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(短編集)
ふがいない僕は空を見た
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ふがいない僕は空を見たの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.91pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全183件 161~180 9/10ページ
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あんずさんの誰かに頼って生きていかなければならない術、 また斉藤くんがどうしてそのあんずさんに走ったのか? 助産院をきりもりする斉藤くんの母親とその経営、 松永さんの齋藤君にたいする切ない恋心(これが分からない・・)、 その友達の福田君(こいつはいい奴?) そして子供たちの師である野村先生もできちゃった婚。 そして正体不明の田岡先輩。 このご時勢、どこかに居そうな登場人物で、 みんなそれなりに悩みを持っているのは分かるのですが、 僕の周囲には、あまりこういう環境がなく、 そして読解力のない僕には、この本の作品のテーマが読めませんでした。 | ||||
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力作、秀作であることは、多くのレビューを見ても間違い無い。日常、異常、為す者、為される者、それを批判する者、全ての登場人物に対し、一方的に肩入れすること無く、かつ、現代的で普通の生活者目線で淡々と語るところに、圧倒的なリアリティを感じる。つまり、これこそが現実である、ということ。一点、注文を付けるとすれば、オタク、不順異性交遊、子供の万引き、迷惑を掛ける痴呆、扶養放棄などの「眉をひそめる」人たちと、犯罪である児童性愛を同列に並べ、「仕方が無いこと」の様な印象を与えるのは、如何かと思った。 | ||||
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深く、そして濃い文章。初めて読んだ作家さんだけど素晴らしかった。 でも後半はそんなにエロスもなく、後半からのテーマは「生」という印象を受けた。R-18がテーマだったけど、全体を通してそこにいくつもりだったのか、そこは測り兼ねた。 結局この少年は何を学び、何に生かすかというところまでもう少し見たかったなあという感じでした。性が生につながっていくというところを書きたかったのかなあ・・・おもしろいはおもしろいけど、自分の期待とは違っていたので4つ。 | ||||
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誰もが事情を抱えていて、必ずしも上手くはいかなくて 生まれながらにハンデを背負っていたり、 過ちを犯してしまうこともある。 それでも皆、自分なりに、一生懸命生きている。 悪いこともあれば、良いこともある。 力強く、生を肯定する作品です。 構成も文章もすばらしく、楽しく読めます。 ここ数年で読んだ小説の中で、一番感動しました。 | ||||
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こんな言い方をするのは何だが、初めての小説集にして最高傑作といえよう。文章もうまく、表現力も抜群。 「女による女のためのR-18文学賞」大賞は、エロい系官能小説の登龍門で、もちろん本書もセックスシーンはある。しかしそれだけに留まらず、青春や人生のままならなさ、男女間や家族間のすれ違いが鮮明に描かれ、最後には微かな希望が見えてくる。 しばらく本をじっと見ていたが、バカなことをしてても、我々人間は滑稽で愛おしいものだと思って眺めてたのだろう。ほんの少しでも、誰かを好きになりたい人には、ちょっとエグいけど、勧めたい。 | ||||
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衝撃的な面白さでした。5編の連作短編集です。 「女による…R18文学賞」大賞受賞作が第1話。これは、アニメオタクとか不妊治療とかの最先端素材を入れ込んだエロ話です。それなりに、ふーんと感心します。 だが、2話からが凄い。そこで出てきたキャラクターを中心視点人物に据え、それぞれの話をリンクさせ、一つの事象を深く深く作りこんでいきます。マザコン、ネット社会、体外受精、ひきこもり、新興宗教、児童虐待、ぼけ老人、児童性愛…そんな現代社会の課題が力まない形で素材になっています。日本アカデミー賞映画を3本続けて見た気分でした。 特に、「セイタカアワダチソウの空」はすごい。凄い、すっごーい。読み終わって、しばらく体中がしびれました。これは間違いなく高校生青春ストーリーのマスターピースの一つです。セックスなんて要素は全く出てきません。スポーツも関係ありません。でも、ここにはきらきら懸命に輝く青春の結晶があります。 「セイタカアワダチソウの空」を、だれか映画監督に読んでほしい。絶対に映像化したくなるはずです。 そもそも「ふがいない僕は空を見た」なんてすばらしい題名をつけられた時点で、作者の才能は間違いないんです。この題名と同じ言葉は、連作小説内のどこにも出てきません。音楽作品のアルバム・タイトルみたいなものです。そういうことからしても、一流ってわかるでしょ? | ||||
