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湖中の女(水底の女)
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【この小説が収録されている参考書籍】
湖中の女(水底の女)の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.37pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全46件 1~20 1/3ページ
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快調なだけでなく、時に丁寧な描写も光る田中小実昌訳。変なインテリ臭に付き合う必要無く、読んでいて楽しい。 | ||||
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幸運にもというべきか、村上春樹訳以外の翻訳を読んでいない世代なので、このマーロウシリーズを、オリジナルの発刊順に、すべて新訳で読んでいます。 訳者のあとがきにもあるように、アンクレットやトウシューズなど、いくつか「?」となる点があります。あ、あとがきはネタバレしてるので、最後に読みましょう。 またこれも訳者あとがきの指摘の通り、マーロウたちが序盤で湖に沈んだ女性の死体を発見するところで、私も「おや?」と思いました。ラストにこの伏線を回収するのですが、まあ、なんというか。 しかし、その点を加味しても、本書はハードボイルドの美点を抑えている(もともとチャンドラーが作った型ですもんね)良書だと思います。 例によって、態度がデカい金持ちの依頼人、美しい女性、いろんな意味でタフな警察官、意味深なことをいう脇役と、フルコースです。十分に楽しめました。 残すところ、あと「リトルシスター」と「プレイバック」の2冊です。 楽しみに読みたいと思います。 | ||||
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リトルシスターとさらば愛しき人から読み始めて、最後に七作目に水底の女を読みました。私立探偵フィリップ・マウローが依頼されて捜査を始めると次々に殺人に出会い、地元警察官に痛めつけられながら、捜査を進める。この基本構成は、七作とも同じ。依頼者は、金持ちが多く傲慢で、マウローと出会う警官は、皆暴力的でマウローを痛めつける。ロサンゼルス市警察の殺人課刑事は、マウローを利用して捜査をすすめるが、複数の殺人事件をマウローが足で稼ぐ捜査により出会う人から情報を得て解決していく。 水底の人では、看護師ミルドレッド ハヴイラントが、アラモア医師の妻フローレンス、依頼者キングスリーの妻クリスタル、その愛人レバリーを殺害する。事故死と判断されたフローレンス事件と行方不明になつたクリスタルと水死とされたミセスフォールブック(実はクリスタル)をマウローは結び付ける。その間に依頼者、レバリー、バンガロー管理人、警官、殺人課警部とかわすマウローの台詞が、なかなかに楽しめます。最終章でマウローが推理してしまいます。読者が途中推理する楽しみがあれば、⭐️5なのですが。このシリーズは、探偵小説ですが、推理小説ではありません。 | ||||
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村上春樹の文章は、こういうのから来たんだ マーロウ、うしろから頭どやされすぎ 少女漫画で主人公が倒れるところをイケメンに助けられるなみの回数どつかれてる 松本清張とかいろんな昭和のサスペンスが影響うけたんだろうなと思わせる ゴーンガールなんかもたぶんこういうのが下敷きなのかも | ||||
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いつものように、芋づる式に、絡み合った事件を追っていくマーロウ。筋を通す奴。そのために痛い目に会うが。それもいつものこと。何かと戦っているんだなあ。 | ||||
