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笑わない数学者
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笑わない数学者の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.87pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全67件 41~60 3/4ページ
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偉大な数学者の住む館で開かれたパーティーの席上、トリックによって或る物を消してみせる。一夜明けて、再び現れた時、別なものまで発見される。 或る事柄を定義するというのは、定義する人物の認識によって異なるのでしょう…。 「よいか、あらゆる課題は、現実と理想、あるいは事実と理論の間のギャップにある。それを自覚するけとだ。しかし、現実や事実は、常に真実とはいえない。それは、あくまでも、お前たちの目が観察したものだ。お前たちの頭が認識したものだ。それを自問するのだ。見ないものを考えるのが人間の思考なのだ。お前たちは、自分の姿が見えなくても、自分の存在を知っている。それが人間の能力ではないか」 | ||||
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余りにも簡単すぎる真相。この犯人を当てられないようであれば、一生当てられないという位犯人の当たりやすさがウリ。どうしても当てたいという人にお勧め。 いつも通りの動機糞喰らえ主義、上滑りの会話群。足りない伏線、なのに誰でも分かる犯人。不思議だ。間の会話はすっ飛ばして読んでも何の問題なし。 作者は犯人を隠さないという新機軸を打ち出したのか? 本作品でも犀川&萌絵の馬鹿っぷりは最高潮で、どんなボンクラな読者にだって「早く気づけよ、馬鹿」と叱責されている筈。 それもこれも原因は、動かせっこないオリオン像を消してしまう、という余計な謎のせいである。もしあれを取っ払って他の謎を付け加えれば(色々面白い物が考えられる)随分違った物になったと思うが、ま、この作者にそこまで期待するのは無理か……。作者の推理小説を書くセンス不足を露呈させた作品。 | ||||
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余りにも簡単すぎる真相。この犯人を当てられないようであれば、一生当てられないという位犯人の当たりやすさがウリ。どうしても当てたいという人にお勧め。 いつも通りの動機糞喰らえ主義、上滑りの会話群。足りない伏線、なのに誰でも分かる犯人。不思議だ。間の会話はすっ飛ばして読んでも何の問題なし。 作者は犯人を隠さないという新機軸を打ち出したのか? 本作品でも犀川&萌絵の馬鹿っぷりは最高潮で、どんなボンクラな読者にだって「早く気づけよ、馬鹿」と叱責されている筈。 それもこれも原因は、動かせっこないオリオン像を消してしまう、という余計な謎のせいである。もしあれを取っ払って他の謎を付け加えれば(色々面白い物が考えられる)随分違った物になったと思うが、ま、この作者にそこまで期待するのは無理か……。作者の推理小説を書くセンス不足を露呈させた作品。 | ||||
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数学者天王寺翔蔵が終の庵と定めた三ツ星館。天空に輝くオリオン座を模したこの館で、二人の死体が発見される。一人は昨夜、翔蔵博士が消して見せたオリオン像の下で、もう一人は寝室の床上で。翔蔵博士の出題と、殺人事件との間にはどのような関係があるのか、あるいはないのか。 シリーズ3作目。しかし、執筆順で行くと2作目であり、「すべてがFになる」よりも前の作品。このことから、本作はデビュー作の習作という見方も出来るかもしれない。しかし、デビュー作とは異なり、トリックは伝統的なもの。ただ、殺人の動機が不定のまま残るという構造は、ほぼ同じと言えるだろう。何となくだが、シリーズを通して描きたいことが見えてきたような気もする。 | ||||
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森博嗣先生の書く作品は独特の雰囲気があって、でもそれは決して嫌なものじゃなく むしろ楽しめる不安という感じで好きです。 この作品は私にしては本当に珍しく早くトリックも犯人もわかってしまったんですが、 それでも話の展開にある会話の一つ一つがすごく面白かったです。 博士が出したちょっとした算数の問題に挑戦してみたりとかも。 小難しそうで普段敬遠しているような事柄でも、森博嗣先生の小説なら興味深く読めます。 何故だろう?(笑) | ||||
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大掛かりな仕掛けが中核になっているが,この種のミステリーに慣れた読者なら,かなり早い段階で(場合によっては図とプロローグだけで)わかってしまうかもしれない.もう1つのトリックも隠すつもりがないようなわかりやすさで,真相の衝撃という点では「すべてがFになる」よりは落ちる. ただ,数学者の精神性ややり取りには「すべてFになる」で表現仕切れていなかった奥深さがうまく描けている.数学者が言いそうなセリフで,思わずニヤリとしてしまう. この点を評価して1点上げました. | ||||
