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サナキの森
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サナキの森の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.70pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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作家だった祖父に託され,孫娘たちが探し物と探偵の真似事を…という物語ですが, ラノベ風のキャラクタや言い回しは,旧仮名遣いの作中作との対比効果はあるものの, シリアスなミステリへの期待が強いと,カバー絵を含めて戸惑いを抱くかもしれません. また,そのノリでたびたび挟まれる彼女の恋愛事情や,卑屈で自虐的な自分語りは, 青春小説にしたいのか,それでも興味は向かず,ダラダラした様子は邪魔ですらあり, それらを絡める幕引きも,触れたからには…とはいえ,どうしても違和感は拭えません. 一方でミステリについては,過去の事件に流れるも,最後は始まりの物探しへと収束. 事件よりも祖父の思い,そしてその背景にあった古き因習と男女の謎が軸となっており, こちらは話の組み立てやゾクリとする作中作など,うまくまとまっていた印象を受けます. ただ,昔も昔だけに推測とされるも,事件のトリックについては『穴』があるようで, それを導き出した人物にしても,顔が見えず,話に都合のいいだけの存在に映りました. | ||||
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岩手の遠野を舞台に、実際に起きた「冥婚」を語る祖父の小説と、現代に生きる孫娘の推理が交互に紡がれる。 なにより注目すべきは、横溝を思わせる怪奇的な雰囲気と密室殺人の謎が、片思いの恋をモチーフとして、27歳ニートの主人公の秘められた 物語と共鳴しあうという設定にある。謎は本格派らしく、フェアな手がかりと共に読者へ差し出されているが、枠組みである主人公の 物語の方が興味深く、その意味で本作は青春小説としても読める。昔の小説の文体と、現代の若者の話し言葉の文体を巧みに使い分けつつ、ふたつの物語をリンクさせる手際は見事。次回作も読んでみたい。 | ||||
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最初は、ラノベ文体と旧字体に疲れてしまいました。 が、読み進めるうちに、そんなことは気にならなくなるくらい引き込まれました。 冥婚がからんだ動機が新しい。そして切ない。 レビューにあったトリックの庇護、気付きませんでした。修正されているのかな?? | ||||
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他の人も書いているが、本格密室トリックのはずが、成立していない。重大な間違いがあるのに、選考委員も編集者も、誰も気づかず、直させなかったのは、どういうことか。「金返せ」ものの作品。それでも読みたい人は、アマゾンで1円になるか、ブックオフで100円になるまで待つのが賢明。 | ||||
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続きが気になって一気に読みました。 早送が早く本の状態もとてもよかったです。 | ||||
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本の帯に、「ラノベの文体で……」などと、これみよがしに書いてあるが、いったい「ラノベの文体」が売り物になるのだろうか? 新潮社のミステリー大賞だかホラー大賞だかの「三つの賞のDNAを受け継ぎ」、選考委員は、伊坂幸太郎など、いまはやりの若手作家たち、本書の著者の「公募ガイド」インタビューによれば、「こんなおいしい賞はないぞ」と思ったとか。確かに、「おいしい賞」であったろう、著者は目的を果たしたのだから(笑)。 しかし、いくら古い漢字を使えど、「基礎」は、ラノベの文体、どだい、現代女性と、年寄りの、一人二役は無理。雰囲気は確かに、横溝正史の世界だが、横溝はもっと物語展開がうまい。意匠のみ、「横溝」ということか。ついでに言えば、いまさかんに公募小説の募集のカテゴリーを示す、「広義のミステリー」というのは、「破綻したミステリーでもOK」ということでもあるような、レベルダウンを否めない罪な表現である。 レビュアーのなかに、「かろうじて本格」を目ざしているみたいなことが書かれてあったが、これも意匠としての「本格」である。鳴り物入りの賞の第1回がこれだと、後に続くのは、「この程度でもいいのか」の連中だろうか? それとも、ラノベ系だからやめておこうと考える人もいるかもしれない。これよりマシな作品は集まらなかったのか? いずれにしろ、まったく本作によって、選考委員たちもイメージダウンしてしまったような……(笑)。 | ||||
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80年前という設定の古めかしい文章と、 現代という設定のケイタイ小説っぽい文章が交互で展開されるが、 どちらも非常に読みづらい。 アオリにはラノベ的とあるが、 「私は、~~で~~だった」「私は~~~した」という変な語り口はラノベというよりケイタイ小説。 こういう状況を他の文章で"表現"するのが、"小説"じゃないの? この作者に水を飲んだことを表現してみなさいと言っても、きっと「私は水を飲んだ、ゴックン!」くらいしか書けないだろうな…。 彼氏と会えないことを表現しなさいと言っても、「会いたくて、会えなくて」としか書けないんだろうな…。 主人公が女子と表現されているから高校生かと思えば、30前のオバサンで、 無職ヒキコモリのかなり痛い人物なのも、なんだかなあ…。 奥付の作者の写真を見て、もっとなんだかなあ… 検索して出てきた写真を見て、もう正直これはなあ… なぜこの駄作が選ばれたのか…。それが最大のミステリにして、オカルト。 作者が平成生まれで、ケイタイ小説風なので、 中学生高校生にはいいかもしれない。そのあたりがターゲットだろうし。 | ||||
