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地図と拳



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【この小説が収録されている参考書籍】
地図と拳

地図と拳の評価: 3.85/5点 レビュー 78件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.85pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全78件 1~20 1/4ページ
No.78:
(5pt)

満州や戦場にいるかのような圧倒的なリアリティ。

毎年8月の終戦記念日前後は戦争ものの本を読みたくなるもので、今年は本書を手に取りました。満州を舞台にした戦争ものであると同時に、建築論や都市論もテーマにしています。フィクションではありますが、巻末の膨大な参考文献を見て分かる通り、歴史的事実とされるものをベースに、架空の物語を造形しています。とにかく筆致が見事で、まるで自分が満州や戦場にいるかのような圧倒的なリアリティを生んでいます。

600ページ超の大部、かつ登場人物が多く、それぞれの物語が淡々と進むため、決して取っつきやすい小説ではありません。ただ、その分、徹底的なリアリズムに徹しており、当時の情景を思い浮かべたり、人々の気持ちを追体験したりしながら読み進めることができます。読み始めはそれなりの忍耐を求められますが、徐々に登場人物たちのつながりが見えてきて、中盤以降「地図と拳」というタイトルに込められた意味が明らかになってからは、俄然ページを手繰る手が止まらなくなってきます。なお、読み進める際は、集英社のサイトにある「地図と拳 読書ガイド」が参考になります。読み終わったときは、達成感と同時に、現実世界に引き戻されたような虚無感も覚えました。

満州については学校の授業でもあまり学んだ記憶はなく、個人的には映画「ラストエンペラー」の印象が最も強いです。あの映画も素晴らしく何度も見返していますが、本書もある意味それと似たような感慨に浸ることのできる一大叙事詩だと言えます。戦争を知っている世代からは色々と難癖をつけられるかもしれませんが、戦後40年以上経ってから生まれた若い世代の作家があの戦争を描いたことに意味があると感じました。
地図と拳Amazon書評・レビュー:地図と拳より
4087718018
No.77:
(5pt)

さすが直木賞!

長編ですが大変面白い。

時間があれば一気に読み進めることが出来る内容です。
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4087718018
No.76:
(5pt)

無し。

期待通り良かったです。
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4087718018
No.75:
(3pt)

過剰な装飾をまとった空洞

この作者は入念な調査とその中からトリビアルな面白さを発掘することには長けており
作品の中にそれらを散りばめることで興味を持続させ、また同時にある程度のリアリティを
確立することに成功しています。
しかし人間というものにはどうもまるで興味がないようで、人物描写の件になると
途端に書き割りのような薄っぺらさになるため、なまじ本作が群像劇として
組み立てられているがゆえに周辺だけが過剰に装飾された芯のない作品に留まっています。
このあたりは「君のクイズ」でも同様の所感です。

とはいえ激動の時代を描き、それなりの分量がある作品ではあるので
読了時には3日泊まったホテルを後にする時くらいの惜別の念を抱きました。
読書体験としてそれはそれで容易に実現できることではないので一読の価値はあると思います。
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4087718018
No.74:
(3pt)

満州国

旧満州国を舞台とした作品。
私自身戦時中の日本が、中国を略奪し勝手に作った国くらいにしか知識はなかったが、物語を通して新たな発見や調べてみたくなることがたくさんあった。
戦争は悪いことだが、そんな中で日本人がどう生きていったか、フィクションではあるが色々と考えることがてきる1冊。
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No.73:
(4pt)

満足感たかい

読むの大変でしたけど、読了した時の満足感は高かったです。満州を題材にここまで壮大な群像劇を描いた作品て他にあるんだろうか。巻末の参考文献の量の多さからも書き手の執念を強く感じます。良い作品でした。
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No.72:
(5pt)

いい作品だと思いました

日中戦争の満州が舞台
戦争の惨たらしさがロジカルに合理的に淡々と描かれています
人々がなす術もなく死んでいく

同時に、ヒトの強さも…
ヒトの強い思いの足跡が何かを残し
それを受け継ぐヒトがいる…かもしれない…

いい作品だと思いました
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No.71:
(1pt)