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或る会社経営者から、行方知らずになって一ヶ月になる妻を探す様に依頼された主人公 私立探偵フィリップ・マーロウ。彼女の最後の手がかりは、エルパソから送ってきた電報で、「メキシコデ離婚スルタメ国境ヲコエル クリスト結婚スル」という内容だった。まず、クリスの家を訪問するマーロウは、侮蔑的な態度を見せるハンサムに、タイトルの言葉を返すのだった。 クリスから、とっくに女とは縁を切ったと話され、次に、彼女のエルパソの前の消息先であるピューマ・ポイントの山の上、湖の傍にあるキャビンへと向かったマーロウは、キャビンの管理人であるビル・チェスと喧嘩をしたビルの妻も同じ頃合いに消息を絶ったことを知る。そして、二人は偶然湖の中に沈んだ女の死体を発見する。 そんな始まりを見せる本書は、レイモンド・チャンドラーの四作目の長編である。 他の長編作と同様、『ベイ・シティ・ブルース』、『湖中の女』といった短編を下敷きにしている。 この後も、マーロウの行く先々でトラブルや殺人が重ねられていくのだが、本作でもまた、前作までとは異なる雰囲気を感じる。 前作『高い窓』では、暴力性が抑えられ、シャープな会話劇となっており、洒落た比喩と心理描写が強調され、また、マーロウも感傷的に見えた。 本作でも、ギャングの類いは出番が無いし、登場人物は、一般市民が半分、五分の一が山の警官、残りがベイ・シティの警官で、やはり暴力性は低い。会話に紙面を大きく割いているのも前作と同様であるが、ムードは全く異なる。ジッとした、派手さの無い文体で、どこか地を這う様な重さを持つ。 マーロウもどことなく沈鬱というか、静かで何を考えているか判らず、読者をも混乱させる。 作品の時代背景が、第二次世界大戦の最中であり、ヒステリックにではないが、作中にも戦時中を示す表現も出てくる。そんな不安定な世の中であったことが影響しているのかもしれない。 チャンドラー自身、精神的に決して良い時代ではなかったのだろう。 | ||||
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一人の女性の遺体が 湖の底から発見され 物語が複雑化していく ミステリーだが 謎がそこまでメインではなく 物語自体の内容は 淡々としている。 それよりも 一行一行 行間と行間にある 一文一文の美しさ かっこよさ。 そのかっこよさは儚くもすぐ消え 答え無き。終わり無き。 主人公の目に映るものの現実 主人公の行動の描写がそのまま サイレントな心情になっている。 そしてあまりにも冷たい無力感。空虚。 なのになぜ激しい。 そして読了後すぐ内容を忘れる。 なのに強烈な刺激が残る。 | ||||
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「ロング・グッドバイ」を読んだ後なので、少し迫力とわくわく感に欠けているように感じましたが、素晴らしい作品でした。 | ||||
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歳を重ねて数十年ぶりにあらためて読んでみましたが、マーロウの優しさがわかる物語でしたね。 | ||||
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最高です | ||||
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レイモンド・チャンドラーによる〈私立探偵フィリップ・マーロウ〉シリーズ4作目“THE LADY IN THE LAKE”(1943)の新訳版。訳書としては、村上春樹による新訳〈マーロウ〉シリーズの末尾を飾ります。 チャンドラー作品にしてはめずらしく、読了後にあらすじを簡単に言えるくらいシンプル。チャンドラーはもともと「巧みなプロット」とは縁遠い作家ですし、いつも物語のたたみ方が強引ですが、プロットがシンプルな分、物語のたたみ方がより目立つ作品です。 くわえて全体的にキャラクターの造形が彫り込み不足という印象。チャンドラー世界の住人特有の魅力に欠けています。エゴ、傲慢さ、虚栄心、執着などの人間の醜さや愚かしさをキャラクターへと、ときに冷徹に、ときにユーモラスに描きこんでいく筆致に、いつもより冴えが見られません。女性キャラクターは総じて書割的とまで言っていいかもしれません。 それでも完成までにかなり苦労した作品だったようなので、仕方がないところでしょうか。とはいえ、イメージを鮮やかに喚起し、チャンドラー作品を読んでいるという実感を強く感じられる描写になんども出会えます。ウィットやアイロニーたっぷりの会話の妙も堪能できます。 訳者があとがきで言及しているように、歴史的な視座をもって「準古典文学作品」として評価すれば、つまり「ミステリー」というジャンルの枠を取り払い、ひとりの文学作家の作品群のひとつとして読めば、多少の瑕疵は気にならないでしょう。 本作のマーロウは譲れないモラルや矜恃をうちに秘めつつ、ヒロイズムを抑え、誰にも肩入れせず、淡々と事態を観察しています。あらためて新訳で読み直してみると、その視点は、「ハードボイルド御三家」のひとりロス・マクドナルドの〈私立探偵リュウ・アーチャー〉シリーズにおける「社会の観察者」としての視点へと受け継がれていくのかなとも思いました。 | ||||
