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壬生義士伝
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壬生義士伝の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.65pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全309件 221~240 12/16ページ
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小説を読んで号泣したのは初めてでした。幕末の、政治も人の心も明日はどこに向かうのか混乱を極める中、その只中にあってひたすら己の信じる義にのみ戦い、死んだ人の話です。あまりにも切なくて、美しい生き様にとにかく涙が止まりませんでした。当時、吉村と共にあった人が語り部となり、聞き手に語りかけてくるという進め方が、より吉村の人物像を立体的なものにしていくます。 | ||||
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武士道=家族愛という破天荒な価値観を何と新撰組に持ち込んで読者を納得させてしまう作者の筆力に驚愕してしまう。インタビューの形を通して、吉村貫一郎の人物像を浮かび上がらせる一方で、インタビューを受けるさまざまな人の人物像+時代背景まで浮かびあがらせてしまう。それがあまりにリアルなので、ノンフィクションかと思うくらいだが、実はフィクションなのである。最後の大野次郎右衛門の手紙には、国家主義批判が隠されているように思います。人は、自分の妻子のためになら死ねるのであって、主君や国のために死ねという風潮がはびこると国は亡ぶと読めるのです。最後をあえて漢文調にしたのは、作者のこの思いを控えめに主張することを目的としたのかもしれません。 | ||||
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新撰組を扱った作品は山のようにある。 本書のおもしろい点は主人公が新撰組隊士としてメジャーなキャラクターではないという事。 一見格好悪いその主人公が実に良い。 格好悪さ、悲しさを背負った人間を描かせたら浅田次郎、である。 流石に上手いのである。 「情」という日本人独特な感情をエンターテイメントとして 描き切れる希有な作家である。 そして、主人公である吉村貫一朗を時代が下ってから、 周囲に居た人物が思い出しながら語るという筋運びが面白い。 幕末に生まれた人でも、長生きなら昭和初期まで存命していた。 そんな人間が思い出として語る事で、遠い「幕末」が一段身近に感じられ、 物語のリアリティーも一段増すのであった。 時代物、幕末物、人情物、そして浅田次郎物として十二分にお勧め出来る作品です! | ||||
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久々に☆5つを付ける書物を手に取ることができました。 浅田次郎は、旨い作者だと言うことでかえって距離を置いてしまっていましたが、この話は、単純な旨い、と言う言葉で置くには申し訳ないような、奥の深い重厚なものでありました。 ついぞなかった、小説で涙を流す。 いやぁ、驚いたなぁ。こんな話があるとは。 詳しくは [...] | ||||
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私がこの作品について考えるとき、一番思うのが家族を守るため、一人で生きてゆくことが出来るか?と言う点です。 この作品に出会った時、自分にも乳飲み子がおり、もちろん可愛くて仕方が無く、一時も離れたくないと言う思いに駆られていました。 自分が子を、妻を愛するがため、一緒に暮らすことが出来ないという矛盾ともとれる行動は果たしてできるだろうか? この作品には、現代人に思い出して欲しい家族愛にあふれ、親が子を思い子が親を思う。夫が妻を思い、妻が夫を思う。一見当たり前の構図が感動的に描かれています。 橋の上での親子の別れるシ−ン、切腹前に所持金を数えるシ−ン、五稜郭で長男が息絶えるシ−ン。父親である私が涙を流した、印象的シ−ンです。 読まれる方の立場で、泣けるシ−ンはいろいろあると思いますが、感動の名作であることに変わりは無いはずです。 | ||||
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方言を多用しているのに実に読みやすい。 設定は幕末の動乱期だが、主人公の気概は極めて現代的だといえる。何が人生で一番大切なのかと問われたときに何の躊躇も無く「家族」といえる生き様をこの時代に持ってきたのが凄い。 自分と家族が生き抜くために、同じ思いを抱えているであろう人間を容赦なく斬る。生きるジレンマを、家族を背負うことで振り払う姿は身につまされる人も多いのでは。あらゆる恥と外聞を捨ててもそれでも生きたいとすがりつく先に家族がある。 本を読んで泣いた事が無かったが、初めて涙した一冊。あらゆる人に読んでもらいたい本です。 | ||||
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全編を貫くのは、男同士の血と涙と心を砕いた面子のたてあいです。 ふと我が身を振り返らざるをえない状況が多々出てきます。今目の前に居る人の何枚向こう側までを気遣えているだろうと。 もちろん時代が違えば対面上重きを置くところも違いますが、皆さんがこの本を読まれているということは現代でも重きをおく男の想いは同じなのかもしれません。 大野氏との幼い頃からの身のおかれ方、子供時代のいじめ、あらゆる局面で心の深い部分に触れてくるやり取りがあります。 途中でフィックションなのか現実なのかわからなくなります。 表面上の感動より一段深いものを感じさせてくれる作品。素晴らしいです。 | ||||
