■スポンサードリンク
荊の城
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
荊の城の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.05pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全45件 21~40 2/3ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
三部構成に分かれた同書だが、個人的に一番おもしろく読めたのは第一章のエンディング~第一巻の終わりまで。 何故かミステリーの本として人気が高いようだし、読みようによってはミステリーと言えるようにも思うのだけれど、これがミステリーなら24もミステリーでしょう、という感じ。 とはいえ、上巻は比較的面白く読めたので☆4個です | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最初は、あまり教養のない貧民街出身でスリの少女スーザンの視点から語られているため、どうしても言葉使いが単純でブツ切れのようになっていて、少し読みにくいと思いました。この調子で最後まで行くのか?と危ぶんでいたら、途中で1人称で語る人物が変わるため文体も変わります。上巻の真ん中あたりから次から次へと展開が予想外に二転三転、えっいったいどうなるの?ええ?そうくるか・・・と思いながら読み出したら止まらなくなって、上巻に続いて下巻も一気読みしてしまいました。8時間くらいぶっ続けで読んでいたのかも(^^;。 ものすごい階級差のあった社会、ごみごみしたロンドンの雰囲気、切り裂きジャックが跋扈し、エレファントマンやロボトミーなどが話題になったいびつで怪しいヴィクトリア朝時代のイギリスの雰囲気が大変よく出ています。 漠然とゴシックロマンスかと思って読み出したのですが、ジャンル分けがむずかしい小説ですね。ミステリよりはむしろ一般小説の側に傾いているかも・・・謎解きではなくてサスペンス要素が強いです。今やクラシックの域に入るデュ・モーリアの「レベッカ」や「レイチェル」を思い出しました。 この作者の小説を読むのはこれが初めてで、作者がカミングアウトしたレズビアンだということを後になって知りました。処女作の「半神」はまだ読んでいませんが、そちらにもそういう描写が出てくるそうですね。なぜかふと頭に浮かんだのは映画の「モーリス」や「アナザー・カントリー」でした。時代設定が近く、あちらはホモセクシュアルですが、同性を愛していることにとまどいながら、自分に素直にまっすぐに進もうとする主人公たちに共通するものがあるからかも。そういう意味では、作者はジェンダーをテーマにした同性愛小説としても描きたかったのかもしれません。清らかな令嬢モードや、犯罪者の吹き溜まりのような所で暮らしながらもまっすぐな心を失っていないスーザン、そして愛情あふれた母親・・・くっきりと印象的な女性像に比べて、モードの上に君臨する暴君の伯父や、女性たちをひどい運命に陥れる詐欺師のリチャードなど、概して男性は抑圧的、暴力的な存在で、あまりいい役どころを与えられていません。 ラストはいったいどうまとめるんだろう??と思いましたが、悲惨な出来事が重なり重々しい空気の中にも、納得がいく、しかも希望が持てる結末で、後味もよかったです。主人公たちは、これから助け合って幸せに人生を送ってほしいと思いました。またすぐにでも次のウォーターズ作品が読みたいです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ストーリーの面白さはもちろんですが、訳がとてもうまいと感じました。原書を読む力はないので推量も入りますが、これだけ長い翻訳物を息もつかずに読ませるのは翻訳者の文章のうまさと当時のロンドン他、舞台になる場所への深い知識があってこそだと思います。この方が翻訳した他の本も読んでみたい、と思わせる力量も含めて星5つ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
上下巻の長いこの物語は、コンテンツとしては一部〜三部に分かれているのだが、「一>二>三」という並びでおもしろい。つまり、上巻の3分の2を占める一部が、もっともおもしろい。 僕は作者がカミングアウト済みのレズビアンであることを知らずに読み始めたので、そうした要素をチラチラと匂わせるくだりにもドキドキしたし、何より一部の最後の衝撃は久々にガツンとくるものがあった。 ちょっと大時代がかった表現が多いけれど、かえってそれが19世紀ロンドンのゴシック・ロマン的ムードをうまく演出している。むせ返りそうな濃密さ、といってもいい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
二部のつづきと三部が収められている下巻。 一部ほどではないが、二部にも読ませどころが多く、サプライズ要素もある。三部になると、さすがに食傷気味になってしまうのが残念。読ませどころ(盛り上がり部分)はあるのだが、二部のそれとパターンが似ているのだ。 結末は思ったほどの感慨もなく、あれ? 終わり? の感が否めないが、そのあっけなさが逆に本書をエンターテインメントよりも文学色の強い読み物に感じさせなくもない。 そもそも本書がミステリなのか、という疑問はある。確かなのは、ディケンズにも比すべき圧倒的な物語的おもしろさがここにある、ということだけだ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
