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猿の見る夢
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猿の見る夢の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.61pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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桐野夏生さんの本です。 たぶん、かなり力を抜いて書いたんじゃないでしょうか。 主人公は薄井というサラリーマン。 銀行から出向した役員として、オリーブという衣料品会社に。そのオリーブが大成長。 薄井もそれなりに出世する。できたら常務になりたい思いがある。 この薄井は美優樹という愛人がおり、といっても仲が冷えつつある。 そんななか、セクハラ問題で朝川という女性秘書が近づいてきて、下心を持つ薄井。 そういう状況で、家庭で問題が。 妻が怪しげな「夢占い」の婆さんの長峰を家にあげていたのだ。 はたして、薄井の命運やいかに。 というわけで、次から次へと問題がおこって、飽きさせることはありません。 薄井も妻、美優樹、朝川という女性に振り回されます。 見猿、言猿、聞猿の左甚五郎の作品には、「せ猿」もあった(375㌻)なんという話もありつつ、 薄井が運命に翻弄されていくさまを楽しめる本です。 しかし、薄井の薄っぺらさというか、軽さというか、そこがキャラとして面白い。憎めないんですよね。 桐野さんというと、社会問題をとりあげたりして「重い」印象がありますが、これは軽い作品で、さらっと楽しめます。 | ||||
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『グロテスク』でハマって桐野さん作品結構読んでます。女性ならではの細やかな観察眼とユーモア、下世話な所が好みです。 最近は過激な題材が減り、割りと日常を徒然なるままに書かれてるように思います。 本作も59歳定年間近のサラーリマンの夢(願望)をユーモラスに描いております。オチは触れません。 主人公は傲慢で欲張りで狡く自分勝手で助平で、初老男の嫌らしさを兼ね揃えたような設定です。 割りと恵まれたバブル世代(作者の世代?)のサラリーマンかと思われ、ロスジェネ世代からすると余裕があって若干羨ましいくらいw しかしあれですね、男女とも歳を重ねるとぜい肉が削げて人の本質がむき出しになるというか(猿?)、それまで培った能力やモラルまでが失われていくような。なんだか儚く思いました。 | ||||
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『グロテスク』でハマって桐野さん作品結構読んでます。女性ならではの細やかな観察眼とユーモア、下世話な所が好みです。 最近は過激な題材が減り、割りと日常を徒然なるままに書かれてるように思います。 本作も59歳定年間近のサラーリマンの夢(願望)をユーモラスに描いております。オチは触れません。 主人公は傲慢で欲張りで狡く自分勝手で助平で、初老男の嫌らしさを兼ね揃えたような設定です。 割りと恵まれたバブル世代(作者の世代?)のサラリーマンかと思われ、ロスジェネ世代からすると余裕があって若干羨ましいくらいw しかしあれですね、男女とも歳を重ねるとぜい肉が削げて人の本質がむき出しになるというか(猿?)、それまで培った能力やモラルまでが失われていくような。なんだか儚く思いました。 | ||||
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毒のある小説だ。 軽妙なのだが、主人公の軽さというか猿ぶりが。 作者に、「多かれ、少なかれ、お前たちは猿だ」と言われているようなw これも、桐野夏生に特有の救いがある小説と救いがない小説に二分すると、救いのない部類の小説だと思った。 | ||||
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長年の愛読者だが、桐野夏生の作品は読み始め〜途中まではめちゃくちゃ面白い、読者を引き込む力は凄いんだけど、ラストであれ?そんな終わり方?と拍子抜けすることがたまにある笑 「光源」とかもそう | ||||
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桐野さんも65歳くらいですか。団塊世代だったんですねぇ。そう考えるとこれまでの著作もそして今回も団塊世代を代表する女流大衆作家だったんだなぁと感じます。「終わった人」の内館さんも69歳の団塊世代。お二人が描く、昭和なサラリーマンがこうも似ているのは、やっぱりそういう時代だったんでしょう。 今となっては、この主人公のようなひとって「そういえば居たな・・」くらいの遠いものになってきました。今の50歳くらいは均等法世代で、男の自立についても厳しいです(うちだけ?)。時代は変わっていくと・・・痛感しながら、平成の終わりに一昔前、昭和な男と女のファンタジーを読みました。 四猿「見ざる・言わざる・聞かざる・せざる」はネタとしておもしろいし、正鵠を射ていると思います。特に大事なのは、やはり「言わざる」と「せざる」でしょうか。 | ||||
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しょうもない話です。 女好きで目先の損得にしか関心のない「ザ・俗物」のオッサンが、周囲の女に振り回される(全部自業自得)。 長年の愛人は鬱屈を募らせ、社内政治は不穏な空気を漂わせ、美人の会長秘書の色香に惑うもこの女も曲者。さえない奥さんが占い師みたいなのにはまってから話が急展開します。ジェットコースターみたい。 まあ、身につまされる点もあって、認知症の母親を同居の妹任せにしていたら、妹夫婦に深く恨まれていたり、浮気がばれて奥さんに追い出されて一瞬自由に有頂天になるものの、家族にしばれていたからこそ束の間の自由が楽しいわけで、本当に家族に見捨てられた時点で、自由がただの孤独になるとか。 家族があっけなく崩壊していくさまは、さすが桐野氏、見事です。 ただ、話の展開が面白くて一気に読みましたが、読んだ後、何も残らないんだな、これが。ラストなんて、本当に狐につままれたような気分になって、なんだこりゃです。 面白いには面白いけど、OUTみたいな迫力はないですね。 | ||||