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子母澤寛の本にほんの少しだけ出てくる「吉村貫一郎」。ここからこのような小説になるのかが・・驚き以外何ものでもない。そこに表現されている世界は作者の創造の世界なのか?当時の武士道の(まあ少ないと思えるが)一例なのか?興味は尽きないが。素直に感動したらいいと思います。戊辰戦争は関が原の戦いと同じでどちらにつくべきかを必死で考えていた「日和ものの藩」が多数いて、どちらにつくべきかをまじめに考える宮仕えの武士、そんなものはマクロ的に吹っ切れて突っ走る薩摩、長州陣営、吹っ切れ方が個人的な土方新撰組、ここに落とし前のつけ方が甚だユニークな「吉村貫一郎」という人物を出してきて作者は我々に何を問いかけるのか?設定とかの意外さに感心しながら新たな感動に驚くという今までにない体験をしました。 | ||||
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もともとフィクションであることは知りつつ読み始める。近藤、土方が出てくる。どこからどこまでが本当の話か分からなくなってくる。史実にフィクションが絡む。実にややこしい作品であります。また構成が凝っている。実際に生き延びた新選組の残党が喋っている。斉藤一が思い出を語る。無口の斉藤がである。信じられない。(途中で何度もフィクションであることを忘れる)。ただ展開される世界は明治維新を材料に今の我々に問いかけてくる。「義士御座候」。もはや義士と呼ばれる人物がこの世にいなくなっている。新選組の面白さのひとつに断片的な史実を自分なりに織ってみる楽しみがある。この作品はその楽しみを壮大なスケールで実現したものである。最後の大野次郎右衛門の手紙、面倒で読み飛ばした人も多いと思うけれどここを読んで涙しないと読んだ価値が半減しますよ。 | ||||
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新撰組の一員、吉村貫一郎を主人公とする一冊。 まさに幕末モノ・維新モノらしく、日本中が激変する中で、一人志を曲げなかった男の一生が描かれている(逆のパターンで、激変する日本をしょってたつ男、というパターンもあるが)。浅田次郎が得意そうなテーマである。 と、冷静に評するのもよいのだけどね、とっても心に残る。南部武士の心が伝わってくるし、盛岡に行きたくなる。 <盛岡の桜は石ば割って咲く。盛岡の辛夷は、ほれ見よ、北さ向いても咲ぐではねえか。んだば、おぬしらもぬくぬくと春が来るのを待つではねえぞ。南部の武士ならば、みごと石ば割って咲け。> おそらく外国人には理解されないけれども、日本人だったらこういう心意気が分かると思う。日本人は浅田次郎が読めて幸せかもしれない。 | ||||
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新撰組を主人公にすると、どうしても斬りあいがメインになりがちだが、この話はどちらかというと人情もの。 浅田氏が書くとこういう風になるのかと、妙に感嘆。 文体的にも、南部弁が混じっている割には読みやすい。 奇をてらわず、それでいて既製品の真似ではない。 「大人の文章」とは、こういうものを指すのだろう。 歴史・時代物が好きな人にはお勧め。 | ||||
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幕末だとか、世直しだとか、官軍だとか、そんな事よりも 大事なのは家族だった。愛する妻、愛しい子ども達だった。 そんな男の生き様を描いた大作。 TV版(映画よりも◎)を見て、本作を読んだらもう号泣。 南部へ行って、岩を割って咲く桜を見てみたい。 ただ、女として、自分ならそんな男の最期にせめて添いたかったなと思う。それが出来ぬのが幕末ゆえの悲劇か、だからこそ美しいのか…。 今、結婚に向けて必死に働いてくれている彼氏を、一生支えて大事にしていこうと改めて心に誓わせてくれた本なのでした。 | ||||
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私がこの作品を知ったのはテレ東系の年末大型時代劇でした。 渡辺謙さんの好演もあり、12時間という長丁場のドラマも苦がないどころかとてもおもしろく見させていただきました。 それでこの原作を手に取ったのですが、この原作もまた時間を忘れさせてくれるほどおもしろいです。ドラマとは違い、吉村貫一郎を知る当時の人々の語り部視点で物語が進むのですが、とても新鮮に読めました。 ただ、新撰組の生き残りの斉藤一が学芸会の老人のような口調で話すのと、貫一郎の今際の際シーンが冗長過ぎたのが少し気になりました。 しかし、それも些末な問題です。貫一郎とそれを取り巻く人々の義心赤心には心を奮わせられました。文句なしにお勧めします。 | ||||
