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阿修羅ガール
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阿修羅ガールの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全94件 41~60 3/5ページ
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読んだあと「ウンコパ〜ン、デ、デレッデ」が頭から妙に離れませんでした。女子高生文体もおもしろいけど、引きこもり魔人の脳内も独特の味わいです。 某巨大掲示板のことを「便所の落書き」と言った人がいましたが、その巨大掲示板は便所の落書きの「集積」とも言えるでしょう。バラバラにされた子どもの体の集積である「森の怪物」のように、それ自体がまるで意志をもって暴れまわるような存在です。 ネット時代の新しい神、あるいは神への発展途上にある存在、がテーマなのではないでしょうか。某掲示板しかり、おそらくアイコしかり。 私にとっては初舞城でしたが、饒舌でグイグイ引きこまれる文体、隋所にちりばめられた笑えるネタの数々など、ほかの作品も読んでみたいと思わせる作家さんです。 | ||||
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三島由紀夫の女生徒の読み替えらしいですね。過去の名作、映画、技法のオンパレード、俗に言う解体、再構成ってやつです。文体は現代風というかどっかの掲示板風です。 ネタ元がわかる人には、賞をあげやすい作品だと思います。 しかし形だけまねてるだけですから、内容がスッカスカです。元ネタがわからない人には、ぶっ飛んでるように感じるのかもしれませんね。それからこれが新しい文学というひとに質問があります。その定義は技法だけですか?その技法すらどこにでもあるような気がしますが。 でもそんなに目くじら立てることないか、ライノベだし。 純文学や新しい文学を期待している人は読まないほうがいいと思います。それからネットで有名な掲示板をみて嫌悪感を催す人も。 | ||||
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『阿修羅ガール』です。 第16回三島賞受賞作ということで、舞城王太郎の代表作といえるでしょう。 女子高生の一人称、文章全体が口語です。改行も少ないですが、勢いよく読めます。本はそこそこ厚いのですが一気に進みます。ただし、クセが強いので好みは分かれそうです。 展開は色々事件がめまぐるしく起きて退屈しません。 荒唐無稽な事件の連続の中で、2ちゃんねるを髣髴とさせる天の声が、妙に生々しかったです。 終盤の森のシーンが、なんとなく浮いて感じます。でもここがあるからこそ、本作はエンターテインメントではなく純文学というカテゴリになんとか入っているのではないでしょうか。 まあ、好き嫌いは読者次第として、舞城という作家が良くも悪くも特異な才能の持ち主であることは間違いないのではないでしょうか。舞城作品の中で、その独特さが端的に表れているのが本作だと思います。 短篇「川を泳いで渡る蛇」が併録されています。 | ||||
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舞城の文体は饒舌だ。 密度が濃いというか肺活量が多いというか、とにかく饒舌。 息継ぎせず一気に喋ってる感がある。 初の女子高生一人称語りだが違和感は全然感じなかった。 主人公・愛子の豪快さとナイーブさが隣り合わせの暴走っぷりは痛快だし バスタブの中でイマジナリーフレンドと会話し際限なく妄想膨らませるのが笑える。 (おま、刑務所で出産までいくのかよ!と) ネットの書き込みを延々抽出していくシーンなどは臨場感たっぷりで引き込まれる。 この時愛子がとる一見矛盾した行動も「ありそうだなー」と実感。 阿修羅ガールには奇妙な生々しさがある。 グルグル魔人を名乗る猟奇殺人鬼に三つ子の子供を殺された夫婦が 白昼堂々公園で性行為に及ぶ場面を目撃した愛子はこう思う。 「あの夫婦の間に、三つ子を無残に失ったことで、新しい形の性的関係が生まれたのかな、と。深い哀しみを包み込むような形で。子供の死を前提とするような形で。言葉はやな感じに響くけど、子供の殺害という辛さを利用するような形で」 「最悪だ。 人間の性欲なんて、ホント最悪」 しかしその最悪なものから自分たちが生まれてくると愛子はちゃんとわかってる。 