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(短編集)

ふがいない僕は空を見た



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【この小説が収録されている参考書籍】
ふがいない僕は空を見た
ふがいない僕は空を見た (新潮文庫)

ふがいない僕は空を見たの評価: 3.91/5点 レビュー 183件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.91pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全183件 181~183 10/10ページ
No.3:
(5pt)

上手いです

宮木あや子さんといい、この作者さんといい、女による女のための
R−18文学賞のレベルは大変高いなと思いました。

決して幸せな出来事を書いてはいないです。なのに読後いやな気持ち
になることはなく、ハッピーエンドかどうかわからないのに前向きな
気持ちになれる本。

主人公(?)の斉藤くんの、今風の男の子でありながらもさりげなく
ものすごく優しいところが好きです。彼を好きになり、何があっても
好きなままでいる七菜ちゃんもかわいい。男を見る目があると思います。

「本当に伝えたいことはいつだってほんの少しで、しかも、大声でなく
ても、言葉でなくても伝わるのだ」という言葉が印象に残りました。
名作です。素敵なお話をありがとうございました。
ふがいない僕は空を見た (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ふがいない僕は空を見た (新潮文庫)より
4101391416
No.2:
(5pt)

だから、生まれておいで

このろくでもなく夢も希望もない、だけど、それと同じだけ素晴らしい世界に、生まれ落ち生きる意味。
その一欠片が、この本の中で優しく強く語られている。そう感じます。
名著。ずっとずっと本棚においておきたい。
ふがいない僕は空を見た (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ふがいない僕は空を見た (新潮文庫)より
4101391416
No.1:
(5pt)

女性による女性のためのユートピア物語

五つの短編集と見えて,実は5章から成る物語と思う.始めのミクマリの章は,16歳の男の子がおれで,一回り上の既婚の女にナンパされた揚句のセックスが荒々しく描かれる.青春小説にしてはラフだな,と思って次の章に移ると,結婚5年で子供が出来ない妻の悲しさが延々と綴られる.そうしてこの妻 (私) が,おれの相手だった,と判る.次の章のあたしは,斉藤くん (おれ) の忠実な恋人で,胸が小さいのを気にしている.恋人とセックスに励めば大きくなるかしら,と思うがまだ機会がない.斉藤くんの不倫はマゾな夫がモニターしていて,写真とヴィデオがネットに流され,スキャンダルになる.第4章ではぼくが登場する.斉藤くんと同学年.アルバイト先で優秀な元予備校の先生の目にとまり,特訓されて成績優秀になるが,子供のころからの万引きのくせが治まらない.そうして特訓してくれた先生は強制わいせつのかどで検挙されてしまう.最後の章は斉藤くんの家.シングルマザーの母親が助産院を営んでいて,スキャンダルに巻き込まれた一人息子も心配だが,殺到する産婦を相手にして手抜きは許されず,若い助産師一人の助けを頼りに無理を重ねている.こういう次第で,男にはまともな人物がなく,産みの苦しみにあえぎながらも,子供を生もうとする女たちとそれを助けるお産婆さんたちだけが栄光に包まれて見える.つまりは女性が作り上げる一種のユートピア物語で,それにしては文体の使い分けも見事で,良く書けている.これは著者のデビュー作.強く推薦.
ふがいない僕は空を見た (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ふがいない僕は空を見た (新潮文庫)より
4101391416

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