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第四の扉



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第四の扉の評価: 3.81/5点 レビュー 21件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.81pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全7件 1~7 1/1ページ
No.7:
(3pt)

冗談文学としての人生の娯楽/本格ミステリかくのごとし!

まず自殺(だが他殺かもしれない?)した部屋で怪奇現象が起き、その部屋でまた人が今度は間違いなく死ぬ。
 ところがその人物は(死体はあるのに)平然と訪ねて来る。
 とまあ、逆転逆転また逆転、著者ポール・アルテは怪奇趣味的本格ミステリの鼻祖にして帝王ジョン・ディクスン・カーの衣鉢を継ぐ、と堂々と宣言し、怪奇趣味は(お化粧程度に)軽くして、しかしパズルゲーム、知的な遊びとして、しかし真面目に探偵が登場して「さて諸君」、おおこれこそ大時代にしてコナン・ドイルの確立した謎解き小説の正当な後継者ではないか。
 …と、絶賛されているアルテ氏であるし、皆様のレビューを拝読する限り、それをほぼ首肯、絶賛しておられるのが絶対多数派なので、こうした正統的な探偵小説、謎解き小説こそ正道として愛好される方が多いのは納得しました。
 ちょっと奥歯にはさまったような物言いなのは、筆者じつは思春期にある程度そうした「黄金時代的ミステリ」クリスティ、ヴァン・ダイン、クイーンといった「絵に描いたような正統派」を読みふけった挙句食傷してしまい(アホなことをしたもんだ…たぶん過剰摂取による免疫反応ですな)人生の中核部分、50歳までミステリをきっぱり断って一世代を完全パスした人間でした。
 いい加減もうそんなこだわるトシでもないだろう、と久々にちょっと読んでみて(なのでアルテ氏のこの作品も原著刊行から40年近く経過、訳出からも20年以上あとに読んでます)世間に揉まれたあとで見てみると「うーむ…江戸川乱歩も横溝正史も、時代小説だったから、おどろおどろしい怪奇趣味をまぶされて楽しかったのかな」とえらく無機質な感想になってしまい、正直いまの筆者にはP・D・ジェイムズとかデイヴィッド・グリーンリーフとかの、いい加減実生活のダシが浸透しているような小説でないともはやリアリズムは感じられなくなっていたので、ポール・アルテ氏を読むと

 あれ…本格探偵小説って、こんなに頭の中の遊戯のようなつくりごとのような小説だったのかしら

 とある種の意外さ(はっきり言うと、幻滅)を感じたことは否めない。といって当方ももう人生後半なので、そんなのを単純だ子供だましだ、などと言うつもりは毛頭ない。
 人生の選択として、ポール・アルテは「絵空事けっこう。大時代な娯楽もの大賛成。オラはこれで行く」と決めて堂々とその本格探偵小説の大道を歩んでおられるのだから、むしろそうしたキッパリした態度表明には拍手喝采。
 ですけれど、筆者いささか人生に疲れた初老なので(自嘲)桐野夏生が「幕の内弁当のような」と言ったとかなんとかのような工芸品的な作品は、これがミステリの中枢、本質である、とするとやはり筆者はミステリとつきあうのはいささかしんどい。
 人間社会は多様な方が良いので、気軽に読み飛ばしてちょっと楽しい気分、という時にポール・アルテは良いかな、という感じですが、筆者的にはもう少し生きることの深みを投影した作品の方が好いので、まあ…楽しかったけれど、しばらくアルテさんはお休みします、な感じでした
(同じ理由で、楽しく読んだけど「そして誰もいなくなった」は二度と読まないと思います)
 平成と同じぐらいの間、まったく読まなかったために気付かなかった。
 ある意味では、本格探偵小説の「オツムの良さだけに頼った軽薄さ、浅さ」は、子どものときだから気付かなかったけれど、そうした意味で、ミステリがハメット、チャンドラー、松本清張のような古典はもとより、ジェイムズ、ランキン、桐野、東野、といった成熟を経ざるをえなかったのは、それはジャンルに携わる成人が増えるにつれ、けだし当然だったのだろうな、と。
 と、浦島太郎のごとく隔絶された読者は初老になって誰でも気付く常識に回帰するのであった。
 門外漢はこれだから困りますね、と愛好家の苦笑されるような感想、以上。
第四の扉―ツイスト博士シリーズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)Amazon書評・レビュー:第四の扉―ツイスト博士シリーズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150017166
No.6:
(3pt)

