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地図と拳
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地図と拳の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.83pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全69件 21~40 2/4ページ
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1899年から1955年にかけて、満州の空想都市「仙桃城」をメイン舞台として、複数の人物の視点で動乱の世の中を描く小説です。 満州を舞台に、建築や地図の知識を絡めて物語が展開されていくのはおもしろく、独創的な部分だなあと楽しく読みました。 疑問に思ったのは、キャラ設定です。 どうしてこんなに一様に似通ったキャラクターばかりなんでしょうか。頭がキレる優秀なキャラクターが多いのですが、そればかりという感じ。 頭の中で思い浮かべると、あの人物もこの人物も、得意分野が少しずつ違うというだけで、おんなじような印象しか受けませんでした。 優秀な人たちが集まったところで、「結局何がしたかったんだ?」という読後感が否めませんでした。 | ||||
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直木賞ということで手に取ったが、冒頭から面白くなく、しかも人物がコロコロ変わる。感情移入できなくて、第二章の途中で終了。初めての経験でした。 | ||||
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小川哲氏の「君のクイズ」が面白かったので、600ページもあるこの本を手に取ったのですが、読む途中で何度も挫折しそうになりました。毎回ページをめくるのがおっくうになりました。一つにはキャラクターに好感度の持てる人物が登場しない、という理由もあるでしょう。これは「君のクイズ」にもあてはまる事ですが、あちらは「クイズ」という興味深いトピックが根底にあるので、ページ・ターナーだったのでしょう。 | ||||
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満州の暑さ寒さが 伝わってこない。日本人の癲癇気性も 中国人のずるさも 書ききれていない。分厚い本だが読後感は軽い。いまいち。 | ||||
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地名や人名など、向こうの国の言葉が何度も出てくるものだから、初めは読み進めるのに苦労する。なんて読むかわからない。 視点が目まぐるしく変わるのも初めは混乱する。誰の話だったかわからなくなる。 でも途中からページを捲る手が止まらない。読み応え抜群です。私はとても面白いと思いました。 視点が変わることで登場人物一人ひとりの人生を味わうことができます。その分、これだけ分厚くなるわけです。無駄なところが何もなかった。 2023年の夏に読むべき作品だと思います。 | ||||
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数十年の間の人々の交錯や思惑を辿る小説で、最初は「とんでもなく重たい小説に手を出してしまった」と後悔しましたが、次第に引き込まれてすべて読むことができました。 戦争の理不尽さはもちろんのこと、武力ではなく知力、信心、人との絆で厳しい時代を生き抜いていったそれぞれの来し方など、ドライな部分、ウェットな部分が交互に巡る感じで、単なる戦争小説というよりは個人史を読んでいるような感覚でした。 登場人物が悉く強い志を持ち、またとても理知的な感じがあったことも魅力でしたし、自分の人生を決定するには深い学びや洞察が要るんだなという学びになりました。 ほんの一瞬、たびたび出てくる恋愛や家族愛の描写もしつこくなく、それでいて強い想いを感じられたのでバランスが良かったです。 | ||||
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数多の人物が登場したので...一応主要だろうと思われる人物を把握し読み進みましたが、読み方がやや散漫?になってしまった。 巻末に沢山の資料・文献の記載。歴史を踏まえたフィクションとは言えお疲れ様でした。 | ||||
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小川哲『地図と拳』読了。 今年の直木賞受賞作である。 600ページ以上あって、2週間かかった。 舞台は満州、というか満州という地域とそこに建設された架空の都市「仙桃城」が、舞台というよりは主人公であるかのような小説である。 その意味では、バルセロナという都市を主人公にした、カルロス・ルイス・サフォン『風の影』シリーズと同系列の作品とも言える。 が、正直言って読み進めるのになかなか苦労した。 まず、登場人物が幾世代にもわたって何人も登場するのだが、その関係が理解しづらい。 新しい人物が登場して、その人を軸に話が進むのかと思っていると、その章の終わりにはあっさり死んでしまう。 誰が軸なのかが分かりにくいのである。 軸となる人物は設定されているのだが、それが曖昧だったりするのだ。 最終的には、広がった登場人物、広がったストーリーも収束して、それなりに骨太なのだが、終盤に至るまでそれが感じられない。 その辺りが、この作者の若さなのかもしれない。 小説には、ストーリー、人物造形と描写、文体が最重要な要素だと思うけれども、本作は重要な作中人物の人物描写がまるで欠けていたりする。 