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暗幕のゲルニカ
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暗幕のゲルニカの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.17pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全191件 101~120 6/10ページ
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ストーリー、これが物の背景にあると全てが活き活きとしてくるから不思議です。 ピカソの絵はいろいろ観たが再度見たくなりました。そしてゲルニカも。プラドまでは行ったのだが国立ソフィア王妃芸術センターと言うところにあったとは全く勉強不足でした。 もう少しこの作家の著書を読みたいと思う。 | ||||
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本屋で買って良かったなと思った本です。 シリーズ物や続編物なんかで本棚がすぐに埋まりスペースがなくなるのが嫌なので最近はKindlePaperWhiteを愛用していたけれど、持っていた図書カードを使ってしまおうと本屋に立ち寄り表紙が目についたので購入。 レジにて貰える10色のブックカバーの中から、味気ないかなと思いつつも無難に黒を選択。 作品の内容はピカソによって描かれた「ゲルニカ」のメッセージを2つの時代で2人の女性が曲げることなく伝え、残そうとする奮闘のお話。 アートやその歴史については詳しくはないし、原田マハさんの作品も初めてだったので他の方々がレビューに書いているような"深い"楽しみ方はできなかったかもしれないけれど、それでもピカソってすごいな・・・面白いな・・・実物見てみたいなと思わされた作品でした。 海外の施設や場所や名称にも詳しくはなかったので、カッコつけずわからないことは調べようと途中から出てきた場所や建物なんかの場所をGoogleMapで調べたり、画像を検索したりしながら読んでいると、距離感等が掴めてより楽しめました。 特にニューヨーク近代美術館と国連連合本部の距離感なんかは、細かく分かっていると分かっていないのとでは 「結局MoMAには持ってこれなかったのか・・・」と「徒歩○○分じゃん!MoMAの庭じゃん!よくやった!」くらい反応が変わってくると思います。ありがとうGoogleMap。 読了後、本棚に仕舞おうと黒いブックカバーを外して表紙を眺めた瞬間、ふと物語の終わりと重なっていることに気づき、あの時レジで黒いブックカバーを選んだことと、本屋で購入したことを本当によかったと思いました。 知らぬ間に自分で偶然仕掛けていたギミックによって、本作を何倍も楽しめました。 最近はすっかり電子書籍しか使っていなかったけれど、やっぱり紙の本もずっとあってほしいなと思いました。 唯一ブックカバーをしたまま本棚に飾ってある作品です。 | ||||
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登場人物がどうも薄っぺらく感じてしまうのです。テロリストの辺りもリアリティが無いというか・・・ ちょっと残念でした。ゲルニカの思い余ってって感じでしょうか。 | ||||
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本屋大賞の作品ということで興味を持って購入。読みだしたら面白く久しぶりに一気に読みました。ピカソのゲルニカが生まれた経緯とそれを取り巻く人々の過去と現在エピソード、最後に一つの糸繋がる展開!素晴らしかったです。 | ||||