また愛子の片思いの相手である陽治は、失踪した同級生の情報を積極的に求めながら心中を吐露する。 「エチオピアの難民助けるためにとかは俺、汗かく気になんねーけど、同じクラスの奴が誘拐されてなんか酷い目に遭ってるなら、俺、心配するし、なんか動くよ。普通じゃん?」 こういうのってだれもが思ってても悪者扱いされるのが嫌で言わないことだよなー うやむやに流しちゃうことだよなー。 けれど舞城は直視するのが忌まわしく醜悪な人間の側面や欺瞞偽善をこれでもかと抉り出す。 そして「この最悪なものがあるからこそ俺たちは生きてけるんだ!」と叫んでるようだ。 えぐい。 でも面白い。 だからやめられない。 | ||||
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ためしに好きでもない人とやっちゃう主人公の女の子は頭の回転が速くて本質的なことからどうでもいいことまで雑多な思考が湧き出てきて、それらが整理しきれてなくそのままの状態で表現した文がメイン。ぐちゃぐちゃな思考もスピード感があるから読みやすくて一気に最後まで読みました。 現実と妄想のつなげ方がすごく上手だと思った。 というよりは、現実の描写部分でも十分に感じるリアリティよりも妄想部分のリアリティを強く感じた。三途の川にリアルもなにもあるわけないのに。 | ||||
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2003年度三島由紀夫賞受賞作。 やっぱすげーよ、舞城。 マジぶっ飛んでるよ、舞城。 舞城の何がすごいかって。 その文体、文章、言葉。 小説に全く似つかわしくない。 例えば… 「私の素早い応戦にもマキが怯んだ様子はちっともなかったが、剣道とテニスで鍛えた私のムチムチの右足のスーパーキックがわりと効いたらしくて「いってーなこのビッチ〜」とか言って足をさすってて、私はすかさず「うっせーなおめーに何の関係があんだよ!」と言いながら私はマキの頭を上からぐいと押さえ込んで体重乗せて屈ませてそこに右の膝を思い切り上げてうつぶせたマキの顔にガツン!と当てた。」 こんな感じ。 これずっと続くから。 物語りもぶっ飛んでるけど、こんなカジュアルな文体で始まり、そのまま完結させる舞城はやっぱすごい。 さらにこの作品に三島由紀夫賞あげた人たちも凄いと俺は思う。 | ||||
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何人かのレビューでも書かれていますが、最初から1/3くらいまでの第1部は、軽めの小説ではトップクラスの面白さです。が、その後は好き嫌いが分れるとかいうのではなくて、普通は何がなんだかわからなくなるんじゃないかと思います。 私はこの作者自体はどっちかというとファンなんですが、この作品はおすすめできません。 (ちょっとコアですいませんが、エヴァンゲリオンの最終回に納得した人は気に入るでしょう。私は納得できない人でしたので。) | ||||
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べつにこの作品は難解なものではなく、文体の疾走感と展開のキチ○イぶりを楽しめばいいものだと思う。 映像が頭に浮かんでくるのだが、その映像がまた変でちょっとしたトリップ感が味わえる。その映像はどことなくデヴィッド・リンチの作品ぽさも感じる。彼の映画が好きな人が読むと楽しめるかも。しっかりしたストーリー展開を求める人は楽しめないと思います。 一昔前の言葉で言えば、分裂症、スキゾ的な作品だと思う。好き嫌い分かれると思うが、私は好き。 これを三島賞に選んだ人たちも偉い。 | ||||
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まず、「人は一貫した自己なんか持ってるはずはない」という話だ。それから、「(自作の)個人的な神としての、匿名的集団の言葉」について、饒舌に活写している。 この神の神秘性は童話的な夢の中に限られる。行動している人間のモノローグに滲む彼らの神はどこまでも稚拙で薄汚く、卑しくも近しい。 人の寄せ集めというイメージと、正邪両面のイメージ。阿修羅というモチーフは、だから必然なのだ。英題は、Asura-Girl in Love。邪悪な寄せ集めの神としての阿修羅少女が、お釈迦様としての男の子に恋をして、良い神様になる話。でもそれは良い神様になりたかったからなったのであって、仏様が自分を罰して良い方向に導いたわけじゃないんだ、と舞城王太郎は書いている。たぶん。 | ||||
