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刑事マルティン・ベック 煙に消えた男(蒸発した男)
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刑事マルティン・ベック 煙に消えた男(蒸発した男)の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.13pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全15件 1~15 1/1ページ
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せっかくこれから休暇だというのに、事件。 しかも非常に含みの多い条件付きの行方不明事件である。 ベックの妻に嫌味を言われるのみ無理はない。 事件の舞台になるのはハンガリー。小説の書かれた当時のハンガリーは今とは比較にならないくらいの社会主義国。初めから困難が予想される状況である。しかも、ベックは常に誰かに見られているような感覚を持つ。 小説の中では、いつも登場人物が脇役に至るまで生き生きと動いている。特にベックの同僚たちは一際個性的である。 だから、ベックシリーズは古くならない。 | ||||
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シリーズ第2作。時は冷戦の真っただ中。主人公ベックはせっかくの家族との夏休みに入った途端に呼び返されてハンガリー・ブダペストに派遣される。姿を消したスウェーデンのジャーナリストを探すことが任務である。なんの手がかりもない、助けもない状態で捜査ははじまるが、という話。ストーリーも意外性があるが、何よりブダペストの街の描写が素晴らしい。私がブダペストに行ったのは2010年代で本作とは半世紀の差があるけれど、それでも「そうそう、そうだったな」と思い出すことが多い。暑さとか、ダニューブ(ドナウ)川に架かる橋とか、遊覧船とか、市内の温泉とか、グラーシュとか。当時はもっと「古都」という感じだったのだろうけれど。 最後のベックの言葉が余韻を残す。刑事は「因果な商売」だな。 | ||||
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面白いので全巻持っています。訳もこの方が好みです。 | ||||
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スウェーデン警察大河小説2作目、66年作。主な舞台はハンガリーのブダペスト。失踪したジャーナリストの行方を追うベックら。今回もブダペスト、ストックホルム、そしてマルメ、エーレ海峡の画像や地図を引き比べ読了。 そしてやはり刑事というもの、家族や人心との軋轢が織り込まれて滋味深い。1作目のアールベリみたいにベックと心通わすハンガリー警察のある人とのやりとりがいいなあ。 解説が秀逸。同じころに一世を風靡したフレデリック・フォーサイスについてこの作者が語る。本作は1作目、3作目と異なり諜報の空気もあるが、志向が違うとこうも違う。そしてやや推理もののテイストもある。3作目のスピード感あるサスペンス造成とやや異なる感じだ。 しかし、作者の狙いは謎解きにあるのではなく、人間を描くこと、人間を通じた社会の営み、病を描くことにあるのはあきらかだと思う。実直に描写を重ね、北欧や刑事、ひいては人間のありよう、佇まいに帰着する。 1977年角川文庫版 高見浩=訳(英語版からの翻訳) | ||||
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大変満足しています。 | ||||
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料理、酒、出てくるものを、その都度調べる。美味そう。ほとんど本筋とは関係ない。これは、イアン フレミングの蘊蓄と一緒。旅行への憧憬をかきたたせる。 楽しかった。 捜査は? まあねえ。 | ||||
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マイ・シューヴァル/ペール・ヴァールー夫妻のマルティン・ベック警視シリーズ の二作目『蒸発した男』を読むことにした。 ランダムで一作目の『ロセアンナ』から五作目『消えた消防車』まで読んだことになる。 マイクル・コナリーのリーガルサスペンス『罪責の神々』を、読み終えたばかりでマルティン・ベック警視シリーズの二作目『蒸発した男』を、読み始めたらストーリー展開の時間の流れがまったくゆったりしていて違和感を覚えた。 が、読み進むうちにマルティン・ベック警部(この二作目ではまだ警部だった)に感情移入することになってくる。 本書の訳者の高見浩氏が「あとがき」で書いていたことが興味深い逸話なので下の・・・・・内に引用したい。 ・・・・・ フレデリック・フォーサイスをどう思いますか、とマイ・シューヴァルたずねたことがある。 ――とても読ませる作家ね。 というのが、シューヴァル夫人の答えだった。 ――でも、わたしたちとは興味の対象がちがうわ。わたしたちが普通の人間に執着するところを、彼は特別な人間に執着しているでしょう。 とも言った。 マルティン・ベック・シリーズの面目が簡潔に要約されている、いい言葉だと思う。 ・・・・・ たしかにこのマルティン・ベック・シリーズの魅力のなかにはスエーデンの普通の警察官たちの生の姿を描いているところであろう。 二作目の『蒸発した男』は、少し趣が異なりベック警部が捜査する舞台はハンガリーのブタペストである。 ストックホルムのルポ・ライターのアルフ・マトソンが取材で訪れたブタペストで消息を絶ってしまった。 休暇を家族と過ごしていたベックは、上司のハンマルに急遽呼び出され外務省から特別捜査で単身ブタペストへ向かうことになる。 