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「カフィーに待ちわびて」「楽園のカンブァス」に続いて3冊目のマハ作品でした。 最初に読んだ2作品は構成力が素晴らしく面白かったので期待したのですが少々残念。 「楽園のカンブァス」をまだ読んでない方はそちらを先に読む事をお勧めしたいです。 どちらも過去と現在が交互に進む構成が似ています。 その手法が成功していてより感動的なのは「楽園のカンブァス」の方だったから無垢な状態で読んだ方がいいと思います。 「楽園のカンバァス」を後に読んで重複を感じるとしたらもったいないです。 過去、現在の行き来がうんざりしてきたのと設定に違和感があって読むスピードが失速しました。 ゲルニカと反戦に対する著者の思い入れが強すぎるように感じました。 似た様なフレーズが何度も出てくるのは連載物だったから説明的になったためでしょうか。 実在するアメリカ大統領を偽名にする必要があったのかなと疑問を感じて冷めてしまったのと後半から異質な作品になってしまったように感じました。 マスコミに囲まれたりテロリストの標的になるあたりのキュレーターの社会的地位が誇大に描かれていたように感じました。 現実はアート関連の番組の解説者としてお見掛けする程度ですから。 ゲルニカがテロリストの標的になるのも現実離れしていて、作品世界に没頭できなかった理由です。 唐突に終わった感じで、前回の2作品の様な後読感もありませんでした。 ゲルニカ誕生の経緯やピカソとドラマールの関係性は興味深かったです。 期待はずれで少し残念でしたが、次回は刺激や壮大さよりも、奇をてらわない純粋なアートにかかわる作品があればそこに期待して別のものを読んでみたいです。 | ||||
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著名な「楽園のカンヴァス」の姉妹編が文庫で読めるようになったということで早速購入。20世紀のドラ・マール視点と21世紀の八神瑤子視点のエピソードが交互に紡がれて、大きなひとつの物語に仕上がっていました。 読み始めた当初は、著者の熱量についていけない自分がいました。テロや争いを商売にしているひとがいる限り理想だけでは解決しないのでは?とか、登場人物が基本的に上流階級・成功者のひとばかりでこのひとたちの平和が本当に人類の普遍的な平和と同義に語れるのだろうか?とか、ちょっと表現や捉え方が独りよがりでオーバーでは?とか・・・。 しかし、終盤に差しかかる頃になると、展開に徐々に迫力が出てきて、まったく詳しくないピカソについても、核心を見抜きそれをカンヴァスに投影する能力がすごいな・・・と感じ始めるようになっていました(笑) 表紙のゲルニカも私にはあまりよくわからないのですが、たしかにコレを巨大な絵画としてみたら感銘を受けるのかもしれません。 そして、ストーリー最後の盛り上がりは素晴らしかった・・・痺れさせられました。 ちなみに、著者さんいわく「ピカソは決して反戦主義者、平和主義者ではありませんでした。」だそうです。 小説はフィクション性とノンフィクション性のバランスがどちらに傾き過ぎても興ざめしてしまうものです。本小説はそのバランスがとても良かった。著者さんの卓越した実力はもちろん、巻末の参考文献の圧倒的な数の多さをみて、本小説の持つ臨場感と説得力に納得しました。読んで損のない大作だと感じました。 なお、コチラの解説はあの池上彰さんにより書かれています。事実を織り込みつつ小説をサポートする池上さんらしい見事な解説だと感じました。「空襲」と「空爆」にはハッとさせられました。「楽園のカンヴァス」のネタバレをさせないような配慮もさすがです。 解説も商品の一部です。よい解説はストーリーとの相乗効果を生み、理解と満足度を高めてくれます。 | ||||
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初めてこの絵を見た時、ピカソらしい絵だとは思ったのですが、その絵の意味を良く理解できませんでした。その後、その絵が「ゲルニカ」と言うタイトルで、空襲による虐殺劇を描いた絵だということを知り、以降はピカソと言えば、この作品を思い出す様になりました。 この小説のきっかけとなった「テロとの戦い」を標榜してイラクが化学兵器や生物兵器を開発・保有しているイラクを糾弾したパウエル国務長官の国連での演説については、良く覚えていません。しかし、ブッシュ政権がその後イラクを攻撃したのは衝撃的な記憶として残っています。 この小説の中で語られるのは、ピカソがその筆1本で「戦争」に戦いを挑んだことです。その象徴としての絵が「ゲルニカ」です。その後、数多くの「鳩の絵」が描かれていることは知りませんでした。 ピカソが、これほどまでに「戦争反対」を唱えていたとは・・・。 この小説の魅力は、第二次世界大戦前夜の「ゲルニカ」成立とその後の「ゲルニカ」の行方やそれを守っていた人たちの話が、9・11以降のアメリカの動きに連動して語られ、小説全体で「戦争反対」を感じさせてくれるからです。「ゲルニカ」に暗幕をかけるという象徴的な事件が、タイトルだけでなく小説全体に見事に映し出されているからです。 解説の中で現トランプ政権のボルトン大統領補佐官が、このイラクへのキャンペーンに主要な役割を果たした人物だと書かれています。「歴史は繰り返される」ことがないといいのですが・・・。 | ||||
