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正欲



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【この小説が収録されている参考書籍】
正欲

正欲の評価: 3.90/5点 レビュー 359件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.90pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全359件 61~80 4/18ページ
No.299:
(4pt)

なぜか懐かしい感覚も

小説よりも哲学書や心理学書のほうが好きで興味もあり、小説は積読になることが多いのですが、
こちらの小説は読みやすく、先が気になりあっという間に読み終わっていました。

読了後少し経って、
現実と小説が入り交じるふわふわ感?が抜けた後、
マイノリティ側の心理描写に見に覚えのある感覚を持ち合わせていた自分に気づいて「え…なんでだろ」と考えました。

家庭環境に苦しさを覚えていた学生時代、
さりげない同級生の一言二言から、自分の家庭はマイノリティで普通じゃないことを思い知らされた事を思い出しました。
先生や親戚に頼りたく、母や父のことを話しても「それくらいいいじゃない」と重く取り合ってくれない。
重い家庭という概念がないのかもしれない。

世の中のテレビや当たり前の価値観の中には「家族は仲良く」「親孝行」「家族は良いもの」ばかりで、
親がアルコール中毒、薬物中毒、機能不全家族等の「家族」は当時はないも同然。

この人たちにいってもなにも分かってくれない、といった性的マイノリティ側の感性が10年前の自分の感覚と近いものを感じて、

あぁ、だから他の人よりもこの本からの衝撃が少なく感じてるんだなと納得しました。(本のレビューというより自分の感想笑)
正欲Amazon書評・レビュー:正欲より
4103330635
No.298:
(5pt)

面白かったです!

いや、久々に読むのに時間がかかって本でした。文章は読みやすいのですけど、僕の中にない言葉が多くて、面白いの意味が違う面白さに飲み込まれてました。

展開としては最初に出た情報をもとに、色々な視点で少しずつ読者に気づかせて、繋げていくのですが。
全容が見えるにつれて、そんな単純なものでは無いのだと告げていきます。

繋がりと、一人じゃないと良い。
わかってもらいたいと思ってるわけじゃ無い。でもきっと、わかろうとしなくてもわかってもらえる人は欲しい。

そして、読み終わって、え、終わり?となりました。
そう、答えを求めてしまってました。そんなものは無いのだと言っている物語なのに。
改めて正欲って何だよって思ったりもしましたね。タイトル凄い。
正欲Amazon書評・レビュー:正欲より
4103330635
No.297:
(4pt)

似た境遇の人と出会えたら救われる。

映画を観たいんですが介護中で劇場に行けないので先に原作を読むことに。力作ですね。読むほうも疲れた(笑) 物語が進むにつれ書き手の筆も走っていく感じで、読後感は静かな感動でした。夏月と佳道のラストシーンが美しかったけど、八重子と大也の最後もよかった。個人的には、このお話で最も成長したのは八重子ちゃんだった気がします。

そこまで特殊な指向とかでなくても、例えば私のように一人で親の介護してるとか、毎年花粉症に悩まされるとか、共通点がひとつでもあったら「あるある」で盛り上がって気が楽になりますよね。次元は違うけどそういうことなんだろうなと。それによって抱えてしまうしんどさが大きければ大きいほど相手との関係も深くなる。でも、あげく彼らだけで閉じてしまって世間と断絶してしまうのも悲しい。かなり特殊な部分を抱えていたとしても、その人ってそこだけで生きてるわけじゃないじゃないですか。好きな食べ物だったり音楽だったり何だったりを通して他者と交流することはできないのかな。それを日々のちょっとしたガス抜きにはできないのかな。

濃い読書経験をさせていただきました。やっぱり映画も早く観たいです。
正欲Amazon書評・レビュー:正欲より
4103330635
No.296:
(1pt)

マスターベーションはどこに消えた?

登場人物たちは、マイノリティな自身の性嗜好に死にたいほど悩んでいると言う。
しかし人生の中で自身の性嗜好を、なるべく法から逸脱せず他者を傷つけたり他者から疑われたりせずに、満たして発散するようなマスターべーションの創意工夫をし続けずに生きてきたかのようだった。そこに大きな違和感があり、孤高の自分に酔いしれた僻み屋の怠惰で自己中心的な甘ったれにしか見えなかった。
この物語のメッセージは、多様性ではなく、マスターベーションの探求という方向に向けるべきだったのではないか。
正欲Amazon書評・レビュー:正欲より
4103330635
No.295:
(5pt)