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久々に凄い新人(?)の作品を読みました。観察力。それを表現する力。組み立て。何をとっても凄いです。長編もいけるんではないかと思います。是非挑戦してください。 | ||||
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もともとは、2011年本屋大賞第2位ということで、手にした本書ですが、第24回山本周五郎賞(以下、Y賞という)を受賞していることも知りました。 しかし、一番意外だったのは、新潮社主催の「女による女のためのR−18文学賞」(以下、R賞という)なるものがあり、本書の第1短編【ミクマリ】が第8回受賞作であると知ったことです。 HPには、「世にエッチな小説は数あれど、その95パーセントは男性による男性向けのもの…女性が読んでもナチュラルに感じられる、エロティックな小説を読んでみたい、書いてみたい…諸姉諸嬢のために」創設されたとあります。 つまり、「性」がテーマの小説が対象となっているということ。 本書は、さきほどの第1短編に続き、【世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸】【2035年のオーガスム】【セイタカアワダチソウの空】【花粉・受粉】の4編が収録されていますが、確かにかなり多くの性描写を含む小説群となっています。 私は男ですが、じつのところ、性描写については、40代のオジサンとしては、取り立てて色めき立つようなものはありませんでした。 それよりも、私はR賞が【ミクマリ】での受賞であるのに対し、Y賞が5編から成る本書全体に与えられていることに注目しました。 【ミクマリ】は多くの部分が性描写で占められているのですが、1編ごとに性描写は減っていきます。代わりに増えていくのが、「妊娠・出産」と言った「生」に関する描写です。 私は著者が描きたかったのは、「性」ではなく、「生」であったと感じています。 R賞の性質上、【ミクマリ】は露骨な性描写が多くなったのに対し、次第に「生」を描く作風に変化していき、それが5編の作品全体のY賞受賞に繋がったのではないか、そんな気がしています。 いずれにせよ、ともすれば悲惨さだけが浮き立つようなところを、「希望」を感じさせる作品群に仕上げている、好印象な物語でした。 | ||||
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読み出しは確かに「女による女のためのR-18文学賞」受賞作品で 性描写が続く。 しかしテーマは性だけでなく、 人を思う気持ち、夫婦、嫁姑、親子、恋人と、 全編を通して登場人物が上手くつながっており、 作者の冷静な視線がどの人物に対しても陰日向なく降り注ぎ、 人間対人間で生まれる感情を描写している。 上手いな〜。 読みやすく、しかも思いが胸に残る。 面白いです。 どの章の主人公も応援したい気持ちになる。 | ||||
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2011本屋大賞の2位。 1位にはできませんよね・・・ 短編でつむぐ,この方法は,確かに読んでいてリズムは出るのだけれど,物足りなさは残る。「あぁ,もうちょっとここを・・・」 「あれ?ここは書かないの?」といった読後感はある。 リアルな描写が過ぎることで,それはそれで満足度が高いのだけれど,ほかの本を読むときに影響が出てしまう。これは読書だけに限らないのだけれど,リアルを追及されちゃうと,次には抽象的なものを読みたくなってくるのです。 この一人称で統一した本書は,とても切ない物語が詰まっています。 | ||||
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他のレビュアーの方も仰る通り、最後まで読んで下さい。“生”について深く考えさせられる本です。短編のどれも違う視点から描かれていて、違う価値観、立場をもって生きています。その生きるという必死さ、立ち向かおうとする様が丁寧に、時には荒々しく表現されている。特に最後の章は感動ものです。心に残る一冊でした。 しかし、なぜ星が5じゃないか。というと、文章表現力に甘さがあるからです。使い古された表現または解りにくさが随所に目立ちます。 視点(登場人物の目線にズームアップした状態)から少しずつズームダウンして周囲を見ていくため、視点の周囲の事柄がボヤけ気味。そこに重要な事柄が含まれていても同様。結果的に、感動に至らない部分も出てきます。 以上は減点せざるを得ないです。残念。 とは言え、本作が著者のデビュー作であるのだから、今後の活躍にも目が離せません。次回作にも期待大です! | ||||
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「本屋大賞2011」のノミネートで知った作品。 しかも、レビューの評価が高いので大賞受賞すると予想して購入。 完全にミーハー的な感じで申し訳ないです。 内容的には、予備知識が全くなく読み始めたので最初のエロ小説的展開には驚いたが、 結局は、現代社会での諸問題に巻き込まれて生きている人々が、 そのどうしようもない辛い現実を受け入れつつも、何とかして生きて行こうという姿を描いた作品といえる。 こう書くと、これまでも同様の作品があったので真新しさが無いように思えるが、 その人々を繋いで描く構成力と、主人公たちの冷めた目線を活用した文章力で勝負したという感じ。 特にこの目線は、辛い現実を諦めて受けいれているようにも、 でも心のほんの小さな部分で何とか打開したいと考えているようにも取れる描き方で、非常に秀逸だと感じた。 「本屋大賞」を取るか、上位入賞で話題となるでしょう。 映画化、といういつもの展開になるかもしれない・・・。 | ||||