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ゲルニカが制作されたころのピカソやドラ・マールのこと、 現代の美術業界に携わる人々の、様子などが想像されて、 引きこむ力が強く面白く読みました! 先日ヨーロッパを旅行し美術館も見学しましたが、 ヨーロッパの美術や建築や歴史と言った文化の度合いは すごいものなんだなーと改めて気づかされ、 アメリカも新しい国でもそれに追随する意気込みで 美術の分野を大切にし、お金もつぎ込まれ、文化的にも豊かであろうとしてるんだなー、と理解。 やはり大きな財力がないと、美術品をどうこうすることはコネクションとか、なかなか難しいな、と。 ピカソはやはり色や形やインパクトのセンスがスーパーすごくて、 たとえ悲惨なはずなゲルニカでも、ある種の美があるような気がします。 ところで以前日本のどこかで日本人の画家が描いた 汚い迷彩色のたくさんの日本兵が地獄のようにのた打ち回っている絵を見ました。 それは、地味で苦しくて何のすくいもなく、美しさはなく、湿度の高い不快感の 絶望的な、多数の自由なんてもともとない、地獄の様子でしたが、 ちょっと見ただけなのに、今でも時々思い出すインパクトですが、 ゲルニカみたいに脚光も浴びない、だけど、反戦を結果的に主張している絵だったなー、 と思います。 | ||||
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初めて読んだ原田マハさんの小説。好きな作家さんが新たに加わりました。 1937年にピカソが描いた畢昇の傑作「ゲルニカ」。本書は「ピカソの戦争」という特別展を企画した日本女性キュレーターが「ゲルニカ」を追う姿を中心に描きます。小説の構成、小説に仕掛けられた多くの伏線、仕掛けが素晴らしく、結局、寝るのも惜しんで読んでしまいました。 本書は1937年と2001年に始まるふたつの物語が交互にゆっくりと展開します。もちろん、ふたつの物語は収斂に向って行くと、読者は経験則から信じていると思いますが、これ以上は書けません(笑)。 何度も読み返した箇所があったので、引用します。 幾百もの眠れない夜 、白い鳩はいつも傍らで瑤子を見守ってくれた 。元気を出して 、負けないで 、などと絵の中の鳩が語ってくれるはずもない 。それでも 、鳩は 、ただ羽ばたいて 、静かに主張していた 。 ─ ─私は飛ぶのだ 、と 。 終盤、ちょっと個人的には合わない展開もありますが、それでも★★★★★。ピカソの描いた「鳩」を眺めた後、一気に読まれることをお勧めします。 | ||||
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何の事前知識もなく、単にタイトルが面白そうだったというだけで読んでみました。最初は1930年代のパリと2000年代のニューヨークの日常が淡々と描かれており、一体話がどう展開していくのか全く読めませんでした。読むのを止めようかと思ったほどです。ところが次第に話が見えてくると、抜群に面白くなってきました。後になってみれば、巻末にある池上彰氏の解説を先に読んでおけばよかったと思います。 本書は、強い意志を持って事を成し遂げた人たちの物語だと思いました。反戦への強烈な思いをゲルニカという絵に込めたピカソ、そのピカソをミューズとして支えながら自らもアーティストとしてナチスと戦ったドラ、イラク戦争に向かおうとするアメリカに対してピカソ展の開催という形で反戦を訴えたヨーコ。各々が強い意志をいかに貫徹させたかを読むことで、大変な勇気をもらいました。アート展を企画するキュレーターの仕事の裏側も克明に描いており、勉強になります。「芸術は飾りではない。敵に立ち向かうための武器なのだ」という、本書でも度々登場するピカソの言葉の通り、アートの力に気付かされます。 | ||||