読後自分の価値観を考えさせられる

社会正義という常識を逸脱して他者に迷惑をかける人を糾弾することが私にはある。
なぜならこちらは周りに迷惑をかけないように一生懸命配慮しているに、自分中心で傍若無人に振る舞う態度が許せないからだ。
近年の不倫スクープに対する社会からの糾弾もこれに近いような気がする。
しかし、本編に手でくる登場人物は、他者に迷惑をかけないよう、必死に努力しており、そこへの共感はかなりあった。
変わった人と思う人はうちの職場にもいるし、その人たちから見たら私も変わっているはず。
大切なことは他人の自由を侵害しないことだと思う。
自分を理解してもらえないと思い、自分を閉ざしていようが、一緒に働いている人を、「飲み会に誘ってもこない」「絶対偽装結婚です」とか周りが言う必要はない。
かといって、自分を閉ざした人に、心を開かせようとエネルギーを消費するほど、社会は甘くないしそんな時間もない。

だからこそ、人には気の合う仲間というものが必要であり、それは数ではなく質であると思った。

多数派のバイアス。多数派思考の方が生きやすいに決まっているが、
時にその方向が間違った方に行くことがあるから気をつけなくてはいけない。
今回の自民党のパーティ券事件も、所謂「みんなやってるから」だろう。
小集団の多数派が、社会という大集団から見たら少数という頭をどこかで持っていないと、人間危ないな。
でも少数であっても人に大きな迷惑をかけないのであれば、それは問題ではない。
ただ、多数派とは違う少数派を受け入れるだけの器がまだまだ成熟していないのが今の日本なのかもしれない。
正欲Amazon書評・レビュー:正欲より
4103330635
No.294:
(3pt)

つまらない

ガッキーと稲垣が出演しているので映画を見る前に読みましたが、私には退屈な内容でした。結局 映画を見る気がなくなった。
正欲Amazon書評・レビュー:正欲より
4103330635
No.293:
(2pt)

理解不能

何故主人公達の性欲が悪で、正欲側が正義なのか?私には理解できない内容でした。
正欲Amazon書評・レビュー:正欲より
4103330635
No.292:
(2pt)

うーん

どれもこれも屁理屈言ってるだけな感じ。
そんな難しく考えるなよ、もっと単純なことだよ、死ぬ死ぬ言ってんじゃないよと言いくなった。あと話が良いところで場面が変わって別の人物の話になるのが嫌だった。
正欲Amazon書評・レビュー:正欲より
4103330635
No.291:
(5pt)

同類がいる

自分の中に棲む何かに答えをもらった。「地球に留学に来ているみたい」あれ、これは映画の中だけのセリフだっけ。まあどっちでもいいや。あの映画の出来なら作者も言うことは何もないだろう。
正欲Amazon書評・レビュー:正欲より
4103330635
No.290:
(5pt)

レビュー読むの楽しい

現実を生きる人間は、漏れなく心の闇を持っている。マジョリティであってもマイノリティであっても。毎日は待ってくれないし明日死なないために生活活動をしないといけない。何に性的興味を抱くかは人それぞれ自由だし、他人に「キモい」とか思われたら傷つく。自分は自分だし明らかに一線を越えたらヤバイけど、自分がどう考えようが他人からどう思われようが揺らがない自分であれたらいい。ただ人はそんなに強くなくて、無いものねだりをしたり、人を妬んだりする。自分と違う人を蔑めるのは違うし仲間外れにされるのも嫌だ。おそらく人間は正しいとか、間違ってるとかそもそも判断されていい訳じゃないし、性の対象だけじゃなくて自分と違う考えを持つ人にも寛容になれたらいいのでは。そういう人にはできるだけそっとしておいてあげたらいい。自分だってそうだし。土足で上られたくない個人的な話もある。とやかく言われたくないし。
この本を読見終わって最初は神妙にして、万人にとっての正しいとは何ぞやと考えても、繰り返して何なんだろう…と混乱する。もうここは考えずに感じるしかないかもしれない。
読む前まではこんなに深く考えた事は無かった。多様性とかっていう言葉は色々まとめちゃう便利なものだけどいくら世の中理解が進んで便利な世の中になったとしても、人間の悩みって結局いつの時代も変わらない
美しく印象的な場面や唸ってしまったセリフ
読んだ人と語りたい
とにかく、特別な一冊になったことは間違いない
でもほんと、正しいって何なんでしょうね…
正欲Amazon書評・レビュー:正欲より
4103330635
No.289:
(5pt)

