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刑事マルティン・ベック ロセアンナ
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刑事マルティン・ベック ロセアンナの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.23pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 1~20 1/2ページ
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「刑事マルティン・ベック」シリーズ第1作。若い女性の遺体が発見されるが、そもそも被害者の身元すらなかなか判明しない。序破急という感じの物語の展開。最初は遅々として進まない捜査が、次第にスピードを上げていくあたりがスリリングである。 訳者あとがきや解説によれば、本シリーズはチームとしての警察、普通の人間としての刑事を描くとともに、執筆された時期(1960~70年代)のスウェーデン社会を批判的に描いているのだという。訳者の柳澤由実子は、特に女性の描き方について「自立心が強く、正直で、装うことを嫌い、経済的に独立していて、自立と自由を重んじる。性的にも解放されていて、性生活イコール結婚とは考えない」被害者女性ロセアンナと、「子育てから手が離れるようになっても働こうとしない」ベックの妻(固有名詞すら与えられていない)が対比されているとする。その背景には著者の2人が結婚しないペア(当時としては珍しかっただろう)であったこともあろうという。 なるほどそういう読み方もできるのかと思う。そうするとロセアンナ殺しの犯人は、因習的な社会の歪んだ拡大像と言えるのだろうか。 しかしまあ、この時代の人は本当によく煙草を吸っていたんだなと思う。 | ||||
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最後に読み残したマルチンベックでしたが、ようやく読むことができました。おもしろかったです。 | ||||
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レビューが不当に結合されているが、2014年、柳沢由美子=訳(スウェーデン語より)へのレビュー 後半1/3 を一気読みして読了。この取り調べ・尾行・おとり捜査部分はとりわけスリリング。しかし本作を傑作たらしめているのは、ロセアンナの身元がわれ、その足取りが判明するまで。この部分にベック刑事、アールベリら捜査陣の心の動き、刑事を刑事たらしめている契機や過程が大袈裟になることなく誠実・リアルに綴られている気がする。この女性は誰なんだ。そして名前が判明してから彼女という人物像が浮き上がってくる。捜査というものは、犯人を突き止める前に、犠牲者の人物像を知ることなのか、と思う。ロセアンナはどんな女性だったのかと。本作の題名が「ロセアンナ」というのは重要だ。 読みどころを幾つか挙げよう。この身に沁みついた刑事魂ともいうべきものが彼の家族に落とすネガティブな側面。捜査と共にこの家庭生活がうまく挿入され、ベックのプロフィールに深み・奥行きを与えて。そして触れなければならないのはこの本に流れている時間。事件発覚から解決にいたるまで半年。遅々として進まない事件。何も起こらない期間。この「時間」描写がさらに本作に現実味を与える。さらに(これはシリーズを読んでいけばわかることだが)60年代以降のスウェーデン社会の空気。行政、警察改革が描かれ、 また当時「フリーセックス」などと呼ばれた北欧の女性の、そして女性への価値観も匂わせる。そして個人的に面白かったのが、地図、ストリートビュー、写真などを使いなが読むこと。ここがロセアンナと「彼」が下ったイェータ運河か、とかここがベックらが車を飛ばした街道なのか、ここが犯人の勤めていた界隈かとか、非情に面白く読み進めることが出来た。「ミレニアム」シリーズ(「映画「ドラゴン・タトゥーの女」なども」、北欧ミステリの原型がここにある。寒々と自然豊かな、しかし他の国と同様に諸問題を抱えた国。映画「ドラゴン・タトゥーの女」はこの国の女性の立ち位置を改めて示し、その「復讐」ともいうべきものを中心に置いていた。北欧ミステリの嚆矢とも呼ぶべき「ロセアンナ」はすでにこの点を鋭く提示していたと言えよう。 肉厚の筆致と空気、そして人々と社会の息遣い。謎解きがとか、伏線がとか、ひねりが、オチがとか、犯人の異常性とか・・そんなものミステリにおいても、小説の出来に関係ない。 なおこの「マルティン・ベック」シリーズは75年に角川文庫より高見浩による英語からの訳本が全10作刊行され、2014年には「ミレニアム」人気からか、原著からの訳による柳沢由美子の翻訳が5作品同じく角川文庫より刊行された。しかし6作品目以降の出版の予定はきかない。この「ロセアンナ」はごく一部に名前の誤訳があるがとても読みやすい。スウェーデンとストックホルムにいってみたくなる。 本シリーズはそれぞれ別の事件であり、単体で読むことができるが、ベックと家族、同僚刑事ら、そしてスウェーデンを描く10作の連作とみることもできる。読むのであれば「ロセアンナ」からが望ましい。 Roseanna(65年)。 自身のレビューを他サイトと共有しています。 | ||||