まず最初に。 この本をミステリーと過度の期待をかけるのは正直、止めておいた方がいいでしょう。 ミステリアスぐらいがいいかな? 時代の雰囲気がいいし、少女二人の生い立ちや心理が掘り下げられて描かれています。 読みにくいかな?と思いつつけ、手をつけてみると、あれよあれよと完全読破。 敬遠は損ですね。 少々お値は張りますが、ミステリアスかつドラマテックな少女二人の物語、きっとお気に入ると思います。 好きなクラッシック音楽と、コーヒーもしくは紅茶片手にして読まれるのをオススメします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
息をもつかせぬスリリングで心躍る展開と、このうえなく美しい描写の数々。ミステリ、ロマンス、冒険……すべての分野を網羅しながら、一気に読ませる物凄い魅力を持った小説です。これはすばらしい!時は19世紀、ロンドンの下町から、大金を手に入れるための計画を持って“茨の城”ブライズ城館へやって来たスーザン。迎えるのは城主の老人と、その姪の令嬢モード。物語は予想もつかない方向へと展開していき、読者は頁をめくるたびに心臓を掴まれるような驚きと興奮に取りつかれてしまいます。特に、第一部から第二部へと進む部分では、誰もが「エーッ!!!」と叫んでしまうはず。運命に翻弄されるスーザンとモードはどうなるのか?すべての黒幕は誰だったのか?読み終える頃には、すっかりブライズ城の住人となって冒険をしてきたような爽快感に包まれていること請け合いです。ディケンズの『オリバー・ツイスト』や『大いなる遺産』、ウィルキー・コリンズの『白衣の女』、ブロンテの『ジェイン・エア』などが好きな人には特におすすめの一作。そうでない人も、読んでがっかりすることは絶対にありません! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
上下巻とも一気読みしました。なんといってもサラ・ウォーターズですので一筋縄ではいかないだろうと思っていましたが、やはり一筋縄ではいかなかったです。 だますほうとだまされるほう。それぞれが入り組み、読者もみごとにだまされます。 ただ、作品が泥棒一家とお嬢様のせまい世界に限定されたのがいまいちだった気がします。 それでもものすごく面白かったし、ラストがハッピーエンドだったので安心できました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
商品が到着するのも早かったですし、きれいな商品でした。 また取引したいと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
どう見てもフーダニットなパズラーじゃないので、気軽に読め、従って評価も高くなります。本当は五つ星でもよいのですが、本格じゃないし、前作とネタが部分的に被っているのでちょっと引いときましょう。 原題の Fingersmith ってのは「掏摸」って意味ですが、Smith はヒロインの娘が名乗る変名でもあります。finger も意味深ですね。前作は二つの時系列を交互に描き、最後に悲惨な実相を明らかにするというスタイルでした。この本もなかなか凝った美しい構成になっていて、いわばヒロイン二本立て。 記述がフェアなので、海千山千のミステリ読みなら、作者が仕込んだ仕掛けの部分はだいたい見当がつき、着地点も想像できるだろうと思います。それでもぐいぐい読めてしまうのがナレーションの良さですね(原文当たってませんが、中村有希さんの訳のおかげでもありそうです。マゴーン以来久しぶりに読みましたが、やっぱりうまい訳者ですねえ)。最初に出てくる娘掏摸の造形が自然で、感情移入しやすい上、生気溢れる感じでストーリーを引っ張って行くのが前作との一番の違いです。 アニメやラジオドラマにしたら面白いだろうと思っていましたが、もう実写化されているんですね。見てみよう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
前評判を聞いてから読み始めたので、随分とハードルを高く設定したつもりだが、相当おもしろかった。何よりも読んでいて左右が、いや天と地が真逆になったかのような不思議な感覚は衝撃的だった。地に足がついていないかのように読んでいてぐるぐるふわふわしてきた。読書後に英国発のドラマも観てみたが、こちらは駆け足すぎて展開のおもしろさを全くといっていいほど生かしきれず、駄作に甘んじていた。「高慢と偏見」とどちらが面白いかといえば書物ではこちらかもしれない。(ドラマでは間違いなく「高慢〜」の圧勝だが・・・) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
19世紀のロンドンの下町が舞台の話なので、その舞台設定に馴染むまで読み進める のが、ちょっと我慢が必要でしたが、話が展開し始めると、どんどん読み進めるとこ が出来ました。上巻の方が、面白く読めると思います。意外な展開があり、更に先が 気になる展開になります。 でも、ちょっと全体に話が長すぎる気がします。ボリュームを絞った方が読みやすい し、内容に適していると思います。 ロンドン好きな人は、ロンドンの町の様子が少しですが出てくるので、想像しながら 読む楽しみがあります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
