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抱く女
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抱く女の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.28pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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つい先日の文庫化を機に奇しくも吉祥寺ロンロン2Fの書店で購入しました。 内容知らなかったんですけど、家で本を開いて「さっきまでそこに居たけど!」って思いました。 一読しただけでよくわからなかったので★は3つにしておきます。 何度も読み返せばまた変わってくるかもしれません。 自ら選んだつもりが選ばされている。って階級社会における弱者あるあるじゃないですか? リベラルの文脈ですらナチュラルに排除されている女性が男性にとって 自ら進んでいわゆる「都合のいい女」化するような振る舞いをしてしまうのは無理からぬことでしょう。 特に若い女性なんかはそうだと思います。 子供とかもそうかな、大人の期待してる振る舞いを意識しちゃうのに似てる。 だから排除と言っても「女は土俵に上がるな!」というような排除ではないんですけどね。 その場所にも居て関わって、なんなら何かに従事もしてるんですけどね。 男は女を体としか見ていなくて要するに「魂の容れ物としてみていない」といったような記述が 桐野氏の「OUT」にも登場しますがここでの排除ってそういうことです。 なかなか気づき難いと思うのですが、これも排除のひとつです。 学生運動をモチーフにした作品といえば つかこうへい氏の舞台作品 飛龍伝(1974初演年)が有名ですが あの作品でも女性は女性としての貢献を求められるんですよね。 神林美智子なんて、全共闘40万のトップになってるっつうのに どこまで行っても、女は女、女女女、、、 そんな中で神林美智子が自衛隊と恋をするなんて飛龍伝は本当にすごい設定です。 思い出しただけで涙を禁じ得ません。 やはり人間は熱く生きて熱く死ぬべきなのでしょうか。 場所わきまえず恋なんかするからだろ、と言われそうですが、 別に恋をしたっていいじゃないですか、場所わきまえず発情してるのはむしろ男性に多い。 話を戻しますと桐野氏の「OUT」では「自由」がキーワードになっているのですが、 このクソみたいな階級社会における女性の自由とは・・・ 社会規範や道徳を超越した世界にしか女性の自由はないのかもしれない、 という示唆を与えてもらったような気がします。 (そうでないと階級社会を背景にする理由がないように思えますので) ただ、あの作品で描かれている圧倒的暴力は到底無視できるものではないので そこは別の機会に考えてまいります。 かなり話がそれました。 本書だけではなかなかなんとも言い難いのでついそれてしまいました。 本書のラストにおいての直子の意思決定、 他の方がどう受け止めたのか気になってレビューを読んでみましたら 好ましくないと受け止める方も散見され私も共感しました。 でももしかしたら、その考えこそが規範にとらわれてるし 旧態依然とした昔のおばさんおじさんPTAチックな感じで 桐野氏の読者っぽくないなぁっていうことに逆説的に気づかされましたね。 人がどうしようと良いじゃんね別に。 ----- 単行本 単行本 つかこうへい | ||||
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抱く女と言う題名から、自立したリブを想像してたし、学生運動の時代の話かと 思っていたが、この主人公はそこまでの大志もなく、ただ遊び呆けてるだけ。 下半身が緩い、フリーセックスのはしりと言うだけの残念なヒロイン。 せっかくの親の苦労も考えず、男を追って大学も辞めると言う結末は、 内容もなく、得る物もない。期待はずれだったなと思う。 | ||||
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自分の中にある熱を持て余していたが、放出できる居場所を見つけるまでの主人公直子を描いているので、作品はずっと苛々して鬱積している。 これが若さなのかもしれないが、1972年の時代背景として出てくる雀荘、ジャズ喫茶、学生運動の様子と、直子の嗅ぎ回る有様に映る姿が重苦しい。 桐野作品に度々取り上げられる性は、直子が泉に言った台詞「男が自分を欲していることで、自分という女が成り立っているような錯覚を起こすんだよね。アイデンティティを確認してるのかしら」に桐野持論を再確認させられた。 | ||||
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連合赤軍とか遠山美枝子の名前が出るけど、どうせなら 「グロテスク」や「残虐記」のようにあのリンチ事件を真正面から題材にして 欲しいと思うのは私だけでしょうか。映像界では若松浩二監督がやった。 文壇でやれるのはあなたでしょ、と言いたい。 かつてのヒリヒリするような乾いた文体で女性の立場からあの総括の空虚さ、 内ゲバの恐怖を描いて欲しいし是非読みたい。 それが出来るのは桐野夏生しかいないと思うのだが如何でしょう。 本編は面白かった。私は80年代~90年代に青春を送った人間だけど全てが商業化された 自分の世代のメディアが大嫌いで70年代に想いを馳せ,数少なったジャズ喫茶にも通ったクチなので 当時の雰囲気とか本当によく出てると思う。 でもここ3.4作くらいか、なんか軽いですよ桐野作品。全部読んでるから最近は 命削ってないのがよくわかります。ヒリヒリしないもの。 | ||||
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青春時代を70年代に過ごした20歳の直子の青春小説。 この時代の社会情勢をふんだんに取り入れ、社会や家族への反発も抱えながら、当時の若者にとっての生きにくさや葛藤がよく描かれ、学生たちの生活の情景が浮かぶようです。一方で、親に甘え好き勝手に怠惰な生活を送っている女子学生のお話だけという気もします。 桐野夏生氏のファンとしては楽しめますが、ただ単に面白いかどうかに関しては微妙だと思います。 | ||||
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直子は私の親とほぼ同世代で、私は生まれてもいない頃のお話ですが、 街の様子や学生達のスタイルが丁寧に描写されてあり、 当時の灰色っぽい世の中の様子がしっかりと目に浮かびます。 今の時代の若者に比べれば、 この時代の若者の方が確実にしっかりとした主張は持っていただろうし、 生命力にもあふれていたのではないかと思います。 厳しい時代であっただろうけど、馬鹿や無茶をするのも若さ故のこと。若さだけでなんでもできた時代なのでしょう。 だけど、直子のようにはっきりとした夢や理想もなく、ただなんとなく生きてる女の子にとってはとても生きにくい時代だったでしょうね。 スムーズに読めたわりに作品の世界観にのめり込めなかったのは、 主人公に魅力がなかったからかもしれません。 これこそが当時の若い女の子の等身大の姿なのかもしれないけど、ぼんやり流されているようにしか見えません。 彼女は深田と出会い、運命の恋をしたように思っているようだけど、 今の時点ではただカラダでつながってるだけだし、これもすぐにダメになるんじゃないかなぁ。 何か一つでもいいから、この子に熱いものを感じられたら違っていたかも。 桐野さんの作品としてはかなり異色な題材でしたが、 私はいつものようなダークでエグい桐野ワールドのほうが好きですね。 | ||||
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