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未だに<ハメット、チャンドラー、ロス・マクドナルド・スクール>という言葉には反応します。「読書の楽しさ」はそこから学んだと言っても過言ではありません。 清水俊二さん訳の「湖中の女」を読んだのは遥か昔ですが、今回、「水底の女 "The Lady in the Lake"」(レイモンド・チャンドラー ハヤカワ・ミステリ文庫)を読んでみました。 フィリップ・マーロウは化粧品会社の経営者ドレイス・キングズリーに呼ばれ、”ちゃらい”男と駆け落ちした妻の行方を捜してほしいと依頼されます。キングスリーのキャビンのあるリトル・フォーン湖にたどり着いたマーロウは、水底に沈む女性の死体と出くわすことになります。ストーリーは特に話す必要はないですね。しっかりとその「パズラー」としての趣を持っています。村上春樹さんの「訳者あとがき」も楽しく読むことができました。 アルモア医師とその妻に纏わる過去の事件の「ぎこちなさ」とピューマ・ポイント報知の女性記者の突然の登場が不思議だと感じたりもしましたが、今となればそれはそれでとても味わい深いと思います。途中までストーリーの詳細は忘れてしまっていましたが、「フォールブルック」を名乗るレイヴァリー宅の大家が登場した段階で、物語が蘇りました。大切なポイントは、忘れないものなのだと思います(笑) 無駄のないマーロウの会話、ピューマ・ポイントの自然描写、ブラックジャック、ベイシティの悪徳警官、「依頼人を最後まで守る」という規範。「私立探偵小説」のすべてがここにはあって、そして特に必要なものがこの物語を覆い尽くしていますね。それは、この宇宙でチャンドラーにしか決して生み出しえないもの。遥か彼方にあるどうしようもないほどの「憂い」。 | ||||
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事件の様相はぐるぐるまわって、結局このトリックになっちゃたわけか、それにしても登場人物のクリス・レイヴァリーには偶然の要素が多すぎるかもね。気の利いたセリフやじんわりと情景を感じさせてくれる文章で、次々とページを繰っていくことができたので、まあ面白かった。後書きで村上春樹が、この小説では溌溂としていない冷静なフィリップ・マーロウだといっていて、確かにそんな感じだが、いいのか悪いのかは、「ロンググットバイ」を読んでから決めよう。 | ||||
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他の作品のマーロウより口が固く、距離を置いているように見える。また、トリックも浅いところもある。でもそれでもとてもおもしろい。 | ||||
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カリフォルニアが舞台なのが良い。 熱帯都市の興奮と倦怠。森の奥の避暑地には女の沈む湖がある。 読んでいると旅行をしている気分になる小説。 | ||||
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評者は、このところレイモンド・チャンドラー全作を再読することにして読んできた。 ランダムで読んできたのだが、今回は『湖中の女』(1943年)を読むことにした。 評者にとって何十年ぶりの再読だからストーリーなどは憶えていないから初めて読むよう楽しむことができた。 アメリカの有名な推理小説家であるヴァン・ダインの二十則のなかの一つに、「余計な情景描写や、脇道に逸れた文学的な饒舌は省くべきである。」と述べているが、チャンドラーは、マーロウが捜査現場へ車で向かう度に、情景描写や心象風景を一人語りしているスタイルを固辞している。 それが「余計な情景描写や、脇道に逸れた文学的な饒舌」などでないことは確かである。 本書でも依頼人のキングスリーの保有するリトル・フオーン湖のキャビンに向かうところで、かならず通り過ぎる街や道路、眺める景色など描写している。 例えばカリフォルニア州フットヒル・ブルーバードなどこと細かに描写しているから、ついどんなところだろうとネットで調べてしまった。 