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暗幕のゲルニカ
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暗幕のゲルニカの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.17pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全191件 121~140 7/10ページ
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ゲルニカを巡り、過去と現在を行き来する。 ゲルニカが描かれた背景と今に通じるその思想。 複層的に絡み合うストーリーの根底に、なぜ多くの犠牲を伴う争いがなくならないのか、という問いがある。 フィクション仕立てとはいえ、そもそも完全には見えない画家の想いを、自分なりにも想像して解釈し近づいていく。 そのようなきっかけになる作品。 | ||||
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反戦への思い、ゲルニカのあり方については痛いほど理解できたが、物語としては並といった感想です。 誰かの特別な一冊にはなれないけれど、争う者に必要な一冊だと思いました。 | ||||
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1937年から続くスペインの内戦とナチスのフランス侵攻、そして、2001年ニューヨークで起きた911同時多発テロ。殺し合いをやめない全人類に対して突きつけたピカソ渾身の一作「ゲルニカ」。アートを通じて戦争そのものに対して戦う2つの時代の物語。 「楽園のカンヴァス」や「たゆたえとも沈まず」に比べると、最期の盛り上がりに欠けてしまうのが少し残念。 「私たちは、断固戦う。──戦争と。テロリズムと。負の連鎖と。私たちは、ピカソの意志を継いで、アートを通して戦うのだ。」 | ||||
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ピカソが生きた20世紀、瑤子が生きている21世紀。二つの時代をつなぎ物語の中心となっている「ゲルニカ」は反戦のシンボル。 戦争の悲惨さ人間の愚かさを憎みながらも数奇な運命に翻弄されるドラ・マールと瑤子。終盤、この女性たちが世紀を飛び越えて 邂逅するシーンは胸に迫るものがある。ピカソを愛したが故の神のいたずらだったのだろうか? 著者の芸術に対する表現には素晴らしいものがある。豊かな感性とあふれるばかりの語彙力を駆使した力強い筆致は、読む者を圧 倒する。それに比べ主人公の描写は割と淡白で物足りなさを感じる。ピカソの人物描写も恋人ドラ・マールの目を通して描かれてお り、また「たゆたえども沈まず」のフィンセントの描写も弟テオや日本人重吉の目を通して描かれている。著者にとっての主人公は 人物ではなく、あくまでも「ゲルニカ」ということなのか。とは言え、かつて経験したことのないアートの世界への扉を開いてくれ たことに心から感謝したい。 | ||||
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世間の高評価に違わぬ、面白い小説でした。著者自身がMoMAでキュレーターをされていたとのことなので、主人公とほぼダブっています。その点で、著者にはきっと描きやすい世界だったのでしょう。 ただ、描かれている内容については虚実ないまぜになっていて、そこは注意しないといけないでしょう。出来れば読後、何が事実で何が虚構なのか、自分で整理する必要がありますね。 ゲルニカの数奇な運命についてはほぼ事実なので、その点はとても勉強になりました。記者会見の際、国連のタベストリーに暗幕が張られたという点もどうやら事実のようで、私にとっては驚きでした。 ラストはちょっと意外。なので、小説としては成功していると思います。なるほど、そう来たかと。けれど、そうした歴史的事実はないようなので、そこはやはり現代のお伽話なのでしょう。あと、ミステリーとして読むと少しアテが外れる気がします。 | ||||
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どこまでが事実でどこまでがフィクションだろうと、想像をかきたてられ、知的好奇心を刺激される作品です。連載時に読みやすく配慮したのか、同じ説明が何度も出てきてせっかくのテンポが、だいなしになる箇所が多くありました。単行本にするにあたり、構成を整理してくれたらもっと楽しめたのではないかと感じます。 | ||||