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すでにドラマや映画でも取り上げられていますので、ご存知の方は多いとは思いますが、恥ずかしながら私にとっては今回の小説が「壬生義士伝」との出会いでした。 読み終わっての感想、、、すごい(@_@。一人の隊士を生き様を軸に幾重にも連なる幕末の宿命を見事に描ききった作品です。また、タイトルにある「義士」を大方の読者や書評家の皆様は「吉村貫一郎」その人 唯一人を指しているかのように感じるようですが、、、。私は最後のページまで読みきった瞬間、作中の「義士」とは主人公 吉村だけではなく、彼の親友で後に切腹を命じることになる大野次郎右衛門も指しているのだと思いました。もちろん、喜一郎も例に漏れず、、、。 一見、ばらばらのパズルを組み立てるような構成の中で吉村のモノローグ以外のすべての場面に登場する人物がいます。「後の世に真実を伝えうる人」として、新撰組の生き残りの人たちをインタビューして回る人物、、、。恐らくは聞屋か研究者か、最後までその正体は明かされません。ひと言の台詞もなく、ただ「聞き手」としてのみ存在するこの人物こそ、大正時代までタイムとリップした浅田次郎その人だったのでは? お時間のある方にはぜひお薦めの作品です^.^ 感動すること間違いなしですよ(^_-)-☆ | ||||
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歴史小説はあんまり好きではない。 でも、浅田次郎は好きだ。 という僕がしっかりハマッテしまった作品。 全体的に歴史的な描写はきちんとされているが、 どちらかというと「人」の関係や感情に重きを置いた作品だと思う。 浅田次郎の「方言」による泣きどころの見せ方は、 歴史モノとはいえ存分に活かされており、 むしろ歴史モノだからこそ、自然に違和感なくスッと入ってきて、 いつの間にか泣かされている気がする。 後に映画化されたが、 映画自体はとても良かったが、原作を超えたとは言いがたい。 それだけ原作の描写が優れているのだと思う。 読み終えて最後に残るのはやはり 「おもさげながんす」 の言葉。主人公の人柄や生き様が一言で表現されている。 この言葉を選んだ、そして書ききった作者は凄い。 | ||||
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歴史小説はあんまり好きではない。 でも、浅田次郎は好きだ。 という僕がしっかりハマッテしまった作品。 全体的に歴史的な描写はきちんとされているが、 どちらかというと「人」の関係や感情に重きを置いた作品だと思う。 浅田次郎の「方言」による泣きどころの見せ方は、 歴史モノとはいえ存分に活かされており、 むしろ歴史モノだからこそ、自然に違和感なくスッと入ってきて、 いつの間にか泣かされている気がする。 後に映画化されたが、 映画自体はとても良かったが、原作を超えたとは言いがたい。 それだけ原作の描写が優れているのだと思う。 読み終えて最後に残るのはやはり 「おもさげながんす」 の言葉。主人公の人柄や生き様が一言で表現されている。 この言葉を選んだ、そして書ききった作者は凄い。 | ||||
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幕末に彼はいた。 武士道よりも大切な人の道をひたすら突き進んだ 幕末にたった一人の義士がいた。 鬼貫と恐れられ 守銭奴と蔑まれ 彼は一体何を守ろうとしたのか? 故郷を棄て 家族を棄て たったひとりで時代と戦った。 最も哀しく 最も美しく 最も儚い物語。 日本人がもうどこかに置いてきてしまった道徳観。 いや、もしかしたら彼ほどの道徳観を持って生きた 人間なんていないんじゃ無いかと思えるくらいに、 彼は義の道、人の道を愚直なまでにまっすぐ突き進んだ。 今の時代だからこそ、彼が必要なのかも知れません。 | ||||
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新撰組については、「新撰組始末記」と言う「基本書」があって、そのほかに、「新人物往来社」から、近藤勇、土方歳三、沖田総司、斉藤一等の主だった隊員の伝記や人物伝がたくさん出ていて、これらを相当読んでいた。だから、週刊文春で、浅田次郎が新撰組を取り上げると氏って毎週買ってドキドキしていたが、上記の書物にわずかだけ登場する「吉村貫一郎」と言う腕はあるが目立たない存在が、主人公と言う設定に驚いた。 この人物については、今まだあまり語られていなかったので、この話が、完全なフィクションなのか、ノンフィクションに近いものかは判断できないが、あたかも真実であるかのごとき決め細やかな設定には舌を巻かされる。あまり目立たない人物にスポットを当てて、その背景事情までをも「そうだったのか」と思わせる当たりが、浅田次郎歴史小説の真骨頂であろう。 続きは下巻で | ||||
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吉村貫一郎と言う新撰組の中では、あまり目立たない人物について、スポットを当てて、丹念に書き込まれている。 鳥羽伏見の戦いの後の、吉村貫一郎に対する幼馴染の仕打ちについて、様々な捉えられ方があったろう。この大野氏の動静が東北連合における決定的な差をもたらし、彼に対する歴史家の評価は必ずしも芳しくない。 ともあれ、官軍と闘うと聞いて、遠く会津の地で父の意思を継ぐべく立ち上がって奮戦する息子の姿がいとおしい。彼が、函館まで行って土方歳三と戦うというのは、あってもおかしくない設定である。 最後に、全てのもやもやしたものを吹き消すかのような文語体の手紙が添えられて、一気に、腑に落ちると言う設定は見事だと思う。 | ||||
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素晴らしいの一言。読み始めてから読み終わるまで結局一睡も出来ず・・・生まれて初めて小説を読んで涙が出ました。しかも号泣。涙が止まらずに翌日会社の同僚や家族、友人に伝えまくりました。 これはもう本当に素晴らしい。映画も同様に何度観ても泣けます。中井貴一が格好良すぎです。 心からお勧めいたします。 | ||||
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