運命の流転、というまさに物語的なテーマを ミステリータッチに描ききった本作、 「オリバーツイスト」や「クリスマスキャロル」や 子供の頃読んだ「巌窟王」などの名作の空気がある。 そう書くとまさしく時代設定の勝利か?と思えなくもないが、 作者の、この時代の空気感を創る力は当代随一。 その空気の重厚さに思わず引き込まれる。新作を期待したい作家だ。 霧のロンドン、不幸な子供、深窓の令嬢、スリ・・・。 そんな世界にどっぷりはまれます。過去のロンドンに行ってみたい方、ぜひご一読を。 著者の「半身」P・コーンウェルの「真相」(上下)も ビクトリア朝に行ってみたい方におすすめです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「半身」より面白いと思った。「半身」同様19世紀のロンドンという設定がいい。2人の主人公スウとモードの回想が交互に語られ、語り手が変わるたびに全く同じ事実が別の意味に変化していくのが単純に楽しめた。スウのはすっぱな語り口調が魅力的。文章もテンポよく、二転三転するストーリーも飽きさせない。好みが分かれるところだろうが、個人的には「半身」よりこちらをお勧めする。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
始めは、えっ、何これ。段々、えっ、どうなっちゃうの。どうなっちゃうの。えっ、どうなっちゃうの。の連続で上が終わる。下も読まずにはいられない。下、ややどうなっちゃうの感落ちるものの読まずには眠れない。引き込まれた勢いで一気に読んでしまった。最後の最後まで、読ませておいて、最後は、うーーーーーーーんっ。もう少し違う展開であって欲しかった。騙して欲しかった。最終章を除けば星5つ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
久しぶりに濃密な物語を読んだような気がする。推理小説としても面白いし、心理描写も巧み。また、過酷な話であり描写も過激なところもあるが、所々美しい表現もちりばめられ芸術的な雰囲気もある。この人は物語を創るために生まれてきたんだと感嘆した。ゴシックサスペンス&エロティック小説といった感じ。ただ、最後の最後の終わり方がちょっと・・・。それまでの重く苦しい過程を軽く終わらせすぎている気がする。もったいない。ただのエッチ小説に格下げしてしまっている。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今年もこのミス一位となったサラ・ウォーターズ作品ですが、この調子でティッピング・ヴェルヴェットも訳されそうですね。でもこのミス評者はあれを読んでも、(相変わらず)ほとんど同性愛描写には触れないつもりなんでしょうか。サラ・ウォーターズはビクトリア時代のレズビアンについて博論を書いている時小説を書きはじめたそうですから、彼女の作品にビクトリア時代の意匠やトリックだけでなく、レズビアン・アイデンティティにも同じぐらいの比重が割かれているというの必然的なことであり、もっと重要視されてしかるべきだと思います。とはいえ、そうした彼女の思い入れも『半身』で大分昇華されて、この作品ではエンターテインメントな部分により力が注がれて読みやすくなっているという印象を受けます。でも『ティッピング・ベルベット』ほど雑な感じがしない。いってみれば前2作品を足して2でわった感じでしょうか。個人的には半身の方が好きですが、より広い層に受け入れられるのはこちらだと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
上下巻とも、味わいながら読みました。ミステリーでもあり、時代小説でもあり、ですね。サラウオーターズの「半身」が好きな方なら、きっと楽しめます。ただ、私は星一つ減。ちょっと冗長なところと、二人の少女の行く末が、どうも納得できない。別の方向へ行くことだって考えられるのに。皆さんは、どう思ったでしょうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
長い小説なので、ゆっくりじっくり読もうと思っていましたが、どんどん吸い込まれてしまい、特に下巻は他のことは何もせずに一気に読んでしまいました。運命に翻弄される主人公の女性二人。彼女達に自分がなってしまったように「え~っ!?聞いてないよ!」って言う感じでホントに面白かったです。ロンドンの街、田舎の城、精神病院の様子がとても細かく描かれていて、薄暗い雰囲気で、あまり幸せを感じることができないのですが、結末はホントにスッキリしました。文学作品としてお勧めです。映画化・ドラマ化してほしいなぁ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
推理小説と言うよりは、時代小説という感じです。そして、読後の感想としては、ディケンズの「大いなる遺産」をとても意識しているなということでした。この話の中心は二人の少女の秘密なんですが、この小説の優れている所は、それを二人の少女の視点を通して書いているところです。そうすることで、より、人の気持ち、どのように人が人に惹かれていくかが、まるで真実のように頭の中に入ってきました。ただ、結末が、あまりに意外すぎて僕は受けいられなかった。デウス・エキス・マキーナで良いから、もっと、ひねらない終わり方をしてほしかった。と、ちょっと批判的に書きましたけど、おもしろいですよ。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!