混沌の王
- 名探偵 (559)
※タグの編集はログイン後行えます
※以下のグループに登録されています。
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点0.00pt |
混沌の王の総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
現在レビューがありません
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
雪の中の足跡のない殺人事件を扱った本作。 過去の事件は巧妙な密室構成で、現在の事件はお茶目で?愉快な?トリックで楽しませていただきました。 いつもながらサービス精神満載の快作です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本書『混沌の王』 は、殺人事件の犯人を捜すミステリー小説の形をとった、 「結局これは愛の物語だった」(245頁)。 人間らしい、愛のすれ違いの物語。 《目と耳》(35頁)からの情報だけで考えることがいかに間違うか。 表紙の装画は、著者であるポール・アルテ。 「もし、むこうで夜、白い仮面をかぶったように青白い顔を目にし、鈴の音(ね)が聞こえるようなことがあったら、できる限り用心するんだ」(31頁) 《白い仮面》と《鈴》は、本文中に何度も登場します(19頁、36頁、51頁、56頁)。 第1章が「死の鈴」、第5章が「白い仮面」。 その《白い仮面》と《鈴》のイメージが表紙になっています。 38頁のイラスト や114頁や123頁の図も、アルテの手になる画。 さて、本書『混沌の王』に関する文章を抜き書きしてみます。 「《王》とか《混沌》という言葉が聞こえたような気がする」(19頁) 人間には、見たいものが見え、聞きたい音が聞こえるもの。 「ところでアキレスさん、《混沌の王》の話はご存じよね?」(63頁) 「犯人は、《混沌の王》よ」(67頁) 「貴族であれ町人であれ、有力な一族が《混沌の王》を選び出しました」(69頁) 「《混沌の王》ピーター・ジョークの幽霊」(72頁) 「ほとんど聞き取れないくらいだったが、《混沌》と《王》と言ったようだ」(121頁) 「残るは《混沌の王》の伝説だ……何世紀も前からこの地に出没する、青白い顔の謎めいた影」(126頁) 「犯人は、《混沌の王》ではないって」(141頁) 「白い仮面をかぶった《混沌の王》がマントをなびかせ、鈴の音(ね)を響かせて、獲物を狙う猛禽類のように地面をかすめ飛んでいく」(148頁) 「《混沌の王》は伝説どおりだった」(151頁) 「ピゴットが殺されたとするなら、犯人は超自然の怪物でしかありえない」(163頁) 「《混沌の王》事件もまた、忘却の彼方だった」(229頁) 「彼女は夢遊病の発作を起こすと、《混沌の王》のかっこうをして歩きまわるようになった」(235頁) 「例えば青白い顔が、《白い仮面》に変わってしまうとか」(237頁) 「彼は《混沌の王》のしわざに見せかけることを思いついた」(244頁) 「荒らされたエドウィンの部屋を見て、《混沌の王》がやって来たのだと思いこんだ」(245頁) 伝説の《混沌の王》のしわざに見せかけるなんて、犯人はほんとうに悪い人間ですね。 《備考》 <小冊子「怪狼フェンリル」について> 巻末に、別冊付録の小冊子「怪狼フェンリル」が挟まっていました。 なんなの? この小冊子は? 違和感。 その小冊子の表紙に描かれたオオカミも、アルテの画なのでしょう。 イラストのオオカミの表情がとってもいいですね。 オオカミは横を向いています。 <ふん、ヒトのことを殺人犯にせんといて!> とでも言いそうな表情で、おもしろい。 人間ってこわいわ。反論できない動物に殺人の罪をなすりつけるなんて。 それにしても、この小冊子、なぜ本文中に入れずに、別冊としたのでしょう? 「怪狼フェンリル」は、たった32ページの独立した短篇小説。 「名探偵『オーウェン・バーンズ』シリーズ」中の作品のひとつです。 短篇小説は、他の何作かと一緒にまとめなければ、短編集にもならない。 ということで、長編小説(全253ページ)である本書の最後に、 特典(オマケ)の小冊子として付けたようです。 全部読み終わってから考えると、 長篇小説の単行本と、短篇小説の小冊子は絶妙な<対>になっていました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
名探偵『オーエン・バーンズ』シリーズ第一作目の初訳。いかにもフランスのディクスン・カーといわれた著者らしい作品だ。クリスマスの夜に神秘な鈴の音とともに現れる、二百年前から一族に祟り続ける『混沌の王』と呼ばれる白い仮面の怪人、怪しい交霊会、足跡のない雪の密室殺人、中空に浮遊し滑るように移動する不気味な黒い影…。カー好きな本格推理ファンなら、こうした設定だけで欣喜雀躍してしまうのではないか。謎解きも多少「無理がある」「都合よすぎ」と思えるところがあっても、この種の本格ものでは突っ込みすぎは野暮だろう。オカルティックな架空の犯罪劇とその解決を、よく楽しませてくれる作品になっている。さらに、別に付いている薄い小冊子に、『怪狼』という短編が収録されている。こちらも雪の密室をあつかったもので、トリックはありきたりのものだが、北欧神話の怪狼と絡めることで雰囲気を出している。ただ、本を分けている意味がよく分からない。一冊にまとめてくれた方が、あつかいやすいのだが…。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 3件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|