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反戦のシンボルである「ゲルニカ」には暗幕が掛けられていた。このシーンが著者に強烈なインパクトを 与え、そこからサスペンスとしての構想が生まれたという。ゲルニカはスペインのレイナ・ソフィアにあるが、 他の美術館への貸し出しは容易ではないらしい。この小説の9割はフィクションだがそのスタートとなったのは ゲルニカであり、読み手の想像力をいかに掻き立てることが出来たかに著者は注目していると語る。 | ||||
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ピカソのゲルニカを取り巻くたくさんの主人公達の生き様が描かれていて長編なのに、読みやすかったです。ただ、たくさんの人物がドラマある文章で描かれるせいか主人公としてあげられてる女性ヤガミヨーコが薄く感じられました。本物のゲルニカをスペインにモダンアートをMOMAに観にいきたくなりました。 | ||||
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レポートか作文レベル。 同じ表現が何度も出てきて、その度に萎える。 文体も、こうなって、ああなって、だからこうする、、、って作品の域に達していない。 ゲルニカを題材にしたストーリーのネタを思いついて書きとめたようなもので、表現力も作品性も なんにもない本です。 | ||||
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911とピカソと戦争を題材にした作品。海外の小説のようなテイストです。ゲルニカに込められたピカソの思いやそれを取り巻く関係者の思いが印象的です。過去と現代の話が並行して、壮大な物語を描いているのも印象的でした。 | ||||
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楽園のカンヴァスと立て続けに読んだのですが、スペインにもう一度ピカソを観に行きたくなりました。 | ||||
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マハさんのピカソとその理念に対する強い想いが主人公とその周辺で体現され、痛快に突き抜けるラストにヤラれた… ピカソを取り巻く史実と現代を描いたフィクションの二軸を描きつつ、それらがしっかりとクロスオーバーする事で、極上のエンターテイメントに。映画になったら絶対に見たい… | ||||
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何故ピカソが20世紀最大の画家と呼ばれるのか、その膨大な作品数に表れる旺盛な創造意欲はどこから来るのか、本作を読んでやっと少し分かりました。ただ反面、その存在の大きさ故、ピカソに関わる女性たちはみんな苦悩を背負うことに・・・。著者のピカソに対する敬愛の気持ちが遺憾なく注ぎ込まれた、正に渾身の一作です。 | ||||
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レイナソフィアでゲルニカを見、ヨーコのように衝撃を受けた人間です。 故にタイトルに惹かれ購入しました、が。 とにかくクドイ。 他の方も書かれていますがゲルニカに関する同じ表現が何度も繰り返し繰り返し使われていて 読んでいて疲れました。ここぞ、という台詞は一度きりだから映えるのではないでしょうか。 そして21世紀パートが本当に酷い。 もういっそ全部なくしてピカソとドラ(を始めとするミューズたち)の話にしたほうがまだ面白かったんじゃないでしょうか。 だってヨーコ、何もしてないですよね? 熱心な交渉シーンもない、NOと言われてすごすごとニューヨークに戻り 権力者であるルースが出て来て強引にこれまた権力者であるパルドと直接話をつけて終わり。 これ、ヨーコ必要ありますかね? くどいゲルニカに関する表現にページを割くのなら、バスクやテロ組織を登場させて唐突なアクション展開にページを割くのなら 如何にヨーコが今の地位に上り詰めたか、「ピカソと戦争」展を開催するまでにどんな紆余曲折があったか、パルドやアダに対してどのような説得が行われたかの描写に力を入れるべきだったのではないでしょうか。 その描写はなく、ただ周りが「ピカソの専門家」だなんだと持ち上げているだけ。 ビルバオにバスクの実情を知りに行くページなんてたった一人に話を聞いてお終い。 