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ぶっとんでいて面白い。が、生理的に受けつけないところがある。狙いより一歩はみでてきもちわるいというか。女の子のあざとめの語りとか併録の作品のちょっとナイーヴなところとか。いい小説は読んでるだけで快感てとこがあるけど、そういうものもこの作品では自分はあまり感じられなかった。ラノベってあまりそういう快感のある作品はないけど、その意味ではやはりラノベ的なのか……。 | ||||
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この作者の作品は初めて購入。 三島由紀夫賞受賞ということなので。 どんな純文学なのかと思ったけれど。 ビミョー。今時のチャラい女子高生は、 こんなことしか考えていないのか。 と思って読まれたらかなわない。と思わせる内容。 所々にアレやアレを思わせる事件やアニメネタなどが 含まれているんだけど。 果たして純文学か?とは言いがたい。 なんだかパスティーシュな作品だと思いました。 ちょっと消化不良。 | ||||
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最近見た中では間違いなくトップクラスの圧力を俺にかけた作品。 完成度・技術・構成・キャラ等どれをとってもまず文句のつけようが無いだろう。 村上龍の秋葉系とでも言おうか? 実際の女子高生があんなふうに喋るかは知らんが、まざまざと見えるその空間。活き活きとした登場人物達。バイオレンス・エロティック・ナンセンスだがリアル。もの凄いスピードで走り抜ける爽快感。二流のホラー作家なんぞ舌を巻くであろう恐怖感。 非常に優れている。 ただ、 「これ、面白いから読んだ方がいい」 とは勧められない本No1。 でも、この人すごい。 | ||||
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無粋を覚悟で書きますが、アニメの映像がちらつくのです。だから面白くなかったというつもりは全くないのですが、たとえば、文庫本P29L1「責任とってよー!」とアイコが叫んで、「飛んだ。つーかズルッと足滑らせて落ちた!」は、押井守の名作「うる星やつら2/ビューティフル・ドリーマー」のラスト近く、DNAに乗ったあたるが、ツバの広い帽子に隠れて顔の見えなかった幼い女の子が顔を見せ(実はラム)、「責任とってね!」の言葉を合図に落下していくイメージをどうしても連想してしまいます。P214L3からのヤギのチーズをパンにのせるのは、「アルプスの少女ハイジ」。P264L2からの森の怪物は「デビルマン」に同じような怪物が出てきたように(うろ覚えですが)記憶しています。そのせいか、P182L2からはじまる「崖の壁面」の「大きな文字」は「崖を削って書いてある」とあっても、アニメとしてならイメージが容易に浮かびますが、実写でならどんな感じなんだろうと、イメージが茫洋としてしまいます。繰り返しますが、だから悪いと言っているのではありません。不思議なのです。上に挙げたアニメはいずれも僕が10歳くらいから高校生くらいにかけて見たアニメばかりです。作者と同世代くらいの読者には、これらの連想を促すようなシーンがどんなふうにうつるのか、どんな効果があるのかがわからないのです。 | ||||
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本作も、全体的に、日常において、「目に見えないもの」を説明する為に、比喩的なフィルターの張り巡らされた作品になっています。単に活字を読み進めるだけでは理解に難しいのも仕方ありません。以下は蛇足です。言うに及ばぬ事ですが、普通男性作家の書く女性キャラというのは、女流作家の書くそれには、リアルな心情表現という枠内においては到底適うはずのないものです。本作の主人公もこれまで同様、舞城版ガールとも呼べそうな、弾けた感じの、前向きな性格を持っています。本作を読むにあたり、主人公のアイコちゃんは、無論男性受けをするはずです(まぁ、舞城氏の覆面の下が男性であると断定するならば)。が、女性読者に受け入れられるか否かはわかりません。私は次は是非違うタイプの女性主人公を書いてほしいと思っています。それにより、さらに多くの方(読者)に支持される作家さんになられるんじゃないかなぁという、拙い観測をするばかりのこの頃です。 | ||||