これらのレビューそのものが多様性

このコメント欄がいい面も悪い面も作者の書いた多様性に感じられる。作中の「コメント欄」など広義のSNSにおける造詣を考慮すると作者はここまで計算していたではないか?
味わい深い。
正欲Amazon書評・レビュー:正欲より
4103330635
No.288:
(5pt)

多様性の外側にいる人たちの話

多くの「普通」の人が許容できる異常性を「多様性」として受け入れつつある世の中で、その中に入ることもできない性癖を持った人たちの話。
自分が正しいと信じ込む普通の人たちと、自分の異常さを自覚し葛藤しながら生きる登場人物たち。
答えの無い話ではあるが、もし自分の人生で出会うことがああれば、理解を示したり同情することは簡単にできないと思った。
正欲Amazon書評・レビュー:正欲より
4103330635
No.287:
(5pt)

特殊性癖を持った超マイノリティが社会でどのように生きていくか

Amazon Audibleで拝聴。
LGBTQとも異なる特殊性癖を持った超マイノリティたちに焦点を当て、彼らが社会で生きづらさを感じつつも、彼らなりの希望を見つけて生きていく様を描いている。
「多様性」が叫ばれる昨今だが、それが意味するものはLGBTQである場合が多く、そこにも合致しない特殊性癖の人たちに対する社会の理解はまだまだ足りない。
そんな気づきを与えてくれた本書には大変感謝しており、没頭してしまった。
正欲Amazon書評・レビュー:正欲より
4103330635
No.286:
(4pt)

枠外、規格外

他人には窺い知れぬエキセントリックな欲望。社会という仕組み….何事にも最大公約数が是とされる世の中では生きづらい。世捨て人、仙人にでもなるしかないか?
正欲Amazon書評・レビュー:正欲より
4103330635
No.285:
(3pt)

マイノリティもマジョリティも変わらないのでは

今回の性的対象はおそらく大多数の人がそれが対象になり得ることを理解/共感しづらいだろう。だからこそ、今作で取り扱ったんだろうと思う。性的対象が何であれ、誰しもが不安を持ち、(マジョリティな)自分を確認しながら生きている。
最後、話したくない権利もあることに気づいて欲しい。あなたとは、話したくない。もしくは、この話はしたくない。
対話をすれば理解できるなんて幻想だと思う。
正欲Amazon書評・レビュー:正欲より
4103330635
No.284:
(4pt)

フィルター

皆さん仰るように、どの立場で何を述べても難しい読後感がありますね。ありきたりな表現かもしれませんが、物事には様々な側面があり、どんなフィルターを通すかにより見え方が異なるということを再認識しました。この本を通して、今まで自分が持っていなかったフィルターを得たというと偉そうですが、様々なフィルターを持つことの必要性は感じました。
正欲Amazon書評・レビュー:正欲より
4103330635
No.283:
(3pt)

登場人物はみんな口が達者

個性的な主要人物とミステリー調の展開に一気読みしましたが、問題提起のみで終わっていて物足りなかったです。
ディベートの教科書としては最高だと思いますが、小説としては感情移入できませんでした。例えばストーカーっぽい女性が出てくるのですが、警察沙汰になる訳でもなくそこそこディベートの相手をしてもらえているのが現実離れしていて気持ち悪かったです。
正欲Amazon書評・レビュー:正欲より
4103330635
No.282:
(1pt)

文句ばっかりでお腹いっぱい。

これは小説なのか?エッセイじゃないの?世の中に対する不平不満を読者に押し付けてるだけ。読者に考えさせる隙間を与えない。ここまで、斜め読みした小説は初めてです。
たぶん、これ、映像化したら、とてもいい映画なんだろうなと思う(未視聴)。情景で描けば、とても良い雰囲気はわかるのだが、情景になる感情をくどくど説明されると、うるさいだけです。
正欲Amazon書評・レビュー:正欲より
4103330635
No.281:
(3pt)

多様性とエンパシーのこと

行きつけの美容院の兄さんとね、まあ、最近どうすかみたいな話するじゃないですか。
なんか映画とか見ました?って。話題がないから毎回なるんですけど。
そんで兄さんが、「正欲」って映画、なんか話題だし見てみようかなと思って。というので。
お、今原作読んでますよー。
そうなんですね、面白いですか?
あー、まだ読み始めたばっかりで、よくわからないですねー。ははは。
なんて返してたんですが。