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楽園キャンバスも暗幕のゲルニカも同じような展開ですが、、、やはり楽しめます!!僕のような芸術の素人に、分かりやすく伝えてくれる原田マハさん。素敵な作家さんです!ありがとうございます | ||||
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美術界の見識をベースに見事な仕上がりです。 | ||||
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ピカソがゲルニカに込めたメッセージ。ピカソやドラ、、またもやアートの世界に、第二次世界大戦の世界に引き込まれました。アートの持つチカラ。画家の想い。それを支える人々。なんて凄まじい人生なんだろう。いま平和に暮らせているのはこういった人たちがいたおかげなんだなあと思いました。 | ||||
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平和と反戦――全人類の切なる願いを,ピカソの「ゲルニカ」を通して描く渾身の力作。以前,『楽園のカンヴァス』を読んだ時も同じことを感じたのですが,文字だけの小説の世界なのに,まるで映画を観ているかのような,彩り豊かで躍動感あふれる文体。鳥肌が立つような衝撃的なストーリー。そして,読み終えた後は何とも言えないカタルシス。ただただ圧倒されるばかりでした。 ピカソの愛人ドラの目を通して描かれる第二次世界大戦中のパリ,ピカソ,そして「ゲルニカ」。他方,9.11によって人生を大きく狂わされたMoMAのキュレーター 八神 瑤子を主人公に展開する2003年の現代。2つの時間軸が交互に動き出します。「ゲルニカ」以外は接点がないように思われた2つのストーリーが思わぬところから絡み合い,衝撃の終盤へ。 史実と実在の人物に実在の名画。そして,架空のキャラクターにフィクション。それらが絶妙のバランスで交錯し,実にスリリングで臨場感あふれる展開となっています。これは素晴らしい! 傑作です。 | ||||
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おもしろいのですが「楽園のカンヴァス」に匹敵するほどの おもしろさ!みたいなことで期待すると そこまでおもしろくはないかなというのが印象。 この本から読んであとで「楽園のカンヴァス」読めばいいのかも | ||||
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他の方も書かれているが、「ゲルニカ」や登場人物に関する同じような描写、説明の繰り返しが多すぎて、読んでいて辛いレベル。しかも、この絵の解釈は多様なものがあるが、(夢想的平和主義者が持つような)作者の浅薄な解釈が繰り返されるため、ウンザリする。作品の技巧に関する描写はほとんどない。ストーリー展開も非常に雑駁。主人公が交渉に行って速攻で断られ、2回目は主人公は交渉に絡まない。「テロリスト(という設定)」が主人公を拉致するも、あっという間に脱出するというシーンは、「うまく書けないなら書かなきゃいいのに(連載の回数稼ぎか)」とため息をつく。あまりのストーリの陳腐さと小説技術の低さに途中からパラパラめくるようになってしまったが、交渉成立の「条件」は最後まで隠されていたため頑張って最後まで読み進んだところ、オチのあまりの必然性のなさに愕然・・・。 | ||||
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この本の主人公は二人の女性です。 一人は1937年のスペイン内戦の際のナチスドイツによるスペインの町ゲルニカへの空爆の惨劇を報じる新聞<ユマニテ>をみて大いなる義憤を抱き、『ゲルニカ』という反戦絵画の傑作を残したピカソの傍らにいて制作過程の一部始終をカメラに記録した、当時のピカソの愛人ドラ・マール。彼女は写真家、画家で有名な『泣く女』のモデル。 もう一人の主人公は、八神瑤子。10歳の時に父の赴任先のニューヨークの近代美術館で見た『ゲルニカ』に衝撃を受け、その後美術の道に進み、2001年の9・11の同時多発テロの際、奇しくも上記美術館でピカソ研究にたずさわる一線のキュレーターとして活躍。彼女は、9・11テロ事件を受けてイラク攻撃などの好戦気分が高まっているアメリカで、今こそピカソの『ゲルニカ』を掲げて反戦・平和をテーマに『ピカソの戦争』というテーマの展覧会を開催すべきと決心する。 