知見的には面白いけど物語としては盛り上がらない

とても分厚く序盤の細川の変わり種感が好きで読み進めましたが、最初の人物と最後同一人物がわからないくらいには心理描写含めて足りなかった。群像劇っぽくしたいのかなとも思うが最後の展開もあの2人でする意味あったんかなと思う。せめて親父は本人からしてあげてはって。知識はたくさんあって、反戦小説であるとおもうんだけど、なんだか中途半端。知見的には面白かったです。たくさん調べたんだなって。
高木さんはもうちょっと描写しないとなんだかそこもう薄くて、最終の描写にうーんとりあえず入れただけ感強い。石本の展開は面白かったです。
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No.70:
(5pt)

「今を生きること」への仄かな希望。

『ユートロニカのこちら側』は、技術が行き着いた世界を、SFで言う「外挿法」から突き詰めた作品でした。
ただ、同作品は伊藤計劃に通じるような「ディストピアなのに何故か明るい」読後感を残しました。

本作も通奏低音は「諦念」だと思います。
ただ、少しだけ「今を生きること」への仄かな希望も垣間見えるような気がします。
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No.69:
(5pt)

面白い!

たくさんの登場人物が出てきてたくさんの聞きなれない地名が出てきて600ページもあるのに非常に読みやすいです
小川哲さんは将来ノーベル文学賞をとると思います
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No.68:
(5pt)

満州と太平洋戦争

大日本帝国、日本人達がなぜ満州にこだわったか、太平洋戦争へ突入してのかを考えさせてくれる書です。
歴史背景についての膨大な調査を感じさせられました。
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No.67:
(3pt)

優れた内容です。

戦争の足跡がよくわかる本です。
ただ高齢のため、文字が 小さく薄いのが残念です。拡大鏡を使って少しずつ読んでいます。
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No.66:
(5pt)

細川の人物像が好き

直木賞、山田風太郎賞をダブル受賞した本作。話題になっているので読んでみたが、600頁を超す大著ゆえとにかくボリュームがある。けれど、先が気になってついつい早読みしてしまうので、それほど日数をかけずに読み終えた。

 感想を一言で言えば、これぞ大河小説! 戦前、戦中、戦後まで一種の謀略に関わった日本人たち、それに抵抗する中国人たちの物語が、ロシア人神父一人を交えて展開する。まさに圧巻の一言。中でも、細川の人物像が私は好きだ。

 著者の小川さんは東大大学院卒という学歴が象徴するように、夥しい数の資料を渉猟し、この物語を書いている。しかも正確。学者なぞにならなくても、作家として今後も大いに活躍して欲しい。
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No.65:
(4pt)

戦争の構造。。。

日本がつくった満州国の物語です。

さまざまな人間模様が克明に描かれており、歴史なのか空想なのか分からなくなります。

なぜ泥舟に乗ってしまったのかを考えるきっかけになる一冊です。
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No.64:
(5pt)

分かりやすい叙述と、該博な知識、見識でぐいぐい読ませる。脱帽

読みごたえ抜群の長編小説である。著者は文章能力が高く、分かりやすい叙述の連続でぐいぐい読ませる。それに加え、建築や軍隊、満州の歴史などについての該博な知識には脱帽である。本文中の「仮想閣議」における閣僚の議論など、相当な見識であると思う。恐らく著者は、この小説を書くために一から勉強し、知見を深めたのだろうが、それにしても巻末の参考文献の多さには驚かされる。
 満州事変前後の世相下、そこで生きた建築技師や軍人、共産党員、ロシア人神父、中国人事業主や抗日活動家の生きざまを綴った群像劇である。ただ、人物によって、描き方に濃淡がある。私は「孫悟空」の人物像が、モラルの低い強権覇道主義者なのか、それとも幼少期の苦労を十字架のように背負った哀愁人なのか、最後まで判然としなかった。その点だけはもの足りなく感じた。
 世の中の理不尽さや不条理に困惑し、怒りを覚えながらも、人は自分なりに前へ進み、仕事をしなければならないものなのだということに気づかされた。この当時は、反軍思想を疑われたら命まで奪われかねなかったが、それに比べれば、現代日本はどんな思想を抱いても命を奪われることはない。我々は恵まれているのだと、平和ボケした自分の脳に警策をかまされたような気がした。
 1日3時間、6日間かけて読了した。楽しい読書時間であった。
 著者はプロットをつくらずに小説を書き進めるらしい。確かに、筆が向くままにストーリーを組み立てたのであろう形跡が随所に散見された。それでも、著者なりに主題を燃焼し尽くしているところが素晴らしい。
 今後も著者は、また新たなテーマを選定して「調べて書く」を実践し、読みごたえのある小説を紡ぎ出すことであろう。その作品を読むのが楽しみである。
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No.63:
(4pt)