この章、要ります? 一人の話と、自分の周囲の人間の噂話を総合してバスクがゲルニカを狙ってる!と結論付けているだけ。 21世紀パートは本当につまらなかったですがこのビルバオ来訪部分は本当に不快でした。 だってルースはヨーコに「借りるなんて悠長な事を言ってる場合じゃない。奪うのよ!」 とまで言ってるのに自分たちはオーケーでバスクが欲しがるのはダメなの?ってなりませんか。 後半に出てくるテロ組織はさておき、 ゲルニカはバスク地方なのだから彼らがバスクが展示に相応しいと主張する事がそんなに悪い事のようでしょうか。 「鼓動が速くなるのがわかった」だとか「奪還」だとか「グッゲンハイムとバスク自治政府が手を組んでる」だとかどう読んでも好意的には書いていませんよね、これ。でも自分たちはマドリードから奪っても良いと。 言葉のあやにしろ、ルースの台詞が完全に余計でした。 終盤実在した(現在は完全武装解除)テロ組織まで出して「私たちのものだ」と説得するシーンがありますが、ルースの台詞の所為で物凄く冷めた目で見てしまいました。 そして前述のヨーコが何もしていない、という話に戻りますが ルースとパルドの権力者同士の会談の結果を内密に進めなければいけない立場の人が簡単にテロ組織に捕まる…… テロリストがヨーコを誘拐する必然性が全く分からないし、ヨーコの対応もお粗末すぎます。 それなのにパルドからは最大の功労者かのようにピカソの赤い涙をプレゼントされる。 苦労している描写なんかどこにもなかったですよ。ノーと言われて帰ってきただけ。 食事の場に招待してもらって勝手にパルドは味方だと思い込んで談笑しているだけ。 権力者同士の会談の場に居合わせただけ。 終盤、ドラとヨーコではないもうひとりの女性が出て来るとこう思わずにはいられませんでした。 この人が主人公で良かったのでは?と。その方がドラの設定も生きてきませんか。 | ||||
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ピカソの描いた『ゲルニカ』とそれを取り巻く人々の話です。 ピカソ視点ではなく、1930年代のフランスでは彼の愛人で写真家のドラ・マール、そして現代のアメリカ・ニューヨークにおいては美術館のキュレ―タ―を務めるヨーコの視点から描かれます。 初めはポンポンと話が進むため、せっかくピカソが登場するのに対し、 いまいちピカソの人間性や絵にかける苦悩などが伝わってきませんでした。 作品の4/5くらいまで事実に沿ったルポルタージュを読んでいるようで 小説としての面白味を感じられなかったのですが、 知らず知らずのうちに感情移入をしていたようで、 332ページのパルドの言葉に胸を打たれている自分がいました。 ただ、舞台の一つがニューヨークそしてスペインなのに対し、 主人公が日本人なのが興ざめでした。 さらに、富豪のパルドがピカソのゲルニカをアメリカへ渡航させるために奔走したくだりも もっと噛み砕いて書いてもらえたほうがよかったかなと。 結局お金のある人の交渉術と財力で何もかも解決!という風に描かれているように感じる為、 こんな感じだとピカソの画家としての価値が軽んじられるのでは?と思いました。 せっかくフィクションのキャラクターとして登場させるからには彼らにももっと肉付けが欲しかったかなぁ。 そうすれば前半も面白かったと思います。 | ||||
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面白いけど、ドラマチックすぎて、予定調和な感じもなきにしもあらず、でも面白く読めたので良しとしよう。 作者の原田マハさんは、大学卒業後、大手商社勤務したのち、国内、海外の美術館で仕事をしてきた人。だから、美術に関する知識がかなり豊富。この本ではその知識に感心させられます。 物語は、現代、9.11のアメリカで起きた同時多発テロ、あのワールドトレードセンターに飛行機が突っ込んだ事故当時のアメリカとこの小説の中心的な存在となるピカソのゲルニカが描かれた時代、第2次世界対戦より少し前のスペイン内戦時のパリが交互に描かれている。もちろん、両者の共通点にはゲルニカという20世紀最大の美術作品がキーワードとなっているんだけれども。 ゲルニカという作品は、スペイン内戦時に反乱軍側であるフランコを助けようとした、ナチスドイツがスペインの都市ゲルニカに無差別爆撃を行った様子をピカソが描いた作品である。 市民を巻き込み、無差別爆撃を行ったということに対する、ピカソの憤りは激しいもので、その感情をキャンバスにぶつけた作品となっている。世界中の人々はこの作品をよく知っているし、反戦、平和を訴える時には象徴としてされている作品でもある。 