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乱歩殺人事件 「悪霊」ふたたび
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乱歩殺人事件 「悪霊」ふたたびの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.80pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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作中に乱歩自身を登場させるのは疑問がある。確かに乱歩作品の著作権は消滅しているが、実在する人物を勝手に小説に登場させ、演じさせるというのは、本人の人格を無視している。 ここで書かれた「未完になった理由」はあくまで芦辺拓の創作であり、史実ではない。予備知識のない人には誤解を与えてしまう。 「この事件の犯人は誰でも知っている」というマニア向けの情報は不要。白紙の状態で読む読者だって多いのです。 資料を引用するなど、色々と趣向を凝らしているにもかかわらず、肝心の「物語」がつまらない。「密室トリック」の解明も稚拙で、話にならない。というか、あれでは成立しません。 『悪霊』の物語より、作品の背景により多くのページを割いている。これは小説なのか、ルポルタージュなのか。しかも、その背景が事実ならともかく、しょせん芦辺拓の創作なので、意味がない。作品の背景ばかりにこだわらず、もっと乱歩の原文と真正面から向かい合って欲しかった。 「第三信」と「第四信」は芦辺拓の作だが、乱歩と同じ字体、同じ文体、同じ紙の色で書かれているので、これも乱歩の作ではないかと勘違いする人が現れる恐れがある。ここは『芦辺拓・作』と書くべき。でないと、アンフェアです。 尚、芦辺拓が書いた二つの章は乱歩の原文と比べ、短すぎる。乱歩はこんな短い小説は想定していなかったはず。しかも芦辺拓が書いた原文にも乱歩と同じく、差別用語がモロに書かれており、現代作家としては不適切。別の言葉に変えるべき。 物語を完結させるなら、『悪霊』の原文の中で事件を解決して欲しかった。原文が終わったあとの関係者たちの雑談の中で真相が明かされるという展開は冴えない。これでは、『悪霊』という小説を完結させたことにならない。 芦辺拓はいかにも「新本格」の作家らしく、奇をてらったオチをつけたがる。しかし、このような小細工は乱歩作品とは無縁です。 本書の著者名が『芦辺拓・江戸川乱歩』となっているが、これだと二人の共著だという印象を与えてしまい、大問題。というより、ふざけ過ぎ。 芦辺拓より一年も前に書かれた、もう一つの『悪霊』は、日本で最初に乱歩の未完作を完結させた作家だと思うが、あちらのほうが物語の展開も、トリックの解明も優れていた。芦辺拓と違って、余計な情報がなく、物語だけに徹していたのも読みやすい。 ちなみに、昨年は乱歩の「作家デビュー100年」の記念年だったが、芦辺拓は一年も遅れて乱歩の企画本を出しており、タイミング的にも興覚めだ。 | ||||
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江戸川乱歩の未完作品として有名な悪霊。 先日今井K氏が昨年書かれた悪霊の完結版を読んだ事もありこの作品でもそれとは違った完結を見れるかもと思って読んだのですが、残念ながら期待していた内容ではなかった事は否めません。 作中で乱歩の原文と合わせて所々に作者が補完された伏線が最終的にどう繋がるかと楽しみにしていたのですが ・例の暗号と密室の謎の真相はそれは無いだろう。 ・結局の所犯人は誰だったのだ? ・どう言う点で完結になっているのだ? と言う諸々の不満とモヤモヤが残りました。 まあ人によれば悪霊の完結が読めたと満足出来る作品なのかも知れませんが、個人的にはそうは感じられなかったので悪霊の完結が見れると言う期待で読むのはあまりお薦め出来ない作品だと思います。 | ||||
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