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語り口は「今風」だが、思えば第一線の作家は明治の昔からずっと「今風」の文体で書いてきたのだ。話の展開も行き当たりばったりで書いているように見えるが、読み終えた後で、確実に全てがしっくりくることに気付く。日常と壮大な想像力が結びついた傑作だ。 表面的には見えないかもしれないが、この作家は、書きながら非常に悩んでいる印象を受けた。口語の使用や価値観の表出の仕方など、確かに意図も意識も持ってやっているのだろうが、それさえもどこかで迷っているような、そしてその迷いを勢いで押し切ろうとしているような感じを受けた。その点も含めて良い作品だ。 | ||||
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タイトルからは想像もできない冒頭です。 一体全体どこが or 何が「阿修羅ガール」なのか? 最後まで読んで下さい。 この作品は賛否龍論あるかと思いますが、 私は「賛」です。 文章全体が主人公「愛子」の口語調で書かれているので、 なんとなく「バカっぽい」印象を受けますが、 「愛子」の心情を余すところ無く吐露していて 内容はしっかりしていると感じます。 2回ほど読みましたが私は好きな作品です。 | ||||
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最初の三分の一くらいは楽しく読めました。その後は 作者の想像力 についていけませんでした。 アイコが好きな男の子に、「何か言ってあげなきゃ。」 「なんか面倒くさい。」 と、面倒くさい気持ちが同情心にあっさり勝ってるところが いかに もありそうで面白いなと思いました。 アイコと脳内のともだちの会話とか、ところどころ笑えるところも あり、壮大な話の展開にはとまどいましたが まあまあ面白かったです。 | ||||
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とてもとっつきやすいしゃべり言葉でかかれているものの、それを脳内変換するのにとても疲れました。 普通にある小説に慣れていると、ちょっと厳しいですね。 2ちゃんねるっぽいカキコの部分も、通常のように横書きで読んでる分にはまあいいんだけど、この小説みたいに縦書きぎっしりだとつらい。 おもしろくはないけれど、読み返さないと思います。そのくらい疲れた。。。 | ||||
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少し前に読んだ本を、忘れないうちにレビュー。 ハードカバーの表紙の方が好み。何でこのまま文庫本化しなかったんだろ。ちと残念。まあそれは良いとして、舞城王太郎初読み!すごい世界観ですね。面白かったです。第二部「三門《森》」にて作家としての実力も垣間見れた。冒頭文での掴みもオッケー。「減るもんじゃねーだろとか言われたのでとりあえずやってみたらちゃんと減った。私の自尊心。返せ。」 この作品の世界観や現代語文章についてこれないひとは結構多いと思う。「はあ?」「なんだこりゃ。」と思わされること多数回。好き放題書いてるなあ。この奔放さ、独創力には嘆息した。 登場人物とモノの考え方で合わない、というかむしろ腹が立つところもあったのだけど、それは「現代の女子高生」を書いてるってことになるのかな。ならんか。 三島由紀夫賞受賞作。 | ||||
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英語のタイトルは(なぜか英語のタイトルがある)"An Ashura-Girl in Love" となっている。タイトル通り、恋する阿修羅乙女アイコ大活躍の一篇。 はじまりは、こう。 <減るもんじゃねーだろとか言われたのでとりあえずやってみたらちゃんと減った。私の自尊心。 返せ。> といっても、誰も自尊心なんか返してくれない。だけど、魔界に行ったり自分の心の森を冒険したり(「森」の章はほんとうにすごい)するうちに、なんかアイコはどーでもよくなってる。結局、こーうなる。 <楽しいよ。 相変わらずバカなことばっかりだけど。> ほんとにバカみたいな殺人事件がたくさん起こったあとで(相変わらず作品中ではたくさん人が死ぬ)、こんなことを言えるやつはなかなかいない。女子高生が言うにしてはちょっとかっこよすぎる気がしなくもないけど、このすがすがしさは格別だ。舞城王太郎はやっぱりこういう方がいい。 | ||||
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