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第1回新潮ミステリー大賞受賞作 主人公は荊庭紅(いばらば・こう)という美術の先生を辞めたばかりの若い女性。彼女の祖父、在庭 冷奴(あらば・れいど)が亡くなり、彼の書いた「サナキの森」の最後のページに、紅宛ての手紙が見 つかったことから物語は始まる。その手紙で祖父は紅に、遠野の小夜告村の神社の龕(がん)の祠にあ る、鼈甲の帯留めを確認して欲しいと頼んでいた。以下、古い文体の「サナキの森」と、紅を中心とし た軽い文体の現在が交互に描かれる。紅は、祖父の要望に応えるため、小夜告村に出向き、事件があっ たとされる東条家の娘で美少女中学生の泪子(るいこ)と共に謎解きを始める。 謎の中心は、瞑婚をした娘の家で起きた姑「勢:せい」の密室殺人。トリックは単純だが、これには 明らかなミスがある。ネタバレになるので伏せ字で書くと、Jの形式がAとBで異なるのでないかぎり このトリックは不可能。ミスでないのならそのことの説明があるべきであり、それがないのはアンフェア。 作中作は敢えて古い漢字を使っていて読みにくい。一方、現在の部分は軽いのだがやはり読みにくい。 活字は明朝体のようだが、普通と少し違った字体なのも読みにくさの一因か。また、「人口」を「入口」と するなど誤植も目立つ。 古文の持つ重厚かつ深遠な雰囲気、現代文の軽さ、淡い恋心、密室殺人のトリックと、ネタは盛りだ くさんなのだが、一体感がまったくなく上滑りになっている。全体的に面白いかというと、まったくお もしろくなく、読み進むのが苦痛だった。よって☆二つが妥当だろう。 ただ、新興の長編ミステリー賞(特にアガサ賞)などは、本格物から遠ざかっているので、多少なり とも本格物としての体裁を保っている本作は、歓迎すべきかも知れない。 | ||||
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第1回新潮ミステリー大賞受賞作 主人公は荊庭紅(いばらば・こう)という美術の先生を辞めたばかりの若い女性。彼女の祖父の作家 が亡くなり、彼の遺作「サナキの森」の最後のページに、紅宛ての手紙が見つかったことから物語は始 まる。その手紙で祖父は紅に、遠野の小夜告村の神社の龕(がん)の祠にあるはずの、鼈甲の帯留めを 確認して欲しいと頼んでいた。以下、古い文体の「サナキの森」と、紅を中心とした軽い文体の現在が 交互に描かれる。紅は、祖父の要望に応えるため、小夜告村に出向き、事件があったとされる東条家の 娘で美少女中学生の泪子(るいこ)と共に謎解きを始める。 謎の中心は、瞑婚をした娘の家で起きた姑「勢:せい」の密室殺人。トリックは単純だが、これには 明らかなミスがある。ネタバレになるので伏せ字で書くと、Jの形式がAとBで異なるのでないかぎり このトリックは不可能。ミスでなければそのことの説明があるべきであり、それがないのはアンフェア。 作中作は敢えて古い漢字を使っていて読みにくい。一方、現在の部分は軽いのだがやはり読みにくい。 活字は明朝体のようだが、普通と少し違った字体なのも読みにくさの一因か。 古文の持つ重厚かつ深遠な雰囲気、現代文の軽さ、淡い恋心、密室殺人のトリックと、ネタは盛りだ くさんなのだが、一体感がなく上滑りになっている。では全体的に面白いかというとそれもなく、読み 進むのが苦痛なほどだった。よって☆は二つが妥当だろう。 ただ、新興の長編ミステリー賞(特にアガサ賞)などは、本格物から遠ざかっているので、多少なり とも本格物としての体裁を保っている本作は、歓迎すべきかも知れない。 | ||||
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「怪奇テイスト」の文字通り、味付けの比喩にのせて言えば、本書における怪奇は 「スパイス」程度のものかもしれないので、そこに期待を寄せている方は要注意です。 本書は、背に論理の筋がきちんと通ったミステリーです。 そのなかで「サナキの森」という怪奇がどのように作用しているかの問題なのですが、 これが私の予想(勝手な期待?)していた形とは少し違ったものでした。 それも作者の意図だと言うのならば、仕方のないところかもしれませんが。 怪奇モノの一つの様式が、「表向きはいかにも怪奇だが、裏に回れば論理の歯車で動いている」 というものだとすれば、本書は「表向きからして、論理」の事件を扱っています。 だから、そういうステロタイプがお好みの方には口に合わないかもしれません。 そのことの大きな原因は、怪奇譚らしき作中作が、人知を超えた神秘(オカルト)の文脈で 用いられているわけではなく、あくまで「論理の歯車」の一部に組み込まれてしまっている ことかもしれません。「怪奇譚」というより、(謎解きの鍵としての)「作中作」という印象です。 その位置付けの提示が早すぎたことも、読者が神秘に浸る余地を減殺しているように思います。 また、「怪奇譚の舞台である昭和10年代を、語り手の生きる現代から眺める」という構成によっているためか、 全体的に視点が現代的(科学的)に過ぎ、ホラー・オカルト要素を引き立てづらくなっている感もあります。 とはいえ、論理(ミステリー)の部分はきれいに纏まっていますし、現代と過去の繋ぎ方も秀逸です。 ただ、怪奇としては「些か外連味に缺ける」のかもしれません。 | ||||
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