この本は、時代、立場は異なるが『ゲルニカ』を愛し、ピカソを敬愛する二人の女性の活躍を交互に章立てし臨場感を持って進行してゆく構成の小説。ピカソの研究者としての著者は、ピカソと『ゲルニカ』に惜しみない愛着と賛辞を呈し、『ゲルニカ』の美術史に持つ意義を熱く解説する。 そしてピカソの愛人のドラ・マールに改めて焦点をあて、恋人を次々に変えてゆく女好きのピカソだが、単なる一時の愛人としてでなく、一人の芸術家である自負の念を持ち、<創造者>としてのピカソに対峙する彼女の心意気あるいは葛藤を愛情をもって描いていて、読後感のよい小説でした。 この本は直木賞候補作品になったのですが惜しくも落選しました。 その選評として 「ピカソは偉大な画家ですが、一人の男性としては、付き合う女性たちを使い捨てにする嫌な奴ですね。そんな男が、民衆の自由を奪う独裁に怒って筆を取り、見る者の魂を揺さぶる絵を描く。その皮肉、矛盾を容赦なくあぶり出すには、原田さんはピカソを深く愛し過ぎちゃっているのかなと感じました。」(宮部みゆき) 「ピカソとゲルニカ、こんなものを小説の題材に選べる資質が羨ましい。ダイナミックかつ、劇的な展開を大いに楽しめた。しかしピカソへの愛、ゲルニカへの熱い思いを、あまりに何度も繰り返し読まされるうち、飽きてきたのも事実だ。」「最大のマイナスはテロリストの登場。リアリティのなさを指摘されたら、弁護はできなかった。」(東野圭吾) 宮部さんの選評もちょっとシニカルなところがありますが、原田マハさんは別の場所で「ピカソは決して反戦主義者、平和主義者ではありませんでした。けれども〈ゲルニカ〉は、アートが強いメッセージを持ち、政治や国を動かすこともありうると信じさせてくれる作品です。」と言っています。 この著書の中でも、ピカソは自分から積極的に『ゲルニカの』の解説をしていないんですね。『ゲルニカ』そのものに直接ナチス・ヒットラーを思わせるものはありません。『ゲルニカ』はもっと普遍的にして根源的な作品なんでしょうね。それだから10歳の瑤子にも衝撃を与えることができた。 東野圭吾さんの「最大のマイナスはテロリストの登場・・・・」とありますが、私は次のように考えました。 推理小説の大家である東野さんに僭越ですが、原田氏は瑤子が大事にしている亡夫からのプレゼンントの鳩(パロマ)のピカソの小絵を、テロリストの妻が持っていた鳩の絵と写真(ネタバレになりますが、ドラ・マールがピカソと別れる際、ピカソの許可を得て手に入れた作品で、ピカソの子供を妊娠していたドラ・マールが子供のいない家庭に生まれて来る赤子と一緒にパルド・イグナシオ(ピカソの支援者)に寄託したもの)が、瑤子の眼前でシンクロナイズするという推理小説的な仕掛けをし、読者サービスをしたのではと考えました。 ちょっと唐突な感じがありますが、拉致の現場での出来事であり、それだけにサプライズでした。 | ||||
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ピカソが美術家として人として、戦争反対をどう人々に訴えたか、そして今も伝え続けているゲルニカを巡る物語。 | ||||
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なかなかに骨太で面白かったです。最後の方の展開は、私はなくても良いかなと思いましたが、それでも久しぶりに面白く、かつ好きな本でした。 | ||||
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中盤の終わりまでは「すごい!世界中で読んでもらいたい作品だ!」と思って読んでた。 ただ終盤はMoMAに勤務経験がある作者が自分自身のために描く夢物語のようで出来過ぎてた。 ETAも登場するバスクでの絡みは必要だったかな。 何か突貫工事のように付け足された感があった。 またそこに出てくる鳩の絵にまつわるストーリーもあまりに出来過ぎ。 いくつかの出来過ぎに少し心が離れた。 他にはない題材や着想で語られる原田マハの小説世界。 往々にして作者自身の意図に無理を感じさせられることがある。 書き手の意図を意図と感じさせず自然に読ませる作品が名作として後世に残るのではないだろうか。 惜しい。 | ||||
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