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誰一人とっても特別な存在ではなく,特別な言葉もなく,ありふれた,小さく,哀しく,そして暖かい人たち.その世界に引き込まれます.構成も素晴らしい.読後感はとてもいい小説です.短い言葉で語ることの出来ない世界があります. | ||||
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出だしだけを読むとただのエロ小説かと思いますが、連作を読み進むうちに エロが人間の性に変わり、性が生に変わる。 人間の命の誕生が最後に書かれていて気がつくと感動してました。 本屋大賞の大穴候補だ。 | ||||
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2か月前に1度、第1章だけ読んで、止めました。 第1章がスゲーエグいし、ただのエロ小説かそっち系の同人かみたいな感じだったので。 でも、「やっぱ読んでみよう」と思わせる何かがありました。 筆力とかうまいとかいうより、決して激しくなく、しかし強い情熱のようなものが。 そしてもう1度最初から読んでみました。駄作覚悟で。 そしたら!!! 「2035年のオーガズム」あたりから、グイグイ引き込まれて、最後の章は泣いた。 本当に良かった。 ただ、1つだけ疑問。 R-18って、「ミクマリ」だけで取ったんでしょ? それはちょっと(^^ゞ | ||||
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一般文芸からライトノベルまでジャンルを問わず読んでいこうと思っている中、 「R−18」作品は初チャレンジ! ホント面白かったです! セイダカに出てくる田岡さん(?)のキャラクター・生き方が最高。 5つの短編からなる1冊だけど、こういう構成も自分的には好み。 音楽配信全盛の中、アルバム作りって言葉が空洞化しているって聞いたことあるけど、 やっぱり昔から好きなアルバムってあるもんね。 この「アルバム」はオススメです!!! | ||||
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久々に「あたり」の小説に出会いました。 やはり、R-18文学賞は、レベルが高いですね〜。 この作者にも、才能を感じました。 ある地方都市の高校生やそれを取り巻く人々を描く連作小説でしたが、どの章も 切り口が違った形で活きていて、すばらしかったです。 最後のお話もよかったし、終わり方もすべてよしでした。 | ||||
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豊島ミホを思い浮かべながら新人の文学賞受賞作品として読み進めていたら、途中からこれほどの筆力の持ち主とはいったい何者なのだとある種の畏れを抱きながら貪るように一気に読了してしまった。「R−18」大賞は何作か読んでいるが、出し入れの恍惚感を生じたのは本作が初めてでした。事前知識がないままに読んだので、冒頭の掌編に近い受賞作のあと、話者を変えて連作短篇という形で物語が発展していったことに驚いた。そういえば、この物語に対する私ののめり込み様は天童荒太の「永遠の仔」を彷彿とさせた。現代日本ってなんて暗澹たる世界なんだろうと途方に暮れた。村上龍の「ラブ&ポップ」でも途方に暮れたなあ。そうするとかなり特異なかたちで日本はさらに十数年も深化し続けているのだなと空を見上げた。雨が降っていて眼鏡が濡れた。タイトルも装丁も秀逸で二作目が非常に楽しみです。リウ先生の言葉を噛み締めて私はアブノーマルだけれど、とりあえず前に進まなくてはならない。 | ||||
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一気に読みました。 おもしろかったというか、すごくパワーを持った小説です。 湊かなえの「告白」よりも衝撃的でした。あちらも衝撃的だったのですが、なんともいえない後味の悪さの凄まじさに衝撃を受けたのに対し この作品は闇の中の光のようなものの描き方に救いを得ました。 性行為の描写はエロ小説以上、そして次から次へと登場するどうしようもない世界。 そんな世の中へでも、生まれてこようとする新しい命の手伝いをすると言い切った強さ。 すごい小説です。 復讐に燃える不倫妻の夫を最後の章の主人公にしなかったのが、良かった。 | ||||
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最近の新人作家のデビュー作では、『桐嶋、部活やめるってよ』に並んでよかった。 R-18でデビューした人なので受賞作はエロスたっぷりだけれど、全編に妊娠・出産という大きなテーマが通底していて、なんともいえない感動がある。 河瀬監督の映画「沙羅双樹」と西川美和さんの「きのうの神さま」を彷彿とさせるタッチでした。 読み終わって、「女は強し・・・!」と思う。 | ||||
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