(短編集)
短篇五芒星
※タグの編集はログイン後行えます
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点0.00pt |
短篇五芒星の総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
現在レビューがありません
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
タイトル通り舞城王太郎5作品がおさめられた短編集。 それぞれの作品に関連性はありませんが、子供の落書きとでも言いましょうか独特の視点で描かれた作品となっている。流産がひたすら気になり周りを不快にする男「美しい馬の地」、ダンディな鮎(魚ね)の嫁になった女性「アユの嫁」、密室の都市伝説「四点リレー怪談」、悪い箱(!)と戦う女子高生「あうだうだう」。 本作品集の中では、バーベルになった男「バーベル・ザ・バーバリアン」のとんでも話ががお気に入り。 著者の作品が初めてなら、ここから入ってはいけないかもしれないね。いつものあふれんばかりの疾走感が欠落しているからか、フツーのわけわからん話なので。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
突然流産のことが気になりだした男の話(「美しい馬の地」)が最も印象に残りました。男の気になりすぎて取ってしまう言動と周囲の反応の一連の流れが具体的で引き込まれます。言動のいちいちが一般的な範囲からズレて周囲から非難されますが、はたしてこの男を「こいつ頭おかしい」と精神病理化して片付けてよいのか、断定できないところにおもしろさがあります。 読み進めるなかで、精神科医の中井久夫が挙げた、精神健康に関する基準を思い出しました。その基準のうち、「いい加減で手を打つ能力」「精神を無理に統一しない能力」などと関連させて判断すれば、確かにこの男は精神的に不健康だといえます。でも、不健康かもしれないけれど、悪い人ではないし、そういう描かれ方はされていないのが明白です。 そして、男はみずからの言動が招いた一連の結果を振り返って、それを流産という現象と結びつけて、1つの解釈というか結論に達します。勝手に自己解決というか、自己ツッコミを経てちょっと青臭いともとれる結論にいたるのは舞城作品によくみられますが、そこにいたるまでの言動の激しい描写との対比もあり、青臭くても印象に残って醒めた読後感になりません。 他の4作品もおもしろいです。造本面では、この書名「短篇五芒星」って著者が決めたのでしょうか?あまりにもダサいと感じるのは私だけ?表紙のイラストもダサくて買う気を一瞬削がれました。オビの「無敵の舞城世界をかたちづくる物語のペンタグラム」とか、購買にまったく訴求しないと感じるのですが、なにかあえての意図があるのでしょうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
三島由紀夫賞作家・舞城王太郎さんの、『好き好き大好き超愛してる。』『ビッチマグネット』に続く三度目の芥川賞候補作。 タイトルの『短編五芒星』が表わすように五つの短編が収録された作品集です。(ちなみに、この五作まとめて芥川賞候補に当時あがりました) 『美しい馬の地』『アユの嫁』『四点リレー怪談』『バーベル・ザ・バーバリアン』『あうだうだう』が各タイトルで、各短編に内容的な関係性はなく、独立した作品がそのまま五作という形式です。 軽く内容に触れると、最初の『美しい馬の地』は突然なんとなく流産で死ぬ子供たちの死の不条理に悲しみを覚え、偏執的に苦しみ続ける若者の話。 二番目の『アユの嫁』は、姉が唐突に〈鮎〉の化身と呼ぶ青年に嫁ぎ、〈私〉や〈家族〉の記憶から姉の存在が薄れてゆき、その姉からSOSの電話が掛かるという話。 三番目の『四点リレー怪談』は、文学誌〈群像〉掲載時は『四点リレー』という少し違う題名だった、有名な怪談をモチーフにした短編。 『バーベル〜』は自分をバーベル、ガンで死んだ自分を人前でバーベルのように持ち上げた友人を〈鍋焼きうどん〉と呼ぶ主人公(現アメリカの保安官助手・元SAT隊員)の逃避のエピソードで、 『あうだうだう』は、東京から福井に転校してきた女子高生と、〈悪い箱〉〈あうだうだう〉などと呼ばれる負の摂理の神と戦うクラスメイトの少女の話。 五つの短編はどれもスピード感があり読んでいて楽しい作品ばかりです。私は個人的には舞城王太郎さんは短編より長編が好きなのですが、ひさしぶりに読むと短編も魅力的でいいですね。 よく、現代日本ポストモダン文学の若手の代表格と見られるように、ストーリーらしいストーリー、メッセージらしいメッセージはあまり前景化されず、逡巡・懊悩・自己満足のような個人的な世界観が軽いタッチでブラック&ユーモアに描かれています。(芥川賞候補ゆえか『スクールアタック・シンドローム』や『ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート』程ではないですが) でも冒頭の『美しい馬の地』の主人公に向けられた台詞、「勝手に可哀想がることが相手を傷つけるってことくらい想像つかないか?」は普段気が付くようで気が付かない、普遍的なメッセージだと思います。 善意で放った言葉、善意で行った行動が反対に相手を傷つけること事や、予想に反して悪い結果になる可能性もある。このことは忘れてはいけない事なのではないか、と思わせる大切な言葉だと思いました。 もっとも舞城王太郎さんの小説はクレイジーとでも形容したくなる激烈で個性的な作品なので、頭を空にしてその作品世界に浸るのも最高だと思います。 あと最後の短編は、ライトノベルの悪の存在と戦う主人公を、事情を知らない日常を生きる脇役から眺めたような、そんな趣もあるので純文学ファン以外の方にもオススメです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
舞城は文芸誌にしか載ってないのも、あらかた読んだけどコレに収められてるバーベル・ザ・バーバリアンが一番好き。何度読んでも面白いし締めの文章が美しい。文学は音楽と菊地成孔が言ってたが納得いった。 しかし表紙のダサさよ… | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
何となく引き込まれる短篇集です。 微妙にズレた現実感が面白い! 長編も読んでみたいと思いました。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 14件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|