だが、チャンドラーは、街などや地名を置き換えて描いている場合もあるから真に受けて読んでいては騙されてしまうから要注意である。 チャンドラーが本作を書いている1943年には太平洋戦争が始まった初期だから、作中にもそれとなく戦時をうかがわせる記述がある。 ピューマ湖ダムは両端と中央に銃を持った警備兵がいるとか、港湾地区の灯火管制はまだ始まっていなかった頃だった、などと描写していている。 ヴァン・ダインの二十則の一番目に「事件の謎を解く手がかりは、全て明白に記述されていなくてはならない。」としているが、チャンドラーは、本書『湖中の女』でも事件の謎を解く手がかりを必ず記述している。 少しネタバレになるが、女たらしのクリス・レイバリーの家の前に医師のアルバート・アルモアの住まいがあったり、アルモアがマーロウを必要以上に警戒して疑うところや、キングスリー夫人のクリスタルとキャビンの管理人ビル・チェスの妻ミリェルが髪の色や背格好が似ているなどを読者に布石しているからである。 手練れのミステリ読みなら、ここでピンとくるから、その後の粗筋を読めてしまうだろう。 が、チャンドラーの上手さは、そこへ行き着くまで読者を楽しませるところなのである。 チャンドラーの流れるような文章を、卓抜した清水俊二氏の訳に負うところ大だと思いながら『湖中の女』を読み終えました。 | ||||
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終戦前の1943年に上梓されたチャンドラーの全7長編中の4番目の55才の時の作品。 女を虜にする男。男を手玉にとる性悪な男女とそれに対比するかのように刑事らの良心を描いたミステリの佳作でした。 巻末で村上春樹さんが解説しているように日本との戦時中であることが伺えるシーンがちりばめられており、時代を感じることのできる貴重な小説でもありました。 | ||||
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村上春樹さんによるチャンドラー長編小説の翻訳もこれが最後。 第二次世界大戦中のカルフォルニアが舞台。ダムを防衛する州兵、合成ゴムが大量に生産される前ということもあって徴用されるゴムなど、戦時中ということがわかる部分もあるが、基本的にマーロウものの雰囲気は戦前、戦中、戦後を通じて変わらない。 《医師というのはだいたいにおいて他人にはほとんど好奇心を抱かない人種であるからだ》(p.39)、《太陽は朝には年代物のシェリー酒のように軽くドライになり、真っ昼間には燃えさかる火炉のように熱くなり、黄昏時には怒った煉瓦となって沈んでいく》(p.343)などの人物、風景描写は相変わらず素晴らしい。 それにしても、旧版ではまったく触れられていなかった複雑な警察制度は、なぜこんな風になったのか、ということも含めて知りたくなるほど面白い。そして『ロング・グッドバイ』などにも通じる麻薬医者(ドープ・ドクター)の存在も。 07年の『ロング・グッドバイ』から10年かけて7作を翻訳しおえた村上さんはチャンドラー・ロスになりそうだ、と後書きに書いているけど、読者としては村上春樹訳のチャンドラー・ロスになりそうです。 フィッツジェラルドのように短編の翻訳も読みたいんですが、やってくれないかな。 | ||||
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村上春樹新訳が出るたびに読んできたけど、チャンドラーのフィリップ・マーロウものはこれで最後!全7作を訳し終えて、なんで、清水訳&田中訳があるのに自身で新しい翻訳を出そうと思ったのか、その理由が、訳者あとがきに書かれている、ここを読むのはなかなか興味深い。 で、この「水底の女」を翻訳の最後に回した理由も書かれているが、なにしろ、この作品、読者が読んでいても感じるように、よくわからない。プロットがそこそこええ加減になっているので、翻訳もしずらかったらしい、気が乗らないっちゅうか‥‥ で、これが最後のマーロウものなんだけど、村上のみならず、多くの読者が、チャンドラー・ロスになりませぬように・・・・・これからは、いままでの翻訳を読み返してみるというお楽しみは残っていますけどね。 ああ、この「水底の女」、個人的にはなかなか面白かったです。いろんなキャラクターが出てきてね。 | ||||
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最近の春樹氏の翻訳は、表現にこだわり過ぎなのか、ストレートに響かない。 | ||||
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