そもそも本作には女性は二人しか登場しないのだが、そのうちの一人については一体どんな女性なのかが全くといって描写されず、像を結んでこない。 しかも、いろんな矛盾がやたらと目に付く。 冒頭で参謀本部からスパイとしてハルビンに送り込まれる登場人物が、船が着岸する直前に、ロシアの検問に合うと危険だと通訳に助言されて、しぶしぶピストルを川に投げ込むシーンがある。 むき出しのピストルを投げ込んで、誰か見ていなかったとあたりを見回すのだが、それが心配だったら衣類かタオルにくるんで投げ込めばいいだけの話にもかかわらず。 さらに、短刀も鞄の中に隠していたが、これは軍人だった父の形見だとして捨てず、それが理由にロシア側に逮捕・連行される。 スパイの任務に就く者であれば、事前にそうした危険は想定済みだろうし、のほほんとピストルを持参するというのは考えられない。どうしても持ち込むのなら鞄に細工をするというのが考えられるが、そもそも想定などしていないのである。しかも、形見の短刀などは家に置いてくれば済む話である。 しかも、通訳の男が、「それは自分の短刀だ」と言って身代わりになってくれるのだが、連行先で自殺しようかと思っていると、別の部屋で取り調べを受けていたはずの通訳の男が短刀を取り返して現れ、「さあ行きましょう」と解放されることになる。 ロシアから解放された理由は何も書かれていない あるいは、抗日運動の部隊が仙桃城の炭鉱を襲おうとする。 そこで、襲撃舞台は火のついた石炭を選炭場の窓から投げ入れようとするが、それが跳ね返ってきて、重油を入れたドラム缶に当たってドラム缶が倒れ、大爆発が起こる。 いや、石炭がぶつかったくらいではドラム缶は倒れないし、重油は絶対に爆発しない。 灯油やディーゼルだってそれだけでは燃えない。 燃えるとしたらガソリンくらいである。 しかも、爆発ではない。 この襲撃の失敗によって、日本側に寝返った中国人が、日本の憲兵に抗日側の人物をおびき寄せるよう命じられる。 現れた連絡役は、炭鉱襲撃の首謀者の女性がどこに隠れているかを言い、そこにたどり着くための暗号まで教える。 しかし、憲兵の手先が隠れ家でその暗号を言ったとたんバレてしまう。 理由は、「逃げろ」という意味が込められた偽の暗号だからである。 でも、こんなおかしなことはない。 連絡役が偽の暗号を教えたということは、スパイになっておびき寄せた男を怪しいと疑ったからだが、怪しいと思ったのだったらそもそも隠れ家の場所を教えるのが矛盾している。 知らないと言えばいいだけだ。 あるいは、疑わしい呼び出しなのであれば(半年もシグナルをだしてやっと現れたという設定)、現れなければいいのである。 別のシーンでは、この抗日の女性が大量のダイナマイトを奪おうとする。 そこに現れた、彼女の不倶戴天のような義理の父。 彼女は、その父をダイナマイトで殺そうと1本手にして火をつける。 ところが、それは花火だった。 義理の父は、「その1本だけは花火だが後は全部ダイナマイトだ。好きなように使え」と言って去る。 この予定調和! どうして、彼女がダイナマイトを1本手にすることを見越して、花火を1本だけまぎれこませるという芸当が可能だったのか。 彼女が、別の1本を手にしたらということは度外視されてしまっている。 さらに、別の登場人物が仙桃城の子供たちにせがまれて写真を撮る。 そこに現れた憲兵が怪しんで、カメラを取り上げ、フィルムを抜く。 それから何年か後に、憲兵と再会した彼は、あのカメラには大事なものが写っているから返してくれと頼む。 だって、目の前フィルムを抜いたんじゃなかったの。 それ以外にも、そんなことは枚挙に暇がなくて、途中で読むのをやめようかと何度も思った。 終盤になってやっと話が面白く展開したからよかったものの、あのままいったら悲惨な読書体験に終わってしまうところだった。 あまりお勧めはできません。 | ||||
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ボリュームはもとより、満州と建築をベースとした圧倒的な下調べをもとに練り上げられた大作。 満州にあるはじめは小さな地域を壮大な時間軸を使い、そのうえで生活する人々や権力者、外からくる人々を渦のように巻きこんで白い地図を埋め込んでいく。 建築という側面から見た国家や人間模様、未来などの構成が素晴らしい。 結果着地としてはあっさりと終わる印象になってしまうのは仕方がないが、登場人物という点にフォーカスすれば後半の盛り上がりも欲しかった点は感じる部分は残る。 それを差し引いても、大作でありながらだれることなく読者を引っ張る素晴らしい物語である。 | ||||
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長編で読みきるまでかなり時間がかかった。内容的には、経験のしたことがない戦争のなかでいろいろな立場で考え生きていたことが考えさせられました。 | ||||
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・・・と感じる分厚い長編小説です。 (本屋さんに行くとそんな本が多くて、あっけにとられる昨今です。) 小説の舞台は帝国主義の時代なので、大日本帝国やロシア帝国(ソ連になってからも社会主義的な勢力拡大に努めた)が満州で勢力圏を争い、中国人も抵抗しようとして、そうした地図上の地政学的な闘争に巻き込まれ、必死で策略をめぐらし戦う人々の物語。 しかし、それはもう歴史の書物で十二分に書かれていることなので、新味はない。それでも、作者は多くの文献を読破し、おそらくそれを逸脱しない範囲で、鮮烈な登場人物とシーンを次々と作り出して、読者を引き付けてくれます。 満州がもっとも現代につながる意味を持つのは、1945~46年の歴史です。大日本帝国の降伏が遅れたので、ソ連は対独戦終了後、満州に侵入する正当性とチャンスを見出し、満州・北朝鮮を占領し、社会主義派に基地と武器を提供した結果、中国では共産党軍が国民党軍を破り、今日の中華人民共和国が誕生しました。「日本が(満州占領だけで止めておいて)中国本土に侵略しないか、あるいは連合軍に早く降伏しソ連の侵入と支援がなければ、国民党が共産勢力を抑え込めた」と、北岡伸一教授など、最近の歴史学の研究は推測します。 それはともかく、本当は他に、批判的に調査し解明するべき現実の政治問題が、今の日本には山積みなのですが、多くの優秀な人々の才能とエネルギーが、「架空の世界の創造」に投入されるのは惜しいことです。でも、周到に計画実行される政治的な悪事(精緻で組織的なポピュリズム宣伝など)に向けてつぎ込まれるよりは、はるかに罪がないでしょう。 | ||||