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オリオン像消失の謎がかなり簡単にわかってしまうのはかまわないのだが、殺人計画が、他人が考案したその像消失トリックに完全に依存しているのは、ちょっと疑問に思った。像消失トリックが解明されれば、ほとんど自動的に犯人の計画も露見してしまうからである。こんな人まかせの殺人計画でいいのか? しかし、登場人物たちの知的な会話はおもしろいし、クールな雰囲気もいい。そして最終章においてはっきり提示される、作中では解かれないままに終わる謎。誰が誰なのか、その答は…もしかしたら、これもまた最後の1行に集約されるのかもしれない。公園にたたずむ老人と少女(彼等は誰?)のイメージは、そのラスト1行で実に味わい深いものとなった。理科系のリリシズムということでは、今は亡きA.C.クラークが描くSFの読後感をも思わせる。 | ||||
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ミステリというジャンルでレビューを書く場合、自分の文才ではどうやっても問題の末端に触れざるを得ません。未読の人は、以下のレビューは見ないほうが良いでしょう。 自分が森作品を読んだのは、これが最初でした。 自分の本巡りの運が悪いのか、はたまた別の要因なのか、ミステリといえば頓珍漢という先入観がありましたが、この本は、ミステリというジャンルで初めて読み返した本になりました。友人からオススメされて図書館の単行本で読んだのですが、妙にツボで文庫を買い、寝る前にボケっと算数の問題を考えたりしてましたね。 で、結局2回読み返しました。 一度目では殺人のトリックを考え、二度目ではなぜ自分に解けたのかを考え、三度目でようやく、日本語のタイトルついて、自分なりに定義が出来ました。殺人の(むしろオリオン像消失の)トリックが簡単に分かってガッカリした、或いは喜んだ、という人は、もう少し思考してみると、もっと面白かったかもしれません。文庫版と単行本で評価に差があるのは、この本の場合解説の差かも・・・。 最後に、犀川先生の言葉を引用してレビューを終わります。 「つまり、いつか、誰かが必ず気がつくということ。今、誰も気がつかないのは、全員があまりにも当事者だからだ。」 (夏のレプリカ:文庫版436ページ) | ||||
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今回は高等数学についての話題が多かったが、トリックそのものとは関係ないので誰でも とっつき易い作品になっているし、あまり冗長な会話などがないので読みやすい。 消えたブロンズ像の謎は最後の方になって気づいたのでスカっとしたが、博士がだしたもうひとつの ビリヤード球を並べる問題については結局最後まで回答が出てないような。。 4つの数字から24を算出する問題は面白かった。 全体的においしいお菓子をたくさんならべたようなミステリーという感想を持った。 | ||||
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この小説を読むと森作品の真の魅力がわかります。まずメインのトリックはもうトリックではない。どこの幼稚園児が 読んでも即座にわかります。しかし本質はトリックにあるのではなく雰囲気、空気感にあるのだとわかればこの小説のおもしろさがわかるはずです。 | ||||
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真賀田四季を完全な天才とするなら天王寺翔蔵は不完全な天才のように感じました。 それは決してこの小説が「すべてがFになる」より完成度が低いと言うのではありま せん。事実、非常に面白かったです。 ただ、一つ気になったのはトリックがあまりに簡単過ぎて…普通は登場人物の方が 正確な情報を持っていると思うのですが、この作品に関しては読者の方が分かり易 い情報を与えられています。ちょっとその点が残念ですね。 ただラストの老人と少女のやり取りは非常に面白いです。 作品の完成度自体は非常に高いので読んで損は決してありませんよ。 | ||||
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犀川創平&西之園萌絵コンビが天才数学者の館のクリスマスパーティに招待されて・・・。 その数学者から出題される消失ものトリックの問題。そして起きる殺人事件。 正統派館モノの宿命か?そのトリックは判りやすいですが、犯人は一つの目くらましが効いて分かりませんでした。 意外な結末ばかりに気をとられて、読後すっきりしない新本格と言われる作品が多い中、この作品は綺麗にまとまった「気持ち良い本格ミステリー」です。 | ||||
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S&Mシリーズの中では、かなり好きな作品です。数奇にして模型もそうですが、基本になる大きな事件はなるべくシンプルで、それ以外の小さな謎に力を注げる、そんな作品が好きです。私の力不足ですがあまり複雑な事件になると、小さな謎や決定的な名ゼリフを逃している場合が多いもので。この作品は大きな事件がシンプルな為か、流れが非常にきれいで丁寧な印象を受けます。人物の描き方は大雑把な気もしますが、犀川や萌絵も含め登場人物のちょっとした感情の流れなんかも魅力的に描かれています。珍しく動機や気持ちの面が外に出る作品だと思います。 | ||||