難しい

良い作品。歴史、
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No.62:
(4pt)

良い

読むのは大変そうだけど、ありがとうございます
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No.61:
(5pt)

面白い

"『しかしそれでもなお、私は地図を作るのです。きっとあなたも同じです。【したいこと】を奪われた者は、【できること】をするしかないのです"2022年発刊の本書は旧満洲と日本の半世紀を舞台に意思を貫こうとした者たちの姿を描いた傑作。直木賞、山田風太郎賞受賞作。

個人的には分厚さに躊躇していたのですが、えいやと手にとってみました。

さて、そんな本書は投稿作『ユートロニカのこちら側』で第3回ハヤカワSFコンテストの大賞を受賞し、作家デビューした著者による一冊で、旧満州に引き寄せられた者たちが繋ぐ50年にわたるそれぞれの立場からの都合や欲望、正義や夢の歴史が『李家鎮』という架空の町を始点に(一応は須野明男が主人公?)語られていく重厚かつ大河ドラマ的な作品なのですが。

WEB検索によると著者は小説を書く際は『プロットを立てずに書く』らしいのですが、満州国の成立と消滅、旧日本軍の敗北といった歴史的事実を後景にしつつ、大きくひろげた風呂敷や伏線がラストできれいに回収されていて、素晴らしいなと感じました。

また本書では、同じく裏の主人公的な立場として、細川という当初は陸軍の密偵の通訳。満鉄を経て戦争構造学研究所を立ち上げる人物が出てきますが。作中の細川による表題を回収するような講演『地図と拳』"国家とはすなわち地図である"は、ウクライナ、パレスチナと戦果が止まらない中で、色々と考えさせられる部分がありました。

読み応えある傑作を探す方、旧満州を舞台にした作品を探す方にもオススメ。
地図と拳Amazon書評・レビュー:地図と拳より
4087718018
No.60:
(5pt)

カタルシスがぎゅうぎゅうに詰まった何か

満州とは何だったのか、満州に行くとはどういうことだったのか。

ボーイミーツガール、平和への祈り、コンプレックスだらけの自分との相克、ライバルとの邂逅、猪瀬直樹オマージュ。
筆者独自の視点で過去と未来と現在と事実と創作を見事に織り交ぜながら仕上がった超濃厚フルコースの群像劇。

本書はカタルシスがぎゅうぎゅうに詰まった何かであり、一度読みだすと逃れられない強烈な磁力を備えるエネルギーの塊だ。
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4087718018
No.59:
(1pt)

空想的自虐史観?

1 無駄に長い。ほんのわずか登場する人についても、その生い立ちを長々と書いたり。もっと、メリハリをつけても良いのでは。

2 参考文献が膨大に書いてあるので、とても緻密なのかと思うと、こんなことあり得ないという展開が時々でてくる。他の人も書いているが、火のついた石炭が当たっただけで重油のドラム缶が倒れ、重油が大爆発を起こすとか。

3 日本・日本軍の強欲さ残虐さがこれでもかと書かれ、「5族協和」は日本が満州を奪うための方便としているが、まさに朝日新聞的自虐史観ではないのか。本田勝一のルポ(?)「中国の旅」には日本人が満州でやった非道な行為がたくさん書かれているが、当時満州にいた人たちから根拠を問われ、「自分は中国人から聞いたことを書いただけ、文句は彼らに言ってくれ」と逃げている。事実は治安が安定し、中国人を含む人たちが毎年100万人も流入していた。参考文献が多いので、フィクションといえど歴史観は客観的かと思ったら、吉田清治の小説版だった。
地図と拳Amazon書評・レビュー:地図と拳より
4087718018

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