訳者の高見浩氏が「あとがき」で記述していたから知ったのだが、第二次大戦後の1945年に、ヴァレンべリという著名なスエーデン人がブタペストで行方を絶った事件があり、20年後の1965年に、そのドキュメンタリー・タッチでさるプロダクションが映画化される企画をした。 その脚本の就筆を依頼されたのがマイ・シューヴァル/ペール・ヴァールー夫妻だったのである。 この企画は、ヴァレンべリの母親から強硬な抗議があり映画化はされなかった。 この事件の背景取材でマイ・シューヴァル/ペール・ヴァールー夫妻がブタペストへ一月も滞在したことがあり、本書のなかでブタペストの描写が緻密なのが理解することができた。 評者は、このストーリーを読みながら、なぜ忽然とこのルポ・ライターのアルフ・マトソン消えたのかのトリックの謎解きをしてしまったのです。 が、『蒸発した男』を読み進むことに倦むことなどなく楽しく読み終えたのです。 このシリーズに欠かせないキャラクターであるクリスチャン巡査とクヴァント巡査のコンビの無線パトロールカーが登場することを蛇足ながら追記しておきたい。(P231) | ||||
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凄く古い時代の北欧の様子が新鮮で思わず世界地図を広げてみたくなりました、それとは別に犯人にたどり着くまでの過程がなかなか複雑で最後まで一気に読みました。 | ||||
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マルティン・ベック シリーズ、全10冊のうち5冊までしか再刊されないというのは残念ですね。残りの5冊も早期の再刊が望まれます。 | ||||
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スウェーデン警察のマルティン・ベックの元にハンガリーで消えたジャーナリストの捜索を命じる報が入り・・・というお話。 書かれたのが66年で今から50年くらい経っているので、ゼロ年代以降のミステリ・ファンにはありきたりの警察小説に思えるかもしれませんが、その「ありきたり」になった要因に本シリーズの成功が絶対に挙げられるので、歴史的意義だけでも読むべきだと思います。 まだ東欧が民主化等ほど遠い、ありえないと思われていた頃の東側の寒々とした雰囲気は今読んでも臨場感があり、実際に取材で現地に行ったという著者の元ジャーナリストという出自が本書の成功の鍵になっていると思いました。 訳者あとがきに、まだ存命のマイさんのインタビューが載っておりますが、87分署シリーズからの影響はない、マルティン・ベックに外面的なモデルはいたが、人格は創作等興味深い発言があって面白かったです。 解説の吉野氏も書いてらっしゃいますが、ゾラとかバルザックが普通の小説でやろうとした事を、このシリーズの場合警察小説や犯罪小説の枠組みでやろうとしたとの事で、出来れば一作目から順に読んだ方が面白さが増すと思います。なので、なるべく発表年代順に読む事をお勧めしておきます。 余談ですが、いつだったか憶えていませんが、それまで暫く絶版だったこのシリーズの文庫が唐突にコンビニに並んでいるのを見て魂消た事がありました。どういう事情か判りませんがそれでシリーズの文庫を揃えた記憶があります。面白いという事で復刊されたのかもしれませんが、唐突だったので少し驚きました。時代が変遷してもいい物は復活するという事でしょうか。 警察小説の金字塔といえるシリーズ第2作。機会があったら是非(できればシリーズ順に)。 | ||||
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作品レビューを読んで、シリーズ後半をぜひ読みたいと思って購入しました。 最近の北欧小説に比べれば派手な事件やアクションがあるわけではありませんが、 知らなかった北欧が垣間見られて好きなシリーズです。 中古品のため傷み・ヤケ・シミ・ヨゴレ等あるとのことでしたが、 平成5年発行の本にしては綺麗だと思いました。 | ||||
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マルティン・ベックシリーズは間違いなくは名作である。 いつまでも色あせない。 「いやほどよく色褪せている」と言ったほうがいいか。 今回の舞台であるハンガリーも非常に丁寧に描写してあり、その時代の風景が興味深かった。 謎解きそのものは後半で予想がついてしまったが、謎解きを上回る物語の面白さがある。 ただ、マルティン・ベック像は自分のイメージと違っている。 小説よりも先に、ずっと昔に見た「マシンガン・パニック」のウォルター・マッソーの皺くちゃ爺さんのイメージが強すぎて、、、 | ||||
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「ロセアンナ」はまあまあだったが、これは途中でギブアップ。 話の展開がゆるく、ボリュームもなく、柳沢さんの訳でもだめでした。やはり古いんでしょうね。 | ||||
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冷戦期の話ですが、当時ならではのエピソードもあり、楽しく読めた。 シリーズ他作品の刑事群衆劇より主人公にスポットが当たる部分が大きいですので、そこは好き好きでしょうか。 | ||||
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マルティン・ベックものの第二作。共産党統治下のハンガリーで失踪した、ジャーナリストの行方を追ってマルティン・ベックが異国で捜査を展開する一編だが、エスピオナージュのような雰囲気を盛り込もうとしたのかもしれないが、特に共産圏という緊張感もなく、捜査も異国だけあってさしたることもできず、狙いどころがよくわからないものとなっている。紹介文の「傑作」という語は明かに過大評価である。 | ||||
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