危ねえー!これ土曜の昼下がり髪切りながらよく知らん人に勧めるような話じゃないじゃん!
いや、素晴らしいし、読むべきだとは思うけど。
いま、みんなで、ちゃんと知っておくべき事が書かれているけど。
でも迂闊には勧められないぞこんなの。

生まれ持った自身の異常な性質に苦しみ、明日を生きることが困難な人々の話。
健全な、普通の、みんなが安心する社会からは隔離するべきもの。
しかしそれがなくては生きられない人がいる。
助けてほしいとは思わない。自分が異常だとわかってる。
でも生きることを許されたい人たちのあがく姿が描かれる。

最近はあらゆるものに「普通」を求められるようになった。
普通の日本人とか。普通はこうするとか。普通じゃないやつは消えろと言わんばかりの。
多様性といいながら、それはマジョリティ側が陣地を少し広げようとしているだけで。
理解できる範囲の人だけ、特別にちょっとこっちの陣地に入れてあげるからね。
だから僕らが嫌なことしないでね。わかるよね。
という暗黙の排他的態度がその外側から透けて見える。
自分もそうだし、あなたもそうでは?という。

最近SNSでよく見るワードに、
「本当の弱者は助けたい姿をしていない」というのがあるのだけど。
これが、だから助けなくていい。もっと助けたくなるように振る舞うべき。
という全く逆の解釈で使われ始めているのが本当に恐ろしい。

これ、本来の文脈はエンパシーを説明する言葉だと思う。
自分が自然と助けたくなるような、シンパシーを感じる人だけを助けて、
弱者救済した気になるのは本質を欠いている。
本当に助けが必要な人は、自分と全く価値観の違う、
今まで遠ざけてきたような種類の人かもしれない。

そして、本当に人を救っている人たちは、
そういう場所で、困難な状況に向き合って、
物事を良い方向に持っていこうとしている人たちだ。
容易なことではない。

気持ち悪い、意味が分からない、不気味な、眼の前の誰かに寄り添い、
理解できなくてもいいから、必要な手助けができることが本当の支援で、
それをするための能力がエンパシーだぞ。と。
今社会にはエンパシーが問われてるんだぞ。と。

博報堂の新人研修で語られるという、渋谷陽一さんの言葉を思い出す。

『我々がコミュニケートしなければならないのは、きっとどこかにいるであろう自分のことをわかってくれる素敵な貴方ではなく、目の前にいるひとつも話の通じない最悪のその人なのである』
/ 渋谷陽一「音楽が終わった後に」
正欲Amazon書評・レビュー:正欲より
4103330635
No.280:
(2pt)

おもしろいテーマなのに…

「正欲」とは、
なんとおもしろいテーマを扱ったか、
と思いました。

C.S.ルイスが『悪魔の手紙』の中で
「快楽は敵(=神)の発明品」
と悪魔に語らせているように、
欲全般、もちろん性欲も、
本来は「正しい欲」でしょう。

でも、実際の人間の歩みでは欲は暴走し、
往々にして悪と結びつきます。
性欲は夫婦の愛を高め、
ふたりの心身に深い絆と満足をもたらす
有益ものとなり得る一方、
本作で語られるように恐れを生じさせもし、
人生を破綻させもします。

もしも、この観点から物語が展開されていたなら、
本作は普遍的な文学作品となったように思います。

しかし本作は、異性間性欲と奇行的性欲
(と言うと、本作テーマの真っ向否定かもしれませんが)
を対比させているため、
多数派の「異性間性欲所持者」と呼べる層には遠い話、
いわば「ニッチ文学」となってしまったのではないか、
と感じました。

欲が混乱した現代の様相を描いているとも言えますが、
切り口が粗いと感じます。

終わり方も、疑問が残りました。
非犯罪行為を秘す理由が「言っても無駄」?
そこまで恥じる類の欲望とは思えませんでした。

今日、同性愛への許容が広がっているのは、
個人主義的な考え方の広がりだけでなく
「異性愛者の自分に大きな被害が及ぶわけではない」
という計算が働くからだろうと感じます。
本作で取り上げられる奇行的性欲も、
他者に被害を及ぼすものではないため、
差別や疎外に結びついていくイメージが持てません。
ですので、
「冤罪を被っても秘匿するだろうか」
との思いを拭いきれませんでした。

以上、
強くお勧めしたいという思いは持てませんでしたが、
本来は「正欲」であるはずの「性欲」に歪曲が生じており、
分断や孤独を生み出している様を描いている
という点では興味深い作品でした。
正欲Amazon書評・レビュー:正欲より
4103330635

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