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とにかく主人公のクズ加減が半端なくて面白いです。 「女の敵」な人物であるのに、窮地に陥ると何とか切り抜けられないかと 読んでいるうちに同情心が湧いてきました。 最後、田中さんがどうなったのかが気になります。 感慨深いものはないものの、読みやすくて「軽い読書」にピッタリ。 | ||||
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桐野さんの書いた小説らしくないと言いますか、もの凄く「軽い」内容でした。 あらすじからは「定年間近年齢の男が、仕事・金・女・家庭、全ての面で歯車が狂い出しドツボにはまっていく。みたいな話が、桐野さんらしい黒さ&深さで展開していく」みたいな物語を期待してたのですが。。。 実際は、「悪い意味での作り話感満載な、軽くて笑える話」という感じでしたね。現実離れし過ぎてて、「自分も、一歩間違えるとこうなりかねない」みたいな読み方もできなかったし。 決してつまらなくはないです。 でも、このテーマで桐野さんが書く小説に期待するのは、これじゃなかったです。 ラストも意味不明。 というわけで、星三つとさせていただきます。 | ||||
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桐野夏生さんの小説は実際に起きた事件を下敷きにしてあったり、 現代の抱える社会問題をテーマにしていたりとリアルを感じるものが多いです。 しかし今作は自信過剰のバカなおっさんの人生が狂う様子を描いたもの。 どこかにリアルを感じられるものがあるのかな?と気にしながら読んだけどそんな要素は見当たらず、 ただひたすら「おっさん、ザマーミロやっ!」「地獄に堕ちろ!」と主人公がおかしな方向へ転がっていくのを面白おかしく読んだ感じです。 これまでの桐野作品に比べるとテーマは軽いと思います。 でも・・・まぁ、いくつになっては男は女が好きだろうし、楽していいとこ取りたい狡さもせこさも人間らしいっちゃあ人間らしい。 男なんて実際はみーんなこんなもんだろうな。 そう思うと主人公に対する腹立たしさも滑稽に思えて憐みすら覚えますねw さて、女の私はこの本にこんな感想を抱きましたが、はたして男性はこの本を読んでどんなふうに感じるのでしょうね? | ||||
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銀行から出向した薄井正明は、アパレルメーカーの財務担当取締役だ。 会長に見込まれての出向、また業績の急速な伸びもあり、薄井は順調な 日々を過ごしていた。 プライベートでは妻以外の女もいながら、会長秘書の美人にも色気を見せる なかなかのやり手だ。 一方、認知症の母、母の面倒を見る妹夫婦との相続の問題、自らも60歳を 迎え定年後の生活も気になる。 いつまでもこの生活を続けることも出来ないと思いながら、今日と同じ明日の 暮らししか描けない、決断を先送りするオトコの夢と現実を描く。 タイトルは、この主人公のことなのね。 登場する人物それぞれに表と裏の顔があり、どちらが真実か定かでないまま ストーリーが展開する。 それは主人公の揺れるこころと同じく、正しい進路は誰にも分らないのかも しれない。 女性の描写に比べオトコの描き方が淡白でストレート過ぎるきらいがあって、 不快ともいえる落ち着かなさがあったのだが、読了後には微妙な余韻が残った。 人は誰も山の尾根を歩きながら、風に吹かれればどちらかに落ちる瀬戸際だと いうことに気が付かずに暮らしているのかも知れないと、自らを振り返り反省 させられる一冊でもあった。 | ||||
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妻が読むとどのような感想を持つのだろうか。勧めるべきか、よせばいいのか。 | ||||
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一気読みできる面白さはあるし、最近の出来事、占い師による洗脳や後妻業的な恐さも取り入れていて世相を映している。ただ、59歳主人公とその愛人(こちらの人もキャリアウーマンで重要な仕事をしている様子)のメールのやり取りがキモい。実際そうなのかもしれないが、”みゆたん”、”まあさん”はないだろう。最後の方は、どたばた風の悲喜劇へと。連載が週刊現代なので、それに会わせて、2世代住宅、定年後の生活構想、熟年離婚、遺産相続等の話が出てくるのもご愛嬌。 | ||||
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主人公の薄井正明59歳は、仕事も順調、家庭もまあまあ、10年来の愛人もいるという、結構恵まれたアラ還のおじさんとして登場しますが、少しずつ雲行きが怪しくなっていきます。 愛人も10年経てば妻よりも始末が悪くなり、仕事では社長のセクハラ&パワハラ事件が勃発、病気療養中だった実母が亡くなり実妹夫婦と遺産相続で険悪な状態になる‥‥とまあ、この年代の人ならば(愛人はともかく)誰しも経験するような話なのですが、薄井の心情があまりに身も蓋もなく赤裸々に語られていて、笑ってしまうやら呆れてしまうやら。 一方、薄井の妻が突然友人の紹介と言って、長峰という初老の女性占い師を家に連れてきます。 徐々に歯車が食い違ってくる毎日。世間ではよくあるトラブルのはずなのに、薄井の場合ばかりこじれてしまう。占い師は助けてくれるのか、それとも薄井にとっては疫病神でしかないのか。 事態がどんどん悪化していくにも関わらず、なぜか妙にお気楽でおめでたい考えしかできない薄井が最後に見たものは‥‥。 本書のカバーは、鴨居玲氏の「出を待つ(道化師)」です。昨年、没後30年の巡回展がありポスターにもなりましたので、見覚えのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。心に潜む闇を自画像を通して描き続けた鴨居氏の絵と、薄井の最後の心情が重なったような気がします。 | ||||
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