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40年ほど前、マルチン・ベックシリーズに夢中になった。たまたま新訳が出たということを知り『笑う警官』とともに購入。しかし読んでみて二作品とも何か違うのだ。古本で若い頃夢中になった高見訳を購入して読み比べてみた。結論は「まあ、読み手の好みの問題でしょうが」でお茶を濁します。ただ、警察ものの訳者が銃器に無知というのは致命傷では。 | ||||
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主人公ベックはコーヒーを飲んだら胃が痛くなる胃弱に、地下鉄の中や煙草の煙の中にいると息苦しくなったりと虚弱のうえに腕っ節も頼りなく頭が切れるようにも読めないし夫婦関係は末期的。これで事件を解決しよってんだから大変です。これは忍耐と我慢の男マルティン・ベックの物語でした。 | ||||
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マルティン・ベックのシリーズを超える警察小説は読んだ事がありません。 30年以上前に読んで以降、自宅療養の際に読む事が複数回ありました。 これをKindleで読めるのは幸せでした。 角川書店の版権の購入額は驚愕だと思います。 | ||||
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携帯電話もない。デジカメがなく、8ミリを巻き戻さず何度も見る。 だけれども、全く現代性を失っていない。 楽しかった。 | ||||
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身元不明の女性死体をめぐり、徐々に犯人を特定する物語。確かに捜査の難しさと、その延々とした経緯は良く書けているが、少し都合良すぎるかな? | ||||
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高見浩氏の翻訳のマルティン・ベック・シリーズは、『バルコニーの男』 を始めとして1970年代に全10作品が刊行されていたことを評者も知っていた。 が、なんとなく北欧ものを読む気にならなかったので読む機会を失したままでいた。 10年ほど前になんとなく北欧ものに興味が向かったのはヘニング・マンケルの作品であった。 本書の巻末でヘニング・マンケルが「献辞」を書いていたので興味深く読んでしまったのです。 ヘニング・マンケルを何作か読み、最近、ユッシ・エーズラ・オールスンの「特捜部Qシリーズ」が本当に面白かったので翻訳版の全作品を読み終え、この二人の作家に影響を与えたスウェーデンのマイ・シューヴァルとペール・ヴァールーの警察小説「マルティン・ベック シリーズ」は、やはり読まなければならないと思い、遅まきながら第1作の『ロセアンナ』(柳沢由実子訳)から読むことにした。 物語は、今から55年前の1964年7月8日、スエーデンのボーレンスフルト閘門で作業中の浚渫船が全裸の女性死体を見つけるところから始まる。 スエーデン警察本庁刑事殺人課犯罪捜査官マルティン・ベックは、部下のレナート・コルべリとフレデリック・メランダーの3人で死体の見つかったモーラータ警察の応援捜査に行くことになる。 マイ・シューヴァルとペール・ヴァールーのコンビで創作されたこの警察小説は、日本では東京オリンピックを開催している同じ年の小説だと思うと、作者二人のプロット構成や登場する人物描写などの緻密さで、この物語が斬新な作品に仕上がっていることがよく判る。 古臭い殺人事件捜査の物語などととは少しも感じることなく、一気に読み進むことを強いられてしまうような優れた警察小説でした。 ’70年代に、高見浩氏訳で全作品翻訳出版されているから、とりあえず『笑う警官』(高見浩氏訳)を、Amazonで注文しました。 このシリーズの何作かを必ず読もうと思いながら本書『ロセアンナ』を、期待しなかっただけに本当に面白く読み終えたのです。 | ||||
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若い時に何度も読み返しました。 誤って捨ててしまい、後悔の涙を流したものです。 電子書籍は邪魔にならず、物を増やしたくない私にとってありがたい存在です。 | ||||
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親翻訳を続けて読みたいと思う。この本に限らず余暇読書をしている。現実生活環境と違い環境を体験したく、なるべく外国作品を読む。作品内に出てくる場所へ行ってみるべくGoogle map を利用して其処へ飛ぶ。 国内、国外・名作、駄作の作品内容にについて評価をしょうとは思わない。自分にあっているかどうかだけ。 | ||||
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2018年、俺が好きな(高村薫)が毎日新聞に今書いてる(我らが少女A)と同じくらい。 | ||||
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確かにおもしろいけど、今時この手の刑事ものはありふれている。 「笑う警官」は読もうかどうしようか迷う。 | ||||
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ハードボイルドな文体の中に浮かび上がる刑事たちの執念。 後のシリーズに登場する人物たちのキャラクターが静かに描かれながら物語は進行し、最後にはスピード感溢れる展開も用意されている。 | ||||