ゲルニカのタペストリーは3つ作成されており、その一つが国連の安全保障理事会の会議場の入り口に飾られていて、安全保障理事会後には、各国の代表団がそのタペストリーの前で記者たちの質問を受けるのが通例となっている。 9.11のテロを受けて、アメリカの空爆を容認した安全保障会議後の記者会見では、そのタペストリーには暗幕がかけられていた。その状況に憤ったのは、この本の主人公であるヨーコ・ヤガミであった。もちろん、ヨーコはこの本に出てくる架空の登場人物だけれども、最初の設定は事実にヒントを得ているのでリアル。ヨーコはこの暗幕事件に憤り、自身が務める美術館で平和をテーマにした美術展を開催しようと奔走する。その美術展の目玉はピカソのゲルニカ。でも、ゲルニカはスペインに返還後は門外不出となっていた。なんとかして、ゲルニカをアメリカにもってこれないかと交渉を試みるヨーコ。そこで思わぬ助け舟が登場したかと思うと。 大波乱の展開に。でも最後はハッピーエンドって感じになるんだけれども、そこ読んでのお楽しみだけど。かなり予定調和だろーっていっても過言でもない。でもそれが安心した読後感も得られる。 美術品をテーマにした、サスペンスものだけれども、ゲルニカやピカソ、スペイン内戦といったことの知識も豊富に散りばめられているので、大変勉強になった。おもしろと思います。 | ||||
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改めて、ピカソの生き様に 興味を持ち、超天才の人間性について、考えさせられた。 後世に残る作品を創造する人間は、決して天から授かった能力だけで、できることではなく、 多くの他人の犠牲、様々な偶然、が絡み合わなければ、できるものではないという事を改めて、感じた。 「ゲルニカ」を再度見に行きたくなりました!! | ||||
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原田マハさんの美術物はいつも期待通りの内容で、今回も大変楽しめました。ピカソに関するものは初めてだったので興味深く読みました。ゲルニカの実物を観たくなりましたねー(^o^) | ||||
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自身のキュレーターの経験に裏打ちされ、史実にも忠実に作りこまれたフィクション。ピカソ時代と現代を同じタイトルで同時進行という形態での、あっという間に読みきれる作品でありながら、絵画の持つ使命を見事にうたった傑作。実に愉快に読めた。 | ||||
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9.11以降の現代(2003年頃を想定)と1930年台後半のスペイン内戦や 第一次世界大戦時といった過去を交互に並べて 時空を越えた接点を読者に見せていく手法で書かれています。 10代の頃に主人公の瑤子がアメリカのMoMAで見たゲルニカ この出会いが彼女をピカソ研究の道へと引き入れました。 MoMAのキュレーターになった彼女がピカソ展を企画していた時 9.11が発生し、愛するご主人を亡くしてしまいます。 テロとの戦い、いやテロリストには屈しないという強いメッセージを発信するには この展示会にゲルニカを登場させるほかない 彼女の全身全霊をかけた戦いが始まる。。 これが現代を生きる主人公瑤子の歩む粗筋です。 一方、愛人ドラと過ごしていた頃のピカソは ゲルニカの無差別爆撃を新聞ニュースで知ることになります。 怒りを突き抜け、無になったピカソはゲルニカを作製することになるのですが ドラや、支援者となりかつ現代の瑤子とも接点を持つことになるパルドを通して ゲルニカ作製、完成後の展示、アメリカへの”亡命”に至る流れを史実を絡めながら リアルに描いてあり、歴史に興味のある人ならすごく面白く読むことが出来ると思います。 ただ残念なのは、せっかくこの時代のパリ、スペイン内戦を描くのなら ましてピカソやドラを描くのならこの時代を生きて強力に輝いた ロバート・キャパやその恋人で女性初の報道カメラマンだったゲルダ・タロー 同時期にパリにいた岡本太郎や藤田嗣治などを登場させたら もっと幅広く時代を感じられたのでは。。ということです。 さし絵、口絵として実際のピカソの作品を載せても良かったのにとも思いました。 でも、全体としては楽しめました。 絵画と言えば切っても切り離せない富裕層を反発心無く読めたのは 原田さんの文章の巧さなんだろうと思います。 | ||||
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