争など、現代社会が抱えるさまざまな問題がリアルに描かれている。「底が抜けた社会の地獄で、あなたの夢は何ですか?」という問いは、作中の人物に問いかけられる。
 そして物語では理不尽で不条理な運命に翻弄される世界の中で、登場人物たちが最終的に「善良であること」に価値を見出す様子が描かれている。そのことで、みんなが支え合うこととなる。本作は人間の多面性や社会の現実を鋭く描きつつ、人間性の本質とは何か?を投げかける。
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No.18:
(5pt)

壮大な物語

とにかく面白くて一気読みしてしまいました。壮大な物語に読み終わったあと、すごい…と呟いてしまいました。
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No.17:
(5pt)

伏線が全て見事に回収される、著者の構成力に脱帽

第一作、第二作も読み待望の新刊。
舞台は日本と思いきや途中で中央アフリカに飛び、車もブレイクショットとホワイトハウスの何の共通点があるのか、車の期間工、投資会社、詐欺、まるで関係ないような話が見事に最後つながり、全ての伏線が回収出来た最後に、著者の構成力の凄さ、力量を感じた。

また、各物語の根底に流れる、誠実に、善良に生きるとはどういうことなのか。それを貫くそれぞれの主人公たちが懸命に生きる姿に希望が持てた。

個人的には著者が、第一作、第二作に続き、LGBTにどうしてこんなに肩入れするのかとは思った。

同性愛を認めないのは理解できない、という視点には、逆に同性愛を認めないという意見と視点が違うだけで、反対の意見を認めないという点では変わらないと思った。

ただ、登場人物が自分らしさを受け入れて貫いて生きていく事には共感出来た。

その他、現代を取り巻く問題、SNS、戦争、拝金主義、詐欺、ディテールは武器から詐欺の手口、ツイッターの傾向、物事の裏の裏まで、著者がどれだけ緻密に下調べされているか驚嘆した。

現代に起こっているかを俯瞰させてもらえて、読後に希望もあり、個人的には2025年のナンバーワンな小説です。直木賞取ってほしい!
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No.16:
(5pt)

直木賞最有力候補(当たれ!)

今期の直木賞候補6作を読み、私の受賞予想一位は本作である。世界の描き方のスケールが大きい。
 中央アフリカの「民族抵抗同盟」という反政府ゲリラの物語、自動車期間工という特殊な労働形態の青年の物語、マネーゲームのベンチャー企業の物語、特殊詐欺と紙一重の啓発セミナーの物語などが、多面的につながりを持って描かれる。
 はじめは、それぞれが別の物語なのだが、次第にそれらの関連が描かれていくのだ。つなぐのは「ブレイクショット」という架空のSUV車種だ。「ましろ不動産」という社名ロゴを、変な直訳で「ホワイトハウス」と訳しているらしいという、ちょっとしたくすぐりギャグが面白い。
 他にもLGBTQ+や前頭葉損傷による症例の世界、プロスポーツの保守性や、SNSでの批判による個人攻撃など、今日的な話題が盛り込まれている。
 私たちが今生きている世界がどのようなものなのかを、ぼんやりと分からせてくれる。そしてその上で、真っ当に誠実に生きるとはどうあるべきなのかを、私達に問いかけている。答はもちろん、まだない。

 受賞作なしかーい!7/17付記
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No.15:
(1pt)

これで直木賞候補ってマジか

同志少女よ、敵を撃てが好きでAudibleで聴いたのですががっかり。
次々と変わる登場人物にあまり関連性がほとんどなくて、それでいて時間が戻って人物がかぶる時に同じシーンを何度も見せられてうんざりしました。

漫画のアオアシ、高野和明のジェノサイド、草下シンヤの半グレなど既視感を感じる。表面をなぞってもショボい話しかできませんよ…。
人探すのにGPSって誰でも思いつくよね。トリックがショボい。
漫画の描き方の基本的なことで対戦中のキャラが同じコマで思考を同時に書いたらダメってあるけど、この小説はそれをやってる。説明もやたらと多い。

言葉選びもよろしくなくて心底がやたらと多かった。自盗っていうより保険金詐欺じゃないかと思いました。
っていうかこの本誰向け?
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No.14:
(2pt)

がんばってることは認めるけど・

出版社の誇大広告に踊らされてこの大作?に随分な時間を費やしてしまった。
確かに前作の本屋大賞受賞作品と比べると、筆者の筆力や構成力は上がってい
る気はするが、「読み終えれば、全ての話が正多面体をおりなして」という
批評家の宣伝文句は大いに疑問だ。精々、ある車を巡る8話の二次元パッチワ
ークが完成したくらいの感想しかない。特殊詐欺の手口は、染井為人「正体」
で紹介されたものを深堀りしただけように感じたし、デジタルタトゥーで脅迫
する手口は、呉勝浩「爆弾2」の中に散々出てくる。要はありふれているのだ。
今後は、こんな小説が増えてくるのであろうか、読後感は決して良くない。
ラストをどんでん返しとするレビューもあるが、異国を跨いだ話をどう正八面
体に纏めるかを期待していた読者としては、最後はどんでんがえしではなく、
単なる肩すかしに過ぎなかった。これが直木賞候補?Amazonの評価も疑問??
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