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頭が固いと自負している私でもこのトリックは読み始めてすぐに解けてしまいました。それだけに評価は低いです。 ただ今回は前2作のように突飛な展開が少なく、ある意味では読者に優しい内容になっている気がしました。 でもこの落ち方にはあまり納得がいかない・・・・・・。色々な面をもう少し詳しく描いて欲しかった。森さんにはよくあるパターンですね。ここは人によって評価が分かれると思います。 しかしながら犀川の特異な思考はいつもどおり興味深かったです。この作品は推理小説というよりも軽い哲学書として読むことをおすすめします。 | ||||
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これは、シリーズの中でも好きな作品。 数字のパズルが面白く、オリオン像の謎が全体の謎に全部突っかかってるという構成も素晴らしい。 | ||||
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天才を描かせると、森は天下一品である。この犀川・萌絵シリーズの第一作、『すべてがFになる』でも、天才工学博士、真賀田四季嬢を登場させ、紙上、遺憾なく活躍させた森であるが、本書でも、「偉大な数学者」天王寺翔蔵が登場し、その存在感が、本書をすこぶる面白い読み物に仕上げている。 この作品のメインのトリック、『オリオン像消失の謎』は、読んだ瞬間に誰でも、すぐ理解できてしまう。でも、そんなことはこの小説の面白さを少しも減少させない。この小説の魅力は、登場人物たちの言動にある。 一章ごとの凝ったエピグラフ、登場人物たちの間で交わされる哲学的で、知的な会話、どれもこれもセンスが良く、洒落ている。天王寺と犀川との地下室での対話は、頭の中に、ビンビン知的刺激を送り込んでくれる。 森は、人物造詣が巧みだ。これだけ巧く、魅力的なキャラクタを作ってしまえば、あとはどう転んでも、小説は面白くなるだろう。 本書は、休日のまとまった時間が取れるときに、始めから終わりまで、一気に読了したい「秀作」エンターテイメントである。 | ||||
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1996年リリース。S&Mシリーズの第3作。最も『理系(というかこの場合は数学系??)』全開の傑作である。(●^o^●)大掛かりな消失ものではエラリー・クイーンの中編『神の灯』を思い出してしまうが、本作のトリックもかなり近いものがある。だがそれ以上にラストの『笑わない数学者』の『不定』にまつわる一言一言がミステリー好きのハートにジンジンくる(●^o^●)。この第3作まで密室ものが続くわけだが、森博嗣の密室は本業に則した『建築基準法』に則った密室であるところがスゴイ。MacフリークがMacの状態の表現の不可思議な部分を決して見逃さないように、過去のミステリーでの密室の図面に建築を知りつくした者として『可笑しい・納得出来ない』というものが多々あるのだろう。今回の大掛かりな密室にはそういう物への批判も感じられる気がする。閑話休題。本作は何度か読み直したくなるほど面白い。併せてこのシリーズの栞のデザインもおのおのの作品に併せてデザインされていて大変気に入っている(●^o^●)。僕も天王寺翔蔵に逢いたい(●^o^●)。 | ||||
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前作『冷たい密室と博士たち』は割と普通の推理小説でした。どこが普通かと言うと、殺人の動機が納得のできるものであるところが普通なのです。『すべてがFになる』は動機が普通でなく、一般の人には理解できないものでした。そこを「すごい!」と捉えるか「詐欺だ!」と捉えるかによって、読者が『F』を受け入れるか否かが決まるのだと思います。 さて、このシリーズ3作目では『F』の不可解さが復活しています。この物語の登場人物たちの行動の動機はいまひとつよくわかりません。犀川助教授も犯人の動機は分かっておらず、犯行方法のみから犯人を推定するのです。おそらく筆者は動機(=人の心)なんてものは他人が把握することはできないということが言いたいのでしょう。『F』では「そりゃあそうだけど、推理小説でそういう理屈を持ち出されてもねえ」と感じた私ですが、本作では割とすんなり受け入れられました。森ワールドに毒され始めているということかな? | ||||
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舞台設定や登場人物から見ると、「すべてがFになる」を彷彿とさせる。だが内容的には、多少地味でスタンダードではある。そういう意味で、ミステリマニアにはすぐに結論がわかってしまうところはあるが、独特の世界観が前面に押し出されていて、引き込まれる。なんだか、自分のいるところがひっくり返るような浮遊感。独白部分には、なんともいえない侵蝕される感じがある。S&Mシリーズいや、森作品のワールドに漬かるにはお勧めの一作。 | ||||
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自分という個人にとって”仕事”というのはたいてい理不尽なものです。人間の男はたいてい女性と違って”子供”ですが、そのままの子供のような”天才老人”の思考やセリフ、そして最後に誰だかわからない登場人物によって語られる”定義”が大好きです。 | ||||
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