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混沌の王



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【この小説が収録されている参考書籍】
混沌の王 (「名探偵オーウェン・バーンズ」シリーズ)

混沌の王の評価: 4.33/5点 レビュー 3件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.33pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(4pt)

なかなか面白かったです

雪の中の足跡のない殺人事件を扱った本作。

過去の事件は巧妙な密室構成で、現在の事件はお茶目で?愉快な?トリックで楽しませていただきました。

いつもながらサービス精神満載の快作です。
混沌の王 (「名探偵オーウェン・バーンズ」シリーズ)Amazon書評・レビュー:混沌の王 (「名探偵オーウェン・バーンズ」シリーズ)より
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No.2:
(5pt)

仮面と鈴の音からイメージする殺人犯は、伝説の《混沌の王》。でも本当は…

本書『混沌の王』 は、殺人事件の犯人を捜すミステリー小説の形をとった、
「結局これは愛の物語だった」(245頁)。
人間らしい、愛のすれ違いの物語。

《目と耳》(35頁)からの情報だけで考えることがいかに間違うか。

表紙の装画は、著者であるポール・アルテ。

「もし、むこうで夜、白い仮面をかぶったように青白い顔を目にし、鈴の音(ね)が聞こえるようなことがあったら、できる限り用心するんだ」(31頁)

《白い仮面》と《鈴》は、本文中に何度も登場します(19頁、36頁、51頁、56頁)。
第1章が「死の鈴」、第5章が「白い仮面」。

その《白い仮面》と《鈴》のイメージが表紙になっています。
38頁のイラスト や114頁や123頁の図も、アルテの手になる画。

さて、本書『混沌の王』に関する文章を抜き書きしてみます。

「《王》とか《混沌》という言葉が聞こえたような気がする」(19頁)
人間には、見たいものが見え、聞きたい音が聞こえるもの。

「ところでアキレスさん、《混沌の王》の話はご存じよね?」(63頁)
「犯人は、《混沌の王》よ」(67頁)
「貴族であれ町人であれ、有力な一族が《混沌の王》を選び出しました」(69頁)
「《混沌の王》ピーター・ジョークの幽霊」(72頁)

「ほとんど聞き取れないくらいだったが、《混沌》と《王》と言ったようだ」(121頁)
「残るは《混沌の王》の伝説だ……何世紀も前からこの地に出没する、青白い顔の謎めいた影」(126頁)

「犯人は、《混沌の王》ではないって」(141頁)
「白い仮面をかぶった《混沌の王》がマントをなびかせ、鈴の音(ね)を響かせて、獲物を狙う猛禽類のように地面をかすめ飛んでいく」(148頁)
「《混沌の王》は伝説どおりだった」(151頁)

「ピゴットが殺されたとするなら、犯人は超自然の怪物でしかありえない」(163頁)
「《混沌の王》事件もまた、忘却の彼方だった」(229頁)

「彼女は夢遊病の発作を起こすと、《混沌の王》のかっこうをして歩きまわるようになった」(235頁)
「例えば青白い顔が、《白い仮面》に変わってしまうとか」(237頁)

「彼は《混沌の王》のしわざに見せかけることを思いついた」(244頁)
「荒らされたエドウィンの部屋を見て、《混沌の王》がやって来たのだと思いこんだ」(245頁)

伝説の《混沌の王》のしわざに見せかけるなんて、犯人はほんとうに悪い人間ですね。

《備考》
<小冊子「怪狼フェンリル」について>

巻末に、別冊付録の小冊子「怪狼フェンリル」が挟まっていました。
なんなの? この小冊子は? 違和感。
その小冊子の表紙に描かれたオオカミも、アルテの画なのでしょう。
イラストのオオカミの表情がとってもいいですね。
オオカミは横を向いています。
<ふん、ヒトのことを殺人犯にせんといて!>
とでも言いそうな表情で、おもしろい。
人間ってこわいわ。反論できない動物に殺人の罪をなすりつけるなんて。
それにしても、この小冊子、なぜ本文中に入れずに、別冊としたのでしょう?
「怪狼フェンリル」は、たった32ページの独立した短篇小説。
「名探偵『オーウェン・バーンズ』シリーズ」中の作品のひとつです。
短篇小説は、他の何作かと一緒にまとめなければ、短編集にもならない。
ということで、長編小説(全253ページ)である本書の最後に、
特典(オマケ)の小冊子として付けたようです。
全部読み終わってから考えると、
長篇小説の単行本と、短篇小説の小冊子は絶妙な<対>になっていました。
混沌の王 (「名探偵オーウェン・バーンズ」シリーズ)Amazon書評・レビュー:混沌の王 (「名探偵オーウェン・バーンズ」シリーズ)より
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No.1:
(4pt)

足跡のない雪の密室だらけが楽しい

名探偵『オーエン・バーンズ』シリーズ第一作目の初訳。いかにもフランスのディクスン・カーといわれた著者らしい作品だ。クリスマスの夜に神秘な鈴の音とともに現れる、二百年前から一族に祟り続ける『混沌の王』と呼ばれる白い仮面の怪人、怪しい交霊会、足跡のない雪の密室殺人、中空に浮遊し滑るように移動する不気味な黒い影…。カー好きな本格推理ファンなら、こうした設定だけで欣喜雀躍してしまうのではないか。謎解きも多少「無理がある」「都合よすぎ」と思えるところがあっても、この種の本格ものでは突っ込みすぎは野暮だろう。オカルティックな架空の犯罪劇とその解決を、よく楽しませてくれる作品になっている。さらに、別に付いている薄い小冊子に、『怪狼』という短編が収録されている。こちらも雪の密室をあつかったもので、トリックはありきたりのものだが、北欧神話の怪狼と絡めることで雰囲気を出している。ただ、本を分けている意味がよく分からない。一冊にまとめてくれた方が、あつかいやすいのだが…。
混沌の王 (「名探偵オーウェン・バーンズ」シリーズ)Amazon書評・レビュー:混沌の王 (「名探偵オーウェン・バーンズ」シリーズ)より
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