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有名な「笑う警官」を読みたかったのですが、他のレビュアーさんの推奨を 見て先ずは本作を読んでみました。 50年以上も前の作品なのですね。でも、違和感なく楽しめました。 しかしながら解説にあったようにベトナム、ウーマンリブ、性の解放といった キーワードや時代背景を意識すべき作品なのですかね・・・ まだ一作しか読んでいませんので何とも言えませんし、そこまで単純な表現は なかったと思いますが、もし、性に奔放なロセアンナ=英雄、それに嫌悪感を 持つ犯人=異常といった思想がシリーズで展開されるなら、やはり時代を感じて しまうかもしれません。 ともかく、これでいよいよ「笑う警官」に突入です! (第2、3作はスキップですが・・・) | ||||
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少しづつ犯人に迫って行く、後半がスリリングでした。クセのある刑事の性格描写も楽しめました。 | ||||
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スウェーデンの川で身元不明の女性の死体があがり・・・というお話。 昔の訳で以前、シリーズ全てを通読した記憶がありますが、その頃と比べても遜色のない面白さで、逆にその新しさに驚きました。このシリーズは第一作の時点でほぼ完成されていたのですね。 犯罪の動機がイマイチ判りにくいという意見がありますが、評論家の人のよると、スウェーデンが性に関して開放的なお国柄で、そこに性に対して開放的な女性が来て、犯罪に巻き込まれるというのがキモだそうです。書かれた時代が世界的に性的に開放され始めた時期だったので、そういう社会事情が反映されているのかも。 献辞で故・ヘニング・マンケル氏が色々書いてらっしゃいますが、やはりマンケル氏も影響をうけていたのですね。というか、スウェーデンはもとより全世界で警察小説を書いているひとで、このシリーズに影響を受けていない人を探す方が難しいかも。 今回の新訳は上述のマンケル氏のクルト・ヴァランダーシリーズを手掛けた柳沢さんなのが嬉しいです。頑張って全作翻訳してほしいです。 ☆の数は5つでもよかったのですが、そうすると最高傑作の「笑う警官」が星の数が足りなくなるので、一応こうしておきました。すいません。 偉大なるシリーズ第一作。機会があったら是非。 | ||||
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これは新訳で新たに刊行された角川文庫です。商品にも包装にも満足しています。 実は高見浩訳の旧刊は全10冊すべて持っているのですが,読み直そうとしたら活字が小さくて読むのに苦労しました。新訳版は活字がやや大きいのでAMAZONで『笑う警官』『煙に消えた男』と共に計3冊購入した次第です。しかし全10冊のうち残り7冊が購入した3冊と同様に活字が大きめなのかどうか分からず悩んでいます。この点について情報があれば教えてください。 | ||||
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本屋で綺麗な表紙を見かけて、最近のものだと思って買いました。50年近くも前に書かれたものだとは・・・。 実際読んでみても、文章はスッキリしているし、人物描写などはあまり古い感じがしませんでした。 容疑者の尾行や尋問のシーンでは、読者は刑事とともに「シロ!」と「クロ!」の間を何度も揺れ動くことになりますが、それが非常にリアルで引きこまれました。 サイコキラーと女性虐待は現代北欧ミステリの必須要素のような感じになってる気がしますが本書にもちゃんとそういう要素があって、昔から北欧はこうだったのか、それともこの人達が先駆者だったのか、気になるところではあります。 | ||||
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かのマルティン・ベックシリーズの記念すべき第一作目です。 「推理小説で社会の雰囲気を掬い取る。」「最低限の描写で臨場感を持たせる。」 この二つの手法が成功しているからこそ、本シリーズは現在でも名作足りえているのではないでしょうか。 本書では身元不明の全裸女性の死体発見から事件解決までが三部構成でつづられています。 被害者の身元捜査と一言で言っても、名前はどうにか分かっても、その人物像、目撃者の証言集めは スムーズにはいきません。ともすれば中だるみしがちな話の進み具合ですが、筆者の力量のおかげで全くそんなことはなく、 読者は先へ先へと気が急いて仕方なくなります。 ベックをはじめとする刑事たちの人となりをうかがわせる描写は、最小限にとどめられています。 推理小説での家族の描写等は本筋から脱線するようで好きではないのですが、本書では全編を貫く荒涼感は全く損われません。 容疑者への張り込みから犯人逮捕までにみなぎる緊張感。まさに手に汗握りました。 また最後の取り調べのシーンで、犯人から犯行動機の自白を引き出すやり取りは見事の一言でした。 最後に一つ。このシリーズの四作目であり、名作の誉れ高い『笑う警官』の前に本書を読むことを強くお勧めします。 より味わい深い読書になるものと思います。 私は残念ながら逆の順番で読みましたが、『笑う警官』を思い出すと胸が詰まります。 | ||||
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