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満州が舞台と言う事で長大深淵な歴史小説と思って読むと完全に肩透かしを食う。1986年生まれの著者が李家鎮なる架空の土地を舞台に描いたSF小説の様な感がある。満州の情景の描写が殆ど無ければ実在の人物も登場するのに人物描写が殆ど無い。例えば帝政ロシア末期の宰相ウィッテが出てくるがウィッテがどの様な風貌なのか?どんな表情だったのか?その場の取り巻きとのやり取りなど皆無。要するに社会経験が足りないので人間の書きようが無いのだ。何もかもが薄っぺらい。ところが分厚い小説に賛美の声が止まず遂に直木賞とか。大丈夫なのかこの国の文学評論は? | ||||
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一つの都市と建築をめぐる長大なドラマ 満足の読後感 | ||||
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満洲国という今やあまり語られる事のない、忌避されがちなテーマを、あの時代に生きた賢明な人々を通して歴史書ではなく小説として再構築し、今の時代にも通じる問題を問いかける力作だと思います。 | ||||
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タイトルとラジオ番組での紹介に惹かれて購入しました。 超人的な能力を持つ人物が数人現れますが、そのことが物語上で有効に機能していません。 また、人間の心理と選択された行動に、齟齬を感じますし、変化についても合理的な説明が不足していると感じます。更に言えば、数人の人物が唐突な死を迎えますが、作家の都合で殺されているようにも思えます。これらは作家ご本人も重々承知の上でしょうし、人間より歴史に興味があっての作品だと存じます。 ともかくも、期待したような大長編小説ではなく、こまぎれの接ぎ合わせを読んでいる気分でした。しかし読んだ時間が無駄になったとは思いません。なぜ「すっごく面白い」と感じなかったか、その理由を考えることも含め有意義な読書体験でした。 | ||||
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ネットなどで、評判が良かったので購入して、読んで見ましたが、内容的にはイマイチかな。ちょっと残念でした。 | ||||
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フィクションなら何を書いても許されるものでしょうか。実在した人物がでてきたり、事実が織り交ざっていたり(証明されていないものも含め)するため、当時の軍人はこのような残虐非道な行いを実際に行っていたと受け取る読者もいるのではないでしょうか。この作品が日本を代表するともいえる直木賞を受賞するということに、大きな不安を感じます。 | ||||
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恐らく日本を取り巻く近代史において、満洲ほど波乱・動乱に満ち、(日本人にとって)儚く夢と消えた地は他に無いであろう。 満州事変あたりから太平洋戦争末期までの満州を舞台にした長編小説としては、五味川純平の「戦争と人間」と船戸与一の「満州国演義」が挙げられるが、この二つが「満州」の史実を忠実・詳細に追いながら、激流に翻弄される(架空に設定した)主人公達の姿を描いているのに対し、「地図と拳」は、史実は簡単な描写にとどめ、むしろそこで繰り広げらる人間達(日本人、中国人、ロシア人)のドラマが描かれている。前二者が、「満州」を舞台にした長編ドラマ(実際、「戦争と人間」は日活の映画になっている)であるのに対し、こちらの方は「満州」という時代背景のもとに、「李家鎮」という架空の地を舞台に人間が繰り広げる群像劇(演劇)とでも言うのであろうか。むしろ、それだけにこちらの方が人間の言葉を通じ、表題の「地図と拳」の意味するところを読み手に強く訴えかけるものがある。凄い小説である! ただ、「満州」という史実についてある程度の知識が無いと、この小説は読み切れないかもしれない。興味を持たれた方は是非船戸の「満洲国演義」を読んでいただきたい(あくまで個人的評価だが、「戦争と人間」に比べ「満州国演義」の方が、船戸与一独特の「人間の儚い夢、ロマンス」が描かれている)。 | ||||
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歴史も大変参考になる。 | ||||
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ヘヴィな題材だが、読ませる文章で書かれており、どんどん頁をめくってしまう。 こんなに重い(内容も、物理的重量も)本が結構売れているのを見ると、日本もまだ捨てたもんじゃないと思わされる。 | ||||
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