評価が難しい

評価の難しい作品である。読み進めていくうち、アガサ・クリスティーの「アクロイド殺し」や横溝正史の「夜歩く」みたいなものかと危惧したが高木彬光の「大東京四谷怪談」めいた展開になり、オヤオヤと思ったが、最後はカーのアノ作品のごとくしめてくれた。
でも、このようなストーリー展開は戸惑う人が多いと思う。物語中、シャーロック・ホームズの某作品やカーやその他作家の作品みたいな事が出てコアなミステリファンにはニヤリとさせられるだろうが、万人うけはしまい。他の作品を読んでみなければ、このポール・アルテという作家はわかるまい。
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No.5:
(3pt)

トリックの低レベルさに唖然…

ストーリーはまあまあ面白いんすけど、トリックのレベルが低過ぎます。現実世界でこんなトリック使ったら簡単にバレそうだし、ほんと唖然とする。こりゃひどい。

はっきり言っちゃうと、推理小説好きな中学生、せいぜい高校生くらいの子が考えそうなレベルのトリックです。
もちろん、大人でも推理小説初心者なら、トリックとしてちょっと思いついたりするかもしれないすけど、結局は、こんなもん使えるか!ってなりますよ。

アルテはフランスのカーって言われてますけど、カーならこんなトリック採用しないでしょうね。

この小説は、トリックの最低さを、ストーリーのそこそこの面白さでフォローしてる典型です。それ以上でも以下でもないっすね。
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No.4:
(3pt)

今でも海外に本格ミステリ作家がいたとは

1950年代以降、本格ミステリを書いている作家は日本人だけかと思っていた。それが、何とカーを信奉し本格ミステリを書いているフランス人作家がいるとは ! 本作は、密室、交霊会、幽霊屋敷、二人一役等まさしくカーを思わせる道具立てを取り入れたもので、ファンを嬉しくさせてくれる。が、結末の合理性を意識するあまりか、全てがあっさりし過ぎていて物足りない。長いだけで中身が無いのも困りものだが。その他、作中作ともう一つの仕掛けがあるのだが、これは無い方が良かった。驚く程のアイデアではないからだ。それより、もっと「濃い」味を出して欲しかった。今時、本格ミステリを書く貴重な海外作家なのだから今後も頑張って頂きたい。
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No.3:
(3pt)

意外に面白い

古き良き推理小説の時代のニオイがちょっとくどいくらい流れてくるレビウですが、意外にも楽しめる内容です。密室犯罪、幽霊屋敷、交霊会、分身、奇術…てんこもりですが、ちゃんと推理小説です。それはいいのですが、若干「あれは一体何故だったのだろう」と気になる部分などあり。もろ辻褄合わせというわけでもないのですが…しかし推理小説の楽しさはきちんと感じられる良作です。
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4150017166
No.2:
(3pt)

メタ!

カーのような推理小説を!という欲望から書かれたフランスのミステリ筋書きはカーのオマージュともいえるのですがなぜか話は推理小説の常軌を外して読むものをすかしながら進んでいきますわざと外したような書き方が最後のどんでん返しにつながるのですが・・・
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4150017166
No.1:
(3pt)

仏蘭西の本格派ミステリ

本格ミステリが育つ素養がないフランスでは異端児のポール・アルテのデビュー作降霊会、ポルターガイスト、ドッペルゲンガーとまあ、いろいろと取り寄せている割には全体的に消化不良今年に出